二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

ぬらりひょんの孫〜半妖の定め〜
日時: 2010/11/02 21:06
名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)

初めまして!ぬら孫で小説を書きます!
あんまり見てない&マンガもちょっとしか見てないので、完全におかしくなります。

ちょくちょく更新するので、見て下さい♪

〜主人公〜
名前:留欄るらん
年齢:リクオと同じ
容姿:黒髪のショート
性格:少し真面目な部分もあるが、ほとんど雜。適当。飯の話には興味を持つ
備考:今は普通に学校に通っているが、実は妖怪の血も半分流れている。その力は未だ分からない。
元奴良組らしい。

宜しくお願いします。

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10



Re: ぬらりひょんの孫〜半妖の定め〜 ( No.36 )
日時: 2010/12/16 18:22
名前: リリア♪♯ (ID: CA3ig4y.)

〜第28話 言い伝え〜

留欄は部屋から出て、ある場所に向かった。

村の門を入ってすぐ目に当たる、巨木の前に位置する、祭壇。

その裏にある、一つの墓。

     “風花 阿琥”

風花は留欄の母の名前。阿琥が父の名前だ。

「お母様。お父様…私はどうしたら良いでしょうか…」

その時、後ろに誰かが来た。

「凛姉…」

凛庭の姉、凛央で、二つ上で、九藍を姉と慕っている。


「九藍さんが呼んでるよ。まだ寝てないと駄目だって。」

「ばれた?」

「行こう。」





来た時と同じ建物。

留欄は小さい時、ここで育った。

“孤児院”と書かれている。

「…懐かしい?」

凛央が尋ねる。

周りでは、子供達が遊んでいる。

「うん。昔に戻った気がして…」

九藍、凛庭・凛央も昔親に捨てられた孤児で、瑠欄は両親が亡くなった5歳の時から、孤児院によく来ていた。

「あの楽しい時間は終わってしまったのかな。」

昔の自分の残像が今にも出て来そうだ。

「ううん。あの時は、まだ続いてる。ただ試練に覆われてるだけなのよ。」

都会とは違う、優しい風が吹く。

まるで、留欄を未来へ後押ししているように。

Re: ぬらりひょんの孫〜半妖の定め〜 ( No.37 )
日時: 2010/12/19 19:20
名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)

〜第29話 噛み合わなくなった歯車〜

     “たす……けて……”

     “お願い……許して……”

悲しげな声が響く。

「…!!」

目覚めた時には、深夜だった。

身を起こし、辺りを伺う。
殺風景の部屋。あるのは本棚とタンスだけ。

満月の光が優しく村を照らしている。

「誰…?」

すると、奥で物音がし、叫び声が響く。

「きゃあっ!!」

反射的に体が動き、声のした方へ走る。

そこには、背中を血で染めた九藍。
気絶しているようだが、やはり大きな傷を負った凛央。

「九藍…さん。凛…姉。」

二人は微動だにしない。

途端に、涙が溢れる。

「うわああっ……!!」

〜翌日〜

九藍と凛央は、傷も治り、意識も回復した。

留欄は、二人に、あの日にあった事を話した。

「分かってたんだ…九藍さん、凛姉が刺されたのも…」

留欄には、予知能力があると言う。
しかし、桜花の能力のため、最近は不定期にしかも幻灯のように、1コマが別々に映るのだと言う。

「だからこそ、桜花を助けるべきなんじゃない?」

「えっ…?」

「見えたの。今の桜花が。」

九藍の能力、“透視”。
人や動物の心や、様々な場所を見る事が出来る。

「桜花は今、天上の世界、つまり天国に居る。」

「天国…!?」

「別に死んだわけじゃないわ。自分から一つのルートを使い、向かった。
相手は、数年前に死んだ、四人組の少女。その子達が桜花に四年前、戦いを挑み、死んだ。
その時、その子達は、桜花に呪いをかけたのね…」

「行くべきなんじゃない?」

「うん行く。九藍さん教えて。天上の世界への道。」

九藍は微笑を浮かべる。

「言うと思ったわ。」

「あのさ、リクオは……」

「…凛庭が、今までの全てを話してくれてる。」

凛庭とリクオは、暫く姿が見当たらなかった。
どこに行ってると思ったら、二人で同じ部屋に居たのだ。
凛庭とリクオが来る。

「お前、色々あったんだな。」

「…うん。それで、今の聞いてたんでしょ?」

「今回だけは、ついて行く。そのかわり、今度何か言う事聞けよ。」

「決まり…ね。」

凛央が二人に視線を向ける。
九藍が留欄に耳打ちする。

「……。」

「そうだね。」

「九藍さん!鷲が来た!」

外に出ると、一匹の大鷲が待っている。

「私達も行くわ。」

「九藍さんも…!?」

「勝って…また此処に戻ってくる為に。」

「凛姉……」

「…出発するぞ。」

凛庭が声をかける。

すると、鷲が鋭く鳴き、飛び立った。

「待ってて、桜花…」

Re: ぬらりひょんの孫〜半妖の定め〜 ( No.38 )
日時: 2010/12/23 11:28
名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)

