二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 負けません。 (黒子のバスケ.) +参照2200突破激感謝!
- 日時: 2012/09/23 21:33
- 名前: 悠希 ◆YLdWB0/d2s (ID: PDUPGN/L)
++ attention ++
最近更新が偏りがちで申し訳ないです。結構なスランプに陥っています←
そんな中での参照数2200突破、本当にありがとうございます!! 遅れがちですが、頑張ります!!
++++++++++++++
——帝光中学校バスケ部
5人の天才と、幻の6人目、そしてもう1人、
その天才がいた時代を人々は“キセキの世代”と呼んだ——
◆ ◆ ◆
はじめまして、悠希です。ゆうきって読みます(^-^)ゞ
“黒子のバスケ”が大好きですbb 基本あにめも漫画も観てます!!
そして両方大好きです♪ 黒バス大好きだー♪
小説は基本あにめと漫画の両方を見ながら書いて行きたいですvv
ちなみにここでははじめて書かせていただくので、頑張ります!!
注意事項に一応目をお通し下さい(`・ω・´)
◆ 注意事項 ◆
+オリキャラは♂♀両方でてきますvv
+原作沿い(あにめand漫画)で行きます!
+うまくかけるか分かりませんが、誹謗中傷はおやめ下さい.
+こめんとくださると自信になりますbb
+更新速度は不明ですがよろしくお願いします(´・ω・`)
【現在不定期更新。スランプ気味ですが頑張ります】
それではよろしくお願いします!
■ Let's start. □
+注意事項 >>000
+おりきゃら紹介 >>002
+由梨生誕祝い >>024
+麗也生誕祝い >>055
■ ANOTHER STORY ■
[帝光時代の番外編物語]
+ANOTHER STORY.01 バスケットボール >>051
□ 本編目次 □
■バスケ部入部編■
+第1Q.元帝光中学バスケ部です >>003
+第2Q.誠凛バスケ部“監督”さん >>005
+第3Q.彼は強いですよ >>006
+第4Q.別に好きとかじゃないんだ >>007
+第5Q.向かう場所は同じ >>011
□誠凛vs海常-練習試合-編□
+第6Q.お久しぶりです >>012
+第7Q.負ける気ないから >>013
+第8Q.全力で叩き潰す >>015
+第9Q.ぶつけ合った拳 >>016
+第10Q.これでも一応“7人目”だから >>017
+第11Q.迷惑かけっぱなしだ >>018
+第12Q.女だからってなめないでよ>>019
◆インターハイ予選編◆
(vs新協学園高校)
+第13Q.This is japanese lunch time rush!! >>020
+第14Q.気合い入れるわよ >>021
+第15Q.パパ・ンバイ・シキ >>022
+第16Q.俺に勝てるのかよ >>023
+第17Q.人事は尽くした >>026
(vs正邦高校)
+第18Q.頑張らないとね! >>027
+第19Q.泣くっすよ >>028
+第20Q.うちにもいるんだよ >>029
+第21Q.借りを返しに来ました >>030
+第22Q.最後はいつもの彼のシュートで、 >>032
(vs秀徳高校)
+第23Q.勝つのは俺らだ >>034
+第24Q.憧れてたんだ >>036
+第25Q.ホークアイ >>037
+第26Q.次は止める! >>040
+第27Q.俺ら仲間じゃないのかよ >>042
+第28Q.限界を超えて >>043
(vs桐皇学園高校)
+第29Q.背負い込まずに >>046
+第30Q.お元気してましたかっ!! >>048
+第31Q.信じてください >>054
→→→地味に“テニスの王子様”の小説書き始めました。気が向いたら来て下さい(^ω^)
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- Re: 負けません。 (黒子のバスケ.) +参照500突破激感謝!! ( No.19 )
- 日時: 2012/08/09 21:55
- 名前: 悠希 ◆YLdWB0/d2s (ID: iVv2KGQ4)
黒子の頭の検査の為に、全員で病院による。
そして、病院から出てきた黒子とリコが「異常なし」と言った瞬間、全員は安心した。
@第12Q.女だからってなめないでよ
「はぁ。よかったな、黒子」
「倒れた時はどうなるかと思ったぜ」
「……ご心配おかけしました」
「ま、何はともあれ——」
全員が一斉に黙った。麗也も瞑目して微笑む。
数泊おいて、全員が一気に明るい笑顔を見せて叫んだ。
「「「——っしゃぁーっ!! 勝ったぁーっ!!」」」
*
「帰り、どっかで食べてこーぜ」
「おぉ。何にする??」
「ちょい待ち。今全員の所持金、交通費抜いていくら??」
「「「…………」」」
全員が所持金を出した。無論麗也も由梨もだ。
結果。——421円。全員の意見があった。
「帰ろっか」
「そうだな」
(結局そうなるんですよねー)
とぼとぼと全員は歩きだす。
が、そんな時。リコが思いっきり笛を吹いた。
「大丈夫!! むしろがっつり行こうか、肉ッ!!」
*
そして全員はステーキ屋に来ていた。
30分以内に食べ切れればタダ。ダメなら1万円である。しかし、しかしだ。
(ボリュームありすぎだぞこれは————ッッ!!!!!!)
