ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 不在の国のアリス
- 日時: 2011/07/03 18:25
- 名前: ☆猫を愛で隊☆ (ID: 4/G.K5v4)
アリス…−アリス…−記憶をたどって…−
誰かが誰かを呼ぶ声がする…
誰を呼んでいるの?なんでそんな悲しい目で…−
…私を見るの?
ワタシ アリスジャ ナイ
シラナイヨ… アリスナンテ
シラナイ シラナイ…
- Re: 不在の国のアリス ( No.13 )
- 日時: 2011/06/11 16:12
- 名前: ☆猫を愛で隊☆ (ID: 4/G.K5v4)
10話『姿ない声』
暗闇の先にあったのは、とても広いホールだった
ホテルのレストランぐらいの広さかな
私は、広いホールを見渡した
照明器具は、ロウソクがたった2本だけ
(ほとんど役に立っていない)
まぁ、真っ暗よりマシか
後は、真ん中に小さいテーブルがちょこんとあるだけで
ほかに家具らしきものは、見当たらない
「変な所…」
でも、なんか懐かしい感じがする
一瞬思い出そうとしたけれど
また頭痛がくるのは、嫌なのでやめた
「…ヵ…」
「え?」
突然誰かの声がした
気のせいかもしれないと思い耳をすませてみた
「…ヵ…ッ…」
やっぱり何か聞こえる
私は、声の主を探した
どうやら真ん中にあったテーブルからしてるらしい
でもどこから…?
「…か…鍵…」
さっきよりもはっきり聞こえる
まさかこのテーブルが喋ってる…の?
……まさかね
- Re: 不在の国のアリス ( No.14 )
- 日時: 2011/06/11 16:40
- 名前: ☆猫を愛で隊☆ (ID: 4/G.K5v4)
11話『不見』
「…鍵…か…ぎ…」
さっきから鍵しか言ってない…
鍵が欲しいの…?
でもこの部屋には、ドアなんてないし
…え?ド…ア…がない
暗い部屋に通じるドアがない!?
消えたの!?私このままじゃ出られないじゃない!
「…鍵…」
また声がする
私は、とりあえず落ち着いて
「…鍵が欲しいの?」
と言った
すると私の声に反応したのか
さっきまでボソボソと聞こえていた声が
どんどん大きくなる
「…鍵…鍵!…鍵!!…鍵…?鍵!鍵!!!!!」
「えっと…鍵があったらここから出られる…?」
私は、見えない相手に話しかける
「鍵!鍵!鍵!鍵!」
だめだ、完全に興奮状態みたい
「鍵!!鍵!!!鍵!!!!」
「〜っ!!もーっ!!!うるさいっ!!」
あまりのうるささに思わず怒鳴る私
それと同時にさっきまでの声は静まり返り
今度は落ちついた声が聞こえてくる
「…いきなり大きな声を、出すなんて落ちつきのない娘だね」
この声は、おそらく男の人(?)だろう
「だ…だってあなたが鍵鍵うるさいから…ってあの…
失礼ですがあなたはどこにいるんですか?」
「…?何を言ってるんだ、おかしな事を聞くな君は
私は、ここにいるではないか?」
「ここって…まさかこのテーブル?」
「…!?くっ…ははははっ私がこんなおちこぼれの机なわけ
ないだろう!ホントに面白い娘だ。」
思いっきり笑われちゃったし…
っていうか落ちこぼれの机って…
けっこう奇麗だと思うんだけどなぁ
高そうだし…どうでもいいか
- Re: 不在の国のアリス ( No.15 )
- 日時: 2011/06/11 16:57
- 名前: ☆猫を愛で隊☆ (ID: 4/G.K5v4)
12話『ダンボール・ブリッジ』
「あの…じゃああなたはどこにいるんですか?」
私は、おずおずと尋ねる
「だから、ここにいると言っているのに
ほら、君の前、上、後ろ、下 ほかに言い忘れは、ないな うん」
何一人でブツブツ言ってるんだろう?
