二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- CLAYMORE 運命の道筋
- 日時: 2012/08/14 21:07
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: ???)
  
- プロローグ 
 「いつの世も戦士とは、多くのものを背負っている 」
 そう、その男は静かにゆっくりと語った……
 一体、どれ程の修羅場を潜り抜けてきたのか、
 どれ程の屍の山を乗り越えてきたのか。
 彼の纏う気迫と眼差しには、
 それは、本当の地獄と悲しみを知る者だけが持つ……
 凄みというものが有った。
 とうに過ぎ去った時間の中で、
 焼き付いて離れず逆光する記憶と痛みは、
 とてつもなく深く、悲しく、忌まわしく
 そして、懐かしい思い出でもあった。
 全てを失った男は大剣を取った。
 それが例え、血で血を洗う呪われたものあったとしても、
 醜態を晒してでも、そうしたかったのだ。
 己が生き長らえるが為に……
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- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.198 )
- 日時: 2013/03/25 22:41
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: /qKJNsUt)
  
- 前書き 
 未来編 その3
 外伝 静謐の森 上
 その少女を最初に見たのは、
 複数の妖魔が住み着いた街に立ち寄った時であった。
 ……幾ら夜半とはいえ。
 妖気を封じ完全に消え去った今となっては、
 己が死んだ事さえ気付かせぬほど。
 一瞬で、薄汚い妖魔共を葬る事は出来ただろう。
 だが……
 遠方から戦士の妖気がこちらに向かって来ている事から、
 このまま放置しておいても、
 もう間もなく少女は妖魔から解放されるだろうと。
 判断した私は、その街を後にした……。
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 静寂に包まれた一筋の月光すら届かない。古く深い森のどこからか聴こえる梟の声と共に、
 パチッと、焚き火の何ががはぜ火の粉が飛ぶ。
 「結局。
 お前は、見て知らぬふりをして放置したのか……? 」
 赤い炎に照らされた隻眼の女性は、
 目前の銀髪の青年をじっと、見つめ顔を微かにしかめる。
 「……別に助けても構わなかったのだが、
 ……ここ数日間の……。
 例の妖魔の動向から推測して放置しようとも、
 いくら、戦士の到着が送れとも……。
 奴は直ちに少女を喰らう事は、まず無かったであろう 」
 銀髪の青年はいつも通りに無表情な面持ちで、
 感情が一切、こもっていない声で隻眼の女性の問いに答える。
 「なる程。
 だが、私が知る普段のお前なら……
 依頼が無い妖魔は、此の夜の闇に紛れて問答無用で一切、躊躇わず。
 その異名の通りに殲滅せしめるはず…… 」
 自分達、半人半妖は一定の年齢に達するまで成長はするが老化はしない。
 故に見た目の年齢など、全く当てにならず。
 目の前の青年は見た目のそれこそ、
 十代の終わりの風貌のままであるものの…
 青年の実年齢は恐らく百歳前後。
 それ故に、遥かに年下である隻眼の女性は目の前の。
 青年の…“殲滅のレーヴァント”の、
 その過去も、経緯も、理由も組織か
 当人から僅かに聞き出したものでしか知らない。
 それ故に青年…男時代の元戦士が何故、
 組織から除名されて尚も戦いに固執するのかも、
 何がそうさせるのかも、全くと言って良い程知らない。
 ただ、理解出来るのは自分達姉妹に同等か、
 或いは、それ以上の陰惨な経験をした事による。
 妖魔への憎悪や復讐心を表面上は出さないだけで、
 心中では、炎と闇が静かに渦巻いているのかもしれない。
 「…………だろうな。
 ……だが、依頼が有る場合………
 仲間がいる気配があるのならばまだしも。
 妖気を消す薬を使うような場でも無いにもかかわらず
 急に妖魔の妖気が消えた場合…
 基方ならば、どう反応する……ラファエラ? 」
 「あぁ、そう言う事か……
 ……だから、敢えて妖魔の群れを放置した訳か 」
 「……ましてや、あの女が来るのであれば。
 基方はともかくも、除名された我々が出る幕はあるまい 」
 単にその戦士と鉢合わせる程度ならまだ良い。
 だが、現役を退いた以上は組織の者ならいざならず。
 彼らの存在を知らない一般人との接触するのは、
 些か面倒で、組織がどう出るのかも分からない以上。
 既に依頼がある場合と日の光があるうちは、
 緊急時を除いては基本的に放置だ。
 「あの女? 」
 「……昔、基方が言っていた。
 組織から抜け出した訓練生…と言えば理解出来るか……? 」
 「……あぁ。
 (あの時の少女か…… ) 」
 記憶にあるのは、無垢な笑みを浮かべる訓練生の少女テレサ。
 あれから、どれだけの時間が流れたかははっきり数えていない。
 だが、あれから数年のち正式に戦士になったとして、
 妖魔がうろつく荒野を大剣無しで自分のもとへやって来た事。
 それなりに長い時間を生き延びている事から、
 テレサは決して弱くなど無いだろう。
 自分らの手など必要ない程に……
 「それで、お前は夜が明けたら
 今度は、いずこの地を目指すつもりだ…
 ……レーヴァント? 」
 続く?