見るだけでお腹いっぱいになってきた。
もとより麗也は少食である。今にも食べた気分になりそうだ。
「さぁ皆、遠慮せずに行っちゃってー」
食べて5分経過。なんとか麗也も手を進めていた。
「……このステーキ、ステキ」
「ごめんそういうの今マジうざい」
「ちょっときついです伊月先輩」
小金井に続き麗也も伊月に言う。
そんな時だった。黒子が“すみません”という。
「どうした、黒子。水か??」
「…………ギブです」
一拍の沈黙。そして、
「「「黒子ぉぉーーーーーーっ!!!!!!」」」
全員の叫び声が響いた。
*
(死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ…………)
ゲプッ、となりながら麗也はしゃがみこんでいた。
あれから全員がギブをした。——が、火神がそれをすべてたいらげたのだ。
今は全員店の前にいる。
「黒沼くーん、大丈夫ー??」
「…すんません、ちょっと待ってくださ……うぷっ」
「ギャーッ!! すぐそこに公園あるわよ!! トイレ!! ちょっ、由梨連れてったげて!!」
「黒沼お前少食すぎるだろー」
「もっとしっかり食わないとだめだぞ」
「すいま……せ…」
「馬鹿かお前らは喋らすなーっっ!!!」
現在トイレである。麗也はうずくまっていた。
由梨は心配そうに待っていた。
「れーいやー、大丈夫ー??」
「うぷ…っ……、だいぶ…マシに……なってきた……」
「早くテっちゃん探しに行かなきゃー」
「わぁってる……よ……」
ゆっくりと麗也は、行方不明になった黒子を見つけようと立ちあがった。
由梨とぶらぶら歩いている中で、ふと麗也は聞いてみた。
「そういえば今日、涼の偵察できたのか??」
「え? あぁ、もちろん」
“記憶力”“情報収集能力”——それが由梨は半端ないのだ。
中学時代もそれを使い、同じマネージャーであった桃井と共に役立ってきた。
「あと、麗也は無茶しすぎ」
「……え?? 何の事——」
「バーカ、とぼけてもむだ。私が気付かないとでも思ってんの? 大方、黄瀬っちにカバーしてもらったんでしょ」
きょろきょろとあたりを見回しながら由梨は言った。
麗也はきょとんとした顔をし——困ったように微笑んだ。
(やっぱ敵わねぇな)
「あ、いたよ、テっちゃん。火神くんと黄瀬っちもいる」
「涼?」
見れば、何やら軽くもめているようである。そして試合をするようだ。
2人は顔を見合わせ、ゆっくりと近づいた。
「3対5じゃなくて——5対5のほうが、マトモですよね?」
「っ!! 黒沼っち!! 由梨っち!!」
「はっ! おじょーさん、怪我しちまうよ〜?」
相手の5人のうちの1人が言えば、火神を除く男性メンツがふきだした。
由梨は不敵に微笑んだまま、告げた。
「それはどうかな。女だからってなめないでよね。——怪我するよ?」
*
————火神は茫然としていた。
体格差はある。が、由梨は怯むことはない。それどころか——。
(強え……!! 凄いうめえ……!!)
