二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- CLAYMORE 運命の道筋
- 日時: 2012/08/14 21:07
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: ???)
  
- プロローグ 
 「いつの世も戦士とは、多くのものを背負っている 」
 そう、その男は静かにゆっくりと語った……
 一体、どれ程の修羅場を潜り抜けてきたのか、
 どれ程の屍の山を乗り越えてきたのか。
 彼の纏う気迫と眼差しには、
 それは、本当の地獄と悲しみを知る者だけが持つ……
 凄みというものが有った。
 とうに過ぎ去った時間の中で、
 焼き付いて離れず逆光する記憶と痛みは、
 とてつもなく深く、悲しく、忌まわしく
 そして、懐かしい思い出でもあった。
 全てを失った男は大剣を取った。
 それが例え、血で血を洗う呪われたものあったとしても、
 醜態を晒してでも、そうしたかったのだ。
 己が生き長らえるが為に……
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- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.228 )
- 日時: 2013/05/30 03:26
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: tVCgD/M1)
  
- IF番外編 醜悪なる者ども6 
 その兄弟は絶望の果てに覚醒し、異形となり果てた。
 兄はかけがえの無い友を亡くした激しい慟哭の中で。
 己の深淵なる闇を
 弟は激しい憎悪と憤怒の中で。
 深い悲しみと歓喜、絶望と希望、怒りと安らぎの感情の羅列。
 過去と現在の記憶、絶え間ない生き物としての欲望。
 それを全てがない混ぜになった精神の中で、
 苦痛と恍惚の両方の表情を浮かべ。
 彼らは覚醒したのだ。
 ヒュ! ザンっ!! ドガァアアア!!!
 (ちっ! 流石に手ごわいわね。
 こいつもまた、“怠惰”のエウロパと同じという事か…… )
 SIDEリフル
 彼の実力は精々、ナンバーのそれくらいだろうと思っていた。
 しかし、それは間違いだとわかった。
 何か、違和感がする。
 そんな気がして、この攻防戦の中でこいつの妖気を探ってみた。
 そして、違和感の正体が分かった。
 「何故…… 」
 「…………? 」
 「あんたは何故、そこまで強くて……
 恐らくはあたしが戦士になった当時でも強かったはず…… 」
 それは互いが戦士として、人間として在った頃。
 レーヴァントの地力、身体能力、技術…
 いずれも、これといった目立つものは無く。
 戦力的に言えばイースレイと同じく万能的だったが、
 全体的な実力はイースレイに劣り。
 スピードではリカルド。 膂力ではダフ。 妖気読みではゲオルギウス。
 力の上昇率ではランドルフ。 妖力解放と押さえ込むという離れ技と、その切り替えの速さはテーオドルetc…と。
 一つ一つの技能や実力は当時の、全ての一桁ナンバーを上回り
 そして、劣っていたのだから。
 普段から妖気を押さえ込み、妖気からも計れず。
 あたしとの模擬試合中でも、あと一歩のところでいつも敗れていた。
 覚醒した事で強くなったにしても。
 それは、自分とて同じはず……
 だが、それはあくまで爪を隠していた上での実力だったというの?
 「これは、あくまであたしの推測だけれど。
 あなたの身体能力、技術、地力は恐らく。
 一点のみを除けば、全ての力で他の奴を軽く凌ぎ。
 それに妖力を総合すれば、リカルドをナンバー2の椅子から引きずりおろせたはずなのに何故、
 のちにナンバー2に引き上げられるまで、ナンバー5に止まり続けて…。
 そして、それを隠していたの? 」
 まさに“鬼才”の一言。
 間違いなくイースレイのように特別秀でた存在でも無く。
 かと言って、総合的言えば他の戦士のついづいを許さない才能と強さを彼は持っているのに、
 それを埋もれさせていた理由がわからない。
 「……他の上位勢は、訓練生当時から互いに争い。
 印を受け……
 正式に戦士に任命された後も変わりはなかった。
 故にそれを悪化させぬ為、組織がとった措置ときく 」
 「つまり、その小競り合いがなければ。
 最初から、ナンバー2だったという事ね。
 成る程…漸く納得いったわ…… 」
 片や、万能なる王としての資質をもった天才。
 片や、それに次ぐ資質を持っていながら末席に居続けた鬼才。
 彼らは、似て非なり相容れない時代のちょう児だったのね……
 続く?
