二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 目安ボックス・・いやめだか箱
- 日時: 2012/02/04 15:48
- 名前: 栖樺 啼 (ID: ZEjsU2TR)
めだかボックスでいうところの
才能、つまりは 能力 スキル の究極でも探そうとか思って、
とりあえず試してみる、ぐらいの感じで書きたいなと・・。
勝手な内容にも程があり
創作の内容すら変ですが
確かなのは
話が荒唐無稽で支離滅裂の非散惨状となっています。
話に飽きてしまえば、不都合が悪く中味も中味も変わりますが
とりあえず、見ていただければ公営、いや光栄なのです。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
- 第32箱ーご賞味くださいなー ( No.45 )
- 日時: 2012/07/28 11:05
- 名前: 栖樺 啼 (ID: zRrBF4EL)
「まぁ、みなさんお察しに通り。私達3人はホントは三つ子だよ。
顔が良く似てるって言われてた。」
立つのが辛いらしく足元がふらつく栗鼠音。
馴鹿も羆も黙っている。
「いや、今そんなことはどうでもいい
むしろ俺が聞きたいのは妹ちゃんの方だぜ。」
{私にですか?えぇ、どうぞ。おかまいなく。
何でも聞いてくれてかまいません。答えるかは別ですが。}
微笑む。
というか微笑といった感じの笑顔でいった。
「なんで、こいつらを殺しになんか来たんだよ。
党首の座ならお前はもう手に入れてるし、
鳥峠家にはもう無関係だろ?なんで今更追いかけてきたんだよ。」
{あぁ、そんなことですか。まぁ、理由は色々ありますよ。
単純に、世で言うところの【復讐】てきなものですね。}
長い髪と、長いスカートを揺らしながら、
まるで何気ない世間話でもするような言い方で、
少女は言った、言いきった。自分の兄と姉の前で。
悪びれもせず。
「羆ー、キミはー、」
馴鹿が何か話そうとした瞬間。
上から、人が落ちてきた。
「「「!」」」
咄嗟によける名瀬と、馴鹿。
栗鼠音は馴鹿が抱えている。
羆は、その場にとどまった。
理由は明確、落ちてきた人間が無事に着地できることを知っていたから
{何をやっているんですか、鵆ーちどりーみっともない。
あっさり落とされてどうするのですか?あなたの長所は
その脚力の、跳躍力だけでしょうに。まったく・・・。」
鵆と呼ばれた少年はまだほんの10歳程度に見える。
部隊の連中と比べて、装備が軽く、これといった武器は手にしてない。
手にしてないだけで、所持はしているらしく、
名瀬達にナイフを向ける。
羆は真剣な顔になり、名瀬達に背を向け話し始めた。
「・・・申し訳ありません。
思ったより、速くて、割った瞬間、落とされました。」
{まぁ、部隊を壊滅させたくらいですからねぇ、
それなりに強いでしょうね。鵆。上はもういいです。}
「ですが、上の奴が、ここへ、来たら、・・・。」
{それはあなたが防いでくださいな。
それくらい、できるでしょう。足止めぐらいしなさいな。
あと、姉上達は私がやるといっておいたでしょう?
わかったなら、ナイフをしまって、周囲を警戒なさい。}
少年は頷くと、ナイフをしまい、向き直る。
そして、羆はまた笑顔に戻り、
{えぇと、それでなんでしたっけ兄上。
今なにか言いかけましたわよね、私がー、何ですって?}
「僕が聞きたかったのは、
栗鼠音に何をしたのか。だよ。」
それを聞くと、羆は不意を突かれたらしく、驚く。
が、またすぐ笑顔に戻る。
{そう、気付いていたんですか。さすがは兄上侮れませんわね。
《負け犬》のくせにー。いや、《負け鹿》ですか?ふふふ。}
またも羆は曖昧な答えを返し、笑う。
栗鼠音が困惑してるらしく、
「え?何、どういうこと?アタシが何?何?何?わかんないよ。」
栗鼠音は、何、を連発し、馴鹿から、降りて聞く。
「ねぇ、アタシの体がだるいのは羆のせいってこと?