——フェイダウェイ。
それを由梨はいとも簡単にやってみせた。
ゲーム結果。
「しゅ、瞬殺……!!」
見ていた人物のうちの1人がつぶやいた。
チーン、と死んでいる相手5人を置いて、5人は移動した。
*
「相変わらずっすね、由梨っちは。ほんっと強かったっす」
「あっははは、どーも。黄瀬っちだって凄く伸びてるじゃん。尊敬するよ」
「お前……強いんだな……」
火神が茫然としながら言えば、由梨はにこりと微笑んだ。
「少なくとも、黄瀬っちには負けたことないよね」
「…………そっすね」
「おい由梨。その言葉はかなり刺さってるぞ」
「っておい?! そんなのお前マジ強いんじゃん!! よし、今度俺と勝負しろ!!」
「何言ってるんですか火神くん。今の君じゃ…瞬殺ですよ」
「んだとっ?! つかその瞬殺ってのやめろよ!! じゃあ黒沼!! お前やれ!!」
「あ、火神くん。私に勝てない様じゃ、麗也には絶対勝てないからね!」
「なんっなんだよお前ら!!」
トークを続ける4人に、黄瀬は静かに微笑んだ。
鞄を持って、黄瀬はニカッと笑った。
「じゃ、俺はそろそろいくっすわ。最後に沼っちや黒子っちと一緒にプレーできたしねー」
そして、ぶらぶらと黄瀬は帰っていく。
うーん、と由梨はのびをする。
「さてっ、いこっか! テっちゃんも見つかったし!!」
「そうだ「——黒沼君」」
麗也の言葉を遮って、黒子が麗也を呼んだ。
見れば、黒子と火神がこちらを見ている。——何かあった、と麗也は思った。
「君は……僕と火神くんと君は、——その、」
「……何あったかわかんないけどさ」
麗也は小さくため息をついた後、優しく笑った。
「黒子は影、火神はその光、じゃあ俺はその光をさらに輝かせる“光”。そんなダッグでいいだろ。俺らでも、頑張っていこう」
「…………黒沼君」
少し目を細めて、黒子は頷いた。
(中学の時から黒沼君は話を聞いてなくても安心させてくれる言葉をかけてくれるから、本当に凄い)
「てゆか、俺、お前らと別にあってねぇんだけど」
「冷たいなお前。“火”神の癖に冷たくていいのか」
「……どういう意味だ?」
「馬鹿にはわからないんじゃないのかなー?」
「んだと白川テメッッ!!」
(だから、決別なんてないですよね、黒沼君、火神くん)
「ほら、行こう3人とも!! 監督や先輩待ってるよ!!」
「……そうですね」
少し和らいだ黒子の表情に気づき、麗也と由梨は安堵したのだった。
————この後、合流した時に黒子がリコに「勝手にいなくなった刑」でお仕置きされたのはいうまでもない。
*
2話投稿完了……!! できたー……!!
そして再び g d g d (泣)
本当にすいません;;
今回は由梨の実力発揮……とまではいきませんでしたね。
とりあえず火神には知ってもらえた、って所ですね。
次回からも頑張ります(;・ω・)v
- Re: 負けません。 (黒子のバスケ.) +参照600突破激感謝!! ( No.20 )
- 日時: 2012/08/11 22:43
- 名前: 悠希 ◆YLdWB0/d2s (ID: soVn9TCU)
++++
参照600突破ほんとに感謝です!
今回はギャグ風味……ですね((笑))
++++
@第13Q.This is japanese lunch time rush!!
「…………パン、ですか?」
2年生ズが言った言葉を麗也は繰り返す。
そう、とリコは笑いながら頷いた。
「実は誠凛高校の売店で毎月27日だけ数量限定で特別なパンが売られるんだ!」
「特別な…パン……?」
由梨も聞き返す。リコはこくりと頷いた。
「それを食べれば部活でも恋愛でも幸運が約束される噂の“幻のパン”!」
「嘘っぽいですね」
「なんか言ったー? 黒沼くーん?」
「なんでもないです」
にっこりと麗也は綺麗に笑った。
リコはしらけた目をしながら、とにかく、と続ける。
「税込2800円!」
「たっか!」
「海常にも勝ったし練習も順調。ついでに“幻のパン”もゲットして、はずみをつけるぞって訳だ!」
「けど狙ってるのは私たちだけじゃないわ。ふぅ、いつもより“ちょっとだけ”こむのよー」
「…………」
リコの隣にいる日向が苦々しい笑みを浮かべていた。
麗也はなんとなく嫌ーな予感がしてきた。由梨も同じようで汗を浮かべている。
「ふんっ、パン買ってくるだけか。ちょろいじゃん。……ですよ」
「……ほい、金はもちろん俺ら2年が出す。ついでに皆の昼飯も買ってきてー」
日向はお金の入った茶封筒を火神に渡した。
火神はまじまじと見つめた後、しっかりとその封筒を受け取る。
「ただし失敗したらー……」
「……し、したら?」
麗也が聞き返す。日向はにっっっこりと微笑んで、
「つりはいらねぇよ? ——今後フットワークと筋トレが3倍になるだけだ」
(3倍まじ死にますから————ッッ!!!!!!!!)
