ダーク・ファンタジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました！使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例）鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- ●凛花と恐怖のゲーム。 ●完結！！！！
- 日時： 2015/12/31 20:32
- 名前： みーこ （ID: EWbtro/l）
- 参照： http://www.kakiko.cc/novel/novel2a/index.cgi?mode=view&no=3816
↑URLは、番外編です。
翠と、紅の過去のお話。最後は飛ばして、無理やり完結です。
★この小説をクリックしていただき、誠にありがとうございます。
★文才0の小説ですが、閲覧していただけると有難いです。
【あらすじ】
▲世界中を回る、支配人はついに日本へと降り立った。そして、標的となったのは凛花達の住む町、風ヶ丘。平凡な街だったが、次第に破壊されていく。しかし、その町の市民全員が参加するわけではない．『選ばれしもの』だけが、ゲームを行うことを許された。
■中藤凛花-ナカトウリンカ-「独りぼっちの人間なんていないよ？」(NO，148より)
平成15年3月15日生／12歳。／O型、魚座。
性格 :心配性だが、強気。口が悪く、思ったことははっきり言う。
身長 :152cm(ゲーム開始時)
体重 :36・4Kg(ゲーム開始時)
容姿:黒髪、セミロング
学年 :風ヶ丘小学校6年A組
種族:人間
■田村颯斗-タムラハヤト-「傷口なんか、もう痛くねぇ。」(NO.181より)
平成14年5月5日生／12歳。／A型。オウシ座。
住所:風ヶ丘3丁目4-15
性格:自由人。見た目とは裏腹に器用。
身長:158cm(ゲーム開始時)
体重:37.7kg(ゲーム開始時)
容姿:茶髪、短髪
学年:風ヶ丘小学校6年A組
関係:幼馴染
種族:狼／人間
『Escape until you die 』ーーーー死ぬまで逃げろ
prologueーープロローグーー
ついに、扉を開けてしまいましたね
もう、後戻りはできません
この、つまらない世界から出よう______
毎日、勉強や仕事に追われる世界からでようーーーーねぇ、疲れてるでしょ？
毎日、マニュアル通りに進んでいくような人生
そんな人生どう思う？
なら、いっその事この世界に来て、人生を終わらせよう。end!
どう？楽しそうでしょ？
自分で人生を切り開く
敷かれたレールの上は、もう歩かない
そして、
たくさんの仲間が待ってるから
気になるなら、この扉を開いて。knock! knock！ノックを忘れずに
きっと、『新しい世界』が待ってるから。new worldOpen
＿＿＿___________________________まだ、誰も見たことのない・・・
………………………………………………………………………………………………
【ruleーーールール】
●1ヶ月間ゲームをします。
●ゲームの内容は、皆さんは、鬼から逃げます。
●鬼に捕まると、檻の中に入れられ、仲間が助けに来るまで出れません。
●また、鬼に食われる可能性もあります。
(そのような事のないよう、こちら側も餌を与えるなどの対応をしておきます。)
★1ヶ月逃げ切れば、望みをなんでも叶えます。
………………………………………………………………………………………………
【guest】
●ちほりん様【森山ミミ】__(1番乗りキャラをありがとう！ずっと大好きだよ〜)
●雲雀 様【市村紅】______(紅、ありがとうござます。イメ画、待っております)
●雪花菜様【ユズリ】__(白血病は、私もあまり理解してないんだよね…)
●yukihiro様 【トウジ&セイ】______________(また、小説見に行きます)
●riyal様_____________ (文才ないよぉ〜見てくれてありがとう！)
●ENA様____________(名前見つけてクリック・・・嬉しいです！)
●リオキチ様___________________ (また、学校で話そー！！)
●文月様【音方文】____ (初めまして。閲覧ありがとうございました。)
