二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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FAIRYTAIL
日時: 2010/03/07 19:32
名前: 紅 (ID: 7jEq.0Qb)

新しく入らせてもらいました、紅です。
まだまだ未熟ですが、暖かい目で見てもらえると嬉しいです。
コメントも書いてもらえるとなお良し。

注意
1・荒らしや、人を傷つけるコメントなどは書き込まないで下さい。
2・訳の解らない事やアドバイス等、何かあったら書いてください。
3・主人公は一応ナツ。
4・この小説は、別サイトFAIRYTAILの短編集、おまけ小説のようなものです。気軽に読んでください。
5・よかったらサイトの方も来て下さい。

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Re: FAIRYTAIL ( No.39 )
日時: 2010/03/29 15:39
名前: 紅 (ID: 7jEq.0Qb)

あー……カキカキ掲示板ですか。
私も絵書きたいんですけど、やり方がわからなくてできないんですよ。

Re: FAIRYTAIL ( No.40 )
日時: 2010/04/11 15:19
名前: 紅 (ID: 7jEq.0Qb)

瞳に映る姿(グレイ編)Ⅲ

エルザエルザエルザ。

脳内にチラつく赤い花。

後方でチラつく紫の花。

どちらも大切な仲間。

失いたくない。

無くなってしまった時の虚無感が大嫌い。
軽くなった腕の中が大嫌い。

全て失いたくない。


「!!?」

突然現れた床の染みに、二人は動きを止めた。

ずぶり、と不快な音を立てて床から現れたのは、何体もの闇の使者。

「っち!ジェラールの手先か」

「逃げるの?」

ゆっくりと近づく黒い影達。
先頭の影が長い手を伸ばしたとき、グレイは答えた。

「戦う!!」

とたん、スラスラと呪文を唱えると、天井から巨大な氷のハンマーが落ちてくる。

びちゃ、と影が飛び散る。
飛び散った影は、どす黒い煙と泡をあげながら、腐臭を放つ。

ナツ程ではないが鼻の良い二人は顔をしかめた。

「                      」

声にならない叫びが廊下を包み、先程より格段速い速度で影が迫ってきた。

「圧縮魔法、空間幻夢」

ざわ、と空気が騒ぐ。
形の無い生き物のような空気が、影達を掴み、魔力の源を吸い取るように握りつぶした。

漆黒の闇が  の体に降り注ぎ、黒く汚す。

頬に付いた『闇』を拭うと、また魔法を発動させる。
グレイもそれに続いた。

「                      」

また、声にならない影達の声。

飛び散りバラバラとなった影達が、一箇所に集まり始めた。

「                      」

「なんだ?」

「っ、グレイ!!」

  の叫び声に振り返ると、体に付着した闇ごと一箇所に集まろうとする影。

「  !!」

手を伸ばすが、届かない。

  の手とグレイの手は、空を切った。

届かない。つかめない。

それはあなたの気持ちと同じ。

悲しい。苦しい。憎らしい。妬ましい。

影と闇の源。

「  −!!」

影に、飲み込まれる。

Re: FAIRYTAIL ( No.41 )
日時: 2010/04/11 15:21
名前: 紅 (ID: 7jEq.0Qb)

瞳に映る姿(グレイ編)Ⅳ

闇 闇 闇 闇。

ただ、漆黒の闇。

自分の影と思わしき部分は灰色に輝いて、ゆらゆらと蠢いている。

「   」

グレイ、と呼んでみた。が、声が出ない。
空間に反響しない。

「   」

もう一度、グレイと。

『取り込まれちゃったね』

突然の声。

どこから発せられたか解らず、辺りを見回す。

そして、ふと足元の影に視線を落とした。

『闇の中、影の中に』

ニィ、と開かれた影の口は驚くほど赤く、大きい。

肌が粟立つように、何かが背筋に這う。

「  」

誰?と声は出ないが口を動かしてみる。

すると影はその声が聞こえたかのように、卑劣な笑い声を上げて話し出した。

『君の、闇』

影は足元から  の目の前へと移動。
ゆらゆらと揺れる腕が、頬に触れた。

「  」

私?