(こええ……!!)
(お昼の買い出し、クラッチタイム?!)
(なる“だけ”って!! だけってなんですか日向先輩!! てゆかリコ先輩止めてよ!!)
はわわわわわとなる1年ズ。
そんな時、伊月が1年ズにきりだした。
「ほら、早く行かないとなくなっちゃうぞ。大丈夫、去年俺らも買えたんだし、パン買うだけ……ん?!」
「「「「…………」」」」
「…パンダのえさは、——パンだっ!!」
「「「「行ってきまーす」」」」
*
(これのどこが……“ちょっとだけ”なんだよオイ————!!!!)
人であふれ返る売店を見て麗也は内心で叫んだ。
いや絶対これ由梨はダメだろとか思いながら麗也自身もどん引きである。
「カ、カオスだ……!」
「と、とにかく行くしかねぇ! 筋トレフットワーク3倍は……死ぬ!!」
「よし、まずは俺が行く! 火神ほどじゃねぇが、パワーには自信あるぜ!」
そう言って走り出した1人目の犠牲者。
うおらあああああっと叫びながら走りこんでいくが———。
「んだあっ!!」
「「歯ァたたなすぎだろ!!」」
あっさりと吹っ飛ばされた。
そしてよくよく見れば——筋肉ががっしりな者が大勢いる。半端な力では勝てないだろう。
「…おんもしれぇ!! やってやろうじゃん!!」
(自殺行為だ——!!)
火神が走り出す。行けるか、と麗也はひきながら見ていた。
が——どんっ、とあの火神でさえも押し返される。
火神は床に座り込み、茫然と人込みを眺めながらつぶやいた。
「———This is japanese lunch time rush!!」
「火神……」
「こんなときだけアメリカかぶれかよ……」
「火神くん英語喋れたんだねー」
さりげなく由梨がひどいことを言っているような気もする。
麗也は小さくため息をつき、全速力でかけだす。
(やってみるか————!!)
「麗也待って、アンタ絶対死ぬ——!!」
由梨が叫んだと同時に麗也は見事に跳ね返された。
「…でぃ、This is japanese lunch time rush!!」
「「マネしなくていいよ!!」」
「つか火神より格別に華奢に見えるお前が行けるとも思えんわ!!」
「……なのになんで試合ではあんなに凄いんだ?」
疑問符を浮かべる麗也以外の1年ズに、声がかけられた。
「あのー……、買えましたけど」
「「「「「「…………」」」」」」
黒子だった。手には噂のパン。
火神と麗也はすっくりと立ち上がると、黒子につっかかった。
「黒子、おまっ……どうやって!!」
「まさかお前……ミスディレッたのか!!」
「いや元からテっちゃん影薄いし」
「「ホントのことだけど失礼だろ白川」」
「んー、人込みに流されてたら先頭に出ちゃったんで…パンとって、お金置いてきました」
黒子以外の1年ズは全員沈黙である。というより茫然。
はい、と黒子は火神にパンを渡した。
「ん…、どうしたんですか?」
「「「いや……、なんでもねぇよ」」」
「流石“幻のシックスマン”はちげぇなぁ……」
「…影薄いのって結構いいのかなぁ……」
「……おいおい。つか、マジでミスディレったのかよ……」
「…ミスディレクションとはちょっと違うんじゃない?」
ははははは、と黒子以外の1年ズは乾いた笑みを零したのだった。
*
「………買ってきました……」
「お疲れー。ありがと!」
「こ、これ……、例の……」
「あぁ、いいよ。お前らで食べなっ」
伊月が明るい声で言ってくれる。
麗也たちは顔を見合わせ、とりあえずは黒子からということで回し始めた。
そして黒子が一口。
「これは……っ、めっちゃおいしいです」
「うぉわ! こんな幸せそうな黒子はじめて見た!」
「じゃあ次は黒沼、食えよ!」
「ん。じゃあ、いただきます」
麗也も一口食べる。の瞬間、目を少し見開いた。
「……かなり、うまい」
「うぉわぁ! こちらも黒沼の超幸せそうな顔! じゃ、じゃあ次俺!」
そうして全員でパンを回していく。
かなり。いや、とっても美味しかった。
(美味かったな、あれ)
