二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 負けません。 (黒子のバスケ.) +参照2200突破激感謝!
- 日時: 2012/09/23 21:33
- 名前: 悠希 ◆YLdWB0/d2s (ID: PDUPGN/L)
++ attention ++
最近更新が偏りがちで申し訳ないです。結構なスランプに陥っています←
そんな中での参照数2200突破、本当にありがとうございます!! 遅れがちですが、頑張ります!!
++++++++++++++
——帝光中学校バスケ部
5人の天才と、幻の6人目、そしてもう1人、
その天才がいた時代を人々は“キセキの世代”と呼んだ——
◆ ◆ ◆
はじめまして、悠希です。ゆうきって読みます(^-^)ゞ
“黒子のバスケ”が大好きですbb 基本あにめも漫画も観てます!!
そして両方大好きです♪ 黒バス大好きだー♪
小説は基本あにめと漫画の両方を見ながら書いて行きたいですvv
ちなみにここでははじめて書かせていただくので、頑張ります!!
注意事項に一応目をお通し下さい(`・ω・´)
◆ 注意事項 ◆
+オリキャラは♂♀両方でてきますvv
+原作沿い(あにめand漫画)で行きます!
+うまくかけるか分かりませんが、誹謗中傷はおやめ下さい.
+こめんとくださると自信になりますbb
+更新速度は不明ですがよろしくお願いします(´・ω・`)
【現在不定期更新。スランプ気味ですが頑張ります】
それではよろしくお願いします!
■ Let's start. □
+注意事項 >>000
+おりきゃら紹介 >>002
+由梨生誕祝い >>024
+麗也生誕祝い >>055
■ ANOTHER STORY ■
[帝光時代の番外編物語]
+ANOTHER STORY.01 バスケットボール >>051
□ 本編目次 □
■バスケ部入部編■
+第1Q.元帝光中学バスケ部です >>003
+第2Q.誠凛バスケ部“監督”さん >>005
+第3Q.彼は強いですよ >>006
+第4Q.別に好きとかじゃないんだ >>007
+第5Q.向かう場所は同じ >>011
□誠凛vs海常-練習試合-編□
+第6Q.お久しぶりです >>012
+第7Q.負ける気ないから >>013
+第8Q.全力で叩き潰す >>015
+第9Q.ぶつけ合った拳 >>016
+第10Q.これでも一応“7人目”だから >>017
+第11Q.迷惑かけっぱなしだ >>018
+第12Q.女だからってなめないでよ>>019
◆インターハイ予選編◆
(vs新協学園高校)
+第13Q.This is japanese lunch time rush!! >>020
+第14Q.気合い入れるわよ >>021
+第15Q.パパ・ンバイ・シキ >>022
+第16Q.俺に勝てるのかよ >>023
+第17Q.人事は尽くした >>026
(vs正邦高校)
+第18Q.頑張らないとね! >>027
+第19Q.泣くっすよ >>028
+第20Q.うちにもいるんだよ >>029
+第21Q.借りを返しに来ました >>030
+第22Q.最後はいつもの彼のシュートで、 >>032
(vs秀徳高校)
+第23Q.勝つのは俺らだ >>034
+第24Q.憧れてたんだ >>036
+第25Q.ホークアイ >>037
+第26Q.次は止める! >>040
+第27Q.俺ら仲間じゃないのかよ >>042
+第28Q.限界を超えて >>043
(vs桐皇学園高校)
+第29Q.背負い込まずに >>046
+第30Q.お元気してましたかっ!! >>048
+第31Q.信じてください >>054
→→→地味に“テニスの王子様”の小説書き始めました。気が向いたら来て下さい(^ω^)
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- Re: 負けません。 (黒子のバスケ.) ( No.14 )
- 日時: 2012/08/05 12:38
- 名前: 唯 (ID: 2.TlWg7X)
こんにちは!とても面白いです!!
これからも更新頑張ってください♪
- Re: 負けません。 (黒子のバスケ.) ( No.15 )
- 日時: 2012/08/05 22:07
- 名前: 悠希 ◆YLdWB0/d2s (ID: zCJayB0i)
>>唯様
こんばんは!! 来てくださり、ありがとうございます!
