二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ぬらりひょんの孫〜半妖の定め〜
- 日時: 2010/11/02 21:06
- 名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)
初めまして!ぬら孫で小説を書きます!
あんまり見てない&マンガもちょっとしか見てないので、完全におかしくなります。
ちょくちょく更新するので、見て下さい♪
〜主人公〜
名前:留欄
年齢:リクオと同じ
容姿:黒髪のショート
性格:少し真面目な部分もあるが、ほとんど雜。適当。飯の話には興味を持つ
備考:今は普通に学校に通っているが、実は妖怪の血も半分流れている。その力は未だ分からない。
元奴良組らしい。
宜しくお願いします。
- Re: ぬらりひょんの孫〜半妖の定め〜 ( No.31 )
- 日時: 2010/12/02 20:00
- 名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)
〜第23話 渦巻く気持ち〜
留欄と“来客”の話を、リクオは襖越しに聞いていた。
留欄はそれを見つけ、一瞬戸惑った。
「…聞いてたの…!?」
「ーーーまた隠し事か。」
冷たい眼差しで、留欄を見据えた。
「……知りたいのなら、知ればいい。」
「そんな事は言ってねぇ。俺は……」
「隠し事じゃない!!」
リクオの言葉を遮り、怒鳴った。
少し間を置き、口を開いた。
「…ごめん…」
それだけを告げ、後ろを振り向いた。
「……そうか。」
部屋へ向かい、歩いている留欄に、リクオはそれしか言えなかった。
〜翌日〜
学校が休みの次の日、二人は一言も交わす事は無かった。
雪女達は、異常な風景に何も言えなかった。
留欄は部屋に閉じこもりぱなしだ。
部屋の机の上には星のアクセサリーは日光を照らし輝いていたが、どこかも切なかった。
留欄は綺麗にしかれた布団に横になり、色々な思いを巡らせた。
「……ッ……」
知らずの内に頬を涙が伝っていた。
「…ごめん……!!」
拭いきれぬ涙が虚しくも流れていった。
- Re: ぬらりひょんの孫〜半妖の定め〜 ( No.32 )
- 日時: 2010/12/05 13:24
- 名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)
〜第24話 治せない傷〜
翌日、学校では修学旅行の話で盛り上がっていた。
留欄は興味が無く、日当たりが一番いい自分の机でうつぷしている。
班と部屋決め(留欄は余りのグループに入れられた。)
班はリクオとは違う班だったが、部屋は二つだけとあってつららと同じになった。
自分の気持ちに気づいた留欄は、
「(これでいいんだ…これで…)」
とそう自分に言い聞かせ、二時間を終わらせた。
〜昼休み〜
昼、覚悟があれば“本当の事”を話してもいいと心の中では思っていたが、見事に予定が入り、合う事すら出来なかった。
その苦しさも、仕事の忙しさで紛らわした。
〜夜〜
留欄は一人、外出していた。
風陽花に行くらしい。明日の朝までには帰って来ると告げた。
リクオと留欄の間に出来た溝は、そう簡単には埋まりそうになかった。
- Re: ぬらりひょんの孫〜半妖の定め〜 ( No.33 )
- 日時: 2010/12/05 19:58
- 名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)
〜第25話 二人の留欄〜
風陽花村から戻って来たのは深夜0時。
しかしすぐに部屋に戻り、寝てしまった。
〜翌日〜
「明後日は修学旅行です。栞を読み、忘れ物の無いようにしましょう。」
そう担任は言うと教室を出て行き、皆も帰って行った。
つららが声をかける。
「一緒に帰りませんか?」
「……いい。」
つららの横を通り過ぎると、走り、帰っていった。
「バカ……!自分のバカ!!」
〜屋敷〜
留欄は修学旅行の準備をしていた。
休むのは流石にやめたかったので、妖怪の姿はウィッグで隠す事にした。
「はぁ……」
支度が終わった荷物を枕にするように寝転がった時、つららが入って来た。
「……何?」
「留欄様…何があったのかは聞きませんが、リクオ様との仲は早く戻して下さいね。」
「分かってるよ。でも…………」
「これ以上は、聞きませんから。」
そう言うと、つららは部屋を出て行った。
「星は天の象徴なのに、なんで私の星は汚れているんだろう。」
部屋の片隅に置かれたアクセサリーを見て、悲しげに呟いた。
- Re: ぬらりひょんの孫〜半妖の定め〜 ( No.34 )
- 日時: 2010/12/10 20:12
- 名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)
〜第26話 荒れる風〜
修学旅行当日、清々しく晴れた朝、留欄はあくびを出しながらバスに乗り、バスガイドの人の話を聞く事も無く、眠りにおちた。
“久しぶり。私”
どこからともなく声がする。
気づき、目を開けると、そこは野原だった。果てしなく続いている。
留欄は白いワンピースを着ていて、目の前にも同じ格好をした少女。
もう一人の“留欄”がそこに立っている。
“色々あったみたいね。”
「ええ。そりゃあもう。」
その“留欄”に笑いかける。
