ダーク・ファンタジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

●凛花と恐怖のゲーム。 ●完結!!!!
日時: 2015/12/31 20:32
名前: みーこ (ID: EWbtro/l)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2a/index.cgi?mode=view&no=3816

↑URLは、番外編です。
翠と、紅の過去のお話。最後は飛ばして、無理やり完結です。


★この小説をクリックしていただき、誠にありがとうございます。
★文才0の小説ですが、閲覧していただけると有難いです。
【あらすじ】
▲世界中を回る、支配人はついに日本へと降り立った。そして、標的となったのは凛花達の住む町、風ヶ丘。平凡な街だったが、次第に破壊されていく。しかし、その町の市民全員が参加するわけではない.『選ばれしもの』だけが、ゲームを行うことを許された。

■中藤凛花-ナカトウリンカ-「独りぼっちの人間なんていないよ?」(NO,148より)
平成15年3月15日生/12歳。/O型、魚座。
性格 :心配性だが、強気。口が悪く、思ったことははっきり言う。
身長 :152cm(ゲーム開始時)
体重 :36・4Kg(ゲーム開始時)
容姿:黒髪、セミロング
学年 :風ヶ丘小学校6年A組
種族:人間

■田村颯斗-タムラハヤト-「傷口なんか、もう痛くねぇ。」(NO.181より)

平成14年5月5日生/12歳。/A型。オウシ座。
住所:風ヶ丘3丁目4-15
性格:自由人。見た目とは裏腹に器用。
身長:158cm(ゲーム開始時)
体重:37.7kg(ゲーム開始時)
容姿:茶髪、短髪
学年:風ヶ丘小学校6年A組
関係:幼馴染
種族:狼/人間



『Escape until you die 』ーーーー死ぬまで逃げろ



prologueーープロローグーー


ついに、扉を開けてしまいましたね





もう、後戻りはできません











この、つまらない世界から出よう______










毎日、勉強や仕事に追われる世界からでようーーーーねぇ、疲れてるでしょ?









毎日、マニュアル通りに進んでいくような人生







そんな人生どう思う?











なら、いっその事この世界に来て、人生を終わらせよう。end!











どう?楽しそうでしょ?








自分で人生を切り開く









敷かれたレールの上は、もう歩かない













そして、










たくさんの仲間が待ってるから











気になるなら、この扉を開いて。knock! knock!ノックを忘れずに












きっと、『新しい世界』が待ってるから。new worldOpen













______________________________まだ、誰も見たことのない・・・



………………………………………………………………………………………………
【ruleーーールール】
●1ヶ月間ゲームをします。
●ゲームの内容は、皆さんは、鬼から逃げます。
●鬼に捕まると、檻の中に入れられ、仲間が助けに来るまで出れません。
●また、鬼に食われる可能性もあります。
(そのような事のないよう、こちら側も餌を与えるなどの対応をしておきます。)
★1ヶ月逃げ切れば、望みをなんでも叶えます。
………………………………………………………………………………………………
【guest】
●ちほりん様【森山ミミ】__(1番乗りキャラをありがとう!ずっと大好きだよ〜)

●雲雀 様【市村紅】______(紅、ありがとうござます。イメ画、待っております)

●雪花菜様【ユズリ】__(白血病は、私もあまり理解してないんだよね…)

●yukihiro様 【トウジ&セイ】______________(また、小説見に行きます)

●riyal様_____________ (文才ないよぉ〜見てくれてありがとう!)

●ENA様____________(名前見つけてクリック・・・嬉しいです!)

●リオキチ様___________________ (また、学校で話そー!!)

●文月様【音方文】____ (初めまして。閲覧ありがとうございました。)

●蘭子様 __________(お越しいただきありがとうございました!)

●詩歌様___(応援、ありがとうございます。凛花と生年月日一緒・・・驚き!)

●桜蝶様___(コメントありがとうございます!マジ感謝!×100000000)

●ばなな様__(素敵な文章を書かれる方です。コメントありがとうございました。)
●ペンちゃん様_______(コメントありがとうございます。アリスさんも、ありがとうございます。)

●じゅき様____(私なんかで、よかったのかな?『母さんが出て行った日。』の作者の方です。)

●アリス様[麻央]_____(コメントありがとうございます!また、見に行きます!)