そう言っていただけるととてもうれしいですvv
これからも頑張ります! 唯様も頑張ってくださいbb
*
『黒沼っちは本当に凄いっすね!! 俺、まじ尊敬します!!』
『俺からしたらお前のほうが凄いよ。その伸びるスピードの速さ、羨ましいな』
『お世辞がうまいっすね、沼っちは!! でも俺、まだ由梨っちにも勝てないし……』
『安心しろ、青峰も勝ったり負けたりだ』
『——なんでそこで俺がでてくるんだよっ!!』
@第8Q.全力で叩き潰す
誠凛メンバーは海常高校との練習試合の日を迎えた。
そして海常高校は——予想以上に広かった。
(広いな〜……。流石、運動部に力入れてるらしい学校だな)
ぼーっと校舎を眺めながら、のんびりと歩く。
そんな中、由梨はふっと隣を見た。すると——目が充血している火神がいた。
「あ、えとー……、か、火神、くん??」
「なんだよ……」
「いや、その、目つきが……」
「「いつにもまして悪いです……」」
黒子と由梨はハモっていうと、火神は弱々しく「うるせー」と返した。
そして何かを思い出したような表情をし、
「……ちょっとテンション上がりすぎた……」
「遠足前の子供ですか」
「修学旅行前の子供か」
「旅行前の幼児か」
「てめぇら3人で続けんじゃねぇッッ!! つか、黒沼テメェ地味に入んなっ!!」
(いやぁ、それにしてもひどい目だ。……こいつ今日大丈夫か?)
ふと麗也がそんな疑問を抱いた時、黄瀬の声がした。
すると、黒いタンクトップを身に付けた黄瀬が歩み寄ってきた。
「広いんでお迎えにあがりました!」
「どーもっ」
「黄瀬……うぉいっ」
「沼っちに由梨っちに黒子っち〜、うちにおいでって言ったのにあんなにあっさり断るから、毎晩枕を濡らしてるんスよ〜」
「いやお前はまず華麗に火神をスルーしすぎだ」
麗也が言うと黄瀬は笑いながら「沼っち相変わらず〜」といった。
そしてまた語り始めるが、由梨が「早くしてね黄瀬っち!!」と蹴りを入れたので、一同は体育館に案内された。
*
——そして一同は茫然とする。
「片面…で、やるの?? 聞いてた、由梨?」
「いえ、全く。て言うか練習試合でも一面使うものだと思ってたので聞きもしてません」
そんな時、海常の監督と思われる男性がこちらに来た。
「ん? あぁ、来たか。監督のたけうちです、よろしく。ところで、そちらの監督は?」
「あ、私ですー。監督の相田リコです」
「き、君かっ?! マネージャーじゃないのか?!」
「マネージャーはこっちです。——白川由梨、元帝光バスケ部マネで、スペシャリストです!」
「……君が黄瀬の言ってた…、まぁ、よろしく」
じっくりと由梨を見ながら、たけうちは言った。
内心由梨はどん引きしながら、にっこりとほほ笑んでいた。
「…でー、あのー……、これは?」
「見たまんまだよ。今日の試合、うちは軽い調整のつもりだからな」
「調……整……」
「試合に出ない子に見させるには、学ぶものがなさすぎてねぇ。無駄をなくすため、ほかの部員には普段通り練習してもらってるよ」
(このおっさん腹立つ。久々にこんなに腹立ってる…)
(麗也ー、イライラオーラが見えてるよー)
ギリギリと麗也は歯ぎしりしながらそれを聞いていた。
麗也は基本的には怒らない温厚な人間だが、流石に怒る時は怒るのだ。
「ま、トリプルスコアにならないように頼むよ」
「〜〜っっっっ!! すいません、まじすいません!!」
黄瀬が必死に謝ってくる。
そしてその視線はどす黒いオーラを放つ麗也へと向けられていた。
(黒沼っちがマジで怒ってる————!! 久しぶりに見た!! てゆかかなり怖いんスけど——ッッ!!)