なんて。麗也は少し、幸せを感じたのだった。
*
ちょっと息抜きストーリーです(´・ω・`)
あんまり考えずにのんびり書けました。
今回のタイトル見てくれたら息抜き度がわかるかと。
おもにギャグ路線で行ってみました。
…………ギャグは苦手なのだよ……(´-ω-`)
- Re: 負けません。 (黒子のバスケ.) +参照700突破激感謝!! ( No.21 )
- 日時: 2012/08/14 16:16
- 名前: 悠希 ◆YLdWB0/d2s (ID: kRzIGuhz)
+++++
参照700突破、本当にありがとうございます。
昨日は更新できずすいませんでした。
お盆ですが2日だけ練習しよう、って事で部活でした(`・ω・´)
もう疲れすぎてできませんでした……。
それでは14話です。
+++++
@第14Q.気合い入れるわよ
「キャプテン! 予選トーナメント表、コピーしてきました!!」
そして配られたのは——インターハイの予選トーナメント表。
麗也もじっくりとトーナメント表に目を通していた。
「インターハイ予選はトーナメント戦からだ。負けたらそこで終わり、気を抜いていい試合は1つもない」
東京都のブロックは4つ。各ブロックのトップが決勝リーグに進める。
さらにその決勝リーグで上位3位以内に入り、初めてインターハイに出場できる。
「300校以上の出場校から選ばれるのはわずか3校。1%の選ばれた高校生しか立てない“夢の舞台”…、」
日向はそこで一旦切り、真っ直ぐにメンバーをみた。
「——それが、インターハイだ」
全員の表情に笑みはない。無論麗也もである。
ただまっすぐ日向を真剣な表情で見つめている。
「なんとなくわかったっスけど、1つだけ間違ってるっすよ」
「——?」
「選ばれるんじゃなくて、“勝ち取る”んすよ」
火神のその言葉で、全員が表情を和らげた。
(確かにそうだよな……)
麗也も表情を和らげる。——彼の場合は、技術勝負だけじゃないのだ。
体力面もある。メンタル面もある。それ以上にあるのは——喘息。
「目標は——やっぱり秀徳ですよね」
「あぁ。そのためにもまずは初戦! 気ぃ引き締めていくぞ!!」
「「「おー!!」」」
(秀徳。……緑間)
ふと浮かんだ緑髪の青年に、麗也は再び表情を引き締めてしまう。
が、そんな時、かっくんと麗也の膝が曲げられた。
「ぬぇっ……?!」
「表情、かたくなってますよ。力が入りすぎてもダメですから、リラックスです」
「…………そう、だな。ごめん」
小さく微笑めば、黒子は小さく微笑み返した。
そんな時だった。リコと由梨が、1回戦の相手の偵察から帰ってきた。
「あれ、監督スキップしてないな」
「監督ー、今日はスキップとかしてないんですかー」
「————するかぁッ!!」
「「ひっ」」
「だアホ。公式戦でもヘラヘラしてるわけねぇだろ。にしても機嫌悪いな。強いのか、相手」
「…………」
口を閉ざしているリコの代わりに、由梨が口を開いた。
「秀徳に挑む前に、1回戦でも危うい状態です」
「「「———?!」」」
「ちょっと厄介な選手がいるのよ……。由梨、説明して」
「説明って……」
リコが携帯を出す。画面には外人が映っていた。
由梨は小さく咳払いをした後真剣な顔で全員を見つめながら言った。
「その人の名前は“パパ・ンバイ・シキ”。身長2m、体重87kg」
「って、そんなバッチリ覚えてんのか……?!」
ぎょっとなる日向をも気にせずに由梨は続ける。
「セネガルからの留学生です。その背丈もありながら、手足も非常に長く本当に厄介です」
「ジャンプ力のある火神くん、パス回しのテっちゃん、マークが容易に抜けれてしっかりボールを繋げれる麗也。とりあえずこの3人は明日から別メニュー」
「3人のコンビが貴重だと思われます。あと、日向先輩のシュート、伊月先輩の目と判断も重要になりそうです」
「パパ・ンバイ・シキのマークには火神くんとそれなりに行ける麗也が行くのが1番かと」
