ダーク・ファンタジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

●凛花と恐怖のゲーム。 ●完結!!!!
日時: 2015/12/31 20:32
名前: みーこ (ID: EWbtro/l)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2a/index.cgi?mode=view&no=3816

↑URLは、番外編です。
翠と、紅の過去のお話。最後は飛ばして、無理やり完結です。


★この小説をクリックしていただき、誠にありがとうございます。
★文才0の小説ですが、閲覧していただけると有難いです。
【あらすじ】
▲世界中を回る、支配人はついに日本へと降り立った。そして、標的となったのは凛花達の住む町、風ヶ丘。平凡な街だったが、次第に破壊されていく。しかし、その町の市民全員が参加するわけではない.『選ばれしもの』だけが、ゲームを行うことを許された。

■中藤凛花-ナカトウリンカ-「独りぼっちの人間なんていないよ?」(NO,148より)
平成15年3月15日生/12歳。/O型、魚座。
性格 :心配性だが、強気。口が悪く、思ったことははっきり言う。
身長 :152cm(ゲーム開始時)
体重 :36・4Kg(ゲーム開始時)
容姿:黒髪、セミロング
学年 :風ヶ丘小学校6年A組
種族:人間

■田村颯斗-タムラハヤト-「傷口なんか、もう痛くねぇ。」(NO.181より)

平成14年5月5日生/12歳。/A型。オウシ座。
住所:風ヶ丘3丁目4-15
性格:自由人。見た目とは裏腹に器用。
身長:158cm(ゲーム開始時)
体重:37.7kg(ゲーム開始時)
容姿:茶髪、短髪
学年:風ヶ丘小学校6年A組
関係:幼馴染
種族:狼/人間



『Escape until you die 』ーーーー死ぬまで逃げろ



prologueーープロローグーー


ついに、扉を開けてしまいましたね





もう、後戻りはできません











この、つまらない世界から出よう______










毎日、勉強や仕事に追われる世界からでようーーーーねぇ、疲れてるでしょ?









毎日、マニュアル通りに進んでいくような人生







そんな人生どう思う?











なら、いっその事この世界に来て、人生を終わらせよう。end!











どう?楽しそうでしょ?








自分で人生を切り開く









敷かれたレールの上は、もう歩かない













そして、










たくさんの仲間が待ってるから











気になるなら、この扉を開いて。knock! knock!ノックを忘れずに












きっと、『新しい世界』が待ってるから。new worldOpen













______________________________まだ、誰も見たことのない・・・



………………………………………………………………………………………………
【ruleーーールール】
●1ヶ月間ゲームをします。
●ゲームの内容は、皆さんは、鬼から逃げます。
●鬼に捕まると、檻の中に入れられ、仲間が助けに来るまで出れません。
●また、鬼に食われる可能性もあります。
(そのような事のないよう、こちら側も餌を与えるなどの対応をしておきます。)
★1ヶ月逃げ切れば、望みをなんでも叶えます。
………………………………………………………………………………………………
【guest】
●ちほりん様【森山ミミ】__(1番乗りキャラをありがとう!ずっと大好きだよ〜)

●雲雀 様【市村紅】______(紅、ありがとうござます。イメ画、待っております)

●雪花菜様【ユズリ】__(白血病は、私もあまり理解してないんだよね…)

●yukihiro様 【トウジ&セイ】______________(また、小説見に行きます)

●riyal様_____________ (文才ないよぉ〜見てくれてありがとう!)

●ENA様____________(名前見つけてクリック・・・嬉しいです!)

●リオキチ様___________________ (また、学校で話そー!!)

●文月様【音方文】____ (初めまして。閲覧ありがとうございました。)

●蘭子様 __________(お越しいただきありがとうございました!)

●詩歌様___(応援、ありがとうございます。凛花と生年月日一緒・・・驚き!)

●桜蝶様___(コメントありがとうございます!マジ感謝!×100000000)

●ばなな様__(素敵な文章を書かれる方です。コメントありがとうございました。)
●ペンちゃん様_______(コメントありがとうございます。アリスさんも、ありがとうございます。)

●じゅき様____(私なんかで、よかったのかな?『母さんが出て行った日。』の作者の方です。)

●アリス様[麻央]_____(コメントありがとうございます!また、見に行きます!)