「そっちの監督、よく言ってくれるな」
「ってあぁ、やっぱ怒ってる……!! 俺は沼っちを尊敬してるっす!! だから——」
「……そうじゃなくてさ、」
麗也は本気で呆れた目をして、言い放った。
「俺だってお前を尊敬はしてる。でも——、俺は今俺自身じゃなくて、チームを見てほしいんだよ」
「——え??」
「————お前らが思ってるほど、俺らは弱くないんだよ。最初からなめないでほしいな」
「おい黄瀬、早くこっちに来い」
「あ、——ッス」
そして黄瀬がベンチ側に戻った瞬間——全員の心は1つになった。
((((全力で叩き潰す————!!!!))))
*
次回から本格的にゲーム開始。
そしてみなさんスイッチオンvv
さて白熱しましょう!!
今回は特にgdgdな気がします……。すいません(´・ω・`)
途中で自分でも何書いてんのか分んなくなってきた(^p^)
2日前から熱っぽいです。つか、風邪ですね。
おさまったらもう1度書きなおすかもしれません。
読んでいただきありがとうございました!!
- Re: 負けません。 (黒子のバスケ.) ( No.16 )
- 日時: 2012/08/06 22:44
- 名前: 悠希 ◆YLdWB0/d2s (ID: Ocs18kVY)
「よぉっしゃー!! あ? ……うえっ?!」
「……ゴール、壊しやがった」
現状。リング片手に火神がガッツポーズ。
@第9Q.ぶつけ合った拳
火神がシュートついでにゴールを壊したおかげで、コート全面が使われることになった。
その時の海常の監督、たけうちの表情を麗也は一生忘れないだろう。——爆笑ものであった。
「……ナイスだかがみん」
「かがみん言うな。人をなめた事ばっか言ってるからだ」
「そうだな。俺も、イラッとしてたんだ」
満足げに麗也も笑い、隣を見れば黒子も同じようだった。
そしてゲーム再開——と同時に、待ち望んでいた黄瀬がコートに立った。
「……お待たせ」
「やっと出やがったな」
「火神のおかげで、そんなに遅くなかったようにも思えるんだけどな」
「……確かに、黒沼君の言うとおりですね」
全員が表情をひきしめて黄瀬を見た。
モデルとは思えないような迫力を出す黄瀬に、麗也は微笑んだ。
(相変わらず、半端ないオーラをだすよな)
誠凛メンバー——日向、伊月、黒子、火神、麗也は更にスイッチが入った。
ボールが渡り、海常側だ。それは黄瀬にわたり——火神と同等、いやそれ以上の威力でシュートを決めた。
ゴールは壊れなかったが、それでもやはり、凄い力である。
「——馬鹿野郎ぶっ壊せって言ったろが!!」
「すんませぇんっっ!!」
が、見事に黄瀬は部長の笠松に蹴りをいれられていた。
(この人の指示か。火神と同じようなダンク決めろって——負けず嫌いな人だな)
ふと黄瀬と目が合えば、挑発的な瞳でこちらを見てきた。
“次はそっちの番だ”——そんな目だ。麗也は真剣な瞳のまま笑い返した。
(……じゃあ、俺も行こうか)
「——すいません、次、パス回してください」
「おっ、やっと来たか。了解、ポイント取ってくれよ!!」
「……勿論です」
軽く手を動かしながら麗也は答えた。
そして再びボールがコートを回る。日向はしっかり麗也にパスを回してくれた。
(——マークが、2人)
静かに麗也は微笑んだ。ちらりと見れば、日向も笑っている。
「——余裕だろっ!!」
「もちろん……ですっ!!」
速度をあげ、その2人をあっという間に抜く。
そのあとに来たもう1人もかわし——最後にはダンクをかました。
「「おおぉぉーっ!!」」
「……ダンクするのって久しぶりかもしれないなー。……あれ??」
ギッシギッシとゴールが嫌な音を立てている。ヤベ、と麗也の顔が青くなった。
が、ギリギリでゴールは壊れなかった。ほっ、と麗也は息を吐いた。
「んだよ壊せばよかったのによぉ!!」
「あのなぁ、火神。壊したらゴールなくなって試合できないぞ」
「……あ、そうか」
「ってお前また壊そうとか思ってたのかよ」
黄瀬のほうを見れば、真顔でこちらを見た後——笑顔を見せた。
そしてすぐに自分のポジションへと戻っていく。
(勝負はこれから……って、感じだな)
*
(やっばいほどハイペースゲームだな、コレ……っ!!)