●蘭子様 __________(お越しいただきありがとうございました！)
●詩歌様___(応援、ありがとうございます。凛花と生年月日一緒・・・驚き！)
●桜蝶様___(コメントありがとうございます！マジ感謝！×100000000)
●ばなな様＿＿（素敵な文章を書かれる方です。コメントありがとうございました。）
●ペンちゃん様_______(コメントありがとうございます。アリスさんも、ありがとうございます。)
●じゅき様____(私なんかで、よかったのかな？『母さんが出て行った日。』の作者の方です。)
●アリス様[麻央］_____(コメントありがとうございます！また、見に行きます！)
●NIKO様_____(来てくれてありがとう☆いつもお世話になってます)
● 緋狼様_____(また、見に行かせていただきます。コメント、ありがとうございました。参照がヤバい事になっている小説の作者さんです。)
●裏の傍観者様___(自衛隊の、小説を書かれている方です。細かい、キャラ設定が凄過ぎて……憧れます。コメント、ありがとうございました)
●いろはうた様＿＿（私の、尊敬している方です。コメント、頂いたときは、涙で海が、出来そうでした。一言で言うと、神！です。）
●ライド様【来夏＆冬華】______(見てくれて、ありがとう)
●燐想様【蛇月】______(オリキャラありがとウ)
●王様 様_____(コメント有難うございました。貴方様の文才に憧れております。参照はこんな駄作を読んでくださった皆様のお陰です)
●とりけらとぷす様____(閲覧、有難うございました。嬉しかったです。これからも、宜しくお願い致します。)
●てるてる522様____(来てくれてありがとう☆てるてるずっと友達〜)
●千紫万紅様___(コメント&閲覧ありがとうございました。)
●RINBYO様＿＿(コメント、ありがとうございます！RINBYO様の小説お気に入りです！)
●黒hana様___(コメントありがとうございました。長い長い、お話を読んでくださりありがとうございますm(_ _)m
●ますらお様___(感想、ありがとうがとうございます！m(_ _)m)
●天蜜様＿＿（温かいお言葉有難うございました。励みになります）
●ことり様＿＿（ことりさんの励ましのお蔭で、立ち直ることが出来ました。感謝しています）
《Contents》ー目次ー
●1章 【ゲームとの出会い】
>>0 >>1 >>4>>6 >>8>>9
●2章 【ゲームの恐ろしさ】
>>11 >>13 >>16>>18>>20
●3章【仲間】
>>21 >>24 >>26 >>27>>28>>32>>34
>>51>>52>>53>>56>>57>>60>>62
>>68>>84>>89
●4章 【大変な事に！！】
>>94>>95>>96>>97>>99>>101>>102>>103 >>104
>>105>>106
●5章【大変な事に2】
>>107>>108>>109>>111>>112>>113>>114>>115
>>117 >>118>>119>>121
●6章【変わるゲーム】
>>123>>124>>125>>126>>127>>128>>130>>131
>>132>>133>>136
●7章【死】
>>137>>139>>145>>148>>150>>151>>156>>181
>>184>>185>>186
●8章【生きる】※更新再開までお待ちください
>>187>>188
【地獄編】
>>189>>190>>191>>192>>193>>194
【新たな敵編】↓長編注意
>>195>>196>>197>>198>>199>>202【この章についてー読者の皆様へ】
>>203>>204>>205>>206>>207>>208この章では、ボスを倒す事を忘れていました
>>209>>210>>211>>212>>213>>214倒せないまま、次の敵と戦います
>>215>>216>>217>>218>>220>>221本当にすみません(多分ボロ負けしてました)
>>222>>223>>224>>226>>228
>>229>>231>>232>>233
>>234>>235>>237>>238
>>239>>240>>241>>242
【Ⅱ】
