ダーク・ファンタジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- ●凛花と恐怖のゲーム。 ●完結!!!!
- 日時: 2015/12/31 20:32
- 名前: みーこ (ID: EWbtro/l)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2a/index.cgi?mode=view&no=3816
↑URLは、番外編です。
翠と、紅の過去のお話。最後は飛ばして、無理やり完結です。
★この小説をクリックしていただき、誠にありがとうございます。
★文才0の小説ですが、閲覧していただけると有難いです。
【あらすじ】
▲世界中を回る、支配人はついに日本へと降り立った。そして、標的となったのは凛花達の住む町、風ヶ丘。平凡な街だったが、次第に破壊されていく。しかし、その町の市民全員が参加するわけではない.『選ばれしもの』だけが、ゲームを行うことを許された。
■中藤凛花-ナカトウリンカ-「独りぼっちの人間なんていないよ?」(NO,148より)
平成15年3月15日生/12歳。/O型、魚座。
性格 :心配性だが、強気。口が悪く、思ったことははっきり言う。
身長 :152cm(ゲーム開始時)
体重 :36・4Kg(ゲーム開始時)
容姿:黒髪、セミロング
学年 :風ヶ丘小学校6年A組
種族:人間
■田村颯斗-タムラハヤト-「傷口なんか、もう痛くねぇ。」(NO.181より)
平成14年5月5日生/12歳。/A型。オウシ座。
住所:風ヶ丘3丁目4-15
性格:自由人。見た目とは裏腹に器用。
身長:158cm(ゲーム開始時)
体重:37.7kg(ゲーム開始時)
容姿:茶髪、短髪
学年:風ヶ丘小学校6年A組
関係:幼馴染
種族:狼/人間
『Escape until you die 』ーーーー死ぬまで逃げろ
prologueーープロローグーー
ついに、扉を開けてしまいましたね
もう、後戻りはできません
この、つまらない世界から出よう______
毎日、勉強や仕事に追われる世界からでようーーーーねぇ、疲れてるでしょ?
毎日、マニュアル通りに進んでいくような人生
そんな人生どう思う?
なら、いっその事この世界に来て、人生を終わらせよう。end!
どう?楽しそうでしょ?
自分で人生を切り開く
敷かれたレールの上は、もう歩かない
そして、
たくさんの仲間が待ってるから
気になるなら、この扉を開いて。knock! knock!ノックを忘れずに
きっと、『新しい世界』が待ってるから。new worldOpen
______________________________まだ、誰も見たことのない・・・
………………………………………………………………………………………………
【ruleーーールール】
●1ヶ月間ゲームをします。
●ゲームの内容は、皆さんは、鬼から逃げます。
●鬼に捕まると、檻の中に入れられ、仲間が助けに来るまで出れません。
●また、鬼に食われる可能性もあります。
(そのような事のないよう、こちら側も餌を与えるなどの対応をしておきます。)
★1ヶ月逃げ切れば、望みをなんでも叶えます。
………………………………………………………………………………………………
【guest】
●ちほりん様【森山ミミ】__(1番乗りキャラをありがとう!ずっと大好きだよ〜)
●雲雀 様【市村紅】______(紅、ありがとうござます。イメ画、待っております)
●雪花菜様【ユズリ】__(白血病は、私もあまり理解してないんだよね…)
●yukihiro様 【トウジ&セイ】______________(また、小説見に行きます)
●riyal様_____________ (文才ないよぉ〜見てくれてありがとう!)
●ENA様____________(名前見つけてクリック・・・嬉しいです!)
●リオキチ様___________________ (また、学校で話そー!!)
●文月様【音方文】____ (初めまして。閲覧ありがとうございました。)
●蘭子様 __________(お越しいただきありがとうございました!)
●詩歌様___(応援、ありがとうございます。凛花と生年月日一緒・・・驚き!)
●桜蝶様___(コメントありがとうございます!マジ感謝!×100000000)
●ばなな様__(素敵な文章を書かれる方です。コメントありがとうございました。)
●ペンちゃん様_______(コメントありがとうございます。アリスさんも、ありがとうございます。)
●じゅき様____(私なんかで、よかったのかな?『母さんが出て行った日。』の作者の方です。)
●アリス様[麻央]_____(コメントありがとうございます!また、見に行きます!)
