二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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おもちゃ箱の国のアリス〜君を探して〜
日時: 2012/04/27 22:55
名前: ペールラ (ID: rcIQsSyG)

「えー、と・・・;」


静かな森、ドアだらけな木。

それしか存在しない、謎の場所。



「ここ・・。」


見覚えがない・・・。
諦めてやれやれのポーズを取った。


「どこ?;」



なんとなくメルヘンな感じ。

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Re: おもちゃ箱の国のアリス〜君を探して〜 ( No.28 )
日時: 2012/05/04 21:01
名前: ペールラ (ID: rcIQsSyG)

第12章「チョコレート・ガール」

志「ちょーこー、ちょーこー!」

キャッキャと腕を上下に振るあたし。

それを後ろで呆れながらついてくる双子の青年。

ダ「はしゃぎすぎー(笑)」
ディ「一応、大人の姿なんだからさ。」

志「えー、だってー。」

ぷー、と頬を膨らませる。


そう。今のあたしは大人の姿。
それはさかのぼる事少し前。

・・・・・・・・・・・・・・・朝(?)・・・・・・・・・

ドアの向こうから聞こえるいつもの双子の声。

志「んー、まぶしい・・。」

ベットの中で伸びたあと、思いっきり起きあがる。

ダ「早くー!」
ディ「ごはんなくなるよー。」

志「あぁーい。」

にしても、随分とこの環境にもなれてしまったものだ。
時間がランダムにやってくる。
そして、この広い屋敷の構図。
変な帽子屋、うさ耳の生えた男の人、鎌を振り回す双子。
常に銃を常備している顔がぼんやりとした人たち。

そんな事を考えながらボーっとキョロキョロしていると、小さなテーブルの上の物に目が止まった。

志「Eat me・・?」

eat meと書かれた紙の横にトリュフが置いてあった。

着替えた後、そのトリュフを眺める。

バン!

ディ「早くしてよ!ボスに連れてこいって言われてんだから!」

グイッと両手を引っ張るディー。

入口には早くー、と言って待ってるダム。

志「うわ、ちょっと待って!」

ディ「んもぉ!何?」

志「チョコ・・。」

ヒョイっとチョコをつまみ口に放り入れる。

ダ「それ・・おいしい?」

志「うん。おいしい。」

もぐもぐと食べる。
甘いがわずかに苦味がある。ビターのようだ。

ごくりと飲み込んだ瞬間・・

ボン!