トナはなんともないのに、なんでアタシだけ?羆!」
{さすがは姉上よく気付きますわ。尊敬します。
そうですねぇ、正確にはもう十年ぐらいになるかしらー、
その面白い仕掛けをしたのは、やっとお気づきですね。嬉しい。}
名瀬は話についていけず、
「ちょっと待てよ。なんでそんなこと、ていうか。
俺には今何が何なのか意味わかんねぇんだけど・・。」
と突っ込もうと、3人の間に入ろうとすると、
「ごめん。くじら。あとで僕達から説明するから
ちょっと黙っててくれないかな?緊迫してるんだからさ、今。」
「くじらちゃんは首を突っ込まないでよ、てか
お願いだから、空気呼んでくれないかな。鬱陶しい。」
{今、3人で修羅場中です、静かにしてくださいな。汚らわしい。
あなたは黙って立っていることもできないんですの?くじらさん。}
「お前らホントは仲良しだろ!!」
まるで、口裏をあわせたかのように、同じ内容を喋る三つ子。
ついでに言えば羆が名瀬のことを知っているのも意外だ。
「はぁ?そんなわけないだろ?見てわかるとおり、
僕らは犬猿の仲だよ、僕が負け犬なら、羆は勝ち猿かい?」
「そうよくじらちゃん。ただでさえ、具合が悪いのに
気持ちの悪いこと言わないでくれるかな?吐くわよ。がちで。」
{そうですわね。先程から何度もいうように私は
この二人を殺しにきたんです。変な勘ぐりはよしてください。」
またも次々喋り始める三つ子。
お互いのコメントに眉を寄せながらも、
考えていることは同じらしい。
一呼吸おいて、羆は名瀬に近寄る。
{そんなに知りたいのなら、教えてさしあげますわ。
少々、乱暴ですが、しかたありませんね、ちょっと前髪を
上げていただけますか?}
そう言い、自分も前髪をあげて、名瀬の額に近づける。
「いいけどよぉ。何しようってんだよー、
てか、トナ!リス!引いてんじゃねぇよ!お前らいっつも
これやってんじゃねぇか!目をそらすな! おいっ!」
馴鹿と栗鼠音はお互いに首を振って、
「百合とかないわー。ホント。」
「あの人も所詮真黒さんの妹だね。」
そして、頭上から、つまりは空から
「名瀬ちゃん危ないそいつから離れて!」
「名瀬さん!早まらないでください!そのままでは真黒さんと
同類になってしまいますよぉ!」
と、叫びながら、空から落ちてきた、正しくは、
降りてきた、古賀と恋愛。そして恋愛の片手には気絶した真黒。
ちなみに古賀も恋愛の片手にいる。
「−!!」
鵆が恋愛の前に出る。
そして、小刀を首元に突きつける。
「あ、あなたさっきいの人!?」
古賀が言う。
「え、そうなんですか?顔をみずにぶん殴ったので。
なんだ子供じゃないですか。すみません。痛かったですか?」
「・・・・ムカつく。」
修羅場は悪化していくばかりで、
何も解決はしてくれな、
古賀達がグダグダしている間に変わったことといえば、
名瀬が頭を抱えて、蹲ったことぐらいで、
「がああああ、ぁああぁ、。な、ああああぁ!ーーー!!っ!」
唐突な絶叫。そして、羆。
{私は忠告はしましたわよ。《汚らわしい》と。
私のスキルはそうですねぇ、あの《致死武器》こと
志布志飛沫さんよりも、後味が悪いですわよ?どうですか?」
古賀、恋愛が名瀬に駆け寄る。
馴鹿、栗鼠音は目を伏せる。
鵆はただ、黙って羆を見つめる。
{あなたのトラウマと、私のトラウマ、どちらがより、
汚いのでしょうね。どうです?記憶の味は?