コートを駆け回りながら麗也は思った。
試合経過は3分——だが、かなりのペースである。ちらりとベンチの由梨を見れば、由梨もこちらを見ていた。
わかるように微笑んでやると、由梨も少し表情が柔らかくなっていた。
(ほんっと、迷惑かけっぱなしだ……。っと、いける!!)
相手に渡っていたボールを麗也はカットし、いったん黒子へパスをする。
そしてそのまま素早いパスで火神に回り、シュートを決めようとした——が、黄瀬に阻止された。
黄瀬は走り——火神と同じことをして、シュートを決めた。
(キレが増してんな……っ!! なんつー進化形だよ……っ!!)
汗を拭いながら火神のほうを見れば、火神も悔しい様である。
それに、先ほどからのハイペースで、かなりの汗をかいていた。
(やばいな……。火神を一旦休ませないと。タイムアウト取ってもらうように言うか?)
が、その時、リコがタイムアウトを取っている姿が目に入った。
やはり考えることは同じだったようである。そして一旦タイムに入った。
「……火神、大丈夫か??」
「あ? 全然行けるぜ」
「……そうか」
そうは言うが、かなりの汗の量である。麗也が1番ましかもしれない。
まだ5分しかたっていないが、全員がものすごい汗をかいていた。
(ハイペースゲームすぎるよな……)
そんな時、海常側のベンチからたけうちの怒号が聞こえてきた。
そしてそのあと、海常の選手が麗也をちらちら見ているのがわかる。
(マーク、……くるか? 火神には涼がついてるし…、黒子にはつきがたいし……)
ふぅ、と麗也は息を吐く。
(一応結構俺にもパス回ってきてるしな……。頭に入れとくか)
「……黒沼君、聞いてる?」
「え。あ、すいません。聞いてませんでした」
「正直でよろしい。たぶん、黒沼君へのマークが増えると思うわ。それでも一応、君には黄瀬君のマークについてほしいんだけど……」
(マークの中で、さらに涼へのマーク、か……。行ってみるか。……それより)
「俺は行けますけど。……黒子、お前のミスディレクション、……大丈夫か??」
——お前のミスディレクション、40分フル続かないだろ。
そう言えば、黒子は“今言おうと思ってました”といった。が、空気は硬直している。
「〜〜〜〜〜〜どーしてそういう大事なことを先に言わないのぉッッ!!」
「すいません……。き、聞かれなかったんで……」
「聞かななんも喋らんのかおのれはぁぁっ!!」
リコによる首絞めタイムである。
そんな中、麗也は火神に話しかける。
「一応俺もマークに付くけどさ、どうせ火神、お前突っ走るだろ」
「……わかってんのかよ」
「……お前ならそういうと思ったんだ。俺も自分のマークかわしながら行くから、おおかた頼むよ」
「——任せとけ」
互いに笑いあい、拳をぶつけあった。——タイムアウト終了である。
コートに入る直前、由梨が麗也を呼んだ。
「麗也。——行ける??」
「……もちろん」
「でも……。なんでもないや。頑張れ、麗也!!」
「勿論!! ……言葉のんでくれて、ありがとな。あと——、」
「……あと??」
麗也は力強い笑みを見せ、拳を由梨に向かって出した。
「言わなくても、いいから。大丈夫だから。——ありがとな」
「…………うん……っ」
由梨も麗也に向かって拳を出し——ぶつけあった。
お互いに力強く微笑んだ後、麗也はコートに入った。
(——頑張れ、誠凛!! 麗也!!)
*
由梨は麗也の体の事を常に心配してます。
本当はフルなんかで出たらどうなるかもわからない麗也です。
ちなみに麗也は体の事をリコに言ってません。
由梨と黒子にも口止め済み。
そのわけはまた本編で明かせたらなーと思います(・ω・´)
さ、参照400突破……?!