●NIKO様_____(来てくれてありがとう☆いつもお世話になってます)
● 緋狼様_____(また、見に行かせていただきます。コメント、ありがとうございました。参照がヤバい事になっている小説の作者さんです。)
●裏の傍観者様___(自衛隊の、小説を書かれている方です。細かい、キャラ設定が凄過ぎて……憧れます。コメント、ありがとうございました)
●いろはうた様__(私の、尊敬している方です。コメント、頂いたときは、涙で海が、出来そうでした。一言で言うと、神!です。)
●ライド様【来夏&冬華】______(見てくれて、ありがとう)
●燐想様【蛇月】______(オリキャラありがとウ)
●王様 様_____(コメント有難うございました。貴方様の文才に憧れております。参照はこんな駄作を読んでくださった皆様のお陰です)
●とりけらとぷす様____(閲覧、有難うございました。嬉しかったです。これからも、宜しくお願い致します。)
●てるてる522様____(来てくれてありがとう☆てるてるずっと友達〜)
●千紫万紅様___(コメント&閲覧ありがとうございました。)
●RINBYO様__(コメント、ありがとうございます!RINBYO様の小説お気に入りです!)
●黒hana様___(コメントありがとうございました。長い長い、お話を読んでくださりありがとうございますm(_ _)m
●ますらお様___(感想、ありがとうがとうございます!m(_ _)m)
●天蜜様__(温かいお言葉有難うございました。励みになります)
●ことり様__(ことりさんの励ましのお蔭で、立ち直ることが出来ました。感謝しています)
《Contents》ー目次ー
●1章 【ゲームとの出会い】
>>0 >>1 >>4>>6 >>8>>9
●2章 【ゲームの恐ろしさ】
>>11 >>13 >>16>>18>>20
●3章【仲間】
>>21 >>24 >>26 >>27>>28>>32>>34
>>51>>52>>53>>56>>57>>60>>62
>>68>>84>>89
●4章 【大変な事に!!】
>>94>>95>>96>>97>>99>>101>>102>>103 >>104
>>105>>106
●5章【大変な事に2】
>>107>>108>>109>>111>>112>>113>>114>>115
>>117 >>118>>119>>121
●6章【変わるゲーム】
>>123>>124>>125>>126>>127>>128>>130>>131
>>132>>133>>136
●7章【死】
>>137>>139>>145>>148>>150>>151>>156>>181
>>184>>185>>186
●8章【生きる】※更新再開までお待ちください
>>187>>188
【地獄編】
>>189>>190>>191>>192>>193>>194
【新たな敵編】↓長編注意
>>195>>196>>197>>198>>199>>202【この章についてー読者の皆様へ】
>>203>>204>>205>>206>>207>>208この章では、ボスを倒す事を忘れていました
>>209>>210>>211>>212>>213>>214倒せないまま、次の敵と戦います
>>215>>216>>217>>218>>220>>221本当にすみません(多分ボロ負けしてました)
>>222>>223>>224>>226>>228
>>229>>231>>232>>233
>>234>>235>>237>>238
>>239>>240>>241>>242
【Ⅱ】
>>245>>246>>247>>248>>249>>251>>252
>>253>>254>>257>>258>>259>>260>>261
>>262>>263>>264>>267>>268>>271>>271
>>272>>273>>274>>275>>277>>278>>279
>>282>>283>>285>>286>>287>>288>>290
>>291>>294>>295>>296
【成長過程】
執筆開始 不明
◆1/23 参照1000突発!◇2/4参照2000突破!
◆2/18参照3000突破!◇3/7参照4000突破!
◆3/22参照5000突破!◇5/10参照6000突破!
◆8/9参照7000突破!◇11/17参照8000突破!