『そう、私』

いくつもの声が重なったようなノイズ音の声。
耳に、嫌な感じの物が残った。

『ここはあの影達の中。自身の姿を改めて見る場所』

足は繋がったまま、影は  の周りを移動する。
それを目で追いながら、  は必死に今の状況を考えた。

そうか私、飲み込まれたんだ。

ここに来る前の出来事が、脳内でフラッシュバックする。

グレイに伸ばした手は、届かなかった。

心に嫌な感情が生まれる。とたん、闇の中に黒い渦のようなものが発生した。

『生まれた、君の本心』

影は嬉しそうに笑い、渦に手を突っ込みかき回す。
空洞を作るように広げると、渦の中にエルザが見えた。

「   」

名前を呼ぶが、エルザの目は虚ろ。瞳の中に、いつもの光が宿っていない。

『こうしたいんだよね』

影はエルザの首をつかみ、握り締める。

  はとっさに目を背けた。

その後、何かが切断される音と、体に触れる生暖かいもの。

吐き気に、顔を歪めた。

『あれ?嬉しくないの?』

「            」

私はそんなの望んでいない。

『でも、これが君の心。本心だよ』

エルザは仲間。大切な人。

だけど、心の闇はそれを遮る。

奇麗事はやめろよ。邪魔な奴は消そう。
大切なあの人を手に入れたいんだろ?気持ちを向けてもらいたいんだろ?

自分を見てもらいたいんだろ?

「         」

そんなことない!!

エルザが死んでしまったら、悲しむのはグレイ。

泣き顔なんて、見たくない。

『素直になりなよ、邪魔なんでしょ』

手についた血液を舐め、微笑む。

『消してしまえ』

影の声が反響する。

頭痛がした。声を聞きたくない。

耳を塞いでも聞こえてくる。まるで悪夢のように。

「   」

助けて。

頬に、涙が伝う。

「       」

助けて、グレイ。

Re: FAIRYTAIL ( No.42 )
日時: 2010/04/01 09:33
名前: 紅 (ID: 7jEq.0Qb)

ナツ編と似てる?
いえ、そんな事はないです……はい。
(たぶん)

Re: FAIRYTAIL ( No.43 )
日時: 2010/04/11 15:23
名前: 紅 (ID: 7jEq.0Qb)

瞳に映る姿(グレイ編)Ⅴ

ずぶり、と影と闇の塊に手を突っ込む。

生温く、気持ち悪い感触。それ以外に、手に触れるものは無い。

「クソ!」

引き抜き、手を見る。

漆黒の液体のようなものが、大量にまとわり付いていた。

「どこだ  !!」

再度手を入れ、塊の中を手探りで探す。

しかし、そんなことをしている間に、影達はどんどん集まっては一つになっていく。
このままではグレイ自身も飲み込まれてしまいそうだ。

「  、返事しろ。  !!」

グレイの声が、廊下に響いた。


「   」

助けて。

まだ聞こえる影の声に必死に耐えながら、  は呟いていた。

グレイに助けを求めている自分が、惨めで仕方が無い。

グレイの助けになると誓っていたのに、現に今はグレイに迷惑をかけてしまっている。

この声は届いちゃいけない。グレイの枷になるから。

この声を聞いて欲しい。グレイと一緒にいたいから。

訳も泣く、涙が流れた。

自分の気持ちが解らない。一体私はグレイにどうして欲しいのだろうか。

そして、口から出た言葉。

「       」

助けて、グレイ。


「見つけ、たあああ!!」

思いっきり引っ張ると、塊から体中漆黒に染めた  。

引っ張った腕も、危うく滑ってしまいそうなくらい影と闇のぬめりで染まっていた。

「おい、しっかりしろ!」

塊から離れ、  を床に寝かす。

虚ろな  の瞳に、グレイの姿がぼんやりと映った。

嗚呼私は、結局グレイに助けてもらいたかったのか。

握られている腕の感触も、私に呼びかける声も、全部全部。

捨てられなかった。

「グ、レ……」

つかまれていないもう片方の腕を、グレイへと伸ばす。

グレイの瞳に映っているのは、自分の姿。

惨めで、役立たずで、何も出来ない自分の姿。

でもグレイは、こんな私でも助けようとしてくれた。

「大丈夫か?とりあえず、今は隠れるぞ」

動けない  を物陰に隠し、塊から見えないようにした。

ぐったりとした  を、腕の中に隠す。

暖かい。

たとえそれがエルザを助けるため、戦力を削がれないようにするためでも。
今は、もう……。

『そんなことで、満足しちゃうの』

びくっ、と体が強張ったことに、グレイは気付かない。

『手に入らないなら、他の所に行ってしまうなら』

闇が、体を包む。

『消してしまえ』

もう一人の自分は、闇と影の中で言った言葉を、もう一度呟いた。

赤い。赤い口を開いて。


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