●NIKO様_____(来てくれてありがとう☆いつもお世話になってます)

● 緋狼様_____(また、見に行かせていただきます。コメント、ありがとうございました。参照がヤバい事になっている小説の作者さんです。)

●裏の傍観者様___(自衛隊の、小説を書かれている方です。細かい、キャラ設定が凄過ぎて……憧れます。コメント、ありがとうございました)

●いろはうた様__(私の、尊敬している方です。コメント、頂いたときは、涙で海が、出来そうでした。一言で言うと、神!です。)

●ライド様【来夏&冬華】______(見てくれて、ありがとう)

●燐想様【蛇月】______(オリキャラありがとウ)

●王様 様_____(コメント有難うございました。貴方様の文才に憧れております。参照はこんな駄作を読んでくださった皆様のお陰です)

●とりけらとぷす様____(閲覧、有難うございました。嬉しかったです。これからも、宜しくお願い致します。)

●てるてる522様____(来てくれてありがとう☆てるてるずっと友達〜)

●千紫万紅様___(コメント&閲覧ありがとうございました。)

●RINBYO様__(コメント、ありがとうございます!RINBYO様の小説お気に入りです!)

●黒hana様___(コメントありがとうございました。長い長い、お話を読んでくださりありがとうございますm(_ _)m

●ますらお様___(感想、ありがとうがとうございます!m(_ _)m)

●天蜜様__(温かいお言葉有難うございました。励みになります)

●ことり様__(ことりさんの励ましのお蔭で、立ち直ることが出来ました。感謝しています)

《Contents》ー目次ー
●1章 【ゲームとの出会い】
>>0 >>1 >>4>>6 >>8>>9

●2章 【ゲームの恐ろしさ】
>>11 >>13 >>16>>18>>20

●3章【仲間】
>>21 >>24 >>26 >>27>>28>>32>>34
>>51>>52>>53>>56>>57>>60>>62
>>68>>84>>89

●4章 【大変な事に!!】
>>94>>95>>96>>97>>99>>101>>102>>103 >>104
>>105>>106

●5章【大変な事に2】
>>107>>108>>109>>111>>112>>113>>114>>115
>>117 >>118>>119>>121

●6章【変わるゲーム】
>>123>>124>>125>>126>>127>>128>>130>>131
>>132>>133>>136

●7章【死】
>>137>>139>>145>>148>>150>>151>>156>>181
>>184>>185>>186

●8章【生きる】※更新再開までお待ちください
>>187>>188

【地獄編】
>>189>>190>>191>>192>>193>>194

【新たな敵編】↓長編注意
>>195>>196>>197>>198>>199>>202【この章についてー読者の皆様へ】
>>203>>204>>205>>206>>207>>208この章では、ボスを倒す事を忘れていました
>>209>>210>>211>>212>>213>>214倒せないまま、次の敵と戦います
>>215>>216>>217>>218>>220>>221本当にすみません(多分ボロ負けしてました)
>>222>>223>>224>>226>>228
>>229>>231>>232>>233
>>234>>235>>237>>238
>>239>>240>>241>>242

【Ⅱ】

>>245>>246>>247>>248>>249>>251>>252
>>253>>254>>257>>258>>259>>260>>261
>>262>>263>>264>>267>>268>>271>>271
>>272>>273>>274>>275>>277>>278>>279
>>282>>283>>285>>286>>287>>288>>290
>>291>>294>>295>>296
【成長過程】
執筆開始 不明
◆1/23 参照1000突発!◇2/4参照2000突破!
◆2/18参照3000突破!◇3/7参照4000突破!
◆3/22参照5000突破!◇5/10参照6000突破!
◆8/9参照7000突破!◇11/17参照8000突破!

*初めてこの作品を閲覧される方へ*
1話から読まれる場合、↑の目次を使用して頂くといいかと……。
しおり代わりになると思います。

又は、↓の[1]のような所を!!!クリックして頂くと、1話から閲覧できますー

Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.231 )
日時: 2015/05/14 22:51
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wJ5a6rJS)
参照: アリスちゃん、応援してくれてありがとう!