非常にうれしくて、最初は本当に自分のスレか題名を何度も見ました(笑)
本当にありがとうございます。
次回、練習試合は続きます!! 誠凛魂見せつけろ!!
読んでいただき、本当にありがとうございました(`・ω・´)
- Re: 負けません。 (黒子のバスケ.) +参照400突破感謝!!! ( No.17 )
- 日時: 2012/08/08 23:52
- 名前: 悠希 ◆YLdWB0/d2s (ID: MYfQsgeG)
海常vs誠凛。誠凛は一度は危うくなったが、黒子、火神、麗也の3人で逆襲をかけ始めていた。
麗也にはあれ以降2人のマークがついてきたが、なんとかそれをもぬけていた。が、そんな時——。
「——黒子!!」
——黄瀬の手が、黒子に直撃した。
@第10Q.これでも一応“7人目”だから
「くろ…っ……黒子っ!!」
麗也は慌てて黒子に駆け寄る。ふ、とあげられた黒子の顔には——血が流れていた。
右目が血によって閉じられている状態である。思わず麗也は息をのんだ。
「おい黒子?! 大丈夫か?!」
「…っふらふらします……」
「——大丈夫かよ?!」
「っ…大丈夫です。まだまだ試合はこれからで——、」
そこまで言って黒子は倒れた。
「「「黒子ぉぉーっっ!!」」」
ギョッとして麗也、火神、日向の3人は叫んだ。
とりあえず治療である。慌てて黒子をベンチに運び、由梨が治療を始めた。
「——で、どうする」
「…黒子君はもう出せないわ。水戸部くん、準備して。それと、黒沼君、火神くん。……行ける??」
汗を拭いながら麗也は火神を見た。
そして互いに見つめあい、——うなずいた。
「……行けます」
「余裕っすよ」
「…そう。黒子君がぬけたからまた苦しくなると思うけど、頼んだわよ」
「「はい!!」」
——ゲーム再開だ。
ボールは海常だ。麗也はマークが厳しい中で、必死にくらいついていく。
(流石にちょっときついか……っ。黒子いなくなったからって、調子に乗ってんな——っ??)
荒い呼吸を繰り返しながら麗也は思った。
が、負ける麗也でもない。足は速いほうだ。即座に2人から抜け、パスカットをする。
(——よしっ)
「かがっ——、」
——火神にパスを回そうとした、…が、きっちりマークが付いていた。
はっ、と麗也は笑い、いつもより深く腰を下ろした。
「なっ?! そんなとこから——っ」
麗也の立ち位置はコートの半分よりもう少し行ったところである。
そして——ばねのように軽く麗也は飛び、ボールを放つ。黄瀬は驚いていた。
(中学時代——沼っちはあんな所から入らなかった)
パスッ——と、静かにボールはゴールに入った。
(沼っちも、やっぱり、進化、してる——っ!!)
「っしゃぁっ!! ナイッシュー黒沼ぁっ!!」
「スリーナイスーッ!!」
ふ、と黄瀬は麗也と目が合う。
麗也は——楽しそうに、笑っていた。
「涼。俺だってこれでも一応キセキの世代の“7人目”だから。——進化するんだよ」
「————っ…さすが、っすね……!!」
黄瀬も麗也を見つめながら笑った。
*
「同、点————っ」
今の状況に海常のメンバーは絶句していた。
麗也は手を膝につき、必死に呼吸を落ちつかせていた。
(や、ばっ——!! ちょっと、やり、す、ぎたっ……かっ…?)
はぁっ、と深く呼吸をする。
そんなとき——2つの拳がだされた。ふ、と麗也は顔を上げる。
「——あと少しです。頑張りましょう、黒沼君」
「——まだへばるには早えよ。完全にあいつらぶっ潰すぞ」
黒子と、火神。麗也は顎にたれてきた汗を拭い、もう一度深く呼吸する。
そして、いつも通りの笑顔を見せて、2人と拳をぶつけた。
「つか……黒子、大丈夫なのか??」
「大丈夫です。それより——白川さんからの伝言で、」
「後でききますっっ!!」
速攻で麗也はとめ、ポジションに戻った。黒子と火神も顔を見合わせて笑ってから、ポジションにつく。
その時——3人は黄瀬のオーラが変わったのを感じた。瞬間、黄瀬は笠松からきたボールを取り、走り出す。
「——っ黒子!!」
黒子がボールを奪おうと手を伸ばすが、とっさに黄瀬はボールをつく手をかえる。
そしてそのままゴールへ向かい——ダンクを決めた。
「——俺は負けねぇっすよ。……誰にも。黒子っちにも、黒沼っちにも!!」
強い瞳だった。麗也は笑みを消して見つめ返す。
そして、再びハイスピードなゲームが始まる。点の取り合いだ。
(またかよ……っ!!)