 後書き
 妹3がモンハンの金獅子化した。
 髪が。
- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.201 )
- 日時: 2013/04/08 17:36
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: NTjRWWeg)
  
- 「……何故、それを訊ねる? 」 
 「何、普段が無口のお前にしては珍しく
 饒舌だと思ってな…… 」
 外伝 静謐の森 中
 私がそいつと出会ったのは、
 姉さんと私のナンバーが上位に引き上げられてまもない頃だった。
 芸術の街ピカソからの依頼で、
 表向きには長く生きた妖魔…“異常食欲者”の抹殺…もとい。
 道行く男が全て振り向き魅了されたといわれる美貌を有し、
 その艶やかな仕草から“色欲”の異名で呼ばれた
 かつてのナンバー3 キュルケーの討伐を組織から言い渡され
 三名の仲間と共に、ゲルニカの谷を目指していた矢先。
 遠くにあったはずのキュルケーが一瞬にして、
 あまりに唐突に空から人間体の姿で現れた。
 「あらあら……
 もしかして、あなた達があたしを殺しに来た討伐隊なのかしら? 」
 そいつは、まるで娼婦が着るような
 露出の高い衣服を身に纏いながら、それを微塵も恥じる様子も無く言った。
 「ふぅん……
 このあたしを倒そうというくらいだし、
 リーダーの選出は、まあ妥当なところね 」
 「貴様が、色欲のキュルケーか……!? 」
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 「全く……
 リーダーのあなたはともかくも、ほかの子達が弱くちゃ目も当てられないわね 」
 「くっ……! 」
 振り向けば周囲には、奴の爪で切り裂かれて意識を失った仲間。
 そして、絶望だけがそこに横たわっていた
 「でも、まあまあ楽しめた事だし……
 首を跳ねて楽に死なせてあげるわ…ウフッ! 」
 自分は死ぬ。
 上位ナンバーになったとはいえ、
 まだまだ未熟だった私はたかをくくったせいで死ぬ。
 (あぁ、短い命だったな…… )
 ー ガギィィン!!! ー
 (剣戟の響き……?
 一体、誰が? 妖気は感じない…が… )
 まさか一般人が覚醒者に……?
 ありえない。
 あったとしても、わざわざ殺されるとわかっていて何故?
 不思議に思った私がそっと、目を開くと。
 そこには、音一つ、声一つすらあげずに鋭い爪での攻撃を大剣で。
 片腕一本で防いでいる一人の戦士がいた。
 「あら? ひょっとして、もしかして増援かしら。
 でも、それにしては全然、妖気を感じ無いわねぇ……? 」
 沈黙。
 「あらら、無視?
 でも、いいわ…今日は凄く気分が良いから許してあげる 」
 「…………黙れ……。
 貴様の口から腐臭が漂い臭くてたまらん 」
 外装の奥から聞こえたのは、一切の感情が籠もっていない男の声。
 「……仲間が危機的状況にあると判断し来てみれば、
 いるのは瀕死の戦士と、色欲の異名をとった雌犬か… 」
 明らかな挑発。
 自尊心が高いキュルケーは、それを許せなかったのか。
 ひきつった表情で肩を振るわせた。
 「め、雌犬!?
 く、く、クソがぁぁぁあ!! 」
 奇声と共にキュルケーは妖力を解放し、
 ドンという、大地がはぜる音と共に土埃が中をまう。
 「それが、貴様の本性か……
 色欲の……?
 徐々に土煙が消えてゆく中から。
 ゆっくりと現れたのは、顔の左半分が仮面隠れた。
 上半身が艶しい女、下半身が狼や猪や熊等の怪物。
 「さぁて……
 たかが、妖気が消えただけのあなたが
 覚醒体になったあたしと、どれだけ長く戦えるかしら? 」
 「…………救えないな 」
 それは、戦いと言えたのだろうか?