ご賞味くださいな。人生でそう味わえるわけではありませんゆえ。}
そして、少女は前髪を戻した。
まるで頭を押さえているように。
はてさて、次回はみんなお嫌いの過去話。
ちなみに羆ちゃんが知っている情報は
ぜんぶ鵆くんが集めたものなんだぜ☆
鵆くんのイメージは忍者かな?忍び寄るって感じじゃあないがね。
うさほし☆
- 第33箱 ( No.46 )
- 日時: 2012/08/01 18:58
- 名前: 栖樺 啼 (ID: zRrBF4EL)
「姉上!兄上!」
私は、大変姉上と兄上を信頼しており、尊敬もしていました、
今回からの過去編は名瀬さんからみた私の過去と、
私が実際に体験してきた過去を照らし合わせてみました。
どうぞ、お楽しみください。まぁ、これが楽しめる人間なんて、
そうそういないでしょうけどね。
そうで私の過去は誰もが顔をしかめたくなるような、
眉を寄せるような、吐気がするような、そんな過去です。
なので、少し易しめに描写をさせていただきます。
さて、まずは私が3歳、(私たと、ですね)のときぐらいからですかね。
まずは、父親つまりは鳥峠澤摩が私を、無視するようになりました。
そのうち、使用人たちもそうなり、屋敷で私に話しかけて
くれる人など姉上と兄上などキョウダイだけでした。
もちろん使用人は頼めばなんでもしてくれましたよ?
「・・・・どうしてですか?お父様。」
お父様、
そうですね、当時の私は父上ではなくお父様と呼んでいましたね。
あの人のコメントなど、書きたくもないですが、
名瀬さんには全てを知って頂かなくてはなりませんので、
『お前が、不要だからだ。
栗鼠音や馴鹿、他の上のキョウダイに比べて。』
そう返されました。
「で、でも姉上と兄上は私と同じー、」
『ところがそうでもない。あいつらは、《三つ子》として、
お前と接してはいないように見え』
「え、えぇ。」
私は肯定しました。
私たち三人は仲が良かったし、顔もよく似ていました。
けれど、三人でいるといつも私だけ一人下のような・・・
いえ、むしろ二人が上のような、そんな風に思えます。
だけれど、知っていたけれど、
そんな理由で、自分が捨てられると思いもせず、
私は当然のように父上を嫌い、憎み、蔑みました。今でも。
通っていた学校も、私だけ行かせてはもらえず、
姉上と兄上には
「具合が良くなるまでは、学校にはいけない。」
そう、誤魔化していました。
当時の私は3歳で、まだ嘘をつくような歳ではないのですが、
私は精神の成長だけは姉上や兄上よりも早かったのです。
意味のないところで、私は成長していきました。
『ふーん、そっか。つまんないね。』
二人ともそういって、元気に学校に通い、
帰ってくると私に学校であった出来事を話して下さいました。
もちろん、嬉しかったです。
父上もそれをやめさせようとはしませんでした。
使用人たちは私たちを遠巻きにみて、父上に報告し、
父上は特に動きをみせませんでしたが。
きっと、彼なりの私への配慮でしょうね。くだらないのです。
そして、
《あの日》は来ました。
「それじゃ、羆。いってくるよ。」
「はい!兄上お気をつけて。」
「早く帰ってくるからね、羆。帰ったら一緒に遊ぼう。」
「えぇ!待っておりますわ、姉上!」
4歳になり、私が学校に通っていないことに
だれも違和感を持たなくなったころのことでした。
「今日は、遠出して昼寝しようか。」
「危ないから、やめようよ。」