 後書き
 どうも、今晩は。
 相変わらず未熟なままのカササギです。
 最近、暑くなってきましたね。
 じきに蛙が、そしてセミが鳴き始める季節到来です
- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.229 )
- 日時: 2013/05/30 23:21
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: tVCgD/M1)
  
- 眠っていなはずのそれは、凄まじい轟音と土煙と共に。 
 自らのあらゆる感情を吹き飛ばして目覚めた。
 全てを喰らう為に……
 「「!? 」」
 IF番外編 醜悪なる者ども7
 その目に映るのは、双子の女神テレサとクレア像を模したような姿の、
 死への恐怖も、食欲や肉の欲求も、感情も何も無い。
 かつての深淵の者ルシエラとその妹ラファエラのなれの果て。
 (全ての感情は吐き出され、空へと溶けていった……
 肉の欲求も、死ぬる事への恐怖も無い
 そのようなものは、もはや生き物では無い。
 ただ、絶望と死を撒き散らすだけか…… )
 「ちっ!
 ダフ! ここは一旦引くわよ!! 」
 「で、でも……
 らんどるふのやつが…… 」
 「いいから! 早くしなさい!! 」
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 ー 中央トゥルーズ 聖都周辺 ー
 あの吐き出された覚醒者もどきや
 組織と蘇った戦士との戦いの後。
 彼女達はラキの提案で船を使い
 普通20日かかる距離を半分の10日で聖都へ戻ってきたミリア達。
 そこで目にしたのは、7年前とは比較にならない程の強さを持った覚醒者達であった。
 「!?(こいつら全部、一桁ナンバーか……。
 殲滅のレーヴァント。 クロノス。 ラーズ。
 千里眼のゲオルギウス。 悲壮のウィルフレド。 血濡れのランドルフ。
 沈黙のクロード。 紫電のテーオドル。
 そして、はいがいのオクタビア……
 どいつもこいつも、一筋縄でいかない奴らばかりだな ) 」
 見渡す限りにいるのは、ただの覚醒者などではなく。
 いずれも、その名を轟かせた元一桁ナンバーばかりで、
 一応、人間形態をしているものの。
 彼らや彼女らの実力は妖気を通して、痛い程ひしひしと伝わって来る。
 「うっひゃあ……
 まだ、あんだけ男の覚醒者がいたのかよ 」
 言葉遣いが荒いショートカットの戦士ヘレンは、
 驚きのあまり声を出し、目をむく。
 「しかも、鮮血のアガサに匹敵するか。
 それ以上の覚醒者が3体もいるなんて…… 」
 「いや、私もいるぞ……
 いつぞやの戦士ども…… 」
 「北のイースレイ!!? 」
 続く?
 あとがき
 リフル&ダフ。 アリシア&ベス。 ルシエラ&ラファエラは原作通りに。
 その他は生存……そして、主人公は遅刻しました。
- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.230 )
- 日時: 2013/05/31 16:31
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: tVCgD/M1)
  
- あの日、プリシラと同じ存在が生まれた。 
 それは、もはや生き物と呼べない…
 感情も、理性も、自我も何も無い生命の捕食者だ。
 それが何故か…プリシラに的を絞り。
 そして、捕らえた。
 私達は戦士に気づかれぬよう気をつけながら、
 あとを追い懐かしい面々と再会した ーー
 IF番外編 醜悪なる者ども 幕間
 「何故、深淵の者がここに!!? 」
 声をかけられる直前まで、気配に気付けなかった戦士達は、
 それと共に解き放たれた強大で凄まじい妖気に怯みながらも大剣を抜く。
 7年前の因縁の相手。
 彼がもし、その気になれば。
 幾ら7年間も練り上げたとはいえ命はないだろう。
 そう、感じたからである。
 「おーおぉ……
 こいつらやる気だぜ、イースレイ? 」
 と、焔のような赤毛の覚醒者ランドルフは嘲笑う(わらう)。
 「……いや、戦う気というよりも怯えだろう。
 尤も、ミリアという娘は違うようだが 」
 「ですね……
 彼女達の内にあるのは、例えようのない恐怖心。
 しかしながら。
 ミリアお嬢さんは警戒はしておりますが、怯んではいませんし…… 」
 SIDEミリア
 「だからこそ、仲間をまとめ上げて組織と……。
 愛憎のロクサーヌや流麗のヒステリア…
 そして、塵喰いのカサンドラと戦えたのだろう。
 ミリアとやら、何か異存はあるかね? 」
 ば、ばかな……!