>>245>>246>>247>>248>>249>>251>>252
>>253>>254>>257>>258>>259>>260>>261
>>262>>263>>264>>267>>268>>271>>271
>>272>>273>>274>>275>>277>>278>>279
>>282>>283>>285>>286>>287>>288>>290
>>291>>294>>295>>296
【成長過程】
執筆開始 不明
◆1/23 参照1000突発！◇2/4参照2000突破！
◆2/18参照3000突破！◇3/7参照4000突破！
◆3/22参照5000突破！◇5/10参照6000突破！
◆8/9参照7000突破！◇11/17参照8000突破！
＊初めてこの作品を閲覧される方へ＊
1話から読まれる場合、↑の目次を使用して頂くといいかと……。
しおり代わりになると思います。
又は、↓の［1]のような所を！！！クリックして頂くと、1話から閲覧できますー
- Re: ●凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊！〜 ● ( No.321 )
- 日時： 2015/08/22 15:14
- 名前： みーこ ◆jdHxHHqZ4A （ID: pmOIN4oE）
「マジありえねぇわ」
凛花は用意された椅子に腰掛け、天井を見上げる。
今いる場所は戴冠式が行われる……なんて言うっけ？
えっと………協会……違う！えっと……とにかく会場横の廊下！
廊下には生首……じゃなくて、鹿の剥製って言うのだっけ？が飾られている。
「なんかこのワンピース、普段スカートとか履き慣れてないから、下がスースーして嫌なんだけど」
頭に手を当て、
「このメイドがやった髪型、巻き髪とか髪痛めそうだし嫌なんだけど」
と、グチグチ呟きながら式の開始を待つ。
もしもレオウが飛び込んで来たら、サッと場を譲る予定だし。
まぁ、レオウが来たら入れ替わって、さっさと着替えて片付けてトンズラしてもいいと思うんだけど。
ふわぁ、と欠伸をしているとザワザワと周りが騒がしくなってくる。
その音は会場内から聞こえてきた。
凛花は椅子から立ち上がり、会場内をチラリと覗く。
すると……。
「ぎょえ！」
式の参加者は人間＋人外だった。
しかも、人間と人外は普通に話をしている。
獣と人間と、魚人と、妖精＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「何なんだよ、この国は」
凛花は後退りして、会場に背を向け走り出した。
こんな世界にいてられっか！
さっさと風ヶ丘に戻って、涼香(1話参照)を探してやる！
- Re: ●凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊！〜 ● ( No.322 )
- 日時： 2015/08/22 23:59
- 名前： みーこ ◆jdHxHHqZ4A （ID: pmOIN4oE）
走り出して数分後……
いつの間にか気を失っており、目を開けると扉の前に凛花は佇んでいた。
茶色い、重たい扉が目の前に聳え立つ。
しかし、頭を打ったのか何も思い出せない。
さっきまで、何してたっけ？
凛花は、何をすれば良いのか分からず、おどおどしている。
すると、背中にいきなり何かが当たり、背筋がゾクゾクとして鳥肌を立て、体に電気が走ったようになる。
そっと振り返ると、メイドが微笑んでいた。
「式の流れをまだ、お話ししていませんでしたね」
「ねぇ……いつの間に戻ってきたの？」
しかし、凛花の質問には全く反応せず、マニュアルがあるかは知らないが、きっちり決められたようなセリフを口にする。
「まず、国王の挨拶があり、その後姫様が入場してあのベンチの横の細い通路をゆっくりでいいですよ、歩いていきます。後ろからfairyが付いて行きますから」
「分かった」
その後、いつここへ自分が戻ってきたのか聞こうとしたが、メイドの姿はいつの間にか消えてしまっていた。
まるで、幻だったかの様に、窓から入る風に流されて行ったかの様に。
辺りを見渡すが、席に座る人外だけが目に入って来るばかり。
どこへ行ったの……。
その頃、颯斗は。
廊下を獣化して走り回っていた。
今すぐ会場へ向かわなければ、凛花が…………！