——火神が決める。
——黄瀬が決める。
——麗也が決める。
(——91対、93!!)
——海常のボール。
——誠凛のボール。
——海常のボール。
(——98対98!! ——同点っ!! でも…時間がない!!)
麗也は走り出す。そんな時、黒子が麗也と火神を呼びとめた。
黒子の戦法——黄瀬にコピーされず勝てる方法。それを聞いた2人は頷いて走り出した。
『作戦といっても単純ですけど——ブザービーターで決めちゃえばいいんです』
「火神、黒子っ!!」
火神と黒子がボールをカットに行く。黄瀬もそれについていく。
攻防戦の中で——麗也は丁度いいポジションに立っていた。
『1番シュート率がいいのは黒沼君です!! 黒沼君は、僕がパスを回しやすい位置にたっててください!!』
(頼む、黒子、火神——!!)
そして——素早いパスが回ってきた。麗也の目が見開かれる。
黄瀬が、この素早いパスについてきた。
「っりょ……っ!!」
「俺は——負けねぇっす!!」
「——っ!!」
飛び上がった麗也のフォームが崩れる。が、まだ飛び続けている。
「——黒沼ぁッ!!」
「——黒沼くん!」
(…せめて……っ!!)
「————っ!!」
その崩れたフォームのまま、麗也は渾身の力を振り絞ってボールを放った。
そして——叫ぶ。
「火神!! ————走れっ!!」
「————なっ…!」
ブロックに入ってきた黄瀬が小さく声を上げた。
麗也は目の前の黄瀬に向かって——小さく笑って見せる。
「最初に言ったよな。——なめんな、ってよ!!」
フォームを崩された状態でも、麗也はシュートができるといえばできる。
だが——もう、そんな気力はなかった。
“喘息”——それのせいで体はだいぶ重く、少しでも油断をすれば、咳が苦しいほどにでそうだった。
そして——火神が勢いよくダンクを決めたと同時に、笛の音が鳴り響いた。
*
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ————、」
練習試合は誠凛の勝利である。
——が、麗也は海常の校舎の陰で壁にもたれながら、目を極限まで見開き、必死に呼吸をおさえようと頑張っていた。
ずる…と体が落ちていく。
(調子に、のりすぎた、かな。最近、全然、大丈、夫、だったから、安心、してたん、だけど、な——)
深呼吸をしながら、麗也は目を閉じてさらに落ち着こうとする。
そんな時、足音が近づいてくるのがわかった。
(……誰、だ?)