〜第30話 天使の報復〜

鷲は大きく羽ばたくと、雲を突き抜け、今だ上へ飛んで行く。

「九藍さん!!まだ上!?」

もう常人では耐え切れない圧力になっている。今は風の軌道をずらして耐えている。

「…もうそろそろよ。」

留欄は、少し気になっている事があった。

さっきから、“桜花”の声が途絶えない。
微かに雑音混じりに届く。
しかも、天へと近づく事に段々ハッキリとしてくる。

「留欄!あそこよ!!見える!?」

九藍が指差した先に、雲が丸く集まっている。

「あそこを切り開いて!桜花もやったから、それなりに脆いと思うわ!!」

「分かった!!」

妖火を抜き、空に振りかざす。

「炎天」

すると、円形の雲に当たり、燃え上がる。

しかし、人一人がやっと通れる穴にしかならない。

「なっ!!」

「お前、気づいたのか?」

リクオが不敵に笑う。

「何によ。」

「こう言うのは中心を狙うんだよ。」

「中心…」

妖火にまた力を込める。
すると、変わった風が吹く。

触れると、すぐに傷が感じの、攻撃性の高い風だ。

「留欄!早く!!」

凛庭にい言われ我にかえり、前を見ると、10m先にもう入り口が迫っていた。

「…草馬伝記 鈴鳴」

深呼吸すると、また前を向く。

風が纏まり、塊となって中心へぶつかる。

すると、空にぽっかりと穴が開いた。

「本当だ。」

「安心すんな。…巨大な妖気がぶつかり合ってる。」

「分かってる。本当に大きな妖気……」

「着いたわ。」

大鷲が地面へと降りる。

天国とは思えない、土の地面。
しかも、空は暗い。

遠くで、火花が散っているのが見えた。

「あそこだ。」

鷲はいつの間にか飛び立ち、飛んでいったようだった。

==========================

「はぁ…はぁ…」

桜花は、4人を相手に戦っている。

桜花には深い傷が数ヶ所あったが、相手はほぼ無傷だ。

桜花が持っている刀は、もう一つの妖火。
留欄の妖火と共鳴しているようで、淡い色を放っている。

「さあ、相手にするのも、限界なんじゃない?」

「……留欄が来る。そうしたら、あんた何か……!!」

相手が、手を空にかざす。
桜花を、押さえつけるように。

すると、その実際の感覚が桜花へと渡り、圧迫される。

「くう……」

相手は風を操るに近い力を持った妖怪。

元々の力に加え、天国に来てからも、力を付けたと言う。

「その留欄がどれだけ強いか知らないけど、あんたと同じクズよね。アハハ…」

「留欄を馬鹿にしないでよ……」

「うるさいわね。……死ね。」

そう言うと、一本の槍を出す。

穂先は、桜花の心臓だ。

「さよなら。」

一気に加速をつける。






      カーーン






甲高い金属の音がする。

槍は割れると、先が地面に落ちる。

「4対1?あなた達は、そこまでしないと勝てないの?」

「……あんたが留欄……」

「そうよ。桜花の追った傷の分。





















倍にしてお返しするわ。」

Re: ぬらりひょんの孫〜半妖の定め〜 ( No.39 )
日時: 2010/12/28 10:29
名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)

