ダーク・ファンタジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
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●凛花と恐怖のゲーム。 ●完結!!!!
日時: 2015/12/31 20:32
名前: みーこ (ID: EWbtro/l)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2a/index.cgi?mode=view&no=3816

↑URLは、番外編です。
翠と、紅の過去のお話。最後は飛ばして、無理やり完結です。


★この小説をクリックしていただき、誠にありがとうございます。
★文才0の小説ですが、閲覧していただけると有難いです。
【あらすじ】
▲世界中を回る、支配人はついに日本へと降り立った。そして、標的となったのは凛花達の住む町、風ヶ丘。平凡な街だったが、次第に破壊されていく。しかし、その町の市民全員が参加するわけではない.『選ばれしもの』だけが、ゲームを行うことを許された。

■中藤凛花-ナカトウリンカ-「独りぼっちの人間なんていないよ?」(NO,148より)
平成15年3月15日生/12歳。/O型、魚座。
性格 :心配性だが、強気。口が悪く、思ったことははっきり言う。
身長 :152cm(ゲーム開始時)
体重 :36・4Kg(ゲーム開始時)
容姿:黒髪、セミロング
学年 :風ヶ丘小学校6年A組
種族:人間

■田村颯斗-タムラハヤト-「傷口なんか、もう痛くねぇ。」(NO.181より)

平成14年5月5日生/12歳。/A型。オウシ座。
住所:風ヶ丘3丁目4-15
性格:自由人。見た目とは裏腹に器用。
身長:158cm(ゲーム開始時)
体重:37.7kg(ゲーム開始時)
容姿:茶髪、短髪
学年:風ヶ丘小学校6年A組
関係:幼馴染
種族:狼/人間



『Escape until you die 』ーーーー死ぬまで逃げろ



prologueーープロローグーー


ついに、扉を開けてしまいましたね





もう、後戻りはできません











この、つまらない世界から出よう______










毎日、勉強や仕事に追われる世界からでようーーーーねぇ、疲れてるでしょ?









毎日、マニュアル通りに進んでいくような人生







そんな人生どう思う?











なら、いっその事この世界に来て、人生を終わらせよう。end!











どう?楽しそうでしょ?








自分で人生を切り開く









敷かれたレールの上は、もう歩かない













そして、










たくさんの仲間が待ってるから











気になるなら、この扉を開いて。knock! knock!ノックを忘れずに












きっと、『新しい世界』が待ってるから。new worldOpen













______________________________まだ、誰も見たことのない・・・



………………………………………………………………………………………………
【ruleーーールール】
●1ヶ月間ゲームをします。
●ゲームの内容は、皆さんは、鬼から逃げます。
●鬼に捕まると、檻の中に入れられ、仲間が助けに来るまで出れません。
●また、鬼に食われる可能性もあります。
(そのような事のないよう、こちら側も餌を与えるなどの対応をしておきます。)
★1ヶ月逃げ切れば、望みをなんでも叶えます。
………………………………………………………………………………………………
【guest】
●ちほりん様【森山ミミ】__(1番乗りキャラをありがとう!ずっと大好きだよ〜)

●雲雀 様【市村紅】______(紅、ありがとうござます。イメ画、待っております)

●雪花菜様【ユズリ】__(白血病は、私もあまり理解してないんだよね…)

●yukihiro様 【トウジ&セイ】______________(また、小説見に行きます)

●riyal様_____________ (文才ないよぉ〜見てくれてありがとう!)

●ENA様____________(名前見つけてクリック・・・嬉しいです!)

●リオキチ様___________________ (また、学校で話そー!!)

●文月様【音方文】____ (初めまして。閲覧ありがとうございました。)

●蘭子様 __________(お越しいただきありがとうございました!)

●詩歌様___(応援、ありがとうございます。凛花と生年月日一緒・・・驚き!)

●桜蝶様___(コメントありがとうございます!マジ感謝!×100000000)

●ばなな様__(素敵な文章を書かれる方です。コメントありがとうございました。)
●ペンちゃん様_______(コメントありがとうございます。アリスさんも、ありがとうございます。)

●じゅき様____(私なんかで、よかったのかな?『母さんが出て行った日。』の作者の方です。)

●アリス様[麻央]_____(コメントありがとうございます!また、見に行きます!)