目をあける気にもなれず俯いたまま、咳がでて苦しくならないように呼吸を落ちつける。
ひどければ発作状態になる。そして——足音は、すぐそばで止まった。
「え……? 沼、っち……?」
片目だけ開けて見れば、目が赤くはれた黄瀬がいた。そういえば悔し泣きをしていた、と麗也は思った。
現状整理ができたのか、黄瀬は目を見開いてかけよってきた。
「黒沼っち!! ちょっ、やっぱり……!! ——マシになっただけだったんじゃないっすか!!」
「は、はは……。お前、は、ほんと、過保、護、だな……」
「んなこと言ってる場合じゃないっすよ!! 喘息…っ!!」
「だ、いじょ、ぶ。まだ、過呼吸、じゃ、ない、し。……っ!!」
「それでも苦しそうっすよ?! だーもう!! ほんと、昔っから無茶しすぎっすよ、もう!!」
「———お前は、親か……」
それでもやはり1人じゃないのは安心する。
麗也は、だんだんと呼吸が落ち着いていくのを感じた。
*
優しい黄瀬。中学時代から黄瀬は麗也の親です。(笑)
いや、友人思いすぎて必死で心配してくれてるんですね。
こんな時間に投稿って初めてです;;
遅くなり申し訳ございません。
そしておやすみなさい(´・ω・`)
- Re: 負けません。 (黒子のバスケ.) +参照500突破激感謝!! ( No.18 )
- 日時: 2012/08/09 15:39
- 名前: 悠希 ◆YLdWB0/d2s (ID: 7wCnRs4p)
+++
参照500突破。本っ当にありがとうございます(´・ω・`)
更新速度はなんとか保てておりますが、gdgd文章は直せずですいません。
それでも読んでくださる方々には本当に感謝します。
体調も完全に治ったところで、今日は2話くらい投稿できればいいなーなんて(^ω^)
これからもよろしくお願いします。
+++
『無茶しすぎっす』
『してない』
『してるからそんな辛いんでしょーが!! ほどほどって言われてるのに無茶するからっスよ!!』
『お前らは親子かってんだ』
『うーるさーいぞー、青峰ー』
@第11Q.迷惑かけっぱなしだ
麗也の呼吸もなんとかおさまり、黄瀬は安堵した表情を見せた。
「……もう大丈夫。ほんとごめん……涼……」
「何言ってるんスか。黒沼っちは俺の大事な友達であり、仲間っすよ。気にすることないって!!」
「……ごめんな」
麗也は弱々しく微笑んで、何度も謝った。
黄瀬はそんな麗也に何度も何度も安心させられる様な言葉をかけ続けた。
(ほんと、昔っからの癖っすよね。迷惑掛けたらずっと謝り続ける。全然迷惑じゃないのに)
変わらない麗也を見て、黄瀬は少し嬉しそうに笑った。
「おかしいとは思ってたんスよ。あの最後のシュート、沼っちなら決められてた筈っすから」
「…………」
「わざわざ火神にパスするなんて、……ほんと、びっくりしたっすよ」
「それも俺の戦法だよ。仲間と協力。どう??」
「“どう??”って何すか、どう??って。何を答えればいいんスか」
黄瀬は笑いながら言う。少し立ち直ったようにも見える。
黄瀬の目はまだ少しはれているが、ましにはなった。麗也も安心して微笑んだ。
「……沼っち」
「……ん?」
「あの監督さんが、沼っちの体の事を知っててフルで使うとは思えないんスよ」
「————」
静かな風がふく。黄瀬は空を見上げたまま続けた。
「もしかしてですけど。沼っち、体の事……」
「…………言ってないよ。知ってるのは、黒子と由梨だけだ」
「——っ!! 何でっすか?! 辛いのは沼っちなのに……なんで言わないんスか?!」
凄い迫力で黄瀬は麗也の胸倉をつかみ、叫んだ。
ただ、心配してくれているのだ。必死に。麗也の体の事を、ただ心配してくれているだけなのだ。
それをわかっている麗也は余計に苦しくて、小さく微笑んだ。
「……ごめんな、涼」
「……っ!! ……こっちこそ、胸倉つかんだりして……すんません」
黄瀬は麗也の胸倉から手を離す。
沈黙が訪れる。麗也は心地よい風に目を細めて、ゆっくりと口を開いた。
「中学の時……俺ほんと、心配と迷惑かけっぱなしだった」
「…………」
「涼も、赤司も……敦も青峰も緑間も、黒子も桃井さんも……由梨も、凄い心配してくれた」
「そう…、だったっすね……」
懐かしいのか、黄瀬も目を細めて聞いていた。
「でも、さ……もう、嫌なんだ。心配されながらプレーするの」