●NIKO様_____(来てくれてありがとう☆いつもお世話になってます)

● 緋狼様_____(また、見に行かせていただきます。コメント、ありがとうございました。参照がヤバい事になっている小説の作者さんです。)

●裏の傍観者様___(自衛隊の、小説を書かれている方です。細かい、キャラ設定が凄過ぎて……憧れます。コメント、ありがとうございました)

●いろはうた様__(私の、尊敬している方です。コメント、頂いたときは、涙で海が、出来そうでした。一言で言うと、神!です。)

●ライド様【来夏&冬華】______(見てくれて、ありがとう)

●燐想様【蛇月】______(オリキャラありがとウ)

●王様 様_____(コメント有難うございました。貴方様の文才に憧れております。参照はこんな駄作を読んでくださった皆様のお陰です)

●とりけらとぷす様____(閲覧、有難うございました。嬉しかったです。これからも、宜しくお願い致します。)

●てるてる522様____(来てくれてありがとう☆てるてるずっと友達〜)

●千紫万紅様___(コメント&閲覧ありがとうございました。)

●RINBYO様__(コメント、ありがとうございます!RINBYO様の小説お気に入りです!)

●黒hana様___(コメントありがとうございました。長い長い、お話を読んでくださりありがとうございますm(_ _)m

●ますらお様___(感想、ありがとうがとうございます!m(_ _)m)

●天蜜様__(温かいお言葉有難うございました。励みになります)

●ことり様__(ことりさんの励ましのお蔭で、立ち直ることが出来ました。感謝しています)

《Contents》ー目次ー
●1章 【ゲームとの出会い】
>>0 >>1 >>4>>6 >>8>>9

●2章 【ゲームの恐ろしさ】
>>11 >>13 >>16>>18>>20

●3章【仲間】
>>21 >>24 >>26 >>27>>28>>32>>34
>>51>>52>>53>>56>>57>>60>>62
>>68>>84>>89

●4章 【大変な事に!!】
>>94>>95>>96>>97>>99>>101>>102>>103 >>104
>>105>>106

●5章【大変な事に2】
>>107>>108>>109>>111>>112>>113>>114>>115
>>117 >>118>>119>>121

●6章【変わるゲーム】
>>123>>124>>125>>126>>127>>128>>130>>131
>>132>>133>>136

●7章【死】
>>137>>139>>145>>148>>150>>151>>156>>181
>>184>>185>>186

●8章【生きる】※更新再開までお待ちください
>>187>>188

【地獄編】
>>189>>190>>191>>192>>193>>194

【新たな敵編】↓長編注意
>>195>>196>>197>>198>>199>>202【この章についてー読者の皆様へ】
>>203>>204>>205>>206>>207>>208この章では、ボスを倒す事を忘れていました
>>209>>210>>211>>212>>213>>214倒せないまま、次の敵と戦います
>>215>>216>>217>>218>>220>>221本当にすみません(多分ボロ負けしてました)
>>222>>223>>224>>226>>228
>>229>>231>>232>>233
>>234>>235>>237>>238
>>239>>240>>241>>242

【Ⅱ】

>>245>>246>>247>>248>>249>>251>>252
>>253>>254>>257>>258>>259>>260>>261
>>262>>263>>264>>267>>268>>271>>271
>>272>>273>>274>>275>>277>>278>>279
>>282>>283>>285>>286>>287>>288>>290
>>291>>294>>295>>296
【成長過程】
執筆開始 不明
◆1/23 参照1000突発!◇2/4参照2000突破!
◆2/18参照3000突破!◇3/7参照4000突破!
◆3/22参照5000突破!◇5/10参照6000突破!
◆8/9参照7000突破!◇11/17参照8000突破!

*初めてこの作品を閲覧される方へ*
1話から読まれる場合、↑の目次を使用して頂くといいかと……。
しおり代わりになると思います。

又は、↓の[1]のような所を!!!クリックして頂くと、1話から閲覧できますー

Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.191 )
日時: 2015/04/02 00:07
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wJ5a6rJS)

「釜飯って……」

「分かりやすいだろ?その方が。」

なんだ、この態度。

「確かに、そうですけれど、」

気がつくと、錆びた鉄製の大きな扉が、そびえ立っていた。
扉の、鍵穴には、張り紙があり、当然の如く、

「関係者以外立入禁止」

と書いてあった。
また、しっかりと錠が内側からと、外側からかけられた、2重ロック。
中の人間の、助けがないと、入れないようだ。

「ちぇっ。ケチ」

颯斗は、そう呟いたものの、

「ならば、無理やりでも、入って見せる!」

狼に、変幻して、扉を蹴り破った。
ドゴンッと音を立て、扉は倒れ、砂煙がボワッと上がる。
変形した扉は、よく見ると、血だらけだった。
元は、黒い扉だったようだが、血が付着し、赤茶色になっていた。
錆と、血の色か……

「凛花、先行け。もう、疲れたから、休憩」

ドスンと、骨が散らばる地面に腰を降ろし、颯斗は休憩を始めた。
え?
この先を、一人で行けと?