●NIKO様_____(来てくれてありがとう☆いつもお世話になってます)

● 緋狼様_____(また、見に行かせていただきます。コメント、ありがとうございました。参照がヤバい事になっている小説の作者さんです。)

●裏の傍観者様___(自衛隊の、小説を書かれている方です。細かい、キャラ設定が凄過ぎて……憧れます。コメント、ありがとうございました)

●いろはうた様__(私の、尊敬している方です。コメント、頂いたときは、涙で海が、出来そうでした。一言で言うと、神!です。)

●ライド様【来夏&冬華】______(見てくれて、ありがとう)

●燐想様【蛇月】______(オリキャラありがとウ)

●王様 様_____(コメント有難うございました。貴方様の文才に憧れております。参照はこんな駄作を読んでくださった皆様のお陰です)

●とりけらとぷす様____(閲覧、有難うございました。嬉しかったです。これからも、宜しくお願い致します。)

●てるてる522様____(来てくれてありがとう☆てるてるずっと友達〜)

●千紫万紅様___(コメント&閲覧ありがとうございました。)

●RINBYO様__(コメント、ありがとうございます!RINBYO様の小説お気に入りです!)

●黒hana様___(コメントありがとうございました。長い長い、お話を読んでくださりありがとうございますm(_ _)m

●ますらお様___(感想、ありがとうがとうございます!m(_ _)m)

●天蜜様__(温かいお言葉有難うございました。励みになります)

●ことり様__(ことりさんの励ましのお蔭で、立ち直ることが出来ました。感謝しています)

《Contents》ー目次ー
●1章 【ゲームとの出会い】
>>0 >>1 >>4>>6 >>8>>9

●2章 【ゲームの恐ろしさ】
>>11 >>13 >>16>>18>>20

●3章【仲間】
>>21 >>24 >>26 >>27>>28>>32>>34
>>51>>52>>53>>56>>57>>60>>62
>>68>>84>>89

●4章 【大変な事に!!】
>>94>>95>>96>>97>>99>>101>>102>>103 >>104
>>105>>106

●5章【大変な事に2】
>>107>>108>>109>>111>>112>>113>>114>>115
>>117 >>118>>119>>121

●6章【変わるゲーム】
>>123>>124>>125>>126>>127>>128>>130>>131
>>132>>133>>136

●7章【死】
>>137>>139>>145>>148>>150>>151>>156>>181
>>184>>185>>186

●8章【生きる】※更新再開までお待ちください
>>187>>188

【地獄編】
>>189>>190>>191>>192>>193>>194

【新たな敵編】↓長編注意
>>195>>196>>197>>198>>199>>202【この章についてー読者の皆様へ】
>>203>>204>>205>>206>>207>>208この章では、ボスを倒す事を忘れていました
>>209>>210>>211>>212>>213>>214倒せないまま、次の敵と戦います
>>215>>216>>217>>218>>220>>221本当にすみません(多分ボロ負けしてました)
>>222>>223>>224>>226>>228
>>229>>231>>232>>233
>>234>>235>>237>>238
>>239>>240>>241>>242

【Ⅱ】

>>245>>246>>247>>248>>249>>251>>252
>>253>>254>>257>>258>>259>>260>>261
>>262>>263>>264>>267>>268>>271>>271
>>272>>273>>274>>275>>277>>278>>279
>>282>>283>>285>>286>>287>>288>>290
>>291>>294>>295>>296
【成長過程】
執筆開始 不明
◆1/23 参照1000突発!◇2/4参照2000突破!
◆2/18参照3000突破!◇3/7参照4000突破!
◆3/22参照5000突破!◇5/10参照6000突破!
◆8/9参照7000突破!◇11/17参照8000突破!