*初めてこの作品を閲覧される方へ*
1話から読まれる場合、↑の目次を使用して頂くといいかと……。
しおり代わりになると思います。
又は、↓の[1]のような所を!!!クリックして頂くと、1話から閲覧できますー
- Re: ●凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.326 )
- 日時: 2015/08/29 17:21
- 名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: pmOIN4oE)
「でも!危険だ!茜!」
茜は飛び上がり、翠の肩をダンッと蹴る。
茜はタッ、と駆け出し翠の目の前からまるで幻を見ていたのかというように、消えてしまった。
「おい!茜!」
茜にしか倒せない相手だとしても、一人にさせるかよっ!
でも……俺は足手まといにならないだろうか。
____いや!茜を一人には出来ない!
翠は茜が消えていった廊下の奥へ走り出す。
カーブした廊下の視覚から色々なものが飛び出してくる。
いきなり、目の前にロウソクが現れたり……。
ゴォゴォ、と燃える炎が走る者達を照らしていく。
茜は毒腕を解除して、ズドォと毒が垂れる腕を引き摺るように王の後を追いかける。
「絶対、ぶっ殺してやる!おにぃの仇、絶対取る」
その時、目の前に黒い服を着た少年がゆらり、と現れる。
茜は足を止め、その場に立ち止まってしまう。
黒いマスクをした少年は笑顔を見せ、茜に向かって手を伸ばす。
「おっ………おにぃ」
その瞬間、何故か意識していないのに毒腕が解除され、体が硬くなる。
まるで自分が庭にあった石像になったかのようだ。
(うぐっ……あっあ"あ"あ"!)
ズズズズズ、と音を立て足の指先の方から石化を始める。
な、ん、で……。
揺らぐ視界の向こうで、おにぃの姿が歪みそれは全くの別人と化していた。
赤い目をした悍ましい怪物?
いや、人間なのだが。
「キシシシシシ……馬鹿め。王の所へは行かせぬぞ。我は死体に触る事で亡き者に化ける事ができるのじゃ。正確に言えば、死体に触れて細かいパーツを体にコピーし、この目で3D化して頭の中で3D化して細胞をその通りに変化させて、この先程の体になったのじゃ」
「すまぬ、話がわからぬ」
ズズズズ、と足全体が石化してしまい、もう身動きが取れない。
唸るものの、誰も助けに来ない為何も出来ない。
毒腕も石化してしまい、もう戦闘方法が残っていない。
こうなったら……。
禁じ手
を解放するしか、無いかも知れない。
ゴギッ
、と茜は拳を握り骨を鳴らしてグッ、と力を込める。
本当は、王を倒す時に使いたかったけれど。
体の中で内臓がポンプの様になり体内の毒がぐるぐると回り腕へ集まってくる。
そして腕へ集まった毒はブクブク、と皮膚を内側から押し腕を膨らませていく。
ズグッチュグッ
毒が膨らみ、皮膚に小さな穴を開けて外へ流れ始める。
激しい痛みに顔を顰めながら我慢して「オワリ」を待つ。
すると、石化していた皮膚に橙色が戻り始める。
グチュグチュグチュ
ボコッドクドクドク……
体の周りに張り付いていた石は亀裂が入り、そして砂になって消えていった。
「まだ、死ねない!」
「めんどくさいなぁ……」
ズシャンッ、と怪物は腕をハサミに変え、茜に襲い掛かってくる。
茜は目からボロボロ、と涙をこぼしながら毒腕で敵に立ち向かう。
目から溢れる涙は一向に止まる気配は無く______
ズシャンッ
ハサミの刃が重なる音がして宙に、橙色の細長い物体が飛んで行った。
(私の……脚)
赤い生温い、ドロドロとした液体が溢れていく。
「おにぃ……復讐出来なくてごめん」
その時、目の前で血飛沫が上がり敵の姿は目の前から消えてしまっていた。
代わりに黒いフードを被った男が宙を舞っていた。
紅い血が丸い粒になり、宙に散らばっていく。
「絶対、復讐するんだろ!?だったら、今死ぬんじゃねぇ!」
「うっうっ……ありがとぉう____翠」
また、目から涙が溢れていく。
翠は落ちていく茜のマフラーを掴み、廊下を走り出す。
目から溢れる涙を拭いながら脚に向かって手を伸ばす。
脚の斬り口から毒が噴き出し、脚を形成していく。
修復して翠の手をマフラーから離し、自分の脚で再び走り始める。
「無茶すんな」
「だって……1人で勝ちたかったんだもん」
「はいはい」
ズタッ、といきなり翠が廊下に降り立ったと思うと、いつの間にか王に追いついてしまっていた。
目の前には覚醒した王が佇んでいる。
行き止まりになっていたのか。
「よう、王様」
「お主ら反乱軍じゃろん。許さんじゃろん」
「お前がミオウの父さんか」
毒に包まれた王はニタニタ、と笑い二人を睨みつける。
「いかにも」、と笑うと王は重い腹の肉を摘みながら脚を上げ、床をふみならす。
ドガッドガッ
「何を、している?」
- Re: ●凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.327 )
- 日時: 2015/08/30 14:44
- 名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: pmOIN4oE)
ズゴッ、
まるで重い煉瓦を動かしたかの様な音がして、二人の体が宙にフワフワ、と浮き始める。
「なっ……何をしている!」
茜が毒腕を発動させて腕を伸ばし、毒を放つとその毒は石造りの床にべチャッ、と貼り着き、なんとか上昇は停止する。
この王は全てを操る事ができるのか!?