緑は、トウジの肩に手を置いた。

「「なぁ、皆んなを助けに行きたくないか?」」

「ああ、そうだな」

トウジはコクンと頷く。

「「俺の使命は紅との決着をつけることと、仲間を守る事だ」」

だからどうした、という話だ。

「俺らは、まず何をすればいいんだ?俺なんか、なんの能力も無いし」

緑はトウジの手をギュッと握る。

「「お前に能力がなくても、俺にはある。俺がお前を守る!」」

俺、ヒロインかよ……

確かに俺には能力がコレッポッチも無い。

助ける側ではなく、完全な『守られる側』なのだ。

けれども、悔しい。

守る、なんて言われて仕舞えば完全なるヒロインタイプ。

俺だって勇者になりてぇ。

誰かを守りたい。

例えば、レンの様に。

姫を護る力を持った少年。

ヒーローだ。





俺は、トウジを助ける。

それが俺に出来る唯一の事。

トウジには他に出来ることはあるから戦闘に関しては、守ってもらってもいいと思う。

俺には他に取り柄が無いんだ。

守る、鬼を止め、時空移動、それしか無いんだ。

だからスマナイ。

守らせてくれ………



ドスン、ドスン………


あの恐怖の足跡が鳴り響いた。

ゲームSTART

恐怖のオニゴッコが開始だ。

トウジと緑は、平行に並んで走り始めた。

パタパタパタ

タッタッタッタッ

足音が聞こえる、3つの足音が

___________ドスン、ドスン

まだ、鬼は歩いている。

余裕がある様だ。

俺らは精一杯なんだが……

ギッギーーギッー

アスファルトの上を金属の何かが擦れる音がする。

ギッ、ギギーーー

なんだ、なんだ。

鬼・・・・金属・・・・引きずる・・・武器・・・・カナボウ

あの音の正体はきっと、金棒だ。

俺らを殺す気か(当たり前だ)

ギッ、ギギーー

ドスン、ドスン

音は少しずつ距離を縮めてくる。

ドスン、ドッ、ドッドッ

また鬼が走り始めた!

やはり余裕なのか跳ねている。

ドッドッドッ

パタパタぱた……

ドッドッドッ……ヒュン!

風邪を切る音が耳元まで聞こえてきた。

トウジと緑は蒼ざめた顔で音のした方向を________

鬼は真横をロケットの様に飛んでいた。

そして俺らに向かって笑いかけると上空へ向かう。


アイツ、何する気だ。

緑は鞘から刀を抜いていた

闘うつもりか、コイツ

トウジには信じられなかった

あんな奴を敵に回して大丈夫なのかどうか。

果たして勝てるのか。

全てが信じられなかった

「俺が、斬ってくる」

「んんっ!ちょっと待て、緑!考え直せ!勝てるわけがない!」

「諦めるのかよ。まだ、勝ち目がないわけではない」

お前なぁ……

トウジは緑にはいくら言っても無駄だと感じた

Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.232 )
日時: 2015/05/16 18:21
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wJ5a6rJS)

緑は、立ち止まり鞘から刀を抜いた。

「俺が、止める」

(あっ!また美味しいところを!)

トウジは、顔を歪めた。

緑は自分勝手すぎる。

力は認めるが………ハァア



斬撃が鬼に向かって飛んでいく。

シュルルルッルルウルル

光る斬撃、緑……確かに格好良いと思う。

でもなぁ〜

ザシュッ!!

鬼の体に亀裂が入っていく。

そこから、毒が染み込む______

ドクドクドクドク……



____ん?

なんで、毒?

俺の刀、そんな機能無いはずだけど。

ええええ?おかしくねぇか?

緑の頭の中はこんがらがっていく。

俺の刀、いつの間に強くなった?

「ヴアアアアアアアア」

鬼が叫ぶ。

喉を抑え、苦しんでいる。



ドサッ

毒は数秒で身体中に周り、鬼は血を吐いて倒れた。

砂煙が舞い上がり視界が真っ白になる。

「グフッ。」

鬼が唸りながら黒い煙を体から放出した。

シューーーーーーーー

煙は黒いドクロの形になり空へシューーーと、登っていく。

煙と共に、鬼の中に入っていた魂が抜けていったようだ。

「なんだ、ありゃ」

トウジがジッとその魂を眼で追いかける。

白い尾がクネクネと動き、進んでいく

「あれが、鬼の中身……か。」

ということは、あの魂が抜ければ鬼は倒れる。

俺のやる事、見つかった!

