二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

【イナGO】ランジーンコード〜不思議な夏の物語〜お知らせ
日時: 2012/08/14 08:37
名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)

プロローグ

私とロゴにいを乗せたバスが止まる
私達が降り立ったその町の名は−−稲妻町、この日本では数少ない、コトモノという言葉が未だに定着していない町。

コトモノ−−遺言詞と呼ばれる言葉によって脳が変質し、普通の人間とは別の形で世界観を捉えるもの達。私とロゴにいも、コトモノだった 。

これから始まろうとしているのは、とある夏の物語。


〜お知らせ〜

突然ですが、作者からのお知らせです

この小説に登場するキャラ達をイラストにしてみたいと思います

オリキャラでもそうでなくても構いません

作者は絵が下手なので、皆様に満足してもらうことはできないかも知れないですが、気軽にリクエストしてくれてOKです

特に期限はありません どんな絵にしてほしいのか、どんなキャラを描いて欲しいのかを書いてくれれば描けます

描いた絵はこのスレで見ることが出来るようにします

長々とすいません 時橋でした!

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13



オリジナルのコトモノ ( No.17 )
日時: 2012/06/19 19:57
名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)


No.2 <刃身人> はしんじん

身体中に刃物が生えていると錯覚しているコトモノ
刃物を自在に操り、自分以外に体の刃物を剥がされると 激しい痛みが伴う

第十話 ( No.18 )
日時: 2012/06/19 19:59
名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)


「…神童にはさ、未来っていう双子の妹がいたんだ」
霧野は話し始めた

「今から三年前かな…俺たちは稲妻第二小の五年生だった、…俺と神童は幼稚園から一緒で、その中には当たり前のように未来がいた」
遊びに行くときも、学校に行くときも、勉強するときも、ほとんど未来は一緒にいた

「…ある日、都市の方でプロサッカーの試合があって、それを観るために俺と神童と未来は都市に行った、俺たちはその時、コトモノ何て聞いたこともなかったよ」
サッカー観戦が終わり、帰りの電車に乗っていた時だった
「…帰りの電車で、トレインジャックがあったんだ」

そうして電車に乗っていた客たちは人質となった
犯人たちは皆コトモノだった
「目的は、刑務所にいる仲間の解放だった、やつらは戦闘が得意なコトモノじゃなかったから、片手には銃を持っていた、…そしてやつらは威嚇のために銃で空気を撃った…つもりだったんだろうな、その流れ弾は、未来の腹に命中したんだ」

動かない未来
赤く染まる床
泣きながら未来を呼ぶ神童

まるで、悪夢を見ているようだった

「そのあと警察が来て…犯人たちは逮捕されたけど…未来は搬送先の病院で間もなく死んだ」
そのときの神童の顔は今でも覚えている

霧野自信も信じられなかった
未来が死んだ
いつも当たり前のようにそばにいた未来が、
突然居なくなってしまった

その日から、神童は笑わなくなった
霧野と一緒にサッカーをしても
好きな音楽を聴いても
二人で帰っても

「…それが松風が来てからまた笑うようになったんだ、剣城なら覚えているだろ?松風が来る前の神童」
「ああ…」
確かに笑うところを見たことがなかったな、と剣城は心の中で思う

「…でも、俺がコトモノだから」
俺がコトモノだから、キャプテンを傷つけてしまった

「俺は松風を責めている訳じゃない…ただあいつは、天馬や監督が、自分の妹を殺したコトモノを持っているんだと知ってショックだったんだと思う」
「………」
「…そういえば監督は?」
剣城は辺りを見て言った
「…守兄さんなら、さっき出ていったよ」
ロゴは言った

もしかして、キャプテンのところに?

