ダーク・ファンタジー小説
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- 少女Sは人殺し 【私は貴方が怖い】
- 日時: 2013/05/10 21:34
- 名前: Aira+ (ID: H6B.1Ttr)
序章
私は人を殺してしまいました。
え?一体誰を?そもそもお前は誰だって?
まぁまぁ、そんなに焦らずに。少しだけ聞いていってください
なぁに、たいしたお話ではありません。ただ最後に「人」に話を聞いて欲しいだけです。
とりあえず、自己紹介といきましょうか…
私の名前は阪元笹音。現在は大学生です。でも、事件が起こったのは高校時代。
平均的な女子で、容姿も普通で性格も頭のできも運動神経も全部平均的。ある意味私は手のかからない生徒でした。
高校生の時、特にこれといった事件もなにもなかったのですが、同じクラスの男の子が屋上から「飛び降り自殺」をしてしまったのです。
そこからでした。
今まで過ごしてきた、なんの変わりもなかった「空気」が
いっきに 変わってしまったのは。
- Re: 少女Sは人殺し 【信じてた。その瞬間まで】 ( No.14 )
- 日時: 2013/05/03 17:27
- 名前: 快里 翔 ◆z2n6qjoacI (ID: KDl0fyQj)
いいねぇ〜気に入った。
- Re: 少女Sは人殺し 【信じてた。その瞬間まで】 ( No.15 )
- 日時: 2013/05/03 18:56
- 名前: Aira+ (ID: H6B.1Ttr)
翌日、私のクラス「だけ」何故か一週間、外出禁止になりました。
私は、もしそれほどの理由があったとしても、外出禁止になんてしなかったほうが良いと思います。
そんなの自分たちから「大きな問題があります」といっているようなものです。これを私達生徒はどう受け取るか…警察や教師たちはどんな考えを持っていたか… 今でも問いただしてみたいですね…本当に。
ともあれ… これはたんなる自殺ではないようなのです。
一体何? フフ…貴方も、もう答えが出ているのではありませんか?
そうですね…これは確かに意図的に行われた…
殺人です。
ピンポーン
あら…お客さんですかね…?
!
久しぶり。菊野
あと少しだけ…待ってくれない? え? 話したいことがあるって?
私もまだだけど… いいよ。
「ありがとう」
特に親しいわけでもなかったの。話しても何も数えられてしまうほど少なかった。のに、あの日の放課後、私はあの人の相談に乗ってた。
何でかは解らない。けど、これは貴方、笹音も知らないよ。だから一緒に聞いて… これを聞いた後、聞いた前とは全くの
別物になってしまうから。
- Re: 少女Sは人殺し 【信じてた。その瞬間まで】 ( No.16 )
- 日時: 2013/05/04 14:27
- 名前: Aira+ (ID: H6B.1Ttr)
7月4日、
放課後、私は背後に声を掛けられて反射的に振り返ったの。そこには何か切羽詰った表情の青山直哉君が、腕を組みながら何かを言いたそうに唇を噛んでいた姿だった。
正直あまり印象の良くない彼に私はちょっと引け目を感じながら「何?」っと返してみたんだ。すると彼、直哉君は目を伏せながら「相談に乗ってくれないか」と切り出してきた。勿論。私は呆然としてしまった。 いつも一緒の神藤君は?茜ちゃんは?と脳に浮かび上がったがどこか元気なく、ソワソワしている直哉君に「ごめん」といえなかった。
「いいよ」そういえば、大人っぽい顔立ちに少し幼さを出すような安堵したような微笑に変わった。
そのまま二人で駅前のハンバーガーショップ…はやめて喫茶店に行ったの。直哉君はここの常連らしく、店員と愛想良くなにか話してから、なれたようにズンズンと店奥のテーブルに座る。私も向かいに座った。そして女性の店員は冷や水を二つ置いて、注文をとる。私は確か… アイスココアにして直哉君はアイスコーヒーだった気がする。
直哉君はのどが渇いていたのか、冷や水を一口含んで真剣な眼差しを私に向けた。
直哉君が口を開く前に私が口を開いた
「何で私に?」
すると直哉君はそれから私と目を合わさなくなった。
- Re: 少女Sは人殺し 【信じてた。その瞬間まで】 ( No.17 )
- 日時: 2013/05/05 18:29
- 名前: Aira+ (ID: H6B.1Ttr)
「… ううん。いいよ、なんでも。それで相談って何かな?」
私は優しくできるだけ笑顔で聞く。まるで迷子の子に尋ねるみたいに
落ち着かせるようにね
「神藤と茜の事…なんだ」
どこか心の中で「やっぱり」と納得するものがあった。もしくはバンドの事… まぁそのバンドだったら茜ちゃんか神藤君に相談してるよね。
でも私は茜ちゃん神藤君とは直哉君と同じくらいしゃべった事ないはず。ちゃんと相談に乗れるかとすこしドキドキした
「…茜が孤児って知ってるか?」
「え… 知らない」
突然のカミングアウトに手に持っていたガラスのコップを落としそうになった。
でもそれと同じように直哉君も目をまんまるにさせて驚いたような表情を見せていた。
「意外… 全員知ってるかと思った」
「たぶん、全員知らないと思うよ」
「へぇ…まぁアレ、あいつ… 阪元は少なくとも知ってると思う」
「… 何で笹音?」
笹音とは親友だけどこの二人の接点がまるで思いつかない。
「勘」
短く答える直哉君に、私はそれ以上何も言わなかった。
「それで… ?」
その後、私はとんでもない事を聞いてしまった。知らなければ、『あんな事』にはならなかったのかもしれないね?
笹音
- Re: 少女Sは人殺し 【爆弾抱えて笑うしかなかった...。】 ( No.18 )
- 日時: 2013/05/07 19:58
- 名前: Aira+ (ID: H6B.1Ttr)
「うちの学校には、殺人鬼がいるらしいんだ」
「さ、殺人鬼ぃ?」
思わずマヌケな声をだして、信じられないようなそんな表情を露骨に表したら、直哉君は苦笑いを浮かべた。きっと自分も私のような反応をしたんだろうと思う。
でもこのとき何故かクラス全員の顔がうかんで、背中に何かすさまじい速さで通ったような感覚になった。
「うん。 『少女S』 が」
「少女S…何それ…とゆーか女なの?」
すると直哉君は首を横に静かにふった。
「女じゃないかもしれない。…むしろ『男』に近いような存在」
頭に「?」がいくつも敷き詰められて、馬鹿な私にとって理解不能な事だったんだよね。賢い笹音だったら、何を思うんだろうな。フっとそう思ったんだよ?私、本当に笹音のこと尊敬してたんだからね…って 話がそれたか。
「そ、それが茜ちゃんと神藤君と関係あるの?」
「あいつらこのことを誰よりも知っている… 俺の勘違いであってほしい けど」
「あの二人が少女Sなような気がするんだ」
丁度その時、カランっという音を立てて、ドリンクは到着した。