デ・ダ「「!?」」

白い煙が立ち上る・・。

ダ「ゲホッ・・ゲホッ・・。志穂ぉー?」
志「もー、なんなの・・?」

少しずつ煙が晴れていく・・。

デ・ダ「「・・・・だれ?」」

二人の目の前にいた人物・・。

そう、大人の姿のあたし。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

と、いうわけで大人の恰好で行動している。

二人も、大きくなれる事を明かし、あたしに合わせて姿を変えてくれた。
ディーは髪が長くて、ダムが前髪にヘアピンをつけている。

これなら見分けがつきやすいものだ。


志「あ、これおいしそう・・あ!これも!」

ディ「えー?それより、こっちの方がおいしそうじゃない?」

ダ「あ、これすごい!」
志・デ「「え?どれ?」」

ダムが指をさしてる方向をみると・・。

志「うわ、何これ!」
ディ「リンゴ・・?」
キャラメル色の塊が立っていた。
その形はリンゴのような形。

ダ「すごいよね、これ!」

買ってみようよ!と提案してくるダム。

志「でも、この量を一人ずつって言うのはきついから、一つ買おう。」

くださーい、と店員を呼ぶ。
店員「はーい、切りますか?」

ディ「お願いしまーす。」

店員は、キャラメルの塊を持って、厨房へ戻っていく。

おまたせしましたー、と声で知らせ、出てくきた。

店員「どうぞー。」
トレーを受け取ってお金を払い、店から出る。

ダ「・・リンゴ?」
志「みたい・・。」
ディ「だね・・。」

物珍しげに切られた中身を見てみると表面はリンゴのような表面になっていた。
顔を見合わせて、それを口に含んでみる。

志「・・あ、おいしい。」

口の中でキャラメルが溶けて、噛むとリンゴの酸味がはじける。
これほどに相性がいいとは。

ダ「え、本当?」
ダムとディーも口に含んでみると、あ、ほんとだ。おいしいと、口ぐちにつぶやく。

新しいお店の発見日だった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

志「えぇ!?あのお菓子置いたの、ブラッドさんなの!?」

ブ「あぁ、そうだ。」

志「・・・;」
エリ「まぁ、いいじゃねぇか!すっげぇ、美人なんだし。」
志「んなことないし・・。」

なんか負けたような気がした。


あとがき
主人公大人編。

見た目
髪は結構ロングになりましたお尻にギリギリつかない程度。


黒いドレス。装飾少なめ。

実はリンゴにキャラメルが絡まれている奴、実際にあるんですよね。
元々、外国の物なんです。
実際見たんですけど、ほんとでかいですよww

Re: おもちゃ箱の国のアリス〜君を探して〜 ( No.29 )
日時: 2012/05/05 01:34
名前: ルナ (ID: YvnkZX8x)

ペールラさんッ‼
面白かったです(笑)

Re: おもちゃ箱の国のアリス〜君を探して〜 ( No.30 )
日時: 2012/05/05 07:43
名前: ペールラ (ID: rcIQsSyG)

ルナ様
ありがとうございます!
またのお越しお待ちしております。

Re: おもちゃ箱の国のアリス〜君を探して〜 ( No.31 )
日時: 2012/05/05 08:33
名前: ペールラ (ID: rcIQsSyG)

第13章「Ladies&gentleman!」

※12章、町をぶらぶら編続き。


ダ「他に行きたい場所とかある?」

志「特には・・。ディーは?」

ディ「僕もないよ。兄弟は?」

ダ「いや、ないけど・・。」

じゃあ、どうする?と目で問いかけ。

ダ・志・デ「「「・・・・。」」」



志「・・・帰るか。」

ダ・デ「「え!?」」

志「え;」

どうせ行く場所がないのだ。帰ろうとするのが普通なのではないのだろうか。

ディ「もう少しぶらぶらしよ。」

ダ「そうそう、それがいい。」

二人に両手を引っ張られながら歩く。
何を焦っているのだろう二人は。

志「そんなに焦ってどうしたの?」

さっき思ったことをぶつけてみた。

ダ「へ?な、何言ってんの?;」

ディ「焦ってなんか・・;」
志「焦ってんじゃん。」

どう見ても焦っている。誤魔化しきれていないぞ、双子。

志「もー、なんなの?」
ディ「えっ、えっと・・・;」
ダ「・・・・;」

志「・・・・。」

とうとう、黙ってしまった。さすがにひどかったか・・。
責めるのはよくない。

志「なに、隠してんの?」

ダ「あー、その・・;」

その瞬間何かがキレる音がした気がする。

志「もー・・うじうじすんな!男でしょ!?はっきりいいなさい!」

デ・ダ「「Σ!?」」
責めるのはよくない?いや、たまに責めるのもいいだろう。

こんな町のど真ん中で大声をだして怒鳴りつけている、なんとシュールな光景。是非とも知り合いに会いたくない。

志「たっく・・・、なに?それともあたしがいると不満ですか?」
ディ「そういうわけじゃ・・。」

志「だったらはっきり言って!」

そう言うと顔を見合わせる双子。
困った顔をしている。


志「・・・もぉ、いいよ!あたし単独行動する。」

二人に背中を向けて人ごみに紛れる。後ろからあたしの名前を呼ぶ声がしたが振り向かずに歩く。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



