二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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桜の図書館 (inzm/小説集) オリキャラ募集開始!!
日時: 2011/12/30 14:56
名前: さくら (ID: z2eVRrJA)

初めましての方もいると思います!!さくらです!

このスレはですね、ぶっちゃけ言っちゃうと、私の親友“薔薇結晶”の姉妹スレです。
私の頭の中で生まれ、存在せずに消えていく、可哀そうな物語たちが居ます。
それを、詰め込んじゃおうって考えです。


では、あなたはどの本を手に取りますか・・・?








■世界を忘れたティンカーベルの唄声は■

世界観 >>78


□本編     永久にワルツ

序章
>>79 ep01 「ぐるるのピアノのワルツと子猫を」
>>99 ep02 「エスケープの魔法」
>>130 ep03 「オペラの理不尽 〜悲喜劇リブレット〜」
>>145 ep04 「あなたなしでも世界は廻る」
>>152 ep05 「目から星が散れば いいのに」
>>158 ep06 「出たとこ勝負のカルテットトリオ」
>>159 ep07 「溺れようよ、いま深海のきみの瞳に」
>>160 ep08 「病はカスタードプリンのふりして嗤う」
>>161 ep09 「嵐の中を君と駆けるよ これは終わりへの追走」
>>162 ep10 「眼球内を花火がスパーク」
>>163 ep11 「終わりだって始まりを待っている」
>>164->>165 ep12 「びん底から見上げる世界」



☆『闇の世界に小さい迷子』

物語の解説—>>3

ep01「物語の終わりは、ハッピーエンドか、バッドエンドか。」—>>14
ep02「物語の終わりは、ハッピーエンドか、バッドエンドか。」—>>59




☆『伝説の魔法戦士物語』

物語の解説—>>10
登場人物紹介—>>35

ep01「東西の小さな村、“セリドール”」—>>38




☆『波乱万丈!?王牙3TOPとの日常生活』

物語の解説—>>12
登場人物—>>24

ep01「初めまして。曾孫です♪」—>>46
ep02「登校中」—>>53
ep03「ミストレの“カレー”」—>>54




☆『天使と悪魔と!』(移転しました)

物語の解説—




素敵お題サイトMade in Alice*から頂きました。
madeinalice.yuki-mura.net/

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Re: 桜の図書館 (inzm/小説集) オリキャラ募集開始!! ( No.159 )
日時: 2011/12/24 08:08
名前: さくら (ID: z2eVRrJA)

屋敷を出て約20分。それはもう走り続けた。そして今も尚、走り続けている。息は所々続かなくなり、散り散りになっているが、結構タフな方なので、まだまだ走る。

急げ、急げ。私は走りながらあのメッセージの意味について考えた。普通、こんなメッセージカードに鍵魔法なんて掛けるか。必ず理由があるはず。探せ探せ、分からない、探せ。厳密な事をこれから私に告げるというのか。ならばその厳密な事とは何だ。まさかバレたか。今に思い出すにもおぞましいあの事件。私と父さんが調べていたあの事件の真相。まだ答えには辿り着いていない。だが、調べられている事に勘付かれた、となると、こちらも不都合だ。どうにかしなければならない。だが、いくらなんでも王都に情報が行くのは早過ぎる。、否、だがあの鬼沙羅の事だ。情報網が早いのにはこちらも承諾出来る。では何故だ。口封じか。殺す、事はまず無いと思うが。何故あのタイミングで私に手紙を遣した。



『—————ッはぁ、はぁっ、つ、着いた、ッ』



屋敷を出て約30分で着いた先は、取り分け巨大な城のような宮殿。赤と白の薔薇が咲き乱れる。まるで、不思議の国のアリスに出て来る赤の女王の城の様な。大きな薔薇と白鳥を形作る門と、噴水、銅像、テラス。数々の創造品に目を奪われる。























…Alice in Wonderland.