先ほど、廊下を通るメイドの会話を聞いてしまったのだ。
「たしか、新しい姫って国外から来た日本人よね？」
「あー、そうだった！ミオウ様、悔しいでしょうね。歳は近いかしら？」
「さー？でも、ミオウ様の方が年上じゃない？」
「そっかぁ」
国外から来た日本人、ミオウと歳が近い_____
「でも、あんなファッション見たことなかったわ。日本ってあんな服着るのね。足を出し過ぎじゃないかしら？ショートパンツって言うらしいわ」
「確かに！皆んなあんな格好なのかしら？水色のショートパンツはいてたわね」
ショートパンツ！？水色？
間違いねぇだろ！凛花だよ！
一体、どこで……。
「じゃあ、私達も仕事サボって見に行きましょうよ」
「え？良いのかしら？まぁ、良いか。えっと講堂？」
颯斗はそれを聞いた瞬間、廊下を駆け出した。
ダダダダ、と廊下を走っていく。
「翠！塞いだ！？」
「うくへ！おっふん」(茜！OK)
茜はうんっ！と頷くと、腕をブンッと振り、毒の塊に火を放つ。
腕からは、赤く燃える炎が出ていた。
コピーの能力が誰かの能力をコピーして炎の能力を手に入れた様だ。
「驚いた！？昔、戦った相手がさ、炎の使い手で……その時に」
「ふへぇは！」(すげぇな！)
感心した様に翠は目を輝かせる。
苦笑しながら、毒腕を解除して包帯を巻くと、茜は走り出す。
「翠！先へ進もう」
茜は翠へ手を伸ばし、左手でマスクを抑えて目を細める。
おぅ！と翠は返事をするが……。
(あれ？俺って、茜に頼ってばっかりじゃないか！？茜の毒腕に頼ってばっかりで、自分の能力を最大限に出し切れ手ないんじゃないか！？)
俺の刀、最近仕事してねぇよな。
馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿！
何やってるんだ！
俺ったやつは。
「茜！俺にも手伝わせてくれよ！」
「ありがとう！翠！丁度毒腕を使いすぎて休みたかったんだ！」
茜は腕を抑え、顔を顰める。
毒腕を使い過ぎたから……。
もしかして……。
「あっ……！」
バタンッ
茜の体は床へ叩き付けられていた。
翠はハッとして茜に駆け寄っていく。
「翠！来るな！敵に背を向ける形になる！」
「でも！今、茜は狙われやす_______」
シュンッ
ピシッ
頬に痛みを感じ、手を当て離し、見てみると紅く染まっている。
今、斬られたっていうのか！？
あんな短時間に？
誰に？
どんだけ素早いんだよ。
前方を見ると、手を釜にした敵が立ちはだかる。
カマキリ人間！？
いや、鎌鼬か。
翠は刀を抜き、敵に向かって走り出す。
目の前にいる敵は翠には動きがスローモーションに見え、動きを全て詠むことができた。
鎌の上に乗り、敵に向かって刀の刃ではなく、鞘をぶつける。
命を奪うつもりは無いし、刀を拭くのも面倒臭い。
敵はフラつき、床に尻餅をつき気絶してしまう。
「ウガァ！」
「よっしゃ！」
しかし、茜は喜んでおらず、
「あはは……翠ったら喜び過ぎ。まだ、一人だけしか倒して無いじゃ無い」
「まぁ、そうだけどさ」
翠は頭をかき、苦笑い。
まったく、と茜は微笑み、傷口を毒で治療した。
- Re: ●凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊！〜 ● ( No.323 )
- 日時： 2015/08/24 14:06
- 名前： みーこ ◆jdHxHHqZ4A （ID: pmOIN4oE）
会場のオルガンが音を奏で、戴冠式が始まろうとする頃____
舞台裏では。
「姫が逃げたぞ！」
「腰を抜かしおったか……」
凛花が逃げた事で舞台裏は大騒ぎになっていた。
召使達が廊下を駆け回り、探している頃。
自室でレオウは人形を創り出していた。
その人形達は、凛花にそっくりな物と、レオウにそっくりな物の二種類ずつ100体生産されていた。
「これくらい作れば……」
レオウは人形を収納すると、会場へテレポートする。
スタンッ、と廊下に降り立つと、レオウはにまり、と笑いマリオネットを取り出し廊下に100体全てを設置した。
ザンッと廊下に敬礼をした人形が並んでいる。
「私の復讐劇の開始だよ_______」
スパッと手で風を切り、漆黒の鋭い鎌を召喚する。
右腕に力を入れ、指先にまで力を込め、廊下の上を滑るように足を回して体の向きを変え、鎌をブラウンの重い扉へ向けて力任せにグリン、と振る。