志「はあぁぁ・・・。」

ひと気がない場所でしゃがみこんで落ち込む。
ひどいことしちゃったなぁ・・。
って後で後悔してる。

志「どうしよ・・。」
帰り道も分らなくなってしまった。
さっきまで双子によって握られていた両手がさみしい。

志「・・・誰かいないかぁ・・。」

そんなひそやかな願いは届くはずが・・

ビ「何をやっておる?」

志「へ?」

あった。
上を見上げると、やはりビバルディさんだ。

ビ「!やはり志穂だったか!どうした?こんなところに座り込んで。」

志「・・えっと・・実は・・。」

先程の事を全部話した。

そしたらビバルディは、笑いだした。

ビ「ふふふ・・それはお主が悪いのじゃ。」

志「だよねぇ・・責めるのはよくないよね・・。」

ビ「いや、責めるのは時にいい。でも、その隠している物が何か気付かない・・。志穂はそうとう鈍感ね。」
ちょん、と長い指を唇にあてられる。

志「え、なにかくしてるの?二人は。」

ビ「自分で考えてごらん。」

それより、とあたしの手を取って立たせた後、

ビ「これから面白いものがあるんじゃ。志穂も見ないか?」

志「面白いもの・・?」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ついた場所、そこは少し高めのロビー。

志「ここで何が始まるの?」

ビ「まぁ、見ておれ。それにしても、志穂。」

志「?なぁに。」

ビ「お前、どうしてそんな姿になった?」

志「あぁ・・・。実は、朝置いてあったチョコ、食べたらなんかね・・。」

ビ「?よくわからんが、自分の意思でなったわけではないのだな?」

志「うん。」

ビ「不思議じゃのお・・。」

向こうから聞こえてくる、騒がしいラッパや拍手の音。

ビ「そろそろじゃ。」

ゆっくりと姿を現すのは・・・。

ゾウや、ライオン。ウサギ。
そしてピエロ達。

志「これって・・」
ビ「そう、サーカスじゃ。」

わいわい、と騒がしいサーカス団。
歩きながらボールをジャグリングをしていたり、玉のりしていたり。

志「すごい・・!」
ビ「そうじゃろう?だが、本番はもっとすごい。」

じっと見てると、片目に眼帯をした赤髪の男の人と目があった。

「・・クスッ」

わずかに笑う。
そして人差指を口の前に当てて何か言った気がする。

志「・・・・。」

ビ「志穂・・?」

志「!えっと・・ゴメン、ちょっとボーッとしてた。」

ビ「そうか?ちゃんと寝なきゃだめよ?寝不足は肌の大敵だからね。」

志「う、うん。」
チラッと見ると、すでにサーカス団は遠くにあった。

「志穂ー!」

下の方から聞きなれた声がした。

ビ「ふふ、お迎えじゃ。」

下を見てみると、ディーとダムがいる。

志「!ディー、ダムー!」

大きな声を出して二人を呼んだ。
そしたら、二人は気づいたようで上を見て、手を振っていた。

ビ「ほら、早く行ってやりなさい。」
志「うん!ありがとう、ビバルディさん!」

手をふって、階段を下りた。

ビ「・・・・あの子も巻き込まれなければいいが・・。」

静かに赤く染まる空。
サーカスの登場。
それは何かの始まり。




あとがき
次回、ジョーカー編。
君を独占したい、なんて簡単に好きな人に言えませんよね。

Re: おもちゃ箱の国のアリス〜君を探して〜 ( No.32 )
日時: 2012/05/05 15:33
名前: ペールラ (ID: rcIQsSyG)