通されたのは、温室のような客室間。数々の樹や草花に、小川をイメージした綺麗な水路。噴水もあり、更にはプール、滝、中心には白いソファにテーブル。テーブルの上には先程鬼沙羅の召使が用意したであろう、紅茶とお菓子が用意されていた。そして、反対側のソファには、鬼沙羅、国王が座っているのである。


「あら、いらっしゃい。・・・虹彩」

『人を緊急に呼び出しといて何よ。何様よ』

「別に良いじゃない。貴女の疲労顔が見たかったのよね。レアよレア。それと、偉い立場なんだから仕方ないじゃない」


と、こんな会話が3分程続くのである。

すると珍しく鬼沙羅が話しを切り出した。


「そろそろ本題に入ろうじゃないの。—————貴女、“魔聖大戦”は知ってるかしら?」

『魔、聖大戦・・・?』





 07F.( 第43次魔聖大戦 )

Re: 桜の図書館 (inzm/小説集) オリキャラ募集開始!! ( No.160 )
日時: 2011/12/24 08:09
名前: さくら (ID: z2eVRrJA)

“魔聖大戦”。その言葉が鬼沙羅の口から放たれた事には正直心底驚いたものだ。“魔聖大戦”について、知らない訳では無い。だが、逆にも幼い頃絵本で読んだ事がある位だ。こんな時にそんな無駄話をするつもりかコイツは。否、だがそうでも無いらしい。鬼沙羅の表情を伺えば真剣だ。

だが一応問うてみる。


『・・・こんな時にそんな無駄話するつもり?幾等貴女でも張り倒すわよ。』

「無駄話?それどんな冗談よ。何、知ってるのかと思ったわ。・・・・・・否、知っているはず。私が随分前に貴女に調査させたはずよ」


どういう事だ。私は知っているのか。随分前に調べた・・・?

消え掛かった“魔聖大戦”という言葉と情報を頭の中で必死に探し荒らす。すると段々と人間とは思い出していくものだ。それは此方の世界の魔族も一緒である。段々とハッキリしてきた記憶を鮮明に繋ぎ直す。



「思い出した様ね。まぁ良いわ。今日はその事について話がしたかったの」



“魔聖大戦”。それは、この世界で有名な神話に出て来る絶対願望機《アブソリュート・ディザイア》。正式名称新約聖書《ノーヴム・テスタメントゥム》、を巡って選ばれた魔族達が殺しあう遊戯ゲームである。

新約聖書《ノーヴム・テスタメントゥム》とは、持者の願いを叶える聖書の事である。手にした者の願いならどんな事でも実現出来る、奇跡だって起こせるこの聖書は、何時からか“魔聖大戦”の賞品となってしまう。

選ばれし魔族達は、最終地点と呼ばれる幻島、“失われし理想郷ロスト・オブ・エデン”に集い、戦闘可能な魔族が残り一人になるか、3ヶ月が過ぎるかがゲーム終了時となり、前者の方の残りの一人には次の“魔聖大戦”までの期間の新約聖書《ノーヴム・テスタメントゥム》保持者、管理者の権利が与えられる。その管理者には最大三つまで奇跡を起こす力が与えられ、どんな願いでも叶えられるという。但し、願いを四以上叶えた場合、管理者の身体が新約聖書《ノーヴム・テスタメントゥム》を体内に秘めておく事が難しくなり、狭間の門から姿を消すという。実際、そういう事例が確認されており、調査した結果、新約聖書《ノーヴム・テスタメントゥム》は狭間の門と同じ物質から創られていることが判明された。


私は、この時は極秘任務として出た訳なので、一般の魔族は先程の私と同じ様に、絵本として出版された童話としてしか知らないか、それ以下の無知のどちらかに当てはまる。

まさか現実の話だったなんて。



「良くもまぁ、此処までこの短時間で思い出したものね。」

『そりゃどうも、』

「そして、貴女に一つ、“魔聖大戦”の事について頼みがあったのよ」

『だから私を此処に呼んだ、と?』

「えぇ。・・・魔聖大戦は、普通7,8年置きに開催されるわ。そして、今年で43回目。・・・・・勘の鋭い貴女には、もう気付いて来ているんじゃ無いかしら?」




『私に、出場しろ、と言いたいのね?』

     「流石。この国からも数々の実力者達が出場するわ。勿論、他の国からもね。・・・その出場権を与えられた猛者の一人が、貴女なの。」




全く、無駄に緊張して来たこの思いは何処へ行ったんだ。

それに、“魔聖大戦”なんて、言って見れば只の戦争に過ぎない。戦争と言う事は殺し合い。殺すのは、仕事として戦争に狩り出た事もあったので言葉に動じたりしなく、逆に手馴れしているものなので、血が騒ぐ。あ、悪い意味でだ。別に殺すのが楽しいとかそういうのじゃないから。其処は勘違いしないで頂きたい。


