二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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FAIRYTAIL
日時: 2010/03/07 19:32
名前: 紅 (ID: 7jEq.0Qb)

新しく入らせてもらいました、紅です。
まだまだ未熟ですが、暖かい目で見てもらえると嬉しいです。
コメントも書いてもらえるとなお良し。

注意
1・荒らしや、人を傷つけるコメントなどは書き込まないで下さい。
2・訳の解らない事やアドバイス等、何かあったら書いてください。
3・主人公は一応ナツ。
4・この小説は、別サイトFAIRYTAILの短編集、おまけ小説のようなものです。気軽に読んでください。
5・よかったらサイトの方も来て下さい。

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Re: FAIRYTAIL ( No.44 )
日時: 2010/04/03 12:48
名前: 紅 (ID: 7jEq.0Qb)

最近、というより三ヶ月前くれいから、グレナツ同盟と言うサイトに言っています。腐向けですが。
(行ってしまったらもう中毒みたいになります)
他にもラクナツとかあって、楽しかった(?)ですー。

Re: FAIRYTAIL ( No.45 )
日時: 2010/04/11 15:24
名前: 紅 (ID: 7jEq.0Qb)

瞳に映る姿(グレイ編)Ⅵ

どろりとした不快な物が、脳内に流れ込むような感覚。

視界が薄れ、同時に意識も薄れていく。

「あ……あぁ……」
「おい、  ?」

突然声を上げた  を不審に思い顔を覗き込もうとするが、掌で覆い隠されていてよく見えない。

再度名前を呼び腕をつかむと、苦しげに下唇を噛む  の顔。

『さぁ、動き出そう』

瞳に光が消え、色が濁っていく。

そして、微笑み。

「  ?」

口の端を吊り上げて笑う  に、グレイはつかんでいた自身の腕の力を緩める。
しかし、緩められた腕は、伸ばされた  の手によってつかまれた。

『「手に、入らないのなら」』

誰かと誰かが重なったような声が、  の口から漏れ、また薄い微笑み。

つかんだ腕から染み出てくる影に、グレイは後ずさった。

「なん、だよ……くっ!」

体から冷気を出し凍らせようとするが、染み出す速度が速くて凍らせることに追いつかない。

「手ぇ放せ、  !!」

グレイが  の手を振り払うよりも早く、影は、グレイを飲み込んだ。


落ちていく感覚はあるが、自分が今どういう体勢なのか解らない。

突然  の腕から染み出した影に飲み込まれ、グレイは今、闇の中を彷徨っていた。

(  はさっきまで、こんな所にいたのか)

うっすらと意識の隅で考えながら、突破口はないのかと視線を動かす。

そして、ふと目に止まったもの。

それは先程まで自分の腕の中にいて、そして突然自身を影の中に取り込んだ人物。

「  ……」

いつもギルドで見るような笑顔は無く、とても悲しそうな表情。
時折見え隠れする、彼女の影。

『初めまして。そして、ようこそ』

  の前に立った、もう一人の……  ?

  が見せた事のない卑劣な笑みを浮かべるもう一人の  に、眉を寄せる。

「お前、誰だ?」

  とそっくりな顔をした生き物は、後ろに立つ  の頬を愛しそうに撫で、そして言った。

『もう一人の、  。もう一人の、欲望』


『もう一人の、影』

Re: FAIRYTAIL ( No.46 )
日時: 2010/04/11 15:27
名前: 紅 (ID: 7jEq.0Qb)