「この城はワシの毒で生成されておるからの、ワシの体の一部のようなものなのじゃ。つまり、歩く事と同じ様に城を操れる」
「はぁー、つまり最強って訳」
ゴキッ、と指を鳴らして茜は腕に包帯を巻き、毒腕を解除してニタァ、と笑う。
ますます倒し甲斐がある。
凛花は目を閉じ、千里眼を終了させる。
パチッ
「茜、が王と闘っている。大分疲労が溜まってる……向かわなければ」
毒の中で目覚めた凛花は体を動かし、毒の硬い壁を押し始める。
グチュッ、と毒の中に手が沈み、激しい痛みが体に走る。
でも、このまま毒の中で黙っている訳にもいかない。
だから…。
「うわぁぁぁぁ」
毒の壁を押す度、体が毒に入り込み神経毒が体を痛めlつける。
でも、少しも希望を諦めなければ必ず…………必ず…………願いは届く。
ズグッチュ……グチュッ……
腕が毒に埋まり、全身の力が少しずつ、抜けていく。
ズドッブチュ……
いきなり上に広がっていた毒が、凛花の上に降り注ぎ始める。
毒の壁が崩壊を始めた。
これが、王の狙いか。
包んで閉じ込める事が目的じゃない。
逃げられない様にして、毒で殺す事が目的なんだ。
「うっわ……狭くなってきた」
その時、毒の壁の上部にいきなり穴が開き毒の『檻』が崩壊を始める。
(何が!起きたの!?)
その時、毒の壁の穴からニョキッ、と白い動物が顔を出す。
「ヘーイ!ヘイヘーイ!」
「……ありがと。行方不明さん」
「行方不明じゃない!神出鬼没だって」
凛花は毒の檻から這い出し、颯斗の頭を撫でる。
「俺は、ペットじゃねぇ!」
「行くよ」
「あっ、ちょっ!待てって……お前さ、毒大丈夫なのか!?」
バコンッ
いきなり颯斗に衝撃が走り、脳震盪を起こし、フラつき廊下に倒れてしまう。
揺らぐ視界に凛花が映り、笑顔を見せる。
「っつあぁ……元気な様だな。はいはい、行きますから」
- Re: ●凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.328 )
- 日時: 2015/08/30 16:12
- 名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: pmOIN4oE)
「やぁああ!」
茜は王に向かって毒腕を振り下ろす。
が、王はそれをアッサリと交わし茜に向かって毒を飛ばしてくる。
しかし、それは翠の刀に弾かれ、敵に放った攻撃が自分に返ってくる形となる。
だが、王はそれを握り潰し______
「消えた!」
茜は額から汗を流しながら、辺りをキョロキョロ、と見渡す。
王の姿はどこにも無い。
「何処へ行きやがった………」
『ここじゃろーん!』
あの喋り方、間違いない!
王だ!