ずらずらずらずらと言葉を並べる由梨に、全員が驚きを隠せていない。
由梨は情報、戦法などを何も見ずにとにかく伝えている。麗也は苦笑するほかない。
「す、すげーな白川……」
「由梨は記憶力と情報収集力が凄いみたい。パパ…ってもう面倒くさい、黒子君、あだな考えて」
「んー……じゃあ、お父さんで」
(……お父さん……)
そのネームに麗也はふきだしかけたが、黒子の視線を感じてとめた。
“とにかく”——とリコは言った。
「明日からペースあげるわよ! さっき由梨が言ったとおり3人は別メニュー!! 気合い入れるわよ!!」
——————翌日から必死の練習が始まった。
目指すはまず、秀徳。の前に初戦。
由梨もパパ・ンバイ・シキや他の選手の情報を報告するために集めていた。
(主将……は谷村祐介。性格的には好まないなー。弱点は、っと……)
とったビデオを何度も見ながら情報をとる由梨。
こっそりと見ていたリコは、小さく微笑んだ。
そして———インターハイ予選、初戦の日を迎える。
相変わらず目が充血している火神を見て麗也は笑う。
それを見ていた周りもつられて笑う。空気は少しなごみ——、
「さぁ……行くぞ!!」
インターハイ予選が——始まる。
+++++
gdgdすぎてほんとすいません(´・ω・`)
次回からお父さんとの勝負!
というかもう本当に読んでいただいてありがとうございます!!
- Re: 負けません。 (黒子のバスケ.) +参照700突破激感謝!! ( No.22 )
- 日時: 2012/08/15 11:45
- 名前: 悠希 ◆YLdWB0/d2s (ID: ijJ7UejJ)
「——日本低い。……なんでも」
(——で……かっ!!)
@第15Q.パパ・ンバイ・シキ
試合体育館に現れたパパ・ンバイ・シキ——通称お父さん。
想像していたよりもかなり大きく、麗也は思わず顔をひきつらせていた。
そんな時、日向が持っていたボールが主将の谷村の足に軽く当たる。
「あぁ、すいません」
「そういえばおたくら、海常に勝ったってマジ?」
「あ、いや、練習試合ですけど……」
日向がそういうと、谷村は小馬鹿にしたような表情になった。
「なーんだ。思ったよか大したことないんだ。“キセキの世代”って」
「…………」
日向も思わずむっとなる。麗也も静かに谷村を睨みつけた。
そんな時由梨が麗也の隣に立ち、同じように谷村を見ながら囁いた。
「あの人は他人を見下す面があるから。……あまり聞かないほうがいいよ」
「……さすが情報収集のスペシャリスト。そういう部分まで収集済みか」
冷静に麗也も返すが、その瞳には少し苛立ちが浮かんでいた。
「キセキの世代? 負け? そいつらに勝つために呼ばれたのに、こんなガッカリだよ。弱くて」
お父さんもそう言って歩き出す。麗也はじっとお父さんを見ていた。
あちらも麗也の方を見ながら歩いていて——軽く、黒子にぶつかった。
「ダメですよ僕、子供がコートに入っちゃ——」
お父さんはがっしりと黒子をつかんで持ち上げる。
体格差的にもお父さんから見れば子供にみえる——のかもしれない。
だが、黒子はれっきとした高校生である。——選手なのだ。
「……選手?」
それに気付いたのか、お父さんも少し目を見開く。
そして黒子をおろしたあと、睨みっぱなしだった麗也の方を見て言ってきた。
「あんな子供いるチームに負け? “キセキの世代”ってみんな子供?」
(……でもって何故に俺のほうを見て言うんだってのこのお父さんめが)
ふと周りを見れば、かなりの人物が麗也を見ている。
中学時代、麗也にも取材は来ていた。雑誌にもそれなりに載った。
恐らく“キセキの世代”ということで見られているのだろう。
(で、お父さんはあらかじめ伝えられてでもしてたのか? そして俺を見て言ってきたと?)
完全に喧嘩売られてるじゃん——と麗也は楽しげに笑った。
由梨が相手チーム選手の情報を知る限り全員に伝える。そして——試合は始まった。
*
(火神が……高さで負けた?!)