「いやっ、無理だよ!この先、何があるか分からないのに。」

ん?
そうか、千里眼で見れば……この先何があるかが分かるかもしれない。

じぃっと、扉の奥を見つめる。
何か、小さいものが、蠢いている。
もっと、近く、近くで見なければ………


「うえっ!」


蠢いていたのは、人間。
今まさに、刑が実行されようとしていた。

人間と、共に見えたのは、


『ギロチン』


断首装置だ。

今時、こんなものがあるのだろうか。

逃げることが、できないように、しっかりと手足が固定され、
身動き一つ取れない。

もう、あの刃物が落ちてくることを、待つしかできないのだ。

ギロチンとは、
フランス革命において受刑者の苦痛を和らげる人道目的で採用され、
以後、フランスでは1792年から1981年まで、使用された。

また、ギロチンのような断首装置の原型は、13世紀のヨーロッパには、
すでに存在していた。

マリーアントワネットも、ギロチン処刑された‥……ハズ。



って、今から、処刑な訳!?

嫌だよ!

見たくない!

慌てて、目を閉じる。

けれども、千里眼が発動してしまう。

刃物が、首に向かって、落ちてくる。

肉に、刃物が食い込み、血飛沫が上がる。

ゴロンと頭部だけが、切り離され地面に落下する。

パクパクと、口を動かし、何か言いたげな頭。

けれども、時間の経過とともに、頭は静かになる。

大理石の床が、紅く染まる。

肉片が、落ちた床。

ピンク色の、首の切れ口。



「凛花、大丈夫か?」

はっ、と凛花は目を開けた。

視界が揺らぐ。

ギロチン……は?

「驚いたんだからな。いきなり倒れるし。」

ほぅっ、と溜息を颯斗はついた。

「ごめん………ギロチン、見ちゃったから。」

「ゲッ。マジ?」

颯斗は、顔を青くした。

そういう、グロい話、苦手なのかな?

一度、颯斗が死んだ時、グロかっタケレド。

人間、潰されたからね。

血が、飛び散って、肉が………ああ、思い出したくない。



「「「「ぎゃああああああああ」」」」

誰かが、叫んだ。

声は、建物の中からしてきた。

きっと、またギロチンの刑が実行されるんだ。

ひえええ。

恐ろし、恐ろしい。



Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.192 )
日時: 2015/04/03 21:20
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wJ5a6rJS)

ギロチン、怖い

ギロチン、グロい

ギロチン、嫌い………

頭の中で、そんな単語ばかりが、グルグルと渦を巻く。
地獄、コェェェ
恐ろしい〜

颯斗共に、『あの場所』を後にすると、
スタスタ、先を急いだ。
早く、あの場所から離れたかった。

道は、次第に狭くなり、2人並んで歩くことは不可能となった。
断崖絶壁の、落ちそうな道を進んでいく。

地獄って、こんなに広いの?
歩いても、歩いても、道が続く。


「だるい。」

凛花は、ついに心の声を漏らした。
その後で、ヤバッと口を塞ぐ。

「凛花…………」

背後から、物凄い圧迫感が………

「だっ、だるくなんか、ない!さぁ!早く、帰り道を探そう♪」

冷や汗を、
額から流しながら、
颯斗の顔色をうかがう。

めんどくさい、幼馴染だわ………


_________


目の前に、古い立て札が現れた。

「right→鉄の処女・Left→ファラリスの雄牛」

何この、嫌なネーミング。
鉄の処女って、「アイアン・メイデン」の事でしょ?
16世紀に、
ドイツのニュルンベルクで、
作られたとされるものが、有名らしいけれど。
なんか、聖母マリア様を模してるらしい。
どう考えても、マリアには見えないけれど。
だってさ、アイアン・メイデンの表情、不敵な笑み浮かべてるんだよ。