茜は両腕をパシン、と合わせ毒を身体中から一点へ集中させる。
ドクドク、と毒が体を周りブシュッ、と首筋から噴き出してくる。
そして、茜の姿は消え、代わりに紫色の巨大なドラゴンが佇んでいた。
『変幻系か……フム。ならば、わしも______」
ズブズブ、と毒のドラゴンが王の体からまるで脱皮をするかの様に出現する。
この姿になったという事は、つまり……。
「おいおい、まさか二人の決着の時って訳じゃあ、ないよな?」
「翠、逃げるなら今のうちだ。そうだよ、決着の時。私たちの疲労はピークに達している。これで、終りにするんダァ!」
(おいおい、嘘だろ……。俺、邪魔?いやいや、逃げるなんて出来ねぇよ!)
「翠!逃げないのか!?故郷で待ってくれてる人が____」
「いねぇよ。幼馴染はみんな死んだ、俺の故郷も_______」
「死んだ」
翠は刀を抜き、王のドラゴンへ向かって走り出す。
「翠!無茶だ!おいっ……まさか!」
「その"マサカ"だよ!茜、逃げろ!」
ズドッ、と音がして茜の体が廊下の端へ吹き飛ばされる。
ガハッ、と赤い血を吐き出しながら茜は頭をあげる。
「お前!死んだ仲間の、墓をまだ作ってねぇんだろうがぁ!!」
「お前は、兄の墓をまだ、作ってねぇだろ!?俺は_______」
その時、茜の目の前が白く光り、目が眩み爆風が茜を吹き飛ばし、壁に頭をぶつけてしまった。
揺らぐ視界の中で茜は不思議な光景を見る。
その光景は、ピカピカと光る宇宙船の中で翠と同じ様に爆弾を作り出そうとする黒いコートの赤髪の男の姿。
それは、今の翠に重なっており、その時茜はハッとして、
「翠!まさか!赤髪の男と同じ死に方をするつもりじゃ!」
少し、光が弱まり光の中に翠の影が浮かぶ。
「お前が、なんで知ってんだよ……紅の事。まぁ、そのつもり。ありがとう、今まで。楽しかったし、嬉しかった____」
「ばかっ!やめろ!」
茜は駆け出していた。
足についた足枷に足を取られながらも、翠に向かって走り出す。
「やめろ!お前!仲間に、死ぬ前に会ってから………そして、いやぁぁぁぁ!」
ゴトッ
焦げ臭い匂いが辺りに漂い、翠は目を覚ます。
辺りは瓦礫の山となっており、砂埃が舞い上がる。
白く霞んだ視界の先に、真っ赤に染まった球体が転がっているのが見えた。
立ち上がり、近寄ってみるとそれは王の腹。
瓦礫を退かしてみれば、王の首から上は吹き飛んでおり絶命していた。
「茜?茜は………?」
瓦礫の山を歩き回り、茜の姿を探す。
白いマスクをした、少年。
猫耳マスクの、少年______
砂埃を手でパタパタ、と仰ぎ辺りを見渡す。
ガラッ、ガラッ
瓦礫の山が動き、白いマスクを真っ赤に染めた少年が起き上がる。
「茜!」
「ゲホッ、ゲホッ……フグッ……翠?」
良かった、茜は無事だった様だ。
ユラユラ、と茜は歩き翠に飛び掛かってくる。
「ゲホッ、ゲホッ……なんだよ」
白い砂埃が茜の顔を隠し、表情が読み取れない。
けれども、茜の掌を掴んだ両手に雫が落ちてきて、翠はハッとする。
瓦礫の上にしゃがみ、茜と目線を合わせる。
「泣いてんのか?」
「グズッ……グズッ……翠、生きてる。良かったぁぁああああ」
ポンッ、と茜の頭に手を乗せて笑顔を見せる。
「俺は、死なねぇからな」
「うぐっ……死亡フラグ立てないでよ。グズッ……その台詞、死亡フラグ、立ってる。さっきの、爆発前も死亡フラグ立ててた」
「変な事、言うな!俺は、紅の墓を作るまで死なねぇんだからよ」」
うん、と茜は頷き王の元へ近寄っていく。
プニプニ、と腹の肉を押しながら死んだ事を確認する。
ピクリとも、動かない。
「おに……翠、ちゃんと王死んでる」
「なんか、変な台詞だな……えっと、死んでるんだな?」
翠は王の遺体をツンツン、と押してよいしょっ、と蹴り上げ廊下の……瓦礫の山に放り投げる。