鎌から黒い闇が噴き出し、目の前が漆黒の闇に包まれる。
バキッ……ドガッ…！！
扉は斜めに斬られ上部がゆっくりと傾き、やがて静かに会場側へ倒れていった。
レオウはハンッ、と笑うと下部にパンプスの足を掛け、右手を振り、鎌を片付ける。
「お父様！………いや、今は標的か。今からこの会場は血の海となる。そして血の海となった会場で私は戴冠式を終える！」
右手の赤いクロスが掛けられた長方形のテーブルにダンッ、と手を突き国王は顔を真っ赤にして立ち上がる。
凛花はワンピースの裾を摘み上げ、会場の端へ慌てて移動する。
千里眼で敵を確認すると…。
(え……ミオウ！？いや、……確か、レオウ、だったかしら)
「お父様、私は貴方が大嫌いだった」
「早く、狙撃の準備をするんじゃろん！急ぐんじゃろん！」
ザザッ、とレオウの周りを国王軍が取り囲む。
「何の為に、命を削ってでも烏と再契約をしたと思う？」
王は顔を顰め、レオウを睨む。
「お父様を殺す為に決まってるでしょ？私の寿命は今日！烏の数が多い程、私の寿命は減っていく。私は喪った烏の数、再契約したから今日、私はお父様を道連れに死にます！」
その声はスピーカーから流され、国中に放送されていた。
一体誰の差し金かは、分からないが……。
国中は大混乱に陥る。
レオウは鎌を手に、国王に向かって飛んでいく。
「レオウ！やめるんじゃろん！助けるんじゃろん！早く！」
王が叫んでも国王軍は動こうとしない。
目を逸らして会場から撤退していく。
待て！と叫んでも会場から少しずつ、軍隊は減って行き……。
「待って……じゃろん」
最後に残っていた国王軍の隊長が、大きく溜息を吐き、
「我々は人間扱いされた事がありません。只の『兵器』としか扱われた事がありませんでした。ならば………兵器だとすれば、兵器は貴方を助ける事ができるでしょうか？核と同じ扱いです。核は貴方を助けましたか？一つも利益のない事に我々が命を賭ける意味がありますか？道具として使われた我々が貴方に何の恩がありますか！？見殺しにしても良いのではないでしょうか？貴方の命は護るほどの価値も無いということです」
2階席にいた兵士は全員撤退し、会場は客も居なくなりすっかりガランとしてしまった。
王はあ、あ、あ、と言葉を発すだけで、普段から運動をしない車椅子生活の王は逃げることも出来ず……。
ズパンッ、ブシュ……！！！！！！！
会場に赤い噴水が上がった。
ステンドグラスの窓から入る光に血飛沫が光り虹が現れる。
「お前は……人間じゃない！」
レオウはスタンッ、と床に降り立つと鎌をクルクルと回転させ、消すとレオウは黒い霧となって消えてしまった。
- Re: ●凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊！〜 ● ( No.324 )
- 日時： 2015/08/26 20:03
- 名前： みーこ ◆jdHxHHqZ4A （ID: okMbZHAS）
呆気に取られた逃げ遅れた客達は、頭を抱えて丸くなっていた。
色取り取りの衣装は、砂埃ですっかり茶色に染まっている。
床には椅子の木屑が落ち、大きな破片も落下している。
それが足に当たったのか、破片の横で蹲っている人も視界に入る。
「こっ、国王は……」
血肉が飛び散った椅子の背もたれを掴み、よろっと立ち上がる。
ずるっ、と床に広がった血に足を取られ転んでしまう。
服は真っ赤なトマトの様に変色してしまい、濡れて重たい。
冷たい服は体力を奪い、起き上がるのもやっとだ。
背もたれをもう一度、掴み椅子の向こう側の世界を見た時_______
「あ………」
王の座っていた椅子には、王の姿はなく、血がベットリと付いているだけだった。
シモベが死体を運んだのだろう。
あのデブをよく運ぶよね……。
そのせいか、床には引きずった血の跡もある。
辺りを見渡すが、怪我人が医療班に治療されているだけで人の姿はマバラ。
特にここにいる必要も無くなってくる。
こうなった場合、私は如何すれば良いのだろう。
その時、王の血の跡がずるっ、と動き、次第に天に昇り始める。
凛花は千里眼でそれに気がつき、ハッとして体の向きを変え、『その物体』と向き合う形となる。
目の前には、王が死んだ後抜け出た魂と血が合体してできた、王の道連れ作戦が広がっていた。