*初めてこの作品を閲覧される方へ*
1話から読まれる場合、↑の目次を使用して頂くといいかと……。
しおり代わりになると思います。

又は、↓の[1]のような所を!!!クリックして頂くと、1話から閲覧できますー

Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.261 )
日時: 2015/06/22 20:57
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: pmOIN4oE)


「うーん、土下座を本当に使う時か……」
トウジは首を捻る。俺が、土下座を使う時とはいつの事だろう。


凛花&颯斗(リア充ちーむ)

紅の遺体が目に入ってくると、悲しみに襲われた。

大切な存在だったのに……

颯斗は、紅の事を引き摺っていないのか肉を焼いていた。

「何の肉?まさか……」

「おいおい、紅の肉なわけねぇだろ?その辺のウサギの肉」

よく見れば、近くに白い毛が飛び散っていた。

「そっ……そうだよね。ごめん」

「まぁ、俺も食糧不足になったら食うかもな」

そう言って、唇の端を吊り上げ鋭い牙を見せつけた。

その歯の表面には所々血が付いていた。

(ウサギの、肉の血?)

「凛花も食べないの?死んじゃうよ?食べないと」

颯斗の言葉に、ボケーとしていたが現実に連れ戻される。

目の前には、骨付き肉が差し出されていた。

脂がブクブクと動き流れ落ちる。

「ありがと」と呟き肉を受け取る。

けれども、なかなか食べられない。

紅の前で食べていいのかな?

悪い気がするなぁ〜

「紅、の事で食べられなのか?」

肉を鋭い牙で引きちぎりながら、獣化した颯斗が喋り続ける。

図星ですがね……。まぁ、当たりなのですが……

「紅の前で肉を食べるのは、気がひけるような」

「でもさ、」

凛花は肉から目を逸らし颯斗を見る。

「生きる為には食べないと。食べないとさ、体力付かないし鬼から逃げ切れないでしょ?いっつも、現実では肉食べてるのにねぇ」

そう言って、最後の肉片を噛みちぎる。そして、もう一本骨付き肉を取る。(おいしぃのに)変なプライドか何かで凛花は食べられなのかねぇ。

めんどくさい子、などと思いながら颯斗は残った肉を凛花に握らせ消火する。

目の前の焚き火の炎は次第に消えていき最後には、黒い炭だけが残った。

「………イタダキマス」

耳元で、小さく呟く声が聞こえてきた。やっと、食べてくれるんだ。体の力が抜け、颯斗はその場に寝転んだ。

「食べられるなら、BOSS戦に備えて食べとけよ」

Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.262 )
日時: 2015/06/25 19:30
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: pmOIN4oE)



「いただきます」、その言葉を言うだけなら簡単だった。

けれども、体は動かない。

死体を目の前に肉を食べるのにはやはり抵抗があった。

肉を両手に乗せたまま静止する。

口の近くに持っていく事さえ出来なかった。

「うぅ……あぁ……」

口から言葉だけが漏れていく。

何分待っても、体は動かなかった。

その時、視界がぐらつき世界が180度回転した。

円を描く様に目が回ったあと、意識が遠のいていった。




「……か!……りん………か」

名前を呼ばれ、重い瞼を持ち上げる。すると、目の前には獣化して凛花を押し倒す様にした颯斗がいた。白い毛が視界を真っ白に染める。

「……俺が今飢えた時、凛花を食べるという手段がある。しかし、人間の凛花はどうだ?俺を食べられない。ならば何を食べ、どう生きる?目の前にある肉を今は食べるんじゃないのかよ?もし、凛花が俺を食べられるというならば話は別だが?」

パクパクと、金魚の様に口を動かしたまま停止する。何かを喋りたいが、声が出なかった。恐ろしさ、それだけが体の中に渦を巻く。

「うぅ……あぁ……」

言葉にならない様な声ばかりが口から漏れていく。

「うぅ……はゃ……ぅ」

「凛花、食べる事の有り難みを知れよ」

分かってる!、そう言い返したかったのに体は勝手に頷いていた。すると、颯斗は凛花から滑る様に降り、口をカパリ、と開け凛花の首元に顔を近づけ耳を軽く噛んでいた。

「っ……いたいって!何々?食べる気!?」

「約束」

颯斗の言葉の意味が全く理解出来なかった。やくそく?何それ。意味わかんない。うん、意味が全くわからない。

噛まれた部分に手を持っていくと、何かがあった。凸凹とした部分。

「噛んで、跡つけといた!約束の印!」

しばらくポカーンとしていたが、

「バッカヤロー!勝手に傷つけてんじゃねぇーよ!これ、すぐに消えるだろうな!?」

さぁ、と肩をすくめる颯斗。

不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味不気味。

不気味すぎて気持ちが悪い。消えてくれなきゃ、現実に戻って恥ずかしいだろーが!