“そう。………私も力になりたいわ。”
「えっ…?」
“いつか、呪縛が解けたら……”
“留欄”は薄くなり、消えていく。
「待って……!!」
伸ばした手は、空を切った。
そこで目が覚める。隣の女子に揺さぶられ、起きた。
「夢…か。」
いつの間にか宿に着いている。
話を聞くと、今までの観光スポット(3つあったらしい。)の度に起こしたらしいのだが、叩いても引っ張っても起きなかったらしい。
「ふぁ〜っ…」
起こされたのは宿の一つ手前。
雑木林をバスは揺れながら進んで行く。
==========================
深夜になり、皆が寝静まった頃、留欄は一人、星空を眺めていた。
暗い夜に、一際星が輝いて見えた。
風が強く吹き、留欄の髪がなびく。
下ではまだ起きている男子の声が聞こえる。
「はぁ……っ」
しばらくすると担任が来たらしく、静まり返る。
下に降りると、やはり皆寝ている。
「(…何で降りたんだろ。)」
そして、気になっていた雑木林に向かう。
「ーーーーおい。」
不意に声がする。聞き覚えのある声だ。
「リクオ?」
夜の覚醒したリクオが後ろに居た。
相変わらず気配が無い事に寒気が走る。
「俺じゃ無かったら誰だ?」
「……何?」
「部屋に居なくていいのか?居なかったら、大騒ぎだぞ。」
「あんた、部屋見た?今、時は止まっている。」
風も止み、時は止まる。
本当に力を持つ風使いが使える技だ。
「……何の目的だ?」
静かに言う。
留欄には目的があった。
リクオが来ると分かっていて。
「この間、隠し事じゃないって言ったやつ。話しておこうと思って。」
「………あれがどうした。」
「実際は隠してた。……何でか分かる?」
首に隠していた星形のアクセサリーを出す。
出すと同時に、より一層、淡い光を放つ。
「あんたのじじぃにも越えられなかった怪物。それが封印されてる。あんたはこの事に深く入り込んだ。
罪を受け、“その記憶を消して”。」
手から滑り落ちた星形のアクセサリーが地面に落ち、割れる。
すると、煙が立ち上り、徐々に形となかっていく。
赤い体を持った4本足の巨大な竜。
人の対比にはならない程、巨大だ。
「深追いしすぎたわね……リクオ。」
吹かない筈の風が、一瞬吹いた事を、二人は感じなかった。
- Re: ぬらりひょんの孫〜半妖の定め〜 ( No.35 )
- 日時: 2010/12/12 13:03
- 名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)
〜第27話 二つの力〜
竜は幻想上の生き物とされ、妖怪より“この世に居ない”とされていた。
「妖怪が居るから、竜も居るってか…」
「グォォォッ!!!!」
竜は前足を振り上げると、思いっきり振り下ろす。
地響き辺りに広がる。
「これが一撃か…!」
「オオオオオッ!!!!!!」
更に空中に飛び、大きく翼を動かす。
「くっ……」
体が後ろに少し動く。自然界では有り得ない風圧だ。
「グォォォッ!!!!!!!」
また攻撃が来る。
今度は避け切れず、脇腹に当たる。
しかし、攻撃は止まない。
「(太刀打ちできねぇ…!)」
その時。
竜の次の攻撃が来た時、腕がリクオの頭上ギリギリで止まる。
顔を上げた時には、元の煙となり、星形のアクセサリーの中へと帰っていく。
「…!?」
「大丈夫?」
声をかけた女性。雪女では無かった。
「あんたは…?」
「詳しい話は、後ででいい?」
女性が留欄を抱えていた。
傷は無く、意識を失っているようだった。
「留欄…?」
「ついて来て。」
==========================
走り出した後を追った先は、村だった。
木々に囲まれた村。大きな家々が数軒立ち並んでいる。
女性は、一番奥の家へ案内した。
部屋が幾つか分かれていて、それぞれ札が掛けてある。
“留欄”の文字が書いてある所に案内された。
「貴方も座って。」
留欄を布団の上で寝かせると、話を続けた。
「ここは風陽花。…と言っても、聞いているらしいけど。
聞きたい事は?」
「…留欄が意識を失っていた事。」
「貴方、竜を見たでしょう?」
「ああ。赤い体を持った奴。」
「それは、“桜花”が持っている力なの。」
「桜花が…?桜花は人間だろ?」
「…留欄の“半妖”は、人との混合で生まれた時、それぞれの力が特化してしまったの。
人としては“怪物と話し、操れる力”を持つ。
妖怪としては“風使い”の力を使えたの。
幼い時には妖怪、人間の変化も出来て、どちらの力も使えた。でも、ある日、あの竜ともう既に契約していた時。
5歳になって、また竜と“遊んでいた”時。急に竜が暴れ出したの。
何とか抑えたものの、そこから人間への変化も、力の維持も出来なくなった。」
「じゃあ、意識を失ったのは…」
「力が左右してしまい、体が耐え切れなくなったの。」
留欄はまだ意識は戻っていない。
外が賑やかになる。朝のようだ。
「ここは時が止まらねぇのか。」
「風の力よ。私、行くわ。ここに居て。用事があったら呼んで。
あ…私の名前は、九藍よ。」
そう言うと、部屋を出ていった。
ここは遠野のように妖気が溢れているらしく、妖怪の姿のままだった。
「う…っ」
微かな呻き声で留欄が起きた。
「あれ…風陽花の…」
「覚えてるか?」
「うん。また桜花の力が…暴走した…」
「休んどけ。九藍って奴も言ってたぞ。」
「うん。」
外では賑やかな声が止まらない。
「風陽花か…」