初っ端から麗也は驚いた。火神がお父さんに高さで負けたのだ。
いや、高さだけでもないだろう。——手足の長さ、それも含まれている。
「まずは新協ボールだ!」
作戦通り麗也と火神の2人でマークに行く。
が——その時、麗也にも2人のマークが付いてきた。半分忘れていた麗也は、くっと息を詰まらせる。
「いかせねぇよ、キセキの世代さん!」
「パパー!! 決めちまえー!!」
「…こ…っのやろ…!!」
麗也がマークから抜け出そうとした瞬間——お父さんがシュートを決めた。
笛の音の後、新協側に2点の得点が入る。にんまりと笑ってくる相手2人を睨み、麗也は元のポジションに戻った。
(完全なマークだな。でも——)
ちらりと麗也は由梨のほうを見る。そして、笑った。
(全部由梨の言ってた通りだな)
ボールは誠凛。日向がシュートを放つ。
が、お父さんが手を伸ばしてそれをいとも簡単そうにブロックした。
(つか長ぇって! て言うかまだ動いちゃだめなのかよ!)
由梨の言葉を思い出しながら麗也は走る。
『最初の数点だけは様子見。私か監督が頷いたら——3人、おもいっきり行ってください』
まだ由梨かリコからの頷きという合図はない。
そんな時、日向と新協の主将である谷村が会話をしているのが耳に入る。
「楽だぜ。あいつにボール回しゃ、勝手に点入ってくし」
「……楽かどうかはしんねぇけど、文句言うなよ。とんでもねぇ奴ならうちにもいるし」
そう言って日向は、麗也、黒子、火神の3人のほうを見てきた。
その3人は由梨とリコのほうを見て——“合図”を受け、頷き返した。
「ま、呼んだわけじゃねぇんだけどな?」
刹那、3人は動き出す。麗也と火神はお父さんの完全マークに入った。
お父さんに自分のプレーをさせない——それが目的である。
「っは……、なぁ、パパさん?」
「——っ?!」
「シュート、入れて見ろよ」
入れさせないけどな——麗也は笑う。火神も鼻で笑った。
お父さんはカッとなり、シュートを入れようとジャンプした。
「させねぇって……言ったよな!」
麗也と火神は同時にとんで——お父さんのフォームを崩す。
ボールはそのままとんでいき、ガコッと鈍い音を立てて外れた。
「なぁっ……?!」
「——あんまりなめてっと、本気出すからな?」
にっこりと麗也は微笑んだ。由梨とリコからは一応もう一つ言われている。
(初戦からシュートはうちまくるな——……か。さて、とりあえずマーク抜けていくか)
麗也にはとにかくお父さんのマークに行ってほしいと言われたのだ。
の前にマークを抜けなければならない。
(とにかく……マーク抜けて、パパさんを止めて行く!)
だっと麗也は走り出す。移動したお父さんの所へだ。
麗也は堂々とお父さんがいる中で、火神に言った。
「火神、お前次シュート決めてくれ」
「——了解」
「堂々と言いやがって……。させるわけないだろ」
お父さんが言う。そんな時、丁度お父さんの手元にパスが向かってくる。
(ラッキー)
お父さんがそれを取ろうとした瞬間——バシッとそれが火神にパス回しされた。
そのまま火神はシュートを決める。
「子供怒らせると、結構やばいかもよ!」
「…っていうか子供で話進めるの、やめてください」
「……そうそう。かなり馬鹿にされてる気分」
再び回ってきたボール——それを麗也は取る。
そして本日1本目のシュート体勢に入った。
「はっ、ははは! そんな所から入るわけないね!」
「——どーですかね」
お父さんは完全に馬鹿にしていて、ブロックする気もない。
傍から見ればそうだろう。ゴールからは、半分以上離れているというのにだ。
だが——麗也はしっかりと意志を持ってボールを放つ。
「入るわけ——」
————パスッ、とボールはゴールに収まった。歓声が上がる。
お父さんは驚きの表情のまま、硬直している。麗也と黒子、火神は拳をぶつけあった。
(やはりあいつ……シュート範囲が着実に伸びているのだよ)
眼鏡をおしあげながら、見に来ていた彼は心の中でつぶやいたのだった。
- Re: 負けません。 (黒子のバスケ.) +参照800突破激感謝!! ( No.23 )
- 日時: 2012/08/17 21:36