天馬はそう思った

——————

神童はホテルの屋上にいた 九階にある屋上は眺めがよく、風が気持ちよかった

「…………」
屋上の柵にもたれ掛かり、景色を見ながら神童は考え事をする

天馬が…コトモノ…

ショックじゃないと言えば嘘になる
けど、この気持ちは何だろう

『お兄ちゃん』

未来を殺したのはコトモノ、そのコトモノが、天馬と監督
あの日、未来が死んだ日を神童は忘れた事はない

光を失っていく瞳
どんどん冷たくなる未来の身体
真っ赤に染まる自分の手

『未来!!未来っ!!』

どんなに呼んでも、結局未来が戻ってくることはなかった

未来が死んでから、自分の心に穴が空いたようだった

何をしても、笑える日なんてなかった

それが天馬が来てから変わった、心の穴が埋まっていく気がした

なのに……
天馬はコトモノ……

「考え事か?神童」
声がして振り返ると、そこには円堂が立っていた

「…霧野から俺のこと聞いたんですか?」
「まあな」
円堂は神童の隣に来た

「…監督は、いつからコトモノなんですか?」
「小学校に入学する前からかな、どうして俺がコトモノを宿しているのかはもう覚えていないけど」
円堂は言った

「俺がコトモノだっていうことは、親と親友の風丸位しか知らなかった、怖かったんだよ、その頃はコトモノへのいじめが流行っていた時期だったし、コトモノだってバレて一人になるのがさ」
「………」
「だから、みんなとのサッカーを楽しみながら、バレたらどうしようってびくびくしてた、高校も、あえてみんなとは違う、都市の方の高校に行った、…サッカーが強いってのが一番だけど、高校でコトモノだってバレるのが嫌だった」
「『治療』しようとは思わなかったんですか?」
神童は訪ねる

「…ないよ、どんなことがあっても、コトモノを殺そうとは思わなかった」
円堂は言った

「…コトモノを恨むなとは言わない、でも全てのコトモノが、お前の妹を殺したようなやつじゃないってわかってほしい」
「………」

未来……

俺は…どうしたらいい?

オリキャラ ( No.19 )
日時: 2012/06/19 20:03
名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)


No.1 神童 未来 (しんどう みく)

神童の双子の妹
三年前、トレインジャック事件により命を落とす
神童と外見はほとんど変わらない

第十一話 ( No.20 )
日時: 2012/06/20 20:14
名前: 時橋 翔也 (ID: ffzF7wsd)


「守兄さん!」
「キャプテン…」
しばらくすると、二人は部屋にもどってきた

「神童、平気か?」
「ああ…大丈夫」
霧野は神童に近づいた

「…みなさん、俺はどうしたら良いですか?」
すると天馬は訪ねる

「狙われているってことは、俺がいたらみんなも危なくないですか?」
「だからこうやってかくまっているんだよ」
ロゴは言った

「…松風、俺はお前を助けるとき、たまたま通り掛かったって言ったけど、あれは嘘なんだ」
円堂は言った

「ずっと…連中が松風を狙っているって知っていたから、少しだけ後をつけたら、本当に出てきたんだ」
「そうだったんですか…」
天馬は言った

「僕たちはある事件の調査でこの町に来たんだけど…守兄さんに協力しているんだ」
「俺もロゴに協力する見返りにな」
「ある事件って?」
剣城は訪ねる

「…知ってる?かつてコトモノだった人間が次々と倒れている事件」
この場にいるほとんどが知っているようだった
「その原因が稲妻町にあるかも知れないから、私達は都市から調べに来たの」
由沙美は言った

「…剣城は何か知らないか?」
すると霧野は尋ねる
「………」

「…倒れた人達の特徴は、かつてコトモノだったこともうひとつある」
声がした
それはいつの間にか起き上がっていた狩屋だった

「狩屋くん…」
「起きていたのか」
「話は一応聞かせてもらいました」
狩屋は言った

「…で、特徴って何?」
天馬は尋ねる
「青い星形のアザが首の近くに出来ること」
狩屋は答える

「…何で知っているんだ?」
「ロゴさんが言ってたじゃないですか」
「剣城…アザあるか」
円堂が尋ねると、剣城はジャージの下のTシャツの襟を引っ張る

そこには確かに、青い星形のアザがあった

「…“シオル“」
剣城は言った

「それが俺の中にいた、もういないコトモノさ」

——————

稲妻町の東にある、今は使われていない暗い倉庫

そこには、天馬達を襲った暗殺者がいた

『【城霧結斗】』

見ているモニターから声がした
傲慢な口調だが、モニターに写っているのは女性だった
長い青い髪と、赤い眼鏡が特徴だった

『松風天馬の暗殺に失敗したようだな』

「はい」
城霧結斗と呼ばれた暗殺者はうなずく
「しかし、そのあと松風天馬の仲間達を半殺しにしました、これでもう、自分の周りにいる者たちがどうなるのか思い知ったと思います」