「兄上、姉上の言うとおりですよ。無事に帰ってきてくださいよ。」
「わかってるよ。羆。」
「早く羆も学校に通えるといいのにね。」
「・・・・・・はい。そうですね。」
4歳で、私はすでに、自分は兄上と姉上とは違い、
一生表に出ることのなく、人生を終えるのだと、決めてました。
そして、誤魔化していました。
自分は鳥峠家の末子だ思っていることを、
誤魔化していました。
もちろん、大好きな兄上と姉上に隠し事は辛かったです。
でも、ふたりのためにと、ずっと胸の痛みに耐えていました。
「これでいいんだ。これがみんな幸せなんだ。」
そう言い聞かせて、耐え忍んできました。
ですが、
そんな日々は急に終わりを告げます。
何故ってそれは、
二人が《何か》を身につけてきたからです。
そう、名瀬さんの知っての通り、スキルを、
そして、二人はあっけなく家を追い出され、
私は十年たった今、鳥峠家次期党首となっているのです。
二人を追い出してからの父上の態度は、
たいそう滑稽でした。
わずか一年間でしたが、私は父上から《いないもの》として扱われ、
その次の歳からはこれまでのことがうそだったかのように、
私を愛し、他のキョウダイは独り立ちし、
私だけが父のそばに残り、
ー、兄上と姉上を殺そうと誓って生きてきました。
父は無様でした、いえ父上は。
滑稽で、醜く、汚らしく、ひたすら、あくどく、
私を愛してくれました。私、というよりも、
鳥峠家次期党首を、
スキルに刈り取られた自分の娘と息子の身代わりとして、
父上が何よ災難であり、哀れだったのは、
自分が十年と少し愛情と、憎しみをこめて育てた娘も。
二人と同じ、いえ、それよりも前にスキルを所持していたことです。
4歳のあの日、私は姉上にスキルを使いました。
4歳でしたから、微力でしたが、しっかりと。
そして、その日から3年後、当時4歳の鵆と出会い、
一緒に育ちました、とはいえ、私は鵆を父上と接しないように、
きつくいっていました。
この子には、あの人の情なんて注がれて欲しくなかったから、
私は、二人に復讐をするため、十年を生きてきました。
それを見て、名瀬さんはどう思うのでしょう。
次回が楽しみです。
それでは、以上、異情を注がれ続けた鳥峠羆でした。
意外に、饒舌なお嬢さんだったぜ。
でも、トラウマの汚さと醜さでいったらやっぱ恋愛ちゃんが
№ワンかな。 うさほし☆
- 第34箱ー最高の仕上がりだったぜー ( No.47 )
- 日時: 2012/08/04 22:20
- 名前: 栖樺 啼 (ID: zRrBF4EL)
『なんだこれ・・・。』
名瀬からみればそれは、おかしな感覚で、
誰かの過去を客観的に見ているのと同時に、
自分でそれを体験しているかのような体感があるのだ。
『これが、鳥峠か・・。』
名瀬ははっきりいってしまえば、自分の家以外の家なんて、
さっぱり知らないので、戸惑った。ものすごく。
そして、さらに言えば、名瀬は自分の部屋にこもるタイプだったので
まともに見る金持ちの暮らしは引いた。
『何歳だ?こいつ。』
まず、見られるのは、目の前にいる栗鼠音と馴鹿の姿。
とはいえ、名瀬が見た彼らの姿は、
初めて名瀬が、この二人にあった姿とそう変わらないから、
3、4歳だろう。
もうすでに羆は三つ子扱いされておらず、
自分の部屋らしきところに閉じこもっていた。
部屋。
部屋だ。
名瀬にはきちんと部屋があった。
でもこれは部屋だろうか?