理由をなんて説明するんだよ!

颯斗に歯型つけられたって言ったら引かれるだろーが!

学校側にはピアス穴とか言われて不良扱いされるだろーが!

ぞわぞわっと背中を無視が這う様な感覚に襲われる。

「消えてくれなきゃ、殺処分だからな!」

ビシッと颯斗に指さし、睨みつける。

「殺処分=殺人では?一応、人間でもあるし」

「しらねぇーよ!狼の姿で噛まれたから、殺処分だよ!」

「俺は、死ぬ気ないし」

そう言って、颯斗は紅の遺体を指差した。

「お前みたいな死に方は絶対にしない!」

ライバル心は、死んだ後もある様で。

キラリと牙を見せながら笑って紅に手を振った。

Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.263 )
日時: 2015/06/28 13:17
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: pmOIN4oE)


じっと、レンがミオウを助けに向かう事を待った。が、中々出発せず矢の調達もしなかった。(いつになったら……)
レンは、遊んでばかりだ。空を飛んでいる鳥を矢で撃ち落としてみたり、ライトを弄ったり。

レンは、退化しているのでは無いだろうか。昔のレンは、何処に……。ミオウが攫われてから数日が経った。朝、日が昇り始めた頃レンはライトの上で目を覚ました。

「ぬぐっ……」

腕を伸ばして、欠伸して。雨を飲んで服を乾かす。昨日、寝ている時に決めたんだ。ミオウを取り返しに行く。ライトには悪いけれど、一人で行くつもりだ。
別に、足手まといなどという理由では無い。逆に必要だ。が、それでは甘えてしまう気がしてレベルも下がって行く気がする。

ステータスなども、前より下がったのではと思う。元々、ステータスなど存在しないのだが。自分の中のステータスだ。

靴を履いて、服も着る。矢を背中に背負い立ち上がった。ライトは、寝た状態のまま飛行しているが心配は無いよな。

置き手紙をレンは書いてライトの上から飛び降りていった。ビュンっと風を切り空を飛ぶ。

「ミオウ……」



ミオウstage

レオウの目の前に、金髪の美少女が笑みを浮かべて立っている。

「あうぅ……えぇぇ……ひぃうあぁ」

レオウは、目に涙を浮かべていた。なんで、なんで、立場が逆じゃない!

「だって、早く死んだほうが楽じゃない?」

レオウは床を這いずり回りミオウの攻撃を避け続けた。

こんなの、ミオウじゃない!

おかしいよ、私のシナリオと違うじゃない!

私のシナリオは、ミオウに私の苦しみを理解してもらって謝罪をして欲しかっただけ。

違う、こんなの望んでない!

「ねぇ、ミオウ……やめて。おっ、お願い、たすけぇてぇ」

顔の前に手をだし守る。ギリッギリっとパイプが引き摺られる音がする。

壁に追い詰められたレオウは手元に武器になるものがないか探した。

すると、短刀が床に落ちていた。

しかし、その距離3メートル。

(飛んだら、いけるかも知れない)

鉄パイプごときに負けるわけないし。

壁に背を貼り付けジリジリと横に移動する。

2.3メートルほど移動すると木箱に道を塞がれる。

そこから方向を変えレオウは走り出した。

ミオウはパイプを振り上げレオウに襲い掛かってくる。

ブンブンっと空気を切る音と共に距離が縮まる。

レオウは飛んだ。

鳥のようではないが、ジャンプしてからスライディングで短刀に手を伸ばした。

(後、3.……2.……1メートル……)