第14章「monochrome」

志「何これ。」

外を見て驚き。

眠っていたところ、夜中に目が覚めた。
そしたら、帽子屋屋敷を囲んでいた植物たちが見る見るうちに枯れ葉に変わっていった。

志「・・・・夢?」

夢と思ってほっぺをつねった。

志「痛い・・。夢じゃない・・?」

いや、この世界事態、夢みたいな感覚だが。


志「・・・寝よ。」

バサッと二度寝することにした。
起きた時、ブラッドさんに聞けばいい話だ。


・・・・・・・・・・・・・起きろー!・・・・・・・・・・・・

志「んー・・もうちょい寝たい・・。」

ダ・ディ・「「だめー!」」

両手を引っ張られてずるずる。

エリ「お、志穂。眠そうだな。」

志「うん、夜中目が覚めちゃって・・。」

ふあぁ、と欠伸をする。
とたんにぱっと思い出した。

志「あ!」
ダ・デ・エ「「「Σ」」」

志「そういえばさ、その夜中の時!外見たんだよ。そしたらなんで、木が枯れ葉になってんの!?」

エリ「あぁ、それはエイプリールシーズンだ。」
志「エイプリールシーズン?」

「うそつきの期間。」

聞こえてきた低い声。

ブ「ジョーカーが来るとこのように四季が彩られる。」

声の主はブラッドさん。いつもより気だるそうに見える。

志「ジョーカー・・?」
ブ「お嬢さんは知らなくていい事だ。」
志「・・・。」

ディ「そうだ!ボス!キノコ狩りしてもいい?」
ブ「あぁ、かまわん。」

ふわふわとキノコと言われて浮かぶもの・・。

キノコとサケのホイル焼き。キノコのバター炒め・・。

そんな風に思い浮かべていると、

ぐぅー

志「Σ!///」

一気にあたしの方に視線が集まる。

ブ「お嬢さんの食い気は相変わらず正常だな。」
クスクスとわずかに笑う。笑いをこらえているようにも見える。

ディ「お腹すいてんの?ww」
ダ「相変わらずww」

エリ「早く、キノコ狩りしようぜww」

皆で笑うキノコ狩り前。

・・・・・・・・・・・・・もーりー・・・・・・・・・・・・・・


志「・・これ食べれる?」
手にされているビビットカラーのピンクに紫の水玉。
明らかに「毒、入ってますよ。」と言ってるような見た目だ。

ディ「とりあえず放り込んじゃえ。」
志「・・・大丈夫かな・・。」

腹を壊す人が出るんじゃないかと思ってしまう。
二人の両手に抱えられた大きなかごにいっぱいのキノコ。
だが、その全部が怪しい色をしている。


ダ・デ「「ボスー!」」

ブ「ん?」

ディ「見てみて!」

双子は籠をブラッドさんに見せる。

ダ「こんなにキノコが取れたよー!」

ブ「ふむ・・これなら色々な物が作れるな。」

ディ「でしょでしょ?」

そして向こうから聞こえてくる足音。

エリ「ブラッドー!」

向こうから走ってくるエリオット。手に抱えている物は・・

ブ・デ・ダ・志「「「「Σ!?;」」」」

エリ「見ろよ、こんなにニンジンが!」

オレンジの物体。しかもかなり大量。

珍しくブラッドさんは全力疾走で逃げていく。
それを追いかけるエリオットさん。

三人でポカーンとそれを目で追っていく。

デ・ダ・志「「「・・・・。」」」

そしてあはは!と笑いだす。

ダ「まってーボスー!ww」
それを笑いながら追いかけだす二人。

志「あははは・・。」

あたしも二人を追いかけようと、一歩踏み出した時。


志「!?」


さっきまでオレンジに染まっていた景色とは違っていた。
灰色の床。鉄格子。床に転がっている人形の頭。

志「・・どこ・・・ここ・・。」


冷たい空間。
わずかに寒く感じる。


———カツン・・・

無機質に響くヒールの音。

目の前にいる人物。

志「・・あの時のピエロ・・?」

眼帯、赤い髪。
でも、恰好が違った。
看守のような黒い服をまとっている。

??「・・・クスッ」

だが笑顔はあの時と同じものだ。

遠くの方にも一人いる。
目の前にいるのと同じ格好をした人だ。
でも、その人はなんか怒っているような表情だった。

すっと唇の前に人差指を立てた。

「shh...」


「志穂!?」

志「!・・・。」

ダ「大丈夫・・?」
ディ「顔色、悪いよ?」

二人の心配そうな顔。

志「・・大丈夫。」

なんかほっとしたような・・。

ダ「ほんと?」
ディ「無理したらダメだよ?」

志「・・うん。」

二人にいつものように手を取られ、一緒に歩く。


なんだったのだろうか。あれは。
二人にすがりついて泣き出したくなった。



あとがき
タイトルはモノクロです。
ジョーカーさんごめんね。ちなみに私はブラックさん派です。


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