窓はない、ドアも鍵がかけられていて、広さはとにかく狭い。
ごく一般の家のトイレよりも狭いのではないだろうか。
幼い少女が最低限のアクションをこなせるためだけに作った部屋。
ドアといっても、開かれることはほぼなく、
トイレは、その部屋の内側にある扉を通れば、
羆専用の場所があった、もちろんそこにドアはない。
ご飯なんかは、ドアの横にある、ロッカーの扉に似たものがあり、
そこから決まった時間に来る。
決まった時間といっても時計があっているのかどうかの保証は無い。
「いただきます。」
少女は1人で、手を合わせいった。
「ごちそうさまでした。おいしくたべさせていただきました。」
そして、またロッカーの場所に戻す。
明かり、電気はあった。自由につけられるらしい。
「おはようございます。」
あいさつをそつなくこなす。誰に言うことも無く、
少女はその部屋の中で毎日朝食とともに出てくる
本や、遊具で一日を過ごす。夕食の返却時に返し、それが終わると、
少女がトイレに行っているうちに布団が部屋にある。
それに横たわり。
「おやすみなさい。」
電気を消して寝た。
名瀬にとってその光景は圧巻としか言えない。
肉体的、言語的成長を言えば、めだかのほうが上だ。
でも、3歳児がこんな生活に耐えられる精神力が圧巻なのだ。
普通の子供なら、精神病にかかる始末だろう。
いきなり親に
「お前は不要だから、誰の目にも触れない場所で
生活しろ、人との接触をできるだけ避けろ。いいな、羆。」
「・・・・・。」
そんな風に言われ、キョウダイとしか話せず、
とにかく一人で生活をする少女がいた。
それは一言でいえば、
ー気持ち悪い。
その感想の他ない。
あげくの果てには使用人たちが、
「羆様の世話役は最高でも3人までだそうよ。」
「えっ!私呼ばれたわこの間。」
「かわいそうに。病院行きは確実よ。」
「あぁ、この間まで勤めていた人は気持ち悪くて
精神病かかって、今通院してるらしいわよ。戻ってはこないわね。」
使用人たちの部屋は羆が生活している部屋から近い。
ちょっとした会話でも聞こえる。
さっきのような会話はごく日常的に羆の耳に流れるのだ。
「何が気持ち悪いかっていうとねー、」
「やだ、やだ。どうしよう。私辞めようかしら。」
気持ち悪いのは、
少女、つまり羆は、そんな会話を聞かされ、あんな生活を送っていても
新しくきた使用人があいさつすれば、
「よろしくお願いいたしますわ。私のようなものの身の世話を
してくださるのですから、心の底から感謝しますわ。
ありがとうございます。なにとぞお願いしますね。」
と、とても丁寧なあいさつをし、ご飯を持ってくるさい、
返しにくるさいに、ロッカーにメモ帳のようなものがあり、
そこには
〈本日はありがとうございました。明日もよろしくお願いします〉
〈今日の料理はとっても美味しかったと伝えてください。〉
〈もしご迷惑でなかったら、姉上達とお話をさせてください〉
など、少女なりの気遣いや、要望が書いてあり、
この状況、いや惨状でそんなことができる彼女を
誰もが気味悪がった。そのことを知っていてなお、
彼女はその行為を続けた。やく一年間。ひたすらに。
けれど、いくら他人に気味悪く思われようとただ彼女は
「姉上と兄上は元気かしら、明日はきて欲しいなぁ。」
「今日はご飯にデザートついてて美味しかったなぁ
お礼をいわなくっちゃいけないなぁ。」
「使用人さんは優しいなぁ。
私が寂しくないようにいつも近くにいてくれるし。」
と、
純粋に、思った通りに行動しているだけだった。
そのことを理解してくれるのは、キョウダイだけだった。
そして、その生活をしてから一年と少し経ち、
栗鼠音と馴鹿が出て行ってから、いっそう気持ち悪くなった.