あと、構造の話をすると、
人体型カプセルの内側に鋭い針が取り付けられている。

また、それが長い!
人体を、貫通するらしい。
針は、急所を『避けて』、普通なら、急所に刺すでしょ?
そこを、ワザと避ける。
そういう風に、設計してある。

犠牲者は、失血により、うめき声が漏れないように、
『密閉』されたカプセルの中で絶命。

誰だよ。
こんなの考えたの。

本当か、知らないけれど、目玉も、ブっ刺すらしい。
コエエエエ


ファラリスの雄牛は、
古代ギリシャで、設計された、拷問、及び処刑のための装置。
この、牛の中に、有罪になった人間を、閉じ込め、
牛の下で日を焚く。
炙り殺す道具だよね。

これも、聞いた話だけれども、
ラッパ的なものが付いていて、中の人間は、
息ができないから、
そのラッパで、空気を取り込もうとする
けれども、実際には、吸っているわけではなく、
音を鳴らしている。
それを聞いて、外にいる人間たちは、楽しむ。


ああ、怖い。
さぁ、どっちの道を行くべきか。
アイアンは、絶対に避けたい。
なら、ファラ牛?

「凛花、左へ行こうぜ。焼肉食えるかもしれねえ。ああ、腹減った。」

馬鹿か、颯斗。
ファラリスの雄牛は、生きてる牛じゃねぇ。
食えるのは、牛の肉ではなく、人間の炙り肉だよ。
まぁ、焼肉という点では、正解だが‥……

「凛花、牛肉くわねぇの?」

振り返り、カクンと首を傾げる颯斗。

「颯斗、夢を壊す気はないが、焼肉は食えるが、牛肉ではない。」

「あっ、豚肉なのか。」

「違う」

「鳥か?」

「違う」

うーん、と考え込む。
他の、肉を探しているようだ。

「羊」

「違う」

「ロース」

「牛・豚・羊の肩の肉だ。」

「牛タン」

「牛の、舌の肉だ。」

「うーん。肩ロース、ロース、ヒレ、モモ、バラ、肩……」

「全部外れ。」

「うーん。
ネック、肩バラ、スネ、肩ロース、リブロース、ヒレ、サーロイン、
ランイチ、外モモ、内モモ、トモバラ…………」

「全部外れ。どうして、肉に詳しいんだ。」

「ササミ、手羽先、モモ、胸」

「違う。もう、いいよ。正解は、人肉だ。」

エエッと、颯斗は、衝撃を受け、停止した。
しかし、すぐに再起動して、

「家で、肉食う」

そう言って、道を進み始めた。
進む道は、最初に決めた「ファラリスの雄牛」の道。
早く、帰りたい。
早く、日本へ帰還したい。
ハァ、とため息をつき、ファラリスの雄牛に向かって進んで行った.



「なっ!なんだよ!これ。」

目の前には、長蛇の列ができていた。
看板が、立てられ、そこには

「ファラリスの雄牛の刑は、4時間待ちです。」

どんだけ、死人が出てるんだよ。

プープープー

列の、向こうから、ラッパの音がする。
刑が、実行されているんだ。

白い煙が上がり、空の彼方へ消えて行く。

「貴方達、受刑者?」

係員に聞かれ、ブンブン、必死に首を振った。
絶対に、嫌だ。

「あっ、違うの?見学者?」

必死に、首を縦に振る。

「あっ、なら、巻き込まれないように。」

そう言って、係員は離れて行った。
ああー危なかった。

Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.193 )
日時: 2015/03/31 11:15
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wJ5a6rJS)


「凛花、なんて言ってたっけ?フェリアスの………」

颯斗は、モゴモグと口ごもる。

「ファラリスの雄牛」

「あっ!ソレソレ♪なぁ、この行列追い越して、その牛見に行こうよ。」

馬鹿か、コイツ。

人が、処刑されているところを、自分からワザワザ見に行くなんて。

炙り殺される、人間を見たいのか?

あり得ない。

プパープパー

また、炙り殺されている。

どれだけ、苦しいだろう。

どれだけ、熱いだろう。


また、ラッパの音がした__________


グイッと、颯斗の服の袖が、誰かに引っ張られた。

体が、後ろに倒れそうになる。

颯斗を掴んだ腕は、列から伸びていた。

「うわぁ!」

それに気がついた凛花は、慌てて颯斗の服のフードを掴んだ。

巻き込まれないように、と係員が言っていたのは、こんな事があるからか。

誰かと、共に死ぬ_______

そうすれば、寂しくないから?