あんにゃろう。
その姿はまるで、ドラゴン
大きく口を開け、捕食しようとしている。
私を食べる気！？
冗談じゃない。
てか、あの国王デブ戦う事もできたのね。
初めから自分で戦っておけば、全勝出来たのではなかろうか。
この国が。
ドラゴンは口から炎ではない、毒の塊をどぷっ、と吐き出した。
それは空中へ一瞬、浮くとその後、まるで隕石の様に、流れ星の様に、宙を駆け、凛花へ迫ってくる。
きっと、もう王の意思はないのだろうな。
ドラゴンが王の魂を操る形となっているはず。
魂のドラゴンには、銃弾は効かない。
だとすれば……。
「こうなったら、逃げるが勝ちだ！」
バッ、と体の向きを変え出口へ走り出す。
勝ち目無し！
未来予測をしても、毒まみれになって即死が目に見えている。
逃げた場合は助かる確率が、まだ、ある。
タッ、と床を蹴りスライディングで床を滑って移動していく。
- Re: ●凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊！〜 ● ( No.325 )
- 日時： 2015/08/27 23:46
- 名前： みーこ ◆jdHxHHqZ4A （ID: pmOIN4oE）
部屋から転がりながら外に飛び出て、方向もわからず只、走り続ける。
ズブズブズブ……ポコッ……プシュー___
物凄い勢いで毒竜が背後に迫ってきていた。
毒ガスを吐きながら、角を曲がり鬼ごっこを開始する。
ふと、目線を下げると廊下の真ん中に黒い塊が落ちているのが見えた。
それはL字型になっており、近くには金色の弾丸が散らばっていた。
バッ、と身を屈めその物体を手に取り、確認するとそれは、小型の拳銃だった。
ダダダダダダ…
『逃がさぬ』
王の物と思われる声が耳に響いてくる。
何故だ！
王は死んだのでは！？
魂と王は融合しておらず、全く別の物体として生きていたのか！？
だとすれば、どちらかが死んでもどちらかが生き残り、戦い続ける事ができる。
ったく！卑怯な奴！
シュタッ、と凛花は足をとめ振り返り、毒龍と正面で向かい合う。
勝ち目が無いとしても、足止めくらいならば出来るかもしれない。
ガチャ、と安全装置を外して震える指を引き金に掛ける。
が、上手く引き金を引けないのだ。
何故だろう。
その時、目の前が紫色に染まっているのが分かった。
でも、動く事ができない。
頭を動かし、足元を見ると、毒が足に纏わり付いているのが見える。
「このままじゃ______」
ドブン
紫色の「波」が目の前から牙をむいて、両手を広げているかの様に迫ってくる。
腕を動かそうとすると、グキッ、と音がして手首に激しい痛みが走った。
全く気が付かなかったが、全身毒に包まれ逃げられなくなっていたのだ。
グチュグチュ、と鈍い音を立て毒は腕を溶かそうとしている。
紫色の煙がシュー、と引き出し全身に焼ける様な激しい痛みが走っていく。
「うぐっ」
さっきまで顔を取り囲む様に広がっていた毒は、既に顔全体を覆い意識が遠のいていくのが分かった。
__________まだ、死なない__________
死にたくないのに、毒は全身を締め付けていく。
「うがぁ！あぁ！」
骨が砕かれる様な感覚に陥っていく。
蛇に締め付けられ、呑み込まれるような感じだ。
毒龍は紫色の壁の向こうで、笑みを浮かべる。
その時、フッ、と意識が飛んでしまう気がして___________
会場にやっと、到着した翠と茜は目の前の光景に唖然としてしまった。
会場は空になっている。
誰も、居ないのだ。
「翠、誰も居ないよ？もう戴冠式終わっちゃったの？」
「____嫌な予感がする」
バンッ、と重たい木の扉を翠は開け、廊下に転がり辺りを隈なく探すと……。
廊下の隅の方で、紫色の毒の塊がドカンと転がっていたのだ。
茜は蒼ざめた顔で毒腕を発動させ、廊下を駆けだす。
翠は毒の塊を見つめていたが、また前へ向き直り茜の後を追いかけ始める。
「茜！どうした？」
「翠！大変だよ、王が、『覚醒』したんだ」
「？」
どうしよう。
今のは犠牲者だ。
しかし、まだ新しい死体の筈。
と、なると王はまだこの近くに居る。
「翠！危険だからこっちに来ないで！これは、私にしか倒せない相手だから！」
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