「あ!もしかしてロウソク?」
「…ぶ…くくくくく…ロ…ロウソク…くっ…ははははっ」
「え…?違った?」
「私が、召使なわけないだろう!ハハハっ」
「め…召使?」
もうついていけないし…
「君の目は、節穴か?私は、ここにいると言っているのに」
机でもないし、ロウソクでもないとすると…
…まさかこの部屋…とか?
「えっと…へ…や…?」
「部屋?当たってないと言えば嘘になるが、そんな下品な言い方は
やめてほしい」
「え、じゃあ部屋なの!?」
まさかの声の主は、この部屋自身という事が発覚
「だから部屋は、やめろ!私の名前は、【ダンワ—ル・ブラッジ】だ」
「だ…ダンボール・ブリッジ?」
「なっ!?部屋よりランクダウンしてるではないか!
【ダンワ—ル・ブラッジ】だ!とく覚えとけ、小娘!」
「…で、何の話だったけ?」
「知らぬわ!!」
- Re: 不在の国のアリス ( No.16 )
- 日時: 2011/06/11 17:21
- 名前: ☆猫を愛で隊☆ (ID: 4/G.K5v4)
13話『鍵』
「あっ、思い出した 鍵!!」
「!!!鍵の事を何か知ってるのか!!!」
「え…あの、何も知らないんですけど…
あなたがさっきずっと鍵鍵って叫んでたじゃないですか
どうしたんですか?」
「なんだ、なにも知らないのか…どうしたもこうしたもない
私は、命より大事…かもしれない鍵を落としてしまったんだ!」
…部屋が鍵を落としたなんて聞いた事ないよ
「鍵って…なんの鍵ですか?」
「何の鍵って、そりゃ【お菓子屋】に繋がってる鍵に
決まってるじゃないか!」
「お…お菓子屋?」
「あぁぁぁぁっ!!どうしよう!あの鍵がないと!
どうしよう!どうしよう!鍵がないと!!」
「ちょっ、落ち着いてください!」
「落ち着けるか、こんな状況で!!鍵がないんだぞ!
あぁぁあぁ落とした!どこに!?そんなの知ってたらとっくに
ひろっとるわ!!」
「…何一人ツッコミしてるんですか…」
- Re: 不在の国のアリス ( No.17 )
- 日時: 2011/06/11 18:12
- 名前: ☆猫を愛で隊☆ (ID: 4/G.K5v4)
14話『鍵がないと』
「鍵がないとお菓子屋に行けない!
もしこのまま見つかなければ…
うぁぁぁぁぁっどうしよう!!!
もうすぐ時間なのに、あぁぁぁぁ…ぅう…」
「い…いつ落したんですか?」
「あ?ん…そうだな…あれは、確か…
145年前だ」
「…はい?」
今…14…5年前って言った?
ははっ、聞き違いだよ、うん
「だから145年前だ」
「…え…えぇぇぇぇぇっ!?」
「うるさいなぁ、そんな騒ぐ暇があったら
鍵を探してくれよ、まったく…ブツブツ」
145年前って!?この人どんだけ生きっ…って部屋なんだった
どおりでじゅうたんとかけっこうボロボロなわけだ
「で…どんな鍵ですか?」
「だからお菓子屋に行ける鍵だと言ってるだろぅ!」
「いや、そういう意味じゃなく…鍵の形…」
「鍵の形?そんなのあるわけないだろうが!」
さっきからキレてばっかだな、そんなに大事な鍵なのかな
あ…もしかして鍵が見つかったら私も外に出られるかな?
ずっとこんな部屋にいるわけには、いかないもんね
「でも…この部屋には、小さいテーブルとロウソクしか…」
「部屋って言うな!!【ダンワ—ル・ブラッジ】だ!!」
「はいはい、で どこにも落ちてないじゃん」
「って事は、ロウソクかテーブルの誰かが持ってるのだろう」
「…はい?(2回目)」
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