「もう、この時点で貴女の出場は公認されているの。まさかとは思うけど、出場破棄はしないわよね?」



「貴女がこの国について嗅ぎ回っているのは情報として此方に入りきっているのよ。もう一度言うわ。







                        まさかとは思うけど、出場破棄はしないわよね?」



ニタリ、妖しく笑う鬼沙羅の微笑みが、今の私の記憶に鮮明に残った。






 08G.( 選択権の無い選択。 )

Re: 桜の図書館 (inzm/小説集) オリキャラ募集開始!! ( No.161 )
日時: 2011/12/24 08:11
名前: さくら (ID: z2eVRrJA)

 (まさかとは思うけど、出場破棄はしないわよね?)

ごくり。妖しく笑う鬼沙羅を目の前に、一筋の冷や汗が頬を伝う。まさか、これ程までに調べ上げられていたなんて。思いも寄らぬ出来事と発せらせた言葉に只私は息を呑む事しか出来なかった。

追い討ちを掛けるような言動、これは正に、私に“出ろ”と告げているに相違無い。果たして、鬼沙羅にこんな頭はあっただろうか。だが今更考え直したって遅い。現実は、"Yes"という答えしか聞かないであろうな鬼沙羅と、"Yes"としか言えない状況に或る私だ。全く、正直こんな面倒臭い事この上極まりない事に首を突っ込みたく無かった。その上、今度は殺し合いとまで来た。別に仕事でそういうのには慣れもあるし、私は負けない自身もあるので如何とも思いはしないが、鬼沙羅の神経は如何にかなっているのでは無いか、心配になった。

ふ、と外に眼をやれば、先程とそう大して変わらない風景が窓から見える。華美でありながら、何処か清潔で、派手で。可愛らしい、という言葉が1番当てはまるであろうその庭に、溜息を突きそうになるのを喉先寸前で止める。



『————————………っ、はぁ、…出場、すれば良いんでしょ。…分かったわよ、』



替わりに口から出たのは、"Yes"という答えだった。



「流石ね。貴女なら承諾してくれると思ってたわ」




自分がそうさせた癖に、と脳裏に苛立ちが積もる。


(誰の所為よ、誰の!)




「では、“ルーヴァン国首都政府・元帥”七瀬虹彩、及び、コイロ・シーウェル。貴殿を第43次魔聖大戦に出場する事を、此処に公認致す。」





決戦はこれから7日後。

最終地点と呼ばれる幻島、失われし理想郷ロスト・オブ・エデンでその究極の決闘劇は開始されるのであった。


だが、何故私が選ばれたのだろうか。只、強者を選ぶだけなら私以外にもその目的に匹敵する相手は数多に居るだろうに。確かに鬼沙羅は「もう貴女の出場は公認済み」と言った。最初から私が選ばれたという事は、何か理由があるはず。それが全くと言って分からない。この戦いに出生する魔族は、何かしら叶えたい望みがある。そしてその望みを叶えたいが為に、命懸けで戦うのが魔聖大戦。だが私には何かしら叶えたいというその願いが無い。・・・無い、と言っては嘘になるが、願いなら魔族にも欲はある。願い位何万とあるはずだ。だがそれが絶対に叶えたいと強く願って居る訳でも無い。私もその一人だ。なので、命懸けの殺し合いを勝ち抜いてまで、叶える願いが分からない。=(イコール)、この戦いに出生する理由が無い。


必死に思考と思考を繋ぎ、答えに辿り着こうとしている私の脳内。そんな脳の代わりに、時間は少しずつ進む。

タイムリミットも、刻一刻と、迫っていた。







 09H.( それでも このまま走っていけると信じてるんだ )