『ほう…考えたな』

「ただし、雷門中学校にいなかった神童拓人、狩屋マサキ、剣城京介については、狩屋マサキは半殺しにしましたが、神童拓人と剣城京介は行動を共にしており、剣城京介は『感染者』だったので半殺しにはしませんでした」

『…稲妻町にも『感染者』がいたとはな』

「思いのほか、コトモノは稲妻町にいるようです」

『…取りあえず、城霧は任務を続行しろ、計画のためにも、松風天馬を暗殺するんだ』

「…了解」

モニターはぶつっと切れた

第十二話 ( No.21 )
日時: 2012/06/22 21:29
名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)


「くっ…!」
「兄ちゃん…」
あの日、俺が優一兄さんをけがさせてしまった日

その日から、俺は一人になった
兄さんは稲妻総合病院に移る事になり、俺は海外の両親が帰ってくるまで都市に住んでる親戚の家に住むことになった

「蓮斗兄ちゃん、久しぶり」
しばらく俺と一緒に住んだ『宮灯蓮斗』は、優しい俺の親戚で、たまに家に遊びに来ることもあった

そこで俺はシオルを宿したんだ

「ああ…うん、そうだな」
「蓮斗兄ちゃん、誰と話しているの?」
机に座りながら窓に向かって話す蓮斗兄ちゃんに俺は尋ねた

「京介、コトモノって知ってるか?」
「ううん、知らない」
「…俺の中にはさ、未来を予知出来るコトモノがいるんだ」
初め、蓮斗兄ちゃんが何を言っているのか、よくわからなかった

「俺の中にある、友達かな」
「…友達」
俺はこの単語に反応した

俺には友達がいなかった
何でかは分からないけど、いつも一人だった

「…僕にも、つくれる?」
俺は蓮斗兄ちゃんに尋ねた
「ああ、つくりたいか?」
「うん」
そうして生まれた<ミライノコ>と言う詞族のコトモノ 俺は早速そいつに名前をつけた

「…シオル」
「シオル?」
「昔飼っていた犬の名前だよ」

シオルは、俺の話し相手だった 分離意識型のコトモノだから、いつも話してた

『…京介はサッカー好きなんだな』
「うん、大好きだよ」
『へぇー』

シオルは、未来を予知出来るコトモノだった
俺が稲妻町に帰る日も、バッチリ言い当てた

けれど、何であの事は予知出来なかったんだ?

俺が稲妻町に帰ってきた次の日の事だった

「蓮斗!お前よくも…」
両親の怒鳴り声だった
そして乱暴に電話を切る音がした

「あなた…京介のコトモノを『治療』しましょう」
「そうだな」

俺は青ざめる
シオルが消えてしまう
そんなのいやだ

「嫌だ!シオルを消すなんて…」
「それがお前のためだ」
強引に連れてこられた大きな病院

「嫌だ…離せ」
最後まで俺は抵抗した

「シオルなんで?!何で予知出来なかったの?」
シオルは何も言わない

「やめて!消さないで!」
その叫びは両親に届かなかった

結局、シオルは消されてしまった

その日から、俺はまた一人になった気がした

「シオル…シオル」
どんなに呼んでも、シオルはもういない
つい最近まで楽しく話せていた友達が
意図も簡単に消えてしまった

だけど…

——————

「最近…シオルがいる気がするんだ」
「なんで?」
天馬は尋ねる

「倒れてから、シオルに似た声がするんだよ、何で殺したの?って言う声が」

その時、天馬は雨宮が言っていたことを思い出す
コトモノが帰ってきた
それはこういう事なのか

「なぁロゴ…『治療』したはずのコトモノがまた現れるってあり得るのか?」
「いや…そんな事本来ならあり得ない」
ロゴは言った

その時

窓ガラスが勢いよく割れた
「なんだ?!」
「見つけた…」
割れた窓ガラスから入ってきたのは、

あの暗殺者だった


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13



この掲示板は過去ログ化されています。