瞳に映る姿(グレイ編)Ⅶ

『この娘がこんな風になっちゃったの……誰のせいだと思う?』

おもむろにそう聞かれ、グレイは一瞬訳が解らなくなった。

何故この『影』は自分にこんなことを聞いてくるのだろうか。

この娘、とはたぶん  のこと。

  は、どうかしてしまったのだろうか。

先程いきなり腕をつかまれた時聞こえた声は、恐らく目の前にいる影のものだろう。
そして、その影に取り込まれた。

しかしあれは、  がやった事ではなく、この影がやったことだ。
他に、  がおかしくなったことがあっただろうか。

今だ頬を撫でられている  を見て、グレイは目を細める。

わからない。

『気付かないのも、無理ないかぁ……。まぁ、君はそんなの、気にもしなかったかな』

  の頬から手を離し、グレイを見据える。
顔は笑っているが、目は据わっていた。

「ようこそって、どうゆう意味だよ」

先程投げかけられた言葉の疑問を、その影に聞く。

『ここは、  の影の中。  の憎しみ、悲しみ、怒り……負の感情でできた、素敵な場所。心を曝け出す場所』

指をぱちんと鳴らすと、闇の中から首の無い一人の女性が姿を現した。

今だ首からは、鮮血が漏れている。

「っ!!」

左肩の紋章を見て、グレイは絶句した。

妖精の尻尾の紋章。

そして、その紋章を左肩に付けている者。

「エルザ……」

首が無くなっても今だ立ち続けているエルザに、グレイは悲鳴のような声を漏らした。

『それが、この娘の望みだよ』

影はいつのまにかグレイの周りをゆっくりと歩いていた。

グレイの足元に伸びる灰色の影をなぞるように。

「な、ふざけんな!こんな事、  が望むわけねぇだろ!!」

しかし影は卑下するような微笑を崩さない。

ますます顔を歪め、そして、赤い口を開いた。

『手に入らないなら』

腕を掴んだ時と、同じ言葉。

『消してしまおう』

指を鳴らせば、黒い空間にグレイの体が沈んでいく。

「くそ!!」

もがけばもがく程体が沈む。

今はもう、胸の辺りまで沈んだ。

『独占欲って、時として人を狂気へと導くの……知ってた?』

影はグレイから  へと視線を動かす。
グレイも、  へと視線を動かした。

『君の、望み』

立ち尽くす  は、無表情を崩さない。

グレイは、小さく舌打ちをした。

  がこんな事望むはずがない。第一、  は仲間思いだ。こんな、こんな事……。

『本当に気付かないんだね、ムカつく』

影はもう、笑っていない。

その顔は  とそっくりなためなのか、グレイの背筋に寒気のような物が走った。

自分は、気付いていたのかもしれない。

ついに口元まで沈んでしまいながら、グレイは思った。

エルザと一緒にいる時、誰よりも明るく振舞っていたのは誰だ?

エルザと話をしている時、誰よりも笑っていたのは誰だ。

エルザがさらわれた時、誰よりも必死に助けようとしてくれたのは誰だ?

「なんで……」

全て、それが偽りの事だという事に、気付いていたはずなんじゃないか、と。

彼女の本当の気持ちを知ってて、自分はエルザのために利用していたんじゃないか。

「ふざけんなよ」

大切な仲間を失いたくない、なんて、上っ面だけの言葉。

一番大切な人物を犠牲にしてまで、自分はどうしたいのか。

「全部無くしたりはしないさ」

目まで沈んだ時、ぶわっと、冷気が放たれた。

『なっ……!!』

音を立てて壊れる黒の世界。

その中心で、グレイは叫んだ。

「影なんかに飲み込まれてんじゃねぇよ!馬鹿  !!」

そして、立ち尽くす  手に伸ばす。

「何度でもその手をつかんでやる、だから……」

大きな手が、それより小さな手を掴んだ。

「無理して笑ってんじゃねえええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

温もりが、掌に広がった。

Re: FAIRYTAIL ( No.47 )
日時: 2010/04/05 11:32
名前: 紅 (ID: 7jEq.0Qb)

んー………。
話の展開がなんだか微妙、です。
面倒臭いので、書き直したりはしませんが…。

Re: FAIRYTAIL ( No.48 )
日時: 2010/04/05 19:07
名前: 紅 (ID: 7jEq.0Qb)

瞳に映る姿(グレイ編)Ⅷ

暖かい。

ただ、素直にそう感じた。

最初は掌から。

少し低めの体温が、掌を包んだ。

そして今は、体中。誰かにすっぽりと覆われ、抱かかえられているような、暖かさと、安心感。時折嗅ぎ覚えのある香水の香り。

そして。そして……。


「あ……」

目を開くと、目の前に広がるのは大理石の床。

何だか頭に血が上って気持ち悪い。

視線を動かすと今自分がどういう状況なのか解った。

「グレ、イ?」

自分の肩に  を担いだグレイは、無言で廊下を進んでいる。
影達はもう、どこにもいない。

「グレイ?」

もう一度、名を呼ぶ。が、グレイは何も答えない。担がれているせいで、表情も見えなかった。

ただ。

「ん……」

抱きしめる腕の力を少し強めるだけ。

視線をまた大理石の床に落とす。

カツカツと、歩く音だけが廊下に響いた。

あの時、影が入って来た時、暗闇でグレイの声がした。

何を言ったのかは覚えていない。

でも、とても嬉しい言葉だった気がする。

もう我慢しなくていいんだ、と思えるような言葉。

頭の中の邪念も、影も闇も全て。
全てグレイが消してくれた。

「グレイ」

また、抱きしめる力が強くなる。

「好きだよ」

今まで言えなかった気持ち。

何故か、今何の迷いも無く言える。

「……ああ」

そして、グレイの返事。

本当に、ただの返事。表情も全く解らない。声音からも解らない。

でも。

抱きしめる力が一段と強まった。

それに  の口は弧を描く。

「返事は、いらないからね」

気持ちは、いらない。

今はまだ大きすぎるから。

でもいつか、私を選んでくれる事を、信じてる。

いつか、あなたの瞳に私が映るのを。


END


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