父親は今までのことがなかったように接し、
使用人たちは土下座をして謝罪してきて、必死に
ご機嫌とりを、始め、愛想笑いを繰り返し、
羆は二人がいなくなり本当に一人になってしまったのだ。
でも、
そんななか、鵆が、鳥峠家に来た。
当時、7歳の羆が庭に倒れていた鵆を拾ってきたのだ
「どうしても!この子を、育てたいんです!お願いです!」
そう言い続け、羆は父親から鵆を守りつつ、
反吐がでるような腐臭の香る家をその後6年間過ごし、現在に至る。
その人生はすさまじいもので、
羆は二人を探しにかなり出回っていたようだ。
そして、父親をひどく嫌悪し、表では笑い、裏では蔑み、
ーこんな家崩壊してしまえばいい。
とずっと心に思ってきたのだ。ずっと、、片時も忘れずに、
鵆に、そのことは隠しながら、鵆を育てながら、
羆も育ったのだ。独りで、勝手に生きてきたのだ。
それは、
それはかつての名瀬夭歌、いや黒神くじらとそっくりだった。
名瀬は気付けば泣いていた。
初めてこんなに人を気持ち悪いと感じた。
話だけきくのと、実際に体験するのとでは訳が違う。
なぜは知った、思い知った。彼女が、
鳥峠羆が、どれほど〈人間が大好き〉なのかも。全て。
そして、
「名瀬ちゃん!名瀬ちゃん大丈夫!ねぇ、しっかりして!」
気付けば、目の前に号泣している古賀と恋愛。
その後に心配そうな目で見てくる栗鼠音と馴鹿(あと真黒)そして、
反対側には羆と鵆。
{どうでしたか?私、美味しかったですか?}
「あぁ、格別だったぜ。ホント別格にな。」
{そうでしたか。それで?後味はいかがです?}
名瀬は笑い、
「全部吐き出したくなるくらい、最高の仕上がりだったぜ。」
と告げた。
羆は意外そうに続けた。というか、呟いた。
聞こえたのは隣にいた鵆くらいだろう。
{・・・残念です。わかってくださるかとおもいましたのに。}
「・・・・?何かいいましたか?」
{なんでもないです。あなたは警戒してなさい。}
「・・・・了解です。」
この小説には人間大好きな奴しかいないのかねーってか。
名瀬ちゃんの目にも涙だったぜ☆彼女もめだかちゃんと同じく
人間味があるよなーわりと、わりとね。
うさほし☆ なんちてね。
33箱のタイトル、
「ーつまんないねー」でした。
トラウマって意味か、人生がって意味か、
羆がいないからって意味かはご想像におまかせします 栖樺 啼
- 第35箱ー種明かしをいたしますー ( No.48 )
- 日時: 2012/08/08 20:02
- 名前: 栖樺 啼 (ID: zRrBF4EL)
「それで、どうするんですか?」
と恋愛。さっきまでとは一変して、冷静になっている。
それで、思い出したかのように、馴鹿が一歩出る。
「それで?結局、羆は栗鼠音に何を仕組んだんだよ?くじら。」
名瀬に聞くが、名瀬は。
「わからなかった。」
「・・・羆の過去を見たんだろ?何もわからないってことは・・。」
「わからねぇんだよ。それが。」
イライラしていた馴鹿は、羆に殴りかかろうとする。
それを、栗鼠音が止める。
「待って!てか待て。どういうことだよ。くじらちゃん。
あなた程の観察眼をもってしても、読めないのかい?そんなにこの子のスキルは突拍子も無いのかい?」
「・・・こいつがスキルを使ってるところなんて、、」
遮ったのは、羆だ。
{・・・使ってましたわよ。姉上に、しかけました。
最後の、あの日。学校へ行く際に、私は、なんとなく予感がしていた
のですよ。お二人が、そうなるって、ですから。仕掛けました。}
羆の言葉を聞いて二人は驚愕。
名瀬はもっとだ。
{なんとなく、でしたし。微力でした。何度も言いますが・・。微力。}
「・・じゃあなんで、栗鼠音はこんなに、苦しそうなんだよ。」