「緑、俺たちは仲間の手助け、鬼の魂を抜くことが仕事だ!」

「分かってる」

冷静だなぁ。

答え方も違うんですけど。

そこは、「だな!」とか「おう!」とかそう言うのを待ってたのに。

緑、友達いないんじゃねーの?




ドスン、ドスン

次から次へと現れやがって。

鬱陶しいんだよ。

緑は、先程納めたばかりの刀をまた抜いた。

シューーーーーー

銀色に光る刀が姿を現わす。









Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.233 )
日時: 2015/05/16 18:16
名前: 燐想 (ID: iyrsvThs)

こんばんは。
久しぶりに来たので、
あのスレッドの謝罪です。

あのスレッドは、ただ使う前に一言言ってほしかっただけで
酷い言い方になってしまいました。
すいませんでした。

Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.234 )
日時: 2015/05/17 09:11
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wJ5a6rJS)
参照: お互い頑張りましょうね。

「ハァハァハァ」

呼吸も困難になり、体力が減っていく。

あの………毒……危険だ

「凛花!」

颯斗は叫び、駆け出した。

早く、助けなければ!

「颯斗!危ないから、来ない方がいいよ!」

何言ってんだよ!

幼馴染が殺されかけてる、っていうのにさ。

獣化して、ハルに飛びかかる。

空中で体勢を変え、口を開く。

「わぁぁぁぁ!」

ハルの頭に噛みつき、押し倒す。

バサッ

『くっ!このバケモノ!離れろ!さっさと、離れろ!』

ハルが叫ぶが、颯斗は動かなかった。



(また、助けられた……私は、1人では生きていけないの?)

唇を噛み、気持ちを沈める。

私は、弱虫なの?

すぐに助けを求めてしまう。

いつも、助けて貰っている。

私は、私は…………………



『バケモノ!離れろ!退けよ!私から、離れろ!失せろ!』

ハルは、颯斗を力一杯押すが動かなかった。

『さっさと、離れろっつってんだろ!』

足で腹を蹴り、前足に噛み付く。

ドカッドカッドカッ

(なんだよ、こんなに殴られてでもアイツ………)

『殺されたいのか!?』

「別に、死んでもかまわねぇよ」

颯斗の答えに一瞬ハルは戸惑った。

なんだ、コイツ。

頭おかしいんじゃねーの?

『もう、意味わかんないけど殺してやるっ』

ナイフをポケットから出し、勢いをつけ腹に突き刺す。

ブスッ

赤い液体が自分の上に降ってくる。

『どうだよ、、、死なねぇのかよ』

痛かった。

(けれども、今ここでコイツから離れてしまえば俺は勿論のこと、凛花もたすからねぇ)

「っ………しなねぇよ」

本当のところは、今にも死にそうだった。

身体中が痛み辛い。

『まだ、殺るの?体はもう限界が来てると思うけれど』

確かに、そうなのだが……

「俺は、まだやる事が沢山あるから死なねぇんだよ!」

そうだよ、俺はまだやるべき事を残しているんだ。

俺は、このゲームをクリアし死んだ仲間の墓を作り、風ヶ丘を元に戻す。

『そして、中学校へ上がる。』

止まった時間を返して貰おう。

まだ、数日しかここでは経っていないが現実社会では、もう新学期が始まっている。



ハルは、フーンと笑い颯斗の腹にもう一度ナイフを腹に_______

『これでもまだ、生きていられる?』

「「「「「「「「もう、やめて!」」」」」」」」」

ハルは、ナイフを止めた。

『何!?』

「颯斗を、もう苦しめないで!」

バコン!

体が宙を舞う。

なんで?

『嘘だ……あんなガキに負けるはずがない!』

「もう、私達に関わらないで!」

うっ………

関わってきたのは、そっちだと思うけれど。

颯斗は、手だけを獣化させ隙を見てハルにまた飛び掛った。

ザシュッ-----------------

額から顎にかけての傷がついた

『これで、終わりだな』




薄れゆく意識の中で2人が何かを取り、出て行くのが見えた。

『好きなだけ、持って行きなよ………』

目に血が入り、視界が紅くなる。

真紅に染まった私。

もう、限界__________『せめて、あれだけは終わらさないと。』





「颯斗、大丈夫?」

「んな、ワケねぇだろ!俺、刺されてるんだぞ!」

ですよねー

大丈夫なわけないよね。

「これからは、2人で闘おうね。この武器で私も頑張るよ」

手に持った武器を掲げる。

凛花も、武器を手に入れた。

これで、『守られてばかり』は終わりだな。





Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.235 )
日時: 2015/05/18 19:17
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wIulFSp9)