 何故、ここに奴がいるんだ!?
 しかも……
 ほかの連中はいずれも、これまで縄張りから出る事無く
 目立って動かなかった手ごわい者ばかり。
 「いや、無いな……
 しかし、何故お前達は徒党を組んでいるんだ?
 戦士時代からして、何のメリット無しに動くとは思えんのだが? 」
 「それは、だな……
 ゲオルギウスがていあ「イースレイ! 生きていたんだ!!」うん……? 」
 「ラキか……。
 また、背が伸びたな…… 」
 続く?
 後書き
 また、短い。
 今度で何度目なのでしょうか?
- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.233 )
- 日時: 2013/06/03 23:52
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: tVCgD/M1)
  
- 数年ぶりの再会を果たした師匠と弟子。 
 彼らは、その空白の数年間の出来事を語り合い
 他の面々とも言葉を交わした。
 IF番外編 醜悪なる者ども 幕間
 「へぇ……
 このガキが、てめぇが言ってた弟子って奴か? 」
 炎のような揺らめく赤毛が目立つそ暴な覚醒者。
 ランドルフは、まるで珍獣を前にしたかのような声で訊ねる。
 「あぁ、そうだが…
 何が言いたい? 」
 「んー、何つーか……
 人間にしちゃ、筋が良いってたけどよ。
 想像していたのとは違うつーか……ぶっちゃけ弱そう 」
 ランドルフは素直にラキに対する感想を述べる。
 それを聞いたミリア達戦士は、ひやりと肝を冷やすけれど。
 一桁ナンバーである己ですら、まるで赤子の手を捻るより容易く葬れる
 深淵の者を前にして、嫌悪感を見せても特に臆する素振りは無く。
 あっけらかんとした表情で軽口を叩いている。
 SIDEミリア
 「血濡れのランドルフだっけ?
 あいつ、深淵の者が怖くねーのかよ…… 」
 と、ランドルフと似たような口調のヘレンは
 怯え半分。 呆れ半分で男覚醒者達を見ている。
 「つーか、あのイースレイの弟子って…… 」
 「普通に考えれば、あり得ないか……? 」
 どうやら、デネヴも同感のようだ。
 確かにあり得ないな……
 普通なら、彼ら覚醒者や妖魔は人間など餌としか認識しない事が大半。
 あるいは、子供が蟻を踏みつけたり
 蝶の羽根をむしるなど、虫を苛めるように弄ぶかだ。
 それなのに、彼らは普通の人間のようにラキと会話をし。
 イースレイはラキに剣術を教えた師匠だとか…あり得んだろう。
 「……私も信じられないさ。
 例のあれ以外は関心が無いのか…
 あるいは、偶々空腹では無いのか……。
 いずれにしても、彼らは我々を害するつもりは無いようだな 」
 「私も、そう思います。
 仮にもし、私達に敵意があるのならば…
 数分持つかどころか、高い可能性で今頃。
 私達の首と胴体は離れている事でしょう 」
 「だろうな…… 」
 最弱だったヒステリアでさえ、厄介だった。
 それを明らかに上回っているイースレイは勿論。
 明らかに鮮血のアガサや獅子王リカルドを上回り
 深淵に等しい存在である二体…
 「殲滅のレーヴァント」と「怠惰のエウロパ」。
 シンシアの言う通り。
 彼ら三体が本気になれば、私達の生命など容易く消されてしまう事だろう。
 「でもよ。
 あたし達をぶっ殺す気満々だった奴がまさか、
 あのガキの知り合いだったなんてあり得ねーよ?! 」
 「……だが、事実だ。
 ラキが正体を知っても臆する事なく普通の師として接するところ。
 案外と、人間らしさは残っているのかもしれんな…… 」
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 「それでも多分、下位ナンバーくらいはあるだろうから。
 見極めは無理でも、てめぇの実力なら妖魔ごときに手間取る事はねぇだろう 」
 「そうですね。
 ラキ君を戦士の強さと比較するのならば、
 少なく見積もっても40番台前半。
 あるいは30番台後半と同格の実力はありそうです 」
 続く?
- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.235 )
- 日時: 2013/06/07 23:52
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: 643MqHaL)
  
- もし、人のままであったのなら… 
 戦士としてではなく、一族の者として各地をさすらい。
 ただ、ひたすら生き終えるまで生きて…
 そして、この空のどこかで死んでいった事だろう。
 もう、いない者だっただろう。
 その誇りも、命も、あいつらと組織に狂わされた俺は……
 まだ、この世界で生き続けている。
 もはや人ではない異形として……
 IF番外編 醜悪なる者ども 幕間
 「よお。
 お前も“あれ”を見に古巣から出て来たのか? 」
 ダークブラウンの短髪で無精髯を生やした人物が、
 ミリア率いる戦士達とラキという人間の戦士。
 そして、旧知らの様子を遠くから傍観していた。
 一際目立つ極めて鮮やかな赤毛の人物に声をかける。
 「クロノスとラーズか……。
 あぁ…大体、そんなところだ 」
 「ふぅん……お前にしては変だな……。
 オレはてっきり、お前はここに来ないと思っていたんだが…… 」
 クロノスが知るナンバー7当時のウィルフレドは、
 他の一桁ナンバーのように復讐だとか、仕方なく戦うのではなく。
 己を生かす為に技を磨いて、戦う組織に従順な戦士。
 そんな人物が己の命を危険にさらしてまでして、
 恐らくは組織の歴史上、最凶であろうプリシラを一目であっても見に来るはずがない。
 それが何故。
 何を思ってウィルフレドは、アルフォンスから出て来たのだろうか?
 まさか、生き飽きたわけではないだろうと思ったクロノスは訊ねる。
 「ましてや、戦士だった頃のお前なら……。
 組織の命令で、お前と戦いボロ雑巾にした。
 あのイースレイを遥かに上回っている女を見にくるわけがないだろう? 」
 「別に……
 自発的に…単に好奇心で来たわけではない。
 西の一件で例の姉妹のなれの果てを目覚める前に潰す為、
 共に戦わないかと誘われたんだアイツらに……。
 それで……
 特に何もする事が無ったから、アルフォンスから出て来た。
 ……それだけだ 」
 尤も。
 その時は長らく人間の内臓を口にしていなかった事で、
 身体が11歳程度の子供くらいにまで縮んでいたが、と言葉を付け加える。
 「要は、暇つぶしという事だ…… 」
 「……やれやれ、どいつもこいつもちっとも変わっていないな 」
 SIDEクロノス
 いや、アイツは違うか……
 例えあの後、ナンバーや実力が上がったにしても。
 表面的にはダフの妖気と同格だが、
 潜在的にある本来の妖気はリカルドを凌ぎ、
 あそこにいる“怠惰のエウロパ”に引けを取らない程。
 フザけた力がありながら何故、アイツはナンバー5にとどまっていたんだ?
 噂では、兄であるランドルフと協力して。
 “愛憎のロクサーヌ”を返り討ちしたと聴いたが……
 なる程、そう言う訳か。
 「……いや、違うな。
 何故、あそこまで強くてオレより下のナンバーだったんだ……
 あいつは、殲滅のレーヴァントは……? 」
 続く?
 後書き
 あと、2〜3話くらい?で
 このシリーズは書き終えられるのでしょうか?
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