言いづらそうだった。
変わりに言葉を引き継いだのは意外にも
「『それだけスキルが巨大だったんだろうさ。』
『まぁ、ボクから言わせれば、極小だけどね。』『違うかい?』」
急に喋りかたを直し、恋愛による《恐喝》が始まった。
相手はもちろん、羆だ。
「『答えろよ。』『言わなきゃ強行突破に出るぜ?』」
{・・・なっ、んで。あなたに、・・。}
主導権を奪われているのが不覚らしく、いまいち調子がでない羆。
それに変わり、今度は鵆が。
「何をするって言うんですか?」
少し強めの口調だった。
「『?』『おかしなことを言うねぇ・・』」
「スキルの種明かしなんて好き好んでできるものではありません。
それを言えというのですから、よっぽど何か策があるでしょう?」
恋愛は不意を憑かれたようで、笑う。
不敵に、訃的に。そして、負的に。
「『策も何も。』『羆って人のスキルを』
『ボクが奪い取るよ。』『それだけで、キミらはつぶれる。』」
「{っ・・・・・・。!!!}」
「そうか!」
と、名瀬。
「恋愛ちゃんのスキルなら・・・。」
{ぐっ、そんなことが、できるなんて。
・・・私以外にもそんなことのできるスキルが・・?}
最後の呟きは、かすかなものだった。
でも、それを聞き逃さなかった。
栗鼠音が。
「どういう意味だよ。《私以外》って言ったね。
《人のスキルを奪う》の? そういう意味、なら納得もできる。」
「無理やり、栗鼠音のを、奪おうってことか!」
そして、馴鹿が。
羆につめよる。
こんなときだけは空気を読んで、古賀、真黒、恋愛(と口をふさがれている鵆)は後ろに下がる。
三つ子に任せた。
そういう意味合いで。
「『言えよ。』『でないと、《また》失うぜ?』」
からかうようにいう恋愛。
{わかってますわよ!やかましいです!脇役のくせに!}
「怒られました・・。」
戻し、静まる恋愛。叫ぶ羆。驚く二人。
{わかりました、お教えいたしましょう。私のスキルの全てを、
そして、種明かしをいたします。本当の意味で。}
鵆が暴れる。恋愛は抱えずらいらしく、鵆を腕を押さえ、座らせる。
鵆は、叫ぼうとしていたが、恋愛がふさぐ。噛みつくが、離さない。
{こんなことになるなんて。}
「栗鼠音、泣くなよ。」
「馴鹿、誰に言ってんのよ。ねぇ、羆?」
{・・そうですわよ。馴鹿、自分の心配してください。}
三つ子の久々の会話。
兄と姉を殺しに来た妹と、殺される覚悟で聞く兄と姉。
羆のスキルは、名瀬との関係は、何故真黒はじゃべらないのか!(ごめんなさい栖樺のせいです)
「私の予想が当たっちゃうと、ちょっと私でも太刀打ちしづらいですね。」
最強の、最凶の最狂のスキルにも太刀打ちづらいてw
期待はしないで待ってあげてくれ☆
うさほし。
- 第36箱ー当たっちまったのかー ( No.49 )
- 日時: 2012/08/09 18:25
- 名前: 栖樺 啼 (ID: zRrBF4EL)
{まず、初めの過程としては、私が一人で語りますので、
口出しをお好きになさってください。鵆もです。
あと、、その後ろの方たちも。それで、よろしいですか?}
「後ろのは気にせず喋ってくれてかまわないよ。」
「そうそう、くじら以外はようやくあだ名で呼びあえる仲だから。」
{それは、相当親しいのでは・・・。}
話始めから、グダグダな三つ子だった。
見ている方が心配になる。
「(・・口出しっていってもなぁ、今この場で羆のことについて
知ってるのは恋愛ちゃんだけだし、俺らにはどうーしようも・・)」
と、名瀬が考えていると、恋愛が耳打ちをしてくる。
名瀬がかがむと恋愛はいっきに喋り出した。
「名瀬さん、私。あの人に嫌われちゃってるみたいなんですけど、
なんでかはわかんないですけど、嫌われてますよね?