Re: 桜の図書館 (inzm/小説集) オリキャラ募集開始!! ( No.162 )
日時: 2011/12/24 08:13
名前: さくら (ID: z2eVRrJA)









場所変わって此処は“ボルケイノ・ヴィレッジ”跡地。破壊された直後よりは随分と益しになったものの、やはりまだ瓦礫は残っているし、濛々と漂う嫌な臭いに、訪れた2人の少女達の内の一人、茶髪の少女が鼻を摘む。


「まさか、此処までやってたなんて、・・・、」


だらし無く毀れた言葉が、被災の深い真情を物語る。眉を八の字に潜め、何処か悲しそうな表情だ。そして彼女は隣に居た金髪の少女の表情を黙って伺った。

茶髪の少女とは逆に、否、少しは同じ様な感情も持ち合わせているだろうが、蒼く燃え滾る様な蒼眼に強い意志を巡らせ、無表情で活気あった村のザマを眺めていた。



「・・・少し、遅すぎたかもしれないわね・・・・・、」



堅く締められた唇の端を更に堅く締め、一瞬悲しそうな表情をした後、またいつものポーカーフェイスへと戻るのであった。


「うん、私達に情報が入って来るのは早かったはずなのに。もう少し早く動いていたら、ね。・・・ジュリア、」


茶髪の少女———“清野サクラ”及び“サクラ・カーライト”は戻れない過去の自分に想いを馳せる。視立て17位の少女でストレートで艶のある長い茶髪を頭上高い位置で結い、輝く淡いライムグリーンの瞳に端整な顔立ち。

そんなサクラに名前を呼ばれた金髪の少女———“ジュリア・クラウン”及び“優峰樹理亜”。彼女はサクラの呼びかけに小さく頷いた。ジュリアの髪は一本一本が柔らかく品のある綺麗な髪の毛であり、髪色は金髪ブロンド。ウェーブの掛かってるその金髪は、光に当たる程輝きを帯びていた。そんな金髪に、蒼眼。

彼女達は今回の第43次魔聖大戦に出生する魔族の二人でもある。


「私達の争い戦う決闘劇で勝ち残った者に与えられる新約聖書ノーヴム・テスタメントゥムの魔力を溜める為に必要なのは、生きた魔族の魂。それも大量な」

「そして、今回の標的にされたのが、此処、“ボルケイノ・ヴィレッジ”って事だね、」

「そうよ。本当、何て事を仕出かしてくれてるのよ。こんなんじゃ、何の為に魔聖大戦を開催しているのか、全く分からないわ」

「命を天秤に掛けるなんて・・・っ、」

「これは、何としても勝ち進まないといけないわね」

「うん、」


墓の広がるこの地に堅く目を閉じ、二人の少女は強く意を決したのだった。


「さてと、本題に入るとするか、」





















ギン!鈍く嫌な音が響き渡る。此処は“ウォリアーテイル”1層目のとある国の裏路地。

所々ハネている紫色の髪を赤いリボンでサイドに結っている。髪は所々ハネ、余り手入れはされていない様だ。そして、瞳は綺麗な紅色。

衣服と頬には返り血が少々付いていた。



「ちょっと、殺り過ぎたか、」



彼女は、魔聖大戦に出生する魔族の一人である。


「虹彩、お前も出生するのか。実は、アタシもなんだ」


行き成り襲ってきたであろう数名の不良共を蹴散らし殺った後、浴びた返り血を叩いた。


「さてと、アタシも、動き出すとするか」





 10I.( 猛者の出生 )

Re: 桜の図書館 (inzm/小説集) オリキャラ募集開始!! ( No.163 )
日時: 2011/12/24 08:15
名前: さくら (ID: z2eVRrJA)

キィ。ドアノブを廻せば木製のドアが声を上げる。薄暗い部屋にドア音が木霊した。木霊でしょうか、いいえ、誰でも。と言うのはこの際気にしないで置こう。

素足か。と思わせる位に音も無く忍び寄る影。革張りのソファに腰掛けた蜂蜜色の少女の直ぐ後ろに移動すると耳元で少女の名前を囁いた。カーテンが閉められ、真昼なのに日の入らない薄暗いこの部屋はバーの様だった。だが客も店員もマスターも居ない。要るのは金髪の少女と同じく先程入ってきた金銀髪の少女だけ。金髪の少女が座っている少女の先には同じ革張りのソファが置いてあり、テーブルには菓子とコーヒー紅茶などが置いてあった。