〜第31話 怒り狂う風〜

「5対4。人数で勝って勝てるとでも?」

相手が桜花を持ち上げる。

「コイツは、もう負けたわ。」

留欄がキレた。

桜花を侮辱した上、勝手に負けと断言した。

切りかかる勢いで身を乗り出すが、九藍がそれを制する。

「貴方、何故桜花に呪いをかけたの?」

「…はぁ?」

「桜花を操り、力を暴走させる、呪いよ。


それは、“誰の指示”だったの?」

相手が、射るように睨む。

九藍は何時もの笑顔のままだ。

「何故…か。指示は受けた。あなたの察しの通りの人物よ。」

後ろで構えていた敵3人が九藍に向かって刀を向ける。

しかし、九藍はそれを簡単に抜ける。

「留欄。相手は、気が短いみたい。」

「分かってる。」

最初に走り出したのは凛双子だ。

連携攻撃で3人を峰打ちにする。

リクオは桜花を助け出す。

「見かけ倒しなんて思わないでよ。」

「…上等じゃない。あんたがかかって来なさい。」

「じゃあ、お言葉に甘えて……」

先制攻撃は留欄。

桜花の妖火を取り、攻撃する。

相手は、少し圧倒されるが、それでも立ち向かう。

「空牙!!」

留欄の手から離れた剣は、空中で消えた。

「!?」

狂想曲ラプソディ

妖火は空中に留まり、一気に落ちる。

背中を切り、留欄の手に戻る。

「ちっ…」

相手が振り向いた時には、もう留欄はいない。

相手の放った攻撃は、虚しく地面に激突する。

「当たってたら、痛いじゃ済まなかったわね……」

後ろからの声に相手が振り向くと、居ない。


「残念。」

音も無く降り立った“風”。

それは、どんな奴でも、予測不能だ。

「百花・乱斬」

目に見えぬ速さで斬る二本の妖刀。

「見かけ倒しはどっちかしら…」

相手に背を向けた時だった。

異変に気づいたのは、リクオだった。

「留欄!そこから離れろ!!」

「は…?」

呆気に取られているが、動こうにも動けないらしい。

先程の戦いで力が抜けている。

「う…動けない…!」

「くそ…!!」

リクオは、留欄を隣へ突き飛ばした。


その直後、地面が抜け、這い出て来たのは、“化け物”と言うに等しい怪物。

まるで蛛のような怪物。

その標的は、リクオに移る。

「リクオ…!」

「そこから動くな。」

「(違う…何か違う!!)」

留欄には、今まで聞こえていた雑音が消え、妙な違和感が止まない。

   =何時もの敵とは違う=

それだけが留欄の頭の中を渦巻いていた。

Re: ぬらりひょんの孫〜半妖の定め〜 ( No.40 )
日時: 2010/12/30 11:47
名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)

〜第32話 女神の微笑む時〜

蛛との戦いは続き、違和感は収まらなかった。

「(何故だろう…蛛本体からの力を感じない…)」

すると、目を閉じ、敵へと意識を集中させる。

手前にか弱く、消えてしまいそうな力。桜花。
そして、取り囲む三つの力。九藍・凛庭・凛央。

蛛の居る筈の場所には力は無いが、すぐ近くに溢れている力、リクオのそばに、圧縮された力。

蛛の本体。


「リクオ!!」

「留欄!?」

体は使い物にならないほど、動かない。

ただ、守ると言う使命感と気持ちだけが、留欄を動かしていた。



次の瞬間には、リクオの盾になっていた。

無数の数の蛛が、留欄に飛びつき、引っ掻き、噛みつく。

「留欄!!お前…」

「風神・刹那!」

最後の力を振り絞り、蛛を切り落とす。

それと共に、本体も消えていく。

「…怪我、無い?」

「お前…!」

「やっと……子分らしい事が……出来た…」

留欄は笑いかけ、倒れていく。

「おい!!」

「……」

気絶しているようだ。

すると、相手の一人が現れる。

「ふふ…やっと力尽きたわね。」

「この野郎……」

「こんな子、元々価値なんか無いもの。」

クスッと笑うと、留欄の体が動いていく。


向かう先は島の端。

「逆蛛糸。使わせてもらった。」

「ふざけんな…!!」

リクオは動こうとするが、動けない。

「まさか!!」

「そこまで間抜けじゃないわ。私。」

リクオの両手も、縛られていた。

留欄は島から落ちる直前だ。

「…甘く見んなよ。」

すると、刀を僅かに動く手で、手の糸を切る。

それと共に、手首が切れるが、気にせず島の端へ走る。

「馬鹿じゃないの!?島から落ちたら、もう生きていられないわ!!」

「馬鹿でも生きてる価値が無くてもいい。」

留欄が島から落ちた。

リクオも後を追い、島から飛び降りる。

「嘘…!!」



留欄は、落ちている中、目をうっすらと開けた。

誰かに掴まれる。


     “留欄…”

「誰……?」

     “大丈夫よ。心配しないで。”

ふわりと体が浮く。

すると、目の前が黒く覆われた。

==========================

「……ん……」

見渡す限りの白。

桜花と話した時と同じ所だ。

体から傷は消えていた。

「気がついたのね。」

横には、桜花が居た。
桜花も傷は消えている。

「桜花!?なんで此処に…てか此処はどこ…?」

「留欄。」

優しい声がした。

「えっ…?」

その時、留欄は抱きしめられていた。

留欄は、不意に涙が流れていた。

「ごめんね。こんなに傷だらけにして…」

「お…母様…?」

「……そうよ……」

白い髪、青い目。

正真正銘の母だった。

「ごめんね。試練なんか作って…」

「え…?」

「実はね…」

数年前。留欄の暴走を目の前で見た母風花は、試練を作り、力に飲み込まれてしまわなようにしたのだ。
桜花も、元は留欄の双子の妹だったと言う。

しかし暴走で命を落とし、力を使って留欄の中に入れたと言う。

「そうだったんだ…」

「でも、試練はいらなかったわね。
桜花は、もうあなたから離脱しているわ。

留欄。あなたは、もう自由よ。」

留欄の体がふわりと浮く。

「え!?お母様!!」

「あなたは、新しい道を歩くのよ。


ここからは、もう私の力は使えない。

また試練が来るかもしれないけど、頑張って。」

「…はい!!」

「新春・春風!!」

暖かい温もりのある風が留欄を包み、押し上げていく。

「また、いつか…」

==========================

目覚めた時には、修学旅行の宿だった。

「…あれ…」

「あ、風時さん!荷造りして。もう帰るよ。」

室長に言われ、カレンダーを見る。

2日経っていた。

「熱があったみたいだけど、大丈夫だった?」

「あ、うん。」

「風時さん!」

つららが後ろから話しかけ、びっくりして後ろを向くと、荷物を渡される。

「(何かありましたか?)」

「(後で教えるわ。)」

体から傷は消え、体が軽くなっていた。

清々しい朝が、やっとやって来た。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10