それで、ですね全く心当たりは無いのですが、嫌われている人に
わざわざコミュニケーションをとろうなどという非常識人では
私は無いので、できれば中継役になってはもらえませんかね?」
「?」
「ですから、私の言ったことをあの人に伝えて欲しいのです。」
「(・・やっぱ球磨川の妹だよな。)(嫌われていることへの平常心。)」
名瀬が肯定したと見たのか恋愛は元に戻る。
先程羆に恐喝をしておいて《心当たりは全くない》宣言。
さすがの名瀬もあきれるものがあった。
{まぁ、ここはならって5W1Hで行きましょうか。
どれから聞きたいですか?兄上、姉上、どうしますか?}
「えー、じゃあ、WHENかな。」
恋愛の隣の鵆が(拘束は耳打ちの時点で解かれた)首をかしげる。
どうやら、一般の勉強知識は手に入ってないようだ。
そもそも10歳で習うものなのかも怪しい。
{『いつ』ですか、典型的ですが。そうですね。
姉上たちよりも少し前ですね。ほんの少し前です。}
「4歳になる前?」
栗鼠音が聞く。
{いえ、なってからです。}
「じゃあ、ホントにほんの少し前なんだ。」
馴鹿が信じられないと言った様子で呟いた。
栗鼠音が続きを促す。
{次は、どれにします?}
「WHOはいらないわよね、WHEREも、というと、あとは。」
羆が、鳥峠家で、言わなくてもわることだ。
「WHYかな。『何故』」
{でしょうね。『何故』私がスキルを持ったか。
というかぶっちゃけますけど、当時の私って、自分のスキルを自覚してはいませんでしたから、姉上に使ったのが初めてでちょっと
ドキドキしたのですよ。新鮮でしたわ。あれは。}
「え、何?アタシが初体験したの?よく成功したわね。」
{あぁ、いや成功したとは言い難いのですよ。ホントに微力でした。
今やってしまえば姉上をさくっと殺せますわよ。きっと。}
話の流れが変わったので、馴鹿が軌道修正。
「じゃあ、答えられないのかい?」
{できます。というか、WHYはほとんどWHAT『何を』と直結して
ますよ。私の場合そういうスキルですからねぇ。}
「「?」」
その会話を聞いて、球磨川恋愛は
「やっぱり・・。」
「なんだよ、当たっちまったのか?予想。」
「正直にいいます。大正解ですよ。私。ちょっと褒めて欲しいくらい」
「あぁ、ごめん。俺も当たっちまったから褒められない。」
「ぐ、頭撫でてもらおうと思ってたのに。」
「(・・子供か! あ、子供か。)」
漫才を始める二人に鵆が
「うるさい。聞こえない。黙れ。」
「子供に説教されたじゃないですか!
駄目ですよ。名瀬さん。しっかりしてくださいよ!」
「俺より兄貴に言えよ!ていうか子供に説教されたし。」
「「{ちょ、うるさい(です)よ!!}」」
「子供に怒られた。」
そして真黒に笑われた。
真黒は殴られ、気絶した。
{手短にいいましょう。私は
『姉上のスキルの妨害するため』スキルが身につきました。
まぁ、推測なのですが。あ、姉上達、でしたね。}
「「!」」
栗鼠音は驚愕、馴鹿も同様。
後ろの名瀬と恋愛はガッツポーズ。
鵆と古賀は茫然と話を聞いているだけとなった。
一番早く口を出したのは栗鼠音だった。
「じ、じゃあつまり、WHATは・・・。」
{はい。私のスキルは、誰かさんも持っていそうですが、
『他人のスキルを妨害する』スキルですよ。姉上。兄上。}
誰かさん=安心院さん=悪平等=南兎星
な、名前が出たっ!
うさほし。☆
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
この掲示板は過去ログ化されています。