指を目一杯伸ばして、指の骨の関節が外れそうなほど伸ばす。

カタン……

気がつけば、手の下に短刀があった。銀色の刃をランタンの光を反射させオレンジ色に染めている。

ギュッと短刀をレオウは握り立ち上がった。手に力を込めて、怒りを込めて。

ミオウはパイプを縦に振った。それはレオウに当たったものの致命傷にはならず逆に隙を作ってしまった。

レオウはパイプの横をすり抜けミオウの腹部を目指す。

「うぅわぁぁぁぁぁ」

ミオウの横腹から横に短剣を振る。

ブシュッと血が噴き出し、ミオウは驚く。

口をあんぐりと開け、目を見開く。

カタンと手に握られていた鉄パイプが床に落下してその数秒後、ミオウの上半身も床に落下した。

ピクピク、とミオウは動く。

「うわぁ……づっうぅ」

ミオウの腰から下は、ミオウから1メートルほど離れた場所に落ちていた。

その下半身は血を流し、ゴロゴロと転がっている。

「レ"オヴ……グハッ……」

ミオウは血を吐いた。その血は赤黒い塊で。

ミオウは体の下がスースーと涼しいのを感じた。

(そうだ、斬られたんだ)

もう、ミオウは起き上がることが出来なかった。

「ヒィッ、レオウ助け……」

「ミオウ、ごめんなさい。ごめんなさい。私は……助けられ無い!救う方法も分からない。私には修復の力も使えない。だから、ごめんなさい。あと、念のため服をいただきます」

レオウは頭を下げてミオウの服を奪い、走ってどこかへ行ってしまった。

レオウ、何処に行くの?

助けなさいよ、ねぇ、レオウ。

見捨てていくの?私が悪いから?

ミオウは視界が霞んで行くのを感じた。

なんで、服を持っていくの?

遂に、時間切れ______

神様がくれた最後の時間、使い切ってしまったのね。

心臓の中にある命の砂時計が全て落ち切るのを感じた。

「………レン」


レオウは部屋を飛び出し廊下を走っていた。

途中で一つの部屋に飛び込み姿を確認する。

容姿、スタイル、目の色、髪の色、質、身長どれもミオウにソックリだった。

「こっ……これなら、私がミオウになりすませば良いんじゃない?」

レオウは自らの部屋に飛び込み髪をとかし、奪った服を着てミオウに成りすました。

行ける。これなら、行ける。

「これからは、私がミオウ」



Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.264 )
日時: 2015/07/02 06:54
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wIulFSp9)


そのころ、「アヌール王国」は


ミオウたちの故郷、「アヌール王国」は現在戦争中である。

ミオウの行方を国王は探す気はなかった。

たった1人、いなくなったとしても国に支障はでないという判断だった。

大きく出っ張った腹部をなでながら、国王は城のテラスから戦争を鑑賞している。

国王の背後には武器を持った部隊が、国王の護衛をしていた。

「そろそろ、いいじゃろぅん」

その部隊に国王は指示を出し、戦地に第2部隊を追加した。

第2部隊は、化学兵器を主に使用する部隊。

全10の部隊があり、それぞれ使用する武器が違っている。

さっきまで戦地にいたのは、第1部隊。

銃や刀を主に使う部隊である。


城から第2部隊が戦地(墓場)に出ていくのを眺めながら、朝からビールを飲みゆっくりしていた。

戦争は、朝から2か月後の夕方まで続くのが一般的。

しかし、今の時点で軽く2か月は過ぎており6か月がたとうとしていた。

ビールを口に含み、ごくっ、と音を立て胃へ押し込んでいった。

「ミオウは、何処だ」



____________


「ミオウ、無事でいてくれ・・・・!」

レンは空中で体制を変えながら、ミオウの行方を探す。

凛花、教えてくれ。

ミオウは、何処だよ。


____________

凛花たちは、紅をやっぱり颯斗にのせて空を飛んでいた。

「おい・・・重いんですけど」

「我慢してって。風ヶ丘に埋めてあげるんだから。このゲームも終わりがないエンドレスゲームとかなわけないでしょ?」

「いやぁ・・・支配人との最後に戦うとき邪魔なんですけど。死体は戦力にならないし」

「ゴチャゴチャ言ってないでノセテロ」

凛花はそういって、颯斗に頭突きをしてスピードを上げさせた。

風を切り、進んでいく。

雲を抜けて、山を越えて海の上を通りいつの間にか、オレンジ色の島の上を飛んでいた。

それは・・・

「炎の島」

ここで、大切な仲間が命を落としている。

「絶対、ゲームクリアするから待ってて」

いくつもの島を通り過ぎた時、目の前に一際大きい島が見え始めた。

自然が広がり、人工物は大きな城のようなものしか遠くからは見えない。




________その島は、『アヌール王国』




Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.265 )
日時: 2015/07/03 19:33
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: pmOIN4oE)