ビチビチと、糸と布の間に隙間ができる音がする。

(千切れる!_____)

ギュッと、目を瞑り、フードを掴む。

ビリっ

布が千切れる音が、凛花の耳に飛び込んで来た。

ドダンッと、地面に尻もちを凛花はつく。

颯斗は、その間に列の人混みの中へ消えて行った。

「颯斗!!!!!!」

ゾロゾロと、進み続ける列____________

何百、何千もの死者達の中に、
1人の子供が紛れ込んでしまえば、
探し出すことは、ほぼ不可能になってくる。

どうすれば……………

しゃがみ込み、頭を抱えた。

颯斗が、冤罪で死んじゃったら‥……

嫌だよ。



その時、ある一つの考えが浮かんだ。

ファラリスの雄牛の、処刑の先頭へ行き、顔を確かめればいい.

急いで、立ち上がり、バンッと地面を蹴った。

急げ、急げ………

列は、何m続いているだろう。

ざっと、1kmはあるだろうか。

白装束の受刑者達が、嫌という程、目に入ってくる。

急げ、急げ………

走る、走る………





視界の端に、牛の姿が見えた。

牛の前に、人が、子供が‥……

颯斗!



「だから、俺は違うっつってんだろ!巻き込まれたんだよ!」

必死に、抵抗していた。

両手足を、骸骨に掴まれ、牛に詰め詰め込まれそうな状態。

「颯斗!」

そう、叫び、手を伸ばす。



ガルルルルル……

獣が、叫び、骸骨をバシンと跳ね除けた。

奴らはクルリと一回転した後、地面に落下し、バラバラに砕けた。

獣は骸骨が、いなくなると白い翼を使い空へ駆け上がった。

そして凛花の元まで来ると、ヒョイと背中に乗せ、また空へ駆け上がる。

「もう、こんなところは、ごめんだ。」

そうつぶやきながら。

Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.194 )
日時: 2015/04/01 11:03
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wJ5a6rJS)

風を切り、空をかける。

温かい風が、ゴウゴウと、音を立てながら体の横を通り過ぎていく。

凛花は、颯斗の上を這って耳元まで近付いた。

「颯斗、もう帰れるんだよね?」

しかし、風で声が掻き消されたのか、颯斗は何も答えず、空を駆けてゆく。

もう一度、次は、もっと大きな声で。

「もう、帰れるんだよね!?」

しかし、また沈黙が続く。

やはり、聞こえていないのだろうか……

もう少し、風が穏やかになってから質問をしたほうがいいかもしれない。

そう思い、もう1度、聞こうとした時、

「………わかんねぇよ」

風に紛れて、そんな声がしてきた。

わからない?

ならば、どうやって帰るの?

「テキトーにでも、走り続けとけばいいんだよ。」

そう言って、足を動かし続ける。

こんな奴に、命を預けて良いのだろうか。

命を捨てているようなものではないだろうか。

(もう、帰れないのかな……)

その時、雲の隙間から光が差し込んだ。

地獄には、もう何年も差し込むことはなかった光。

その、まばゆい閃光に目が暗む。

地獄の、暗い大地が白い光に照らされ、光り出す。

時間が止まっていた地獄が、一気にまた動き出したようだ。

光が当たらず、黒く変色していた木々も、緑色を取り戻し、

青々と茂る。

何もない、
岩だらけのゴツゴツした土地も、
草木が芽生え、あっという間に森林とかした。

地獄の鬼、骸骨達も、慌て出す。

何事だろう、と。

空を覆っていた黒い雲も、
光が差し込むにつれ、減っていき、青空が顔を覗かせた。

「あっ…………」

凛花も、颯斗も、ただ口を開け、その光景を見つめることしかできなかった。

地獄は、ほんの数分で、樹々が生い茂る森林になり、
鬼も消え、建物などは崩壊し、動物達が歩き回っている。

今まで、ネズミ、カラス、ヘビなどの動物しかいなかったが、
今は、鹿や小鳥などの生物が住んでいる。


「一体、何が起きたの………」

カクンと膝をつき、空を見上げていた凛花の目に、何かが見えた。


雲の隙間から、人間が飛び出した。


1人や、2人ではなく、何千人もの人間が。


その中には、ミミやユズリ、トウジや、セイの姿も。

「凛花〜〜!」

ミミが、凛花にギュッと抱きついた。

「凛花、さん。地獄は、滅びたんだよ。もう、終わったんだよ。」

何も、していないのに、地獄は滅びたの?

「凛花さんと、
颯斗さんの、負けないという強い意志があったから、地獄は滅びたんです。」

私に、強い意志が?

そんなもの、なかったよ?