 ただ、わかっているのは
 “そいつ”が片方を大きく上回った力、速度、技術を有し……
 そして、片方が片方を侮っていた事。
 そして…………
 「がぁぁあああああああああああああっ!!! 」
 その男は片腕で……
 しかも、素手でキュルケーの腕を木の枝を折るかの如く捻り切った。
 「…………五月蝿い 」
 キュルケーは悲痛な咆哮をあげ、
 苦し紛れに残された左手の爪で攻撃するも、
 貫けたのは骨や肉などでは無く咄嗟に脱ぎ捨てた外装。
 「!? 」
 「こっちだ雌犬…… 」
 「ガアアアアっ!!! 」
 その男は圧倒的だった。
 様々な間合いにしても、身体能力にしても。
 戦士であった過去と元々の資質と地力もあるだろうが。
 長年の鍛錬による培ってきた技術や精錬された動きは、
 男の強さそのものを雄弁に物語っていた。
 残されたキュルケーの腕を切り裂き、あらゆる攻撃を捌き、弾き飛ばし、かわす。
 まるで、水が滴り落ちたのような静寂。
 足音も、布がこすれる音すらも無く。
 静謐と呼べるそれは、いつの間にかキュルケーの後ろに回り込み
 細切れに惨殺した。
 続く
- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.202 )
- 日時: 2013/04/08 17:41
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: NTjRWWeg)
  
- 後書き 
 キュルケーの元ネタはオデッセイアの魔女でして、
 覚醒体は同じくオデッテイアの怪物スキュラ。
 覚醒したあとは、その美貌を罠に獲物を得ていたのかも?
 追伸
 上の文字化けのスレッドは、数日以内に削除いたします
- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.205 )
- 日時: 2013/04/09 02:49
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: NTjRWWeg)
  
- 「ば、馬鹿な…!? 
 あなた、な…に…ものよ……?
 ……化け…も…の……… 」
 「…………化け物?
 それは貴様であろう雌犬…いや、色欲の…… 」
 外伝 静謐の森 下
 「…………そうだな。
 強いて言えば予感というべきか……、
 そう遠からぬ将来、不吉なる何かが起こり。
 そして、新たな何かが現れる気がするのだ 」
 「それは、勧なのか? 」
 老連なる戦士レーヴァントは語る。
 自身で言うのも難だが、それは伝説やおとぎ話に出て来るような予言の類では無く。
 よく動物が天変地異等を予測しているかの如く、
 その地から逃げ出す直感のそれに近いものであり。
 それが何なのか。 そして、何が起きるのかさえわからない。
 そんな、曖昧な代物でしかないのだと言う。
 そして、何か今に恐ろしい事が起きるのやもれないと……
 「……それが、何なのかは己ですら予測もつかぬ程。
 酷く曖昧過ぎて、はっきりとは言えんが……
 その勧を頼りに、此処より北西の地に赴こうと思う 」
 「そうか。
 その勧が外れると良いな…… 」
 「うむ…… 」
 レーヴァントは短く頷き
 ゆっくりと立ち上がると、突き立て背もたれにしていた。
 自らの印が刻印された大剣を地面から抜き背中に戻す。
 「では、達者でな…戦友よ…… 」
 「あぁ、お前もな 」
 「………… 」
 レーヴァントは短い別れの挨拶を残し、
 光すら届かない夜の森の、深い闇へと消えて行く。
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 「!?
 ……“微笑”のが死ん…だ? 」
 深淵の者に等しい覚醒者の凄まじい妖気を有する者より。
 その地より遥か遠くにて、
 最強と呼ばれた人物の終焉と……
 もう一人の、強大な妖力の者の再誕を感じ取ったレーヴァント。
 表面上は何時も通り無表情ではあるものの、
 内心は酷く驚いていて、北のイースレイや西のリフル以来の戦慄を感じていた。
 (……この距離からでは、はっきりとはせぬが。
 少なくとも“怠惰”のと同格か……?
 …………いずれにしても、全ての上位ナンバーが全滅した事には変わりない。
 ひとまず近くの組織の者に報告してみるか…… )
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 「そうか……わかった。
 本部に連絡を入れるとしよう 」
 あの後。
 あの山より最も近いの街にいた黒服……
 禿げが眩しい旧知の担当であった者に、
 自分が知り得た限りの情報を事細かに伝えた。
 だが、その黒服は特に驚く様子も無く。
 他の覚醒者と同様に、組織にその覚醒を知らせると短く答えただであった。
 「……だが、良いのか?
 微笑のの強さやプリシラとやらの覚醒が予想の範囲外とはいえ……
 上位ナンバーが根こそぎいなくなった事は相当な痛手のはずだが?
 …………。
 暫くの間は、情報を多少は操作出来るだろう。
 だが、それもいつまでも持つまい……
 そう、だろう……? ルヴルとやら 」
 「だろうな……
 ましてや深淵の者が、この好機を見逃すはずがない 」
 そいつは喉の奥で笑うと帽子を深く被った。
 「では、その空席を如何にして埋め合わせる……?
