ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 不在の国のアリス
- 日時: 2011/07/03 18:25
- 名前: ☆猫を愛で隊☆ (ID: 4/G.K5v4)
アリス…−アリス…−記憶をたどって…−
誰かが誰かを呼ぶ声がする…
誰を呼んでいるの?なんでそんな悲しい目で…−
…私を見るの?
ワタシ アリスジャ ナイ
シラナイヨ… アリスナンテ
シラナイ シラナイ…
- Re: 不在の国のアリス ( No.3 )
- 日時: 2011/06/08 17:30
- 名前: ☆猫を愛で隊☆ (ID: yAL.k7HO)
3話『一人』
家路につき、私は勢いよくドアを開けた
「お父さん!!」
家は、静まり返っていた
いつもは、大きい声で
[おうっおかえり!]
といって迎えてくれたお父さんの姿が見えない
もしかしてお父さんもいなくなっちゃったの?
「…あれ?」
玄関には、お父さんの靴があった
って事は、お父さん家にいる?出かけてない?
もしかして、寝てるのかな?
私は、寝室に向かった
お父さんがいくら熟睡していても
私の声を聞けばすぐに起きあがってくるという事を
すっかり忘れて寝室に向かった
「…お父さーん?寝てるの?」
コンコンとドアをたたいてみる
「…お父さん…?開けるよー」
寝室に入った
大体想像はできていた
お父さんはどうせいないって…
それでもいると信じ
お父さんの姿を探した
でも…いなかった
どこにも…どこにも…
「お父さ…」
思わず涙が出た
本当に…本当にこの世には、私しかいないの?
子供のように泣きじゃくった私の後ろで声がした
「…………アリス」
- Re: 不在の国のアリス ( No.4 )
- 日時: 2011/06/09 15:18
- 名前: ☆猫を愛で隊☆ (ID: yAL.k7HO)
4話『背後の猫』
「…ぇ?」
最初私は、お父さんの声だと思った
混乱していたんだろう
でもよく考えれば違う人の声だ
まったく知らない…あれ?
この声私知ってる…思い出そうとすると
ひどい頭痛に襲われた
「痛っ!?」
私は、思わず頭を抱える
「アリス、どうしたんだぃ?」
のんびりとした声が背後から
聞こえる
私は、恐る恐る後ろを振り返った
「…だ…れ…?」
猫耳のついたパーカーの男が立っていた
大学生…ぐらいかな?
「あの…誰…ですか?」
「チェシャ猫だよ、忘れたのかぃ?」
「チ…チェシャ猫?」
私は、口をぽかんと開けた
とりあえず、人はいたみたいで安心したけど
チェシャ猫って…誰、っていうか
なんでこの人勝手に家に…
「アリス」
「はっ、はい!?」
いろいろ考えていてボーっとしていたので
いきなり呼ばれてびっくりする
「キオク…シロウサギを追いかけよう」
「は…はぁ?」
- Re: 不在の国のアリス ( No.5 )
- 日時: 2011/06/08 17:46
- 名前: ☆猫を愛で隊☆ (ID: AyMnBqmb)
5話『シロウサギ』
「あの…シロウサギって?」
もうさっきから訳わかんない
誰なの、シロウサギとか意味わかんないよ
「シロウサギにキオクを…」
そこまでチェシャ猫は、言って口を閉ざした
「ぺ…ペットを探しているの?」
「ペットじゃないよ、シロウサギだよ」
「…」
野良ウサギとか?っていうかなんで
私が人様のペット(野良ウサギ?)を
探さなきゃいけないの
「シロウサギを探してほしいんだね?
じゃあ警察に…」
「僕が探すんじゃないよ、アリスが探すんだよ」
「はぁ!?ってかなんで私の名前知っているんですか?
あなたは私と何の関係があるんですか?」
「…?」
チェシャ猫は、私の言っている意味がよくわからないみたいに
首を傾けた
「とっとにかく帰って!かえっ…」
そこで私は黙っってしまった
帰る?この人が帰ったら、また私は
ひとりぼっちに?
「カエル?ドコニ?」
チェシャ猫はまた首を傾ける
「やっ、あの…帰らなくていいです!」
「じゃあ、シロウサギを追いかけよう」
「…」
- Re: 不在の国のアリス ( No.6 )
- 日時: 2011/06/09 16:24
- 名前: ☆猫を愛で隊☆ (ID: yAL.k7HO)
6話『誘導者』
駄目だ、この人と喋っていると疲れる…
「アリス?」
チェシャ猫が私の顔を覗き込む
ん?…口が妙に裂けているような…
気のせいだよね、…やけにこの人ケモノくさいな…
ウサギの臭いかな?
「あの…なんで人いないんですか?どこにも…」
「さぁ?」
「…」
「シロウサギなんか探してどうするんですか」
「キオク」
「記憶?」
この人と喋るのホント疲れる…
とりあえずする事ないし…人とついでに
シロウサギ探すって事にしますか…
「わかった…じゃあシロウサギ探そっか」
「アリスが、そう望むなら」
自分で頼んだくせに
なんか私が探そうって言い出したみたいな
言い方だなぁ…まぁいいけど
「アリス、穴」
そう言ってチェシャ猫はベットの横を指した
「あ…れ!?こんなところに穴が開いちゃってる!
もしかしてお父さんが?」
そこには大人2人分ぐらいある穴があった
「アリス、この穴はねどこにでもつながっているんだよ」
「はぁ?」
また変なことを言い出した…
- Re: 不在の国のアリス ( No.7 )
- 日時: 2011/06/09 16:40
- 名前: ☆猫を愛で隊☆ (ID: yAL.k7HO)
7話『底見れぬ穴』
「…?この穴おかしい…」
どこがおかしいのかって穴の下は、
コンクリのはずだと思ったんだけど…
覗いてみればかなり深いと思える…
「…この下に何があるのかな…」
独り言のつもりだったが
チェシャ猫が口を開いた
「どこにでもつながってるよ、穴だからね」
「…どこにでもって…それは、ないと思うけど…」
「つながってるよ」
「…」
「シロウサギもきっとこの下にいるよ」
「…なんでわかるの」
「わかるよ、だって前だってこの穴に…」
それだけ言ってチェシャ猫は、口を閉ざした
「でも、もしシロウサギがこの穴にいたとしてもどうやって降りるの!」
「さぁ?」
「…」
そうだ、倉庫に確かはしご?みたいなのがあったはず
それで降りられるんじゃないかな
あんまり深すぎると降りれないけど
「はしごとってくる!」
倉庫に向かおうとした私の腕をチェシャ猫がつかむ
「その必要は、ないよ」
「…え?」
そういった瞬間チェシャ猫は、
いきなり私の背中を押した
「きっ…きゃぁぁぁぁぁぁっ!」
そのまま私は、穴の中に真っ逆さま
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