「私には!そんな意志なんて、無かったよ!ミミ」

凛花は、叫んだ。

しかし、ミミは優しく笑い、凛花の手を取った。

「いいえ。意志は、
心の奥にあったのです。本人も、気がつかないような、奥に」

「ミミ………」

凛花は、ミミに抱きついた。

「ミミ、ミミ………」

凛花が、ミミ、と呼ぶたびに、ミミはコクコクと頷いた。

「あのー素敵なお話の途中ですが、どうやって地上に帰れば……」

颯斗が、ミミに問いかける。
すると、ビシッと親指立てて、

「大丈夫よ。ちゃんと、地上へ送るわ!」

ホッと颯斗は胸をなでおろした。
ミミは、ふふっと笑う。

「さぁ、2人の勇者!地上へ、帰るぞ!」

「なんか、RPGみたいになってる……」

ボソッと颯斗がツッコミを入れる。

「そこは、ね。サラーと流してあげて。」

「おk!」

ミミに、誘導され、歩いて行くと、何千羽もの白い鳥がいた。

「この子たちが、送ってくれるから。」

ミミの合図で、鳥は、サーと自分の配置につき、出来上がったのは馬車だった。

「カッコいい!」

凛花は、おおお〜と目を輝かせる。


中には、さまざまなところにきらりと光る目がある。
座る座席は、さすがに普通の椅子だった。
足元に、白い羽が散らばっている、

2人が、乗り込むと、馬車は………馬車ではなく、鳥車チョウシャは、動き出した。

「颯斗、動物愛護団体ナントカカントカに、訴えられないよね?」

「知らね〜」

ムゥと、頬を膨らませながら、後ろを振り返った。


ミミ達が、手を振っていた。
凛花も、感謝の気持ちを込めて、力一杯振る。

「颯斗も、振れって。」

「………はいはい。」

颯斗も、小さく手を振る。
ミミ達は、ブンブン手を振り、しばらくすると、光の中に消えていった。
それでも、凛花はジッと眺めていた。

この恩は、どうやって返せば良いのだろう。
何から、何までして貰った。

「…………ありがとう.」

颯斗が、ボソリと呟いた。

「颯斗………」

「なに?」

「んでもない。」

凛花は、ブンブンと首を振って前を向いた。
早く、帰ってみんなに会いたいな〜

そう、思いながらガタガタ揺れる馬車の中で、居眠りを始めた。

そして、寝ている間に、地上は迫っていた。



Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.195 )
日時: 2015/04/02 11:02
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wJ5a6rJS)


「いた……ぃた。凛……か!」

少し、目を開けると、目の前に、颯斗の顔があった。

凛花は、むくりっと起き上がる。

「颯斗!あっ………寝てたか。」

凛花は、前髪を掻き上げ、深呼吸をする。

「ったく、ほんの数分で、寝ちまうとはな。」

呆れたように、言い放った。

確かに、馬車に乗っていたのは、あっという間だった。

疲れてたのかなぁ。

心の中で、苦笑いしながら、立ち上がった。

颯斗は、手を差し伸べていたが、凛花は無視した。

「馬車は?」

「帰ったよ。お前が、寝てるうちに。」

「颯斗、ここ、もう地上なの?」

「分からねぇよ。」

苛立っているような、言い方。

聞いて、悪かったかな。

「うん、ごめんね。」

そう言って、静かに、歩き出した。

ここは、地上?ここは、地獄?

汗を流しながら、正規のルートへの道を探す。

辺りには、何もない。

建物も、植物も……

馬車は、どこへ連れてきたの?

風が吹けば、足元の砂が舞い上がり、頬にパチパチと当たってくる。

スニーカーの中に、砂が入り、足の裏をチクチクと刺す。

いつになれば、帰ることができるのだろう。

目に砂が入り、目を開けることも、辛い。

何か、建物があれば、そこへ避難する事が出来るのに…

しかし、ここには『何も』ないのだ。

砂に足を取られ、何回も転倒した。


ドスン、ドスン………


何も知らないこの土地で、知っているものに出会った。

この足音は_____________



___鬼だ。


どこだ、どこだ、どこだ………

四方八方から、音がするようにも聞こえる。



いきなり、自分の立っていた場所が、暗くなった。

その、『闇』の原因は、大きな影。

_____鬼の影。

凛花は、振り返った。

そして、自分の目を疑った。

いつもの鬼ではない。赤鬼ではない。

黒鬼。

ステージが、違うため、鬼も種類が違うのだろうか。

しかし、この黒鬼。

赤鬼よりも、強そうだ。


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