 例の双子は使いものにならんだろうし…
 かと言って。 他の一桁ナンバーには現時点で、
 上位ナンバーの実力に見合う者はなかったはずだが? 」
 「さあな。
 それは、長が判断する事だ 」
 「…………御意 」
 それから暫くして。
 ラファエラがナンバー5として復帰した事を知った。
 そして、あの日から数日後。
 別の街にて例の少女…クレアが。
 あの禿げが眩しい組織の者を見つけるやいなや
 腕に抱えていた微笑のの首を差し出しこう、言ったのだとも聴いた。
 「テレサの血と肉を、私の中に!! 」
 この少女こそ、自らの意志で最初に組織の門を叩いた者であった。
 後書き
 最初は一話の予定のはずが。
 何故………
- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.206 )
- 日時: 2013/04/10 22:26
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: NTjRWWeg)
  
- 世の中には、どうしようもない運命があるんだと思う。 
 それが、ボクらが神と呼ぶ者の筋書きなのか。
 あるいは別の何かなのか。
 それすら何もわからないまま、
 ボクらは、この世界で生まれあがいて。
 そして、消えて行くのだと……
 Scene29 比類無き答え2
 先輩、曰わく。
 ボクらは…半人半妖になった者は全て
 妖魔に大切なものを奪われ、
 取り分け陰惨な経験をした者のみを選別されたものなのらしい。
 そして、その強さも天性のものだけではなく
 半人半妖になった時の感情と思考……。
 つまり。 大切なものを失った事への慟哭の末の、
 それらを奪った妖魔への憎悪を糧に、更に激しい憎悪と怒りか。
 生存への執着や傷付く事への恐怖か。
 その、いずれかが……
 その感情と思考が強さと、攻撃型と防御型を分ける鍵だと。
 「ーー だから、誓った。
 あの目障りなクソ忌々しい化け物どもに、
 命を狩られる側の恐怖を、絶望を、そして地獄を嫌という程。
 長く味あわせ、嬲り殺してやるとな……っ!! 」
 「それは…あの、その。
 ナンバー5だと言う お、弟さんもで……? 」
 「おうともさ。
 あいつは殆ど感情を出さねぇし、あんま喋らねぇ……
 だが。
 それは、あくまで表面的に出さねぇだけで……
 あいつは…… 」
 「あいつは…なんなんです……? 」
 「いや、何でも無ぇ……
 とにかく、オレ達兄弟は家族の墓の前で奴らへの復讐を誓ったって事だ 」
 復讐……
 ボクは、それを成し遂げたところで過去や死人が戻ってくる訳でも、
 何でも無い不毛だと思うけれども。
 それはあくまでも、ボクの主観。
 その憎悪や心の内は本人にしかわからないのに、
 やるのは虚しいだとか、わかった風に言うのは甚だしいだろうし……
 それのいきさつや末についても、何も言えやしない。
 家族を妖魔に喰われ、殺されるという陰惨な経験をした。
 似たようないきさつと過去を持ちながら、
 妖魔を切り裂く剣か。 身を守る盾か。
 この二つのどれかを手にする以前の根底の違いが、
 ボクの内にあった死への恐怖が。
 ボクの結論の末の諦めが、運命を決定づけたんだと思う。
 「復讐……
 役立たずの弱虫のボクには無理ですね 」
 「まー、だろうな。
 てめぇの場合、現場慣れしてねぇのもあるが…
 その性格と根性無しをどうにかしねぇと、
 満足に戦えねぇし、長生きは出来んだろうな 」
 「キッパリ、ざっくりと切り捨てますねぇ…… 」
 「あぁ、オレは根性無しの弱虫に……。
 クソ浅ましい性根の腐った奴と、
 …あの眠そうな面をした天然は嫌いだ 」
 …………。
 「……は、はははは 」
 「だから、死にたくなけりゃ。
 脆弱なてめぇ自身に勝って、立ち向かうしかないんだ 」
 「…………?? 」
 「それは妖魔が何匹いるかだとか、単に振り回せばいいもんじゃねぇ。
 訓練生ん時に習った基礎を生かせ…
 手と胴の範囲とか、相手の攻撃の裁き方等の間合い。
 呼吸や僅かな動きの違い、歩法の技術を肉にしてな。
 そして、戦いの中での観察と見極めて戦うんだ。
 これだけアドバイスしてやって死んだら、
 それはてめぇの責任だ。 オレは知らんからな 」
 せ、せ、世知辛い……。
 「でもま。
 一応、骨は拾ってやるから安心しろ 」
 「……恐縮で、です 」
 続く
 後書き
 今日、台所に……
 “名前を呼んではいけない虫” “例の黒い虫”と呼ばれ
 忌み嫌わるるガッデム昆虫が疾走していた。
 逃げられた。
 すごく不安です。
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