この薄暗い部屋には少々刺激の強い程の輝かしい髪を持った少女が要る。一本一本が丁寧に手入れされた美しいという文字では足りない位の丁度金と茶が混じった絶妙な彩色の髪は、毛先が銀色化しており、グラデーションのようになっている。そしてこの薄暗い部屋で良く光るルビーの様な、燃え滾る炎を意識した宝石の様な瞳。艶のある色白の肌。瞳を縁取るは、これまた長い睫毛。絶世の美少女であった。

薄い水色の細い縦ストライプの入った半袖シャツには、大きな黒いボタンが三つと同じ色のリボンが一つ付いており、周りをフリルで飾られている。女性独特の気質を保ったシャツだった。そしてその上から黒いサスペンダーが伸びる。土台が可愛らしい模様の刺繍された3段フリルの上から灰色のスカートが止められており、何かと銀色の糸で刺繍がされてある。レースの付いた黒いニーハイソックスの上から灰色のブーツ。手には黒い腕上までの布手袋でファーがあしらわれた高級そうな灰色と黒のポンチョらしき物を持っている。

今回は綺麗に整えられてはいるものの、頭上で編まれてはいないその髪は胸下まで下ろされていた。


改めて向かい側のソファに腰掛けると足を組んでテーブルのコーヒーを一口含み、ごくり。飲んだ。



「久しぶりだな。———七瀬虹彩。」




   「・・・ノック位しなさいよ。」




虹彩の事を「七瀬虹彩」とフルネーム呼びをした彼女の名前は「冠羽珠琴」。及び「ミコト・ウォン・フォレストベルン」である。「冠羽」という苗字も早々居ないこのぶっ飛んだネーセンと、このキャラは「fateシリーズ」の塊だという事には、あえて触れないで欲しい。

さて、話を戻そう。彼女はこの“第43次魔聖大戦”に出場する猛者の一人である。主な武器は針金細工。彼女の武器の源となる針金細工を数々の武器に変形させ、それを武器として扱う。主属性は炎、光。副属性は天体系(月、星など空に浮かぶもの)、音楽系、花、善。



「七瀬、あんな馬鹿げた遊戯ゲームに出ると聞いたけど。」

「馬鹿げた、とは何かしら?」

「惚けるな。情報屋に高値で聞いたんだから間違いない。」

「はぁ、もう。容赦無いわね。」

「そう?七瀬程では無いと思うけど」

「あ、それと。


        聞いたわ。貴女、革命家側に付いたんだってね、」



珠琴の瞳が、揺らぐ。まさか此処まで情報通が早いとは。敵という訳ではない。正直逆だ。だが流石七瀬だな、と恐れ入る。

話が、着々と進んでいく。最終地点に行くのは各地で潰しあい、人数が基準を突破した後。結構潰さなくてはならない。


円堂守。彼も同席するそうだ。嘗て伝説となりかけた男。消息不明だったらしいが。大人しく伝説になっていれば良いものを、魔聖大戦の出場権は円堂守へも送られたそうだ。

そして、松風天馬。革命家のスキルを持っており、文字通り魔聖大戦を終結させようとする。開催主催者側からしてみれば天敵のはずなのに、何故彼に出場権が渡されたのかは今だ謎。


この二人は常に最強クラスである。敵として戦う事になる以上、充分に警戒せねばならない相手だ。因みに、珠琴は松風天馬と同盟を結んでいる。



「他には、ジュリア・クラウン、サクラ・カーライト。・・・後、時空姉妹もだ」

「ときそらしまい?何よ、それ」

「知らないのか。姉・時空過去。妹・時空未来のコンビ名だ。特に妹の時空未来は、魔聖大戦最強スキル“神殺し”を持ってるんだよ。」

「要するに、充分に警戒しなければいけない。」

「そ。」




これから拙戦になりそうな戦いに思いを馳せて、虹彩は紅茶を啜った。





 11J.( 革命の芽は、確かに此処にある。 )


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