「反乱軍の仲間と連絡できる?」
「みんな、千里眼で確認したけれど死んじゃったみたい。王国軍も全滅したみたい」
「そっ……か」
茜は翠のパーカーの端を掴み、歩き出す。
少し顔を顰めた翠だが、茜を見て溜息をつき少し笑顔を見せると歩き出す。
「翠、何処へ行くの?」
「城の外」
「なんで?」
「茜を……お前を家に返す為」
茜は首を傾げて翠を見る。
「家なんて無いよ?みんな死ぬ気で来てるし、王国軍に家を放火されたから」
「まじかよ!」
翠は目を丸くして茜を見る。
だが、すぐに正常な顔に戻って、
「俺の故郷に、来る?」
茜は一瞬、驚いた顔をしたがすぐに目を輝かせ、大きく頷いた。
「ちょっと遠いけど、な。でも、俺はゲームのプレイヤーなんだけどな……」
「ゲーム?」
「あぁ、殺人ゲームのプレイヤーだけど?」
茜はクスッ、と笑うと翠の背中にいきなり乗り、(重い)
「きっと、そのゲームはもう、終わる。翠は自由の身になるよ」
「え?」
- Re: ●凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.329 )
- 日時: 2015/08/31 20:19
- 名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: YzSzOpCz)
「そろそろ、最終章へ突入ですね」
支配人、このゲームの主催者はニタァ、と笑いながら王宮を上空から見降ろす。
そして、手を振り王宮へ支配人は飛び降りていった。
「殺人兵器、追加」
そう、叫ぶといきなり支配人の手の中からゾワゾワ、と黒い塊が流れていき、王宮へ降り注いでいった。
その塊は王宮の少し手前で停止し、いきなり弾けるようにして散らばっていった。
その瞬間、王宮の各地点から赤い液体の柱が上がっていった。
「少しは、片付いたかな?」
ふぅ、と溜息をつくとまた、風ヶ丘の本部へと支配人は引き返していく。
その時、背後にブワッ、と影が浮かび支配人は背後を取られる。
「しまった!」
ズシャッ、と音と共に支配人の体は王宮の屋上へ落下し、赤い血飛沫がはねた。
「翠、これで良いんだよな………」
背後にいた影の正体は、茜だった。
茜は翠の指示ではなく、自らの意思でこの行動をしている。
こうすれば、ゲームが終わり皆が、生き残れると考えたからだ。
しかし、支配人はピクピク、と動き起き上がり、ギロリ、と茜を睨みつける。
「参加者以外は、手出しをしないで下さい」
支配人は茜に銃口を向ける。
「うわっ!」
その頃、レンは。
王の死の知らせを聞き、慌ててミオウ……レオウの元へと向かっていた。
もしかすると、レオウまで……。
しかし、レオウの部屋には姿はない。
その時、目の前に一通の白い封筒があるのを発見する。
差出人は、英語でレオウ、と書かれていた。
慌てて封を切り、中を確認する。
{知っているとは思いますが、私はミオウではありません。そして、人間でもありません。王への復讐心の塊が私の姿を生み出したのです。今頃、私の体は深い深い、海の底でしょう。レン、今までありがとう。王への復讐、ごめんねレン。あなたの任務とは真逆だったわ。でも、それが出来たことで、未練は無いです。王を殺したのち、私の体は消滅します。黒い霧となって。それは、私の死んだ烏たちが私を食べているからです。レン、生きて。生きて、この国を変えて。ミオウの事、ごめんなさい。ミオウは私が殺しました。罪滅ぼし、なんてできません。その罪は重く、一生消えないからです。騙してごめんなさい、と皆に伝えて下さい。そして、護衛隊のみんなにも。 _____ レオウ」
「なんだよ、これ。ミオウを、殺した!?実体はない!?どういう、事だよ」
レンは口をあんぐりと開いたまま停止する。
嘘、だろ?
