二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ぬらりひょんの孫〜半妖の定め〜
- 日時: 2010/11/02 21:06
- 名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)
初めまして!ぬら孫で小説を書きます!
あんまり見てない&マンガもちょっとしか見てないので、完全におかしくなります。
ちょくちょく更新するので、見て下さい♪
〜主人公〜
名前:留欄
年齢:リクオと同じ
容姿:黒髪のショート
性格:少し真面目な部分もあるが、ほとんど雜。適当。飯の話には興味を持つ
備考:今は普通に学校に通っているが、実は妖怪の血も半分流れている。その力は未だ分からない。
元奴良組らしい。
宜しくお願いします。
- Re: ぬらりひょんの孫〜半妖の定め〜 ( No.16 )
- 日時: 2010/11/14 09:22
- 名前: リリア♪♯ (ID: CA3ig4y.)
〜第11話 傷の数=思い出〜
「街を一つ消した。それは事実よ。」
それは、もう何千年も前の事だった。
留欄の両親は、お父さんが人間、お母さんが風の妖怪だった。
お父さんはお母さんに一目惚れして、お母さんと結婚し、私が生まれた。
もちろん半妖で、山奥で暮らしていた。
ある日、無理と分かっいながら、お父さんの村の所へ、「自分は危害は加えない」
そう伝える為、村へ行った。
しかし、村の人はお母さんの言葉を聞かず、矢を向け、お父さんも同罪とし、処刑されそうになった。
「・・・ここから数日、記憶が無いの。」
気づいた時には、風陽花村で手当てされた。
お父さんの村は、跡形も無く、吹き飛んでいた。
お母さんとお父さんは、生きていたんだ。
でも数年後死んだ。
そして放浪し、ここに辿り着いた。
「記憶が無い?」
不思議に思えた。そして、何故か心当たりがあった。
「うん。目の前でお母さんを見てから、風陽花村に行くまでの。」
「・・・」
「とにかく、ここまでが私の過去。」
「ありがとう。話してくれて。」
リクオはそう言うと、部屋から出た。
次の見張りのつららと交代すると、古い和綴じの本を見つけた。
外は賑やかにかなずちの音が響いていた。
- Re: ぬらりひょんの孫〜半妖の定め〜 ( No.17 )
- 日時: 2010/11/14 15:40
- 名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)
〜第12話 暴走〜
夜、リクオは一人、しだれ桜の上に座り、留欄の過去について考えていた。
=記憶が数日飛んでいる=
考えられるのは、一つしかなかった。
“妖気の暴走”
滅多に起こる物ではないが、強い感情に捉えられると、時々起こる。
妖怪の妖気が大きければ大きいほど、反動は大きい。
幼いながらも、妖気の暴走を起こし、近くにいた村人達は全て倒されたのだろう。
「おう。何してるんだ。」
ぬらりひょんが外に出てきた。
「ジジィ。お前、留欄が暴走を起こしたの、知ってんのか。」
目を合わさずに言った。
ぬらりひょんは全てを悟ったらしく、
「それは自分で調べろ。」
と言って帰っていった。
ぬらりひょんがふと、止まると、重々しく言った。
「暴走は、ここに入ってからも、起きている。かなり、頻繁にな…」
そう言うと、帰っていった。
「ちっ…」
リクオは舌打ちすると、しだれ桜から降り、部屋に戻った。
- Re: ぬらりひょんの孫〜半妖の定め〜 ( No.18 )
- 日時: 2010/11/17 18:52
- 名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)
〜第13話 糸を引く者〜
翌日、留欄は傷を治し、登校した。
数日の間授業を受けなかったため、カナの手助けもありながら、勉強をしていた。
「おはよう。風時さん。」
声をかけてきた人物がいた。
イケメンやら、かっこいいやら、芸能人ぽいやらで有名な人だ。
「おはよう。」
タイプではない(男子には興味はない)が、笑顔で挨拶を返した。
「僕の名前、覚えてる?」
しつこく追いかけてくる。
こういう奴は、誰であろうと嫌いだ。
「覚えてるよ。鈴音君でしょ。」
ナルシストだ。絶対ナルシだと思いながらも、話をしていく。
ちょうど前にリクオがいた。
「あ、リクオ!ちょっと来て!!」
「え!?何!?」
あまりの唐突さに驚きながらも走る。
〜屋上〜
息を切らしながら、リクオは尋ねた。
「何で走る!?」
「簡単に言うと、あいつがキライだから。あっ、突然ごめん。」
それだけ言うと、教室に戻って行った。
その後も、しつこく追い回された。
授業中も、ずっと手紙を回し、お昼も、結局一人で食べた。
「はぁ……」
家に帰ってやっと解放された留欄は、ぐったりと床に寝転がっていた。
「しつこいですね。まったく…」
「うん。打倒!鈴音!!」
「そこまでしなくても…」
今の会話を聞いたリクオは、思わず言った。
「だって、あいつ私の体触りまくったよ?わいせつだよ!!警察行きだよ!!」