「…………」
「皆優しすぎたんだ。心配ばっかさせて、ホントはもう、苦しかった」
「……黒、沼っち……」
「だったらバスケやめろ、って言われるかもな。でも、…約束したから」
麗也はどこか楽しそうに言った。黄瀬は思い当たることがあって、尋ねてみる。
「赤司、っすか??」
「あぁ。——“必ず赤司をこえるプレイヤーになる”。それが約束であり、バスケを続ける理由でもあるんだ」
「ほんと、沼っちと赤司仲良かったっすもんね」
「バスケ部に誘ってくれたのが赤司だったからなー」
はははっと麗也は笑う。黄瀬も静かに微笑んだ。
赤司——麗也がバスケを始めるきっかけを作ってくれた男だ。
「つか、守れなかった瞬間殺されそうだ」
「それ聞かれた瞬間殺されると思うッス」
「……今の聞かなかった事にしてくれ」
はさみが一瞬頭をよぎり、麗也は遠い目をした。
黄瀬は小さくため息をついた後、明るい声で言い放った。
「ほんっと、変わらないっすね!!」
「お互い様だろ?」
「でも、沼っちがバスケ続けてくれてて、ホント嬉しいんスよ。俺……絶対、負けねぇっすから」
「よし、じゃあ勝負だな。ま、俺は負けないけどなー」
「なっ、言ったっすねー!!」
そして2人はけらけらと笑う。
黄瀬はいつもの笑顔を見せて、「そのかわり」といった。
「無茶は禁物っすよ。俺、本気で沼っちの心配してるんスから」
「……ほんっと、迷惑かけっぱなしだ」
困ったように麗也は微笑んで言った。
その時だった。
「——お前のふたご座は、今日の運勢最悪だったのだが…まさか負けるとは思わなかったのだよ」
「……見に来てたんスか、——緑間っち」
「……緑間」
——緑間真太郎。キセキの世代の1人だ。
麗也と同じくシュートが得意である。
緑間は麗也の方を見ると、すっと目を細めた。
「お前、シュート範囲が伸びていたな」
「……見てたのか」
「あぁ。だが……俺も負けてないのだよ」
「地味に自己アピールしてんじゃねぇ」
「なっ?!」
やはり変わっていなかった。
緑間は咳払いをひとつしたあと、黄瀬を見据えた。
「お前は馬鹿の一つ覚え見たいにダンクの連続……」
「近くからでもいいじゃないっすか。入れば」
「だからお前はだめなのだよー」
「セリフをマネするな黒沼!! ……だからお前はダメなのだよ、黄瀬。シュートは遠くから入れてこそ価値があるんだ。お前も思うだろう、黒沼」
「いや、俺は別に」
「——何なのだよお前はッッ!! 昔から俺よりシュートがキレていたというのに!!」
「俺も一応ダンク入れたし。そんときはいなかったんだな」
緑間はずれた眼鏡を直すと、小さくため息をついた。
その時、遠くから由梨の声が聞こえた。
「——麗也ー、もうみんな帰る……って、あ。……“なのだよ”だ」
「まだお前はその呼び方をするのか白川!! いい加減にやめるのだよ!!」
「由梨っち〜」
「あぁ、黄瀬っち。今日はありがとね。って麗也、もう皆待ってるよ」
「あ、その、由梨っち。沼っちさっき——」
「涼」
ぴしゃりと麗也は止めて、黄瀬を見る。黄瀬も麗也を見た。
“言わなくていい”——視線だけで伝えれば、黄瀬はため息をついた。
「何、麗也がどしたの?」
「あ〜いや、なんでもないっす!! こちらこそ今日はありがとうございましたっす!!」
「?? ま、いいや。麗也、帰るよ〜」
「あ、あぁ。じゃあな、涼、なのだよー」
「お前はのるな!! その呼び方はやめろと言っているのだよ!!」
由梨とともに歩きながら、麗也は手を振る。
誠凛メンバーに迎えられ、リコに頭をグリグリされている麗也を見ながら、2人は小さく笑う。
「本当に変わってないのだよ、あいつは」
「でしょ? 無茶するところも明るいところも、何も変わってないっすよ」
苦しそうな表情は消え、「痛いですって!! ちょ、頭われっ…、」と叫ぶ麗也。
それを見て笑う誠凛メンバーを見て、黄瀬は優しい笑顔を見せたのだった。
*
海常編終了。次回は肉でも食いに行こうか←
みどりん登場。やっと登場させれたのだよ……!!
ちなみに最後のリコからのグリグリの意味は勝手にいなくなってたからです。
今回赤司の名前も出せました。
また夜更新できればなー……。
読んでいただき、本当にありがとうございました!
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