「あれを・・・終わらせないと」

ハルは体を引きずり部屋の端へ向かった。

そこには、大きな機械がある。

「これで、終わり。もう、心配は・・・要らない」

真ん中に赤いボタンがある。

これを押せば、この実験室の中にある情報は洩れないハズ。

そして、実験室の存在ごと消して______

ハハと不気味に笑いボタンに手を乗せた。

(アキ、後は任せたから・・・)

「アキ!大変!早く、外へ出て!」

こうして、逃がして私だけが消えればいい・・・

大好きだった実験室と一緒に消えるんだ。

「ハル!先に出る!」

アキの声が遠くで聞こえる。

もう、大丈夫かな____


バタン!


家の玄関の扉が閉まる音が、した。

「走って、アキ」




「ハァハァ」

ハル・・・

僕は逃げた。

お前を置いて___

お前は実験室と共に死ぬのか?



背後から警報機の音が鳴り響く。

「えっ・・・」

何だ?

アキは、振り返った。

警報機はもしかして_____



「「「「「「「「ドゴォォォォォォン!」」」」」」」




パリパリと、ガラスが割れる音、煙の臭い・・・

天まで昇る黒煙。

「ああああああああ!ハル!」

ハル・・・

アキは、黒煙の上がる家に向かい、走り出した。

「ハル!ハル!」

誰か、ハルを助けて____くれよ。

崩れていく自分たちの思い出の家。

もう、どうすればいいんだよ・・・

傾いた家の扉は歪み、開かない。

ハル_____

アキは、その場に崩れ落ちた。

「僕は、僕は____くそぉ」

悔しいよ。

お前はさ、戦争なんかしたくなかったんだろ?

『戦いを終わらせる戦い』をしようとしていたんだよな?

たとえ、それがしてはいけないことだとしてもどうしても終わらせたかったんだよな?

お前は、ずっと実験をしてたよな・・・

武器を作りつつ、人々の心を癒すことが出来る薬を作る実験を。

僕には、何も教えてくれなかったけれど。

それは何だったんだよ。








凛花は上着のフードに何かを感じ、手を伸ばした。

そこには四角い封筒が一通入っていた。

「颯斗、なんか封筒が・・・」

「・・・大丈夫か?怪しいものじゃねぇよな?」

颯斗は恐る恐るそれを取り出し、封を切った。

すると、モゾモゾと黒い塊が動き空へ昇って行った。

「なんだ?あれ」

ポカンとそれを眺めていると、それは少しずつ広がり何かを落とした。

ポタ、ポタ、ポタ・・・

小さな滴が降り始めた。

「これは____」

「雨だ!」

凛花が颯斗に続き叫んだ。






アキは頬に冷たい何かを感じ、空を見上げた。

空には太陽ではなく、真っ黒な雲が広がっている。

「これは___」

滴が乾いた大地を濡らしていく。

_________雨だ。

「ハルは、雨を降らしたかったのかよ?」

雨は、長くは続かずすぐに止んでしまった。

「すぐに止んでしまったよ?これは、失敗作なのか?」

しかし、ハルは雨を降らすことが一番の目的ではなかった。

雨がやむと、雨雲はどんどん小さくなり最後には消えてなくなってしまった。

「最期の実験は失敗に終わってしまったんだね。」

アキは、ペタリと地面に座り込んだ。

地面がぬれていても関係なかった。



ふと、上を見上げた時何かが見た。

『カラフルな橋』・・・

「ハル!実験は、成功していたよ!」

アキは叫んだ。

そう、大空には虹が出ていた。

雨は虹の種だったんだよ。

「君は、虹を作りたかったんだね!けれども、君は見ることが出来なかった・・・」



『アキ、ちゃんと見てるよ。遠くからでも見えるように計算したから・・・けれども、一つ願いがかなわなかった』

それはね、”3人でみることだよ”

『だよね、アキ・・・・セイ』




「凛花、颯斗ゴメンね。

最後のお願い、封筒の中身を空へ。

それはね薬だよ。

傷も、心も癒してくれる薬だよ。

雨の様に降って来てみんなが争いをやめるんだ。

皆に幸福が訪れますように。

ハルより」





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