- 名前: 悠希 ◆YLdWB0/d2s (ID: wZQkUVus)
「次の試合も頑張ってクダサイ…なんて言うかバァーカ!! 次は負けないからナーっ!!」
「「「…………」」」
@第16Q.俺に勝てるのかよ
誠凛高校バスケ部は、見事新協学園を打ち負かした。
お父さんは最後に言葉を残して去って行き、あまりにも子供っぽかったので麗也は吹きだした。
(よし……体も大丈夫だ。ま、暴れてないしな。後半ほぼベンチだったし)
続く第2回戦——対実善高校。黒子はベンチ。麗也はシュート控え目で出て、見事圧勝。
第3回戦——対金賀高校。黒子も出たそうな中温存し、順調に勝利。
第4回戦——対明常学院。108対41で瞬さ……余裕の勝利。
「調子いいですねー。このまま決勝リーグまで順調ですかね!」
「甘い甘い。若い者はいいね〜」
「——決勝リーグを経て選ばれる3校は、ここ10年同じ」
ドリンクを口に含みながら、麗也も耳を傾ける。
由梨もタオルをメンバーに渡しながら、鋭い目で日向のほうを見た。
「東の王者“秀徳”、西の王者“泉真館”、北の王者“正邦”——東京の3大王者だ」
(秀徳——……)
緑間の姿が浮かんで、麗也は表情を引き締めた。
このまま順調に上がれば、誠凛は秀徳と当たるだろう。
そんな時、入口のほうから——秀徳のメンバーが歩いてくるのが見えた。
「……でたな」
「……麗也。緑間くん、いるよ」
「珍しい、“なのだよ”とは呼ばねぇんだな」
由梨も表情を引き締めている。——勝負の時の顔だ。
そんな時火神が立ち上がり、「ちょっと挨拶行ってくるッス」といった。
「……は? ちょ、おい火神!!」
麗也は一瞬焦って止めるが、火神はお構いなしに向かった。
目的の人物——緑間の所へだ。
「よぉ。お前が緑間真太郎か」
「……そうだが。だれなのだよ、お前は」
そんな時——近くにいた緑間のチームメイト、高尾は笑っていた。
緑間は火神の存在などとうにしっているのだが、あのようなことを言っているのだ。
火神は握手を求めてか、手を差し出す。緑間もため息をつきながら手を出した。
「————ッッ?!」
「——普通に名乗っても、いかにも覚えてないとかいいそうな面してるからな」
火神が緑間の手に自分の名を書いたのだ。
見ていた麗也は火神らしいと思い、小さくため息をついた。
「今年はてめぇらにリベンジするからな」
「……リベンジ? 随分と無謀なことを——」
「無謀かどうか、確かめたいと思わない?」
ふ、と緑間は火神の背後にいた小さな人物を見る。
「————白川」
「おっひさ〜、でもないかな。相変わらず元気だね、なのだよはっ!」
「なのだよっ?! 君ネーミングセンスさいこ——」
「うるさいぞ高尾! ……その呼び方はいいかげんにやめるのだよ」
「————いいだろ、“なのだよ”でも」
落ちついた声のほうへ緑間と高尾は真剣な顔で視線を向ける。
それとは裏腹に、麗也はにっこりと笑って2人に近づいた。
「…………黒沼」
「……そんな顔するなって。久しぶりの再会だろ?」
(……何が“久しぶりの再会”よ)
聞いていた由梨はため息をついた。
そんな時、高尾が麗也の肩を叩いてきた。
「君ってあの黒沼クンだよな?! いや〜、話はよく聞いて——」
「……高尾」
「はいはい」
緑間は改めて麗也を見て、迷いなく言ってきた。
「俺はお前になど負けないのだよ。シュートでも、なんでも」
「……へぇ。これまでシュートの勝負して、俺に勝ったことあったっけ?」
「————!!」
「それで俺に勝てるのかよ、緑間」
「……挑発になど、俺はのらないのだよ」
そう言って高尾とベンチに向かう緑間。
途中黒子と遭遇し、何かを話していた。その様子を見て、麗也は小さく笑う。
(さて。——秀徳戦は、俺も本気で行けそうだ)
*
gdgdgdgdgdgdgdgdgdgdgdgdgdgdgdgdgdgdgdgdgdgdgdgdgdgd((((((((((((
いやもうほんとグダグダですいません;;
でも読んでくださるお方に本当に感謝です!
次回は緑間の試合シーン……気が向いたら書きたいな(←
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