レオウは走り、からくりだらけの屋敷を突破した。

そして、外に出て漆黒の空を見上げる。

漆黒の空には霧がかかり、星は見えなかった。

そこで、体の隅々まで息を吸い込み歌を歌い始めた。

その歌は世界の端まで響く程。

「鳥____集まれ〜、この世界の端から〜」

レオウが歌っている間にも、何千羽もの鳥が空を駆けてきた。

音程の外れたような歌なのだが鳥の数は、歌を続けていると空を黒くする程集まった。

鳥は、大型のものから小型のものまで。ほとんどの鳥が黒色だった。中には、白などの鳥もいたが10匹にも満たない。

「さぁ、私を乗せて!」

レオウが集まった鳥たちに、話しかけ密集した鳥の上に体を乗せる。

鳥たちはレオウの指示があるごとに、体勢を変え空を飛んだ。

バサッ、バサッと羽を動かしレオウを運ぶ。

動物と話せたミオウとレオウは容姿が似ているため、勘違いした鳥が集まったようだ。

その上、声も歌もソックリだ。

髪の毛を風にたなびかせ歌を歌い続ける。「悪魔の歌」はしばらくの間続いた。

レオウは、笑う。騙された鳥たちの愚かさに。

全く違う人間にも関わらず、騙されている。

「フフフ、私はミオウ。レオウは死んだの」




ミオウの体は、まだ床に倒れていた。

体から流れ出た血は、床を滑るように流れ部屋の隅に溜まっていた。

動かないミオウ。

目を閉じ、静かに倒れている。

____________

ミオウはトンネルを歩いていた。

服は普段と変わらぬ、ピンク色のドレス。

ミオウの靴が床に当たると「コツコツ」という音がなり、それが壁にあたり跳ね返り響いていた。

「ここは……」

その時、さっきまであったトンネルは消え去り目の前に赤髪の男が立っていた。

腰には刀をさしミオウに笑顔を見せていた。

その男は、紅。

刀で鬼を止めることができる人間。

「紅さん」

ミオウが紅の名前を呼んでも笑顔のまま、返事一つせず手を差し伸べてくる。

ミオウはその大きな手に自らの手を乗せる。

すると、紅はミオウの手を握りトンネルを走り出した。

「待って!」

ミオウは靴を脱ぎ捨て、裸足のまま冷たい床を蹴る。

「ねぇ、どこへ行くの?待って!」

紅は振り返らなかった。黙ったまま、ミオウの手を握り走っている。

ミオウは何かを悟り、足を止めようとした。

すると、背後から何かを感じ振り返ると蒼色の髪の少女が立っていた。

大きな水色の瞳がミオウを見つめる。

「あなたは……」

「私は、碧」

それだけ言うと、ショートカットの少女はミオウの背中をポンッと押した。

その瞬間、足が地面から外れたように軽く、トランポリンの上を跳ねているような気がした。

雲の上を駆けているかのように軽く、心も弾んだ。

紅は、少しだけ振り返りミオウに笑いかけた。

「行こう、十分楽しんだんだ!ミオウ、仲間が待ってる」

紅はミオウの手を握ったまま、トンネルの出口から大ジャンプしていた。

「えっ、えっ、待って!」

ミオウは紅に続き、大ジャンプ。

ミオウの目の前には不思議な世界が広がっていた。

遠くに虹が見える。

「紅…………」

紅はミオウを「お姫様抱っこ」して不思議な世界に飛び込んでいった。

カラフルな家が立ち並ぶ不思議な世界に_______



「ようこそ、ミオウ王女。お待ちしておりました」

ミオウの頬には、冷たい涙が流れていた。


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