その時、背後からレンの元へ矢が飛んでくる。
それは反乱軍の矢。
「いいよ、もう……疲れたから」
- Re: ●凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.330 )
- 日時: 2015/10/04 22:01
- 名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: W/M2HNwF)
ズタッ、とレンは手紙を抱きしめながらゴロッ、とレンは倒れこむ。
「これっで……きっとミオウのところへ行く事ができる」
その時、外でバコンッという爆発音がして怪物小屋がガラガラ、と砂埃を上げながら消えていった。
それは、ライトの仕業。
レンの身の危険を感じたライトは小屋を破壊したのだ。
「レン……まさか!まさか!」
シュタッ、と地面を蹴り窓にライトは張り付いた。
すると……。
「レン!」
頭と首に矢を受けたレンの姿があった。
血が流れた跡がある。
どういう……ことだよ!
ん、とライトは部屋の中の床を見て、何かを見つける。
それは白い紙。
じっ、と目を凝らせば_____
「レオウからの手紙!ってことは…………」
ライトは全てを悟った。
茜は王宮の屋上で倒れていた。
薄く目を開け、天手を伸ばす。
すると、ガサッと音がして目の前に翠が現れていた。
「もう……リタイアする。茜、行こう」
リ……タイア?
「知られていないけれど、命を半分削ればリタイアできるんだ。だから、半分削ってリタイアする。そして、この世界を出て俺の故郷へ行こう?」
「あ……あ……でも……」
「命の半分なんて要らない。こんなゲームで人生を潰されるよりも、短い人生を故郷で楽しく生きた方がマシだよ」
翠は茜を背負い、支配人へ近づいていった。
屋上を歩き、支配人に手を伸ばす。
「俺の命、半分くれてやるよ。だから、茜と俺を俺の故郷へ飛ばしてくれ」
「仕方ないですね。取り返せませんよ?その命」
「碧と紅に会いに行く予定をまだ、達成していないから。そして、他の参加者には俺は死んだと伝えてくれ」
______
その頃、凛花は。
拳銃を構え、支配人の背後に立っていた。
これは…………翠との計画。
「これで、これで、みんな解放されるんだ……………」
目から涙を零しながら、凛花は拳銃の引き金を引く。
翠と茜は支配人の手により、リタイアとなり金色の光に包まれて消え始めた。
ギッ……
パァァァァァン
鈍い音がして目の前で白い破片が散乱していった。
「これで、終わったんだよね……」
急に体の力が抜け、へなぁ、と地面に座り込む。
ザァザァ、と雨が降りワンピースがグッショリと濡れていく。
淡い色だったものが、濡れて濃く変色していく。
ズチャッ、と拳銃を持っていた腕が地面に触れ、体温が奪われていく。
ふと、拳銃を持っている右手首に目をやると___
両腕に支配人の白い骨の腕が張り付いているのを確認する。
黒く汚れた骨には所々、ひびが入っていた。
「まさか!」
凛花はもう片方の手で、骨を引きはがそうとする。
が、骨の指が手首に食い込み、中々離れようとしない。
グググ、と腕がおかしな方向へ曲がり始め、激痛が走り出す。
「あ”あ”っ・・・痛いっ」
気が付けば、目の前に銃口が迫っていた。
もう一度、発泡音がして天に血飛沫が上がっていった。
ボトボト、と血が身体から流れていくのが見える。
でも、その様子を別棟の部屋の中から眺めていた少女がいた。
「”私”が、死んだ」
颯斗はその様子を突っ立って眺めていた。
放心状態のまま。
「おい……みんな………」
ハッ、として足元を見るとカタカタ、と白い頭蓋骨が動き、颯斗の頭に飛びかかってくる。
慌てて颯斗は背後へ下がるが、そこは屋上。
まるで自分が隕石になった気分だ。
ドサッ
支配人の骸骨は全てを見ていた。
颯斗の体は落下し、ピンク色の薔薇が咲き乱れる庭で真紅に染まった狼を。
「これで、終わりましたか?」
「終わらないよ?」
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