ダーク・ファンタジー小説
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- クランボイス
- 日時: 2012/10/09 22:42
- 名前: 多寡 ユウ (ID: mVHy..WT)
二次小説のほうで少しやっていましたが、このようなものを書くのは初めてです。二次小説を書いている人がシリアス書いたらこんなもんか、程度にみていただいて大丈夫ですので、よろしくお願いします。
更新は二次小説の方と連動してやっていくので、多少ではありますが更新の遅れがあります。それでも時間を見つけてコツコツやっていきますので、よろしくお願いします。
人物一覧表
橘 呼堂(たちばな こどう)
私立聖九輪高等学校一年一組。地球外現象研究会部員。6歳より前の記憶を所持していない。一見すると穏やかな性格だが…。
橘 恵美(たちばな めぐみ)
日本科学センター所属研究員。橘 呼堂の義理の母親。通称:メグ
小鳥遊 遥(たかなし はるか)
私立聖九輪高等学校一年一組。地球外現象研究会会計。橘 呼堂に片思い中。
聖九輪 携太(せいくりん けいた)
私立聖九輪高等学校一年一組。聖九輪グループの御曹司であるが、性格はかなりマイルド。地球外現象研究会部長及び創始者。
星九輪 姫子(せいくりん ひめこ)
私立聖九輪高等学校二年一組。
現私立聖九輪高等学校生徒会長。通称:ヒメ、会長。聖九輪 携太の姉。
- Re: クランボイス ( No.26 )
- 日時: 2012/10/14 12:59
- 名前: 多寡 ユウ (ID: aNM7VPh4)
 
そう、話はそういえば学校の前の出来事から始まっていた。
グダグダな携太の地球外現象論説を見兼ねた俺が、携太の説明がヒートアップして本人が一度大声で、
『素晴らしいだろう!!?』
とかなんか言った瞬間、彼奴の右脇腹に格闘タイプ技の右ストレートを渾身の力で放ち、長ーいある意味で魔の地球外現象論説の幕が降りた。
そして、今。
校門から呼びかけるのは小鳥遊 遥。通称、ハル。
そして、その校門から20m程離れた場所で俺は歩いていた、
気がする。
- Re: クランボイス ( No.27 )
- 日時: 2012/10/16 22:59
- 名前: 多寡 ユウ (ID: mVHy..WT)
「今日のケイのスピーチ、どうだった?…その、良かったと思う?」
歩きながら隣の少女がふとつぶやく。
「いいか、悪いかで言えば。悪い方、だと思う」
俺はそのつぶやきと同じくらいの声量で答える。
「やっぱそっかー。今回は実は私がケイのプロデュースを手伝ったんだけどなぁ。第一、題名がマニアック過ぎるっちゅうの。何がカイパーベルトよ、変光星よ、相対性理論よ。ケイは本当さ、あーゆーのに全ッ然飽きないんだよねー」
少女は言いながら頭の後ろで手を組み、全く理想の乙女とは異なる格好をする。
そして少女の長い言動から、少年はあるひとつの仮定を導き出す。
「ハルは携太に惚れてんの?」
直後、
顔面めがけて、なにかが飛んでくる。
判断のしようがない。
なんていったって、黒い。しかも速い。
ふと見ているだけだとゆっくり動いているように見える黒いそれは、両腕で簡単にキャッチできそうではあるが、まずもって両腕が動かない。
例えば、
真っ正面からサッカーボールが近づいてきたりする時は、なんとなく全てがスローで見えたりするような感じ。
言っても解らないかもしれない。だが要するにそういうことである。
でもってその後すぐ、それが何か認識出来た。
これは、
革靴?
- Re: クランボイス ( No.28 )
- 日時: 2012/10/19 06:57
- 名前: 多寡 ユウ (ID: KoErH5Nm)
「呼堂がいけないんだからねっ!?いきなり呼堂があんなこと言うから…さ………、びっ、びっくりしたでしょうが!!」
少女の声が彼女の部屋の壁に振動する。
少女の左手には肌色のいかにも人間の肌と間違えてしまうような高湿絆創膏が一枚握られていて、それを少女の右手が少々不器用にも真っ赤に腫れた俺の鼻に貼り付ける。
こいつは絆創膏を貼った経験値が無いのかと思う程、掌で押し込むように強めに鼻に貼り付けられた結果。
「いっ、痛てぇよお前ぇ!あんたは俺の鼻を潰すつもりなんですかっ!?そうですよね!絶対そうっすよねっ!!」
「別に。充分に正当性がある行為だと思いますけど」
喧嘩になってしまった。
しかし、俺は怒りモードの顔から瞬時に冷静なモードへと変換し、前方にいる人間に苦笑いを浮かべながら、言う。
「……やっぱ惚れているのか、ハルうごぅっ!!?…」
ハルは瞬時に顔を真っ赤にし、傍らにあった枕を俺の顔面に投げつける。
「惚れてないっ!!!!」
一瞬真剣な眼差しを感じた気がするが。まあいい、今は失神していた方が得策だ。
- Re: クランボイス ( No.29 )
- 日時: 2012/10/29 21:17
- 名前: 多寡 ユウ (ID: mVHy..WT)
- 参照: http://w5.oekakibbs.com/bbs/oe-kakiko2/data/473.jpg
やっと完成。
下手ですね。すみません。
もう少し練習します。
ちなみに名前を消してしまいましたが、小鳥遊 遥という者です。
こういう人物とイメージして頂けたら幸いです。
- Re: クランボイス ( No.30 )
- 日時: 2012/10/24 14:28
- 名前: 多寡 ユウ (ID: zx5jjBXL)
「………ど………ぅ…」
「…………ッ………!」
自分から遠く離れた場所から、微かながらの音のようなものが聞こえる。実際のところ、声とも聞こえないこともないという程に曖昧なのだが、二つほど認識は可能だった。
一つは聞いたことがないような声。男性のような野太い音でも、その境目の中世的な響くような音でもなく。
鮮やかな、それでいてどこか寂しげな音。声であるのかもしれない、綺麗で流れるような音だった。
そして二つ目。
此方の方は音とも認識するのが難しく、ひょっとしたら聞き間違えなのかもしれないと自分の耳を疑った。
どうやら最初の音の方が二つ目よりも自分に近い位置に発生源が存在するらしく、一つ目の音は未だなお俺の耳に聞こえ続けているが、二つ目の音は若干ではあるもののどんどん薄れてきていた。
「…………」
俺は暫しの間、バラバラな記憶の引き出しの開け閉めを繰り返し、考える。
あの二つ目の音。
あれは音ではなかったのかもしれない。何度か耳を澄ますと、わかる。
推測でしかない。だがあれは、
橘 呼堂。
ようするに、
俺の声だったかもしれない。
そして、一つ目。
あれも聞いた事がある気がする。
確か……、あれは…。