「まぁまぁ…」
勿論気づかない。気づくわけがない。
首に一本の糸が巻きついていた事、
そして、隠された力も。
- Re: ぬらりひょんの孫〜半妖の定め〜 ( No.19 )
- 日時: 2010/11/18 17:47
- 名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)
〜第14話 ちっぽけな妖怪〜
翌日、鈴音は休んでいた。風邪だそうだ。
留欄はこのせいもあってか機嫌が良かった。
「鈴音が休むとこんなに解放されるんだ〜毎日休んで欲しいナ☆」
さり気なく怖い事を言う留欄だが、何故かいつもより体が重かった。
風邪にかかっているように。
午後、やはり熱を出して早退した。こんな状態では妖怪の姿を晒してしまうからである。
屋敷には一人で戻り、そのまま眠りについた。
<妖怪だ!!!>
途端に声がした。目を開けたが誰もおらず、逆に静まり返っていた。
そして、また目を閉じた時だった。
<お母さん!!>
明らかに少年の声だった。
しかし目を開けられず、金縛りが起きた。
と言うより、強い力で抑えられていた。
声を出そうにも出せなかった。
<そこの子供も妖怪だ!!>
昔、聞いた事のある声だった。
そして、徐々に声が大きくなる。
<お前も…!!!>
怖くなり、やっと声が出せるようになった。
「いやだ………!!!!!」
やっと分かった。
今の声は何なのか分からなかった。
なぜ今の“夢”を見たのかも。
いつの間にか夕方になっていて、妖怪の姿へと変わっていた。
「何で私なの……?」
脂汗を拭いながら、泣きそうな声で呟いた。
そして、携帯が鳴った。カナから。
=鈴音君、午後になって来たんだよ!
で、桜花はどう?
ちゃんと寝てなさいよ!風邪早く治しなよ。
追伸 みんな心配してたよ!=
全文読むと、足音がした。
リクオが入ってきた。
「あ、帰ってきてたの?」
「今帰ってきた。風邪どう?」
「ん。結構いいよ。」
「ちゃんと寝てなよ?」
「カナにも言われた。」
リクオは少し笑うと、襖を閉めた。
留欄は、二人に言われた通り、静かに寝ていた。
外で“アイツ”が笑っている事も知らず…
- Re: ぬらりひょんの孫〜半妖の定め〜 ( No.20 )
- 日時: 2010/11/19 19:19
- 名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)
〜番外編 親友の第1歩〜
翌日も、静かにはしていたものの、また熱を出した。
それ程病弱ではない留欄には、珍しい光景だった。
「ごめん。今日も休む。」
それだけリクオに言うと、部屋にそそくさと戻って行った。
〜留欄の部屋〜
襖を後ろ手に閉めた直後、片膝をつき、倒れた。かなり高熱が出ていたのである。
布団にうずくまり、荒い息を上げながらも、必死に体の痛みをこらえていた。
「それじゃあ、行ってくる。」
リクオは、妖怪達に留欄の事を頼むと、雪女と共に、学校へ向かった。
昼、首無が留欄に食事と薬を届けに行った。
首無と留欄は直接は話した事が無く、リクオや他の妖怪達からも、評判は聞いていた。結構怖い、と。
そんな事は気にせず、襖を開けた。
「失礼します。」
襖を開けると、妖怪の姿の留欄が座っていた。
白っぽい茶色がかかった髪が腰辺りまで下がっていた。
熱のせいで、とろんとしている目は、小さい子供のようだった。
「「…!!」」
慌てて後ろを向く留欄。
首無は一瞬戸惑ったが、食事を置いて、出て行こうとした。
しかし、留欄が急に倒れた。
「留欄様!!」
急いで体を支えたが、その風邪の容態さに、驚いた。
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薬を飲ませたお陰で、少し熱は引いたが、まだかなり熱があった。
首無は留欄の看病をしている。
「何故、こんな熱が出るまで隠してたんです?」
額に置いてあるタオルを代えながら行った。
「貴方には関係無い。」
留欄は冷たく返した。
「もっと風邪が悪化してたら、大変な事になってましたよ。」
首無は呟くように言った。
すると、留欄が少し小さく言った。
「…心配…かけたくないからよ。」
恥ずかしく言ったその言葉は、“怖い人”ではなく、“弱気な少女”であった。
首無はこれ以上深追いせず、言葉を出さなかった。
夜。もう既に全員寝静まった頃、首無はそっと留欄の部屋へ向かった。
留欄はまだ高熱が出ていた。
「勝手に…入って……」
首無の事は分かりつつも、それをどうこうする体力が無かった。
「まだ、誰にも言ってませんから。」
そう呟くと、留欄を安心させた。
「こんな夜中、誰かに見つかるよ。」
留欄はかすれた声でいいながらも、いつもの調子で話していた。
勿論、妖怪達は外に沢山いた。
ただ、誰も留欄の部屋には近づかなかった。
首無は留欄が寝ても看病し続け、ようやく、朝になった。
「ふぁ…っ」
起きた留欄は、壁にもたれるようにして寝ている首無に、そっと毛布をかけた。
風邪はお陰ですっかり治っていた。
「ありがとう。」
留欄は首無にそっと言った。
これが、二人の初めての出会いだ。