二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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【イナGO】〜雷門の蒼きストライカー〜
日時: 2013/01/14 08:31
名前: 時橋 翔也 (ID: bHw0a2RH)
参照: また…つくってしまった

毎度どうも 銀河一の駄作者 時橋です

イナゴ第三弾!今回はオリキャラが主人公です

注意!

・恐ろしいを飛び抜けた駄文
・セリフはほとんどオリジナルです アニメでのセリフあんま使わないです
・アニメあんま見たことないので色々おかしい
・アニメと言うよりゲーム沿い そしてオリジナル要素がある
・更新遅し これでも作者は受験生なの
・荒らし&悪口は禁止 それ以外のコメントなら大歓迎
・天馬が本来すべきシーンはオリキャラの主人公がやります
・キャラの多くに重い過去がある、特に剣城がかわいそう
・キャラ崩壊がヤバイ
・謎が解明されるの遅いですかなり
・話が意味不明&ドロドロ
・マイナーキャラ多いです
・十%コメディ九十%シリアスです

これらが許せる方はどうぞ

目次   主人公 >>5

第一章「蒼きストライカーの出現とホーリーロード」

プロローグ >>1  第一話 >>2  第二話 >>6  第三話 >>10  第四話 >>11  第五話 >>12  第六話 >>15  第七話 >>16  第八話 >>17  第九話 >>18  第十話 >>19  第十一話 >>20  第十二話 >>21  第十三話 >>22  第十四話 >>24  第十五話 >>25  第十六話 >>26  第十七話 >>27-28  第十八話 >>31  第十九話 >>32  第二十話 >>33  第二十一話 >>36  第二十二話 >>37  第二十三話 >>38  第二十四話 >>39  第二十五話 >>42  第二十六話 >>43  第二十七話 >>46  第二十八話 >>47  第二十九話 >>48  第三十話 >>49  第三十一話 >>50  第三十二話 >>51  第三十三話 >>52  第三十四話 >>53  第三十五話 >>54  第三十六話 >>55  第三十七話 >>59  第三十八話 >>62  第三十九話 >>63  第四十話 >>64  第四十一話 >>65  第四十二話 >>68  第四十三話 >>69  第四十四話 >>70  第四十五話 >>71  第四十六話 >>72  第四十七話 >>73  第四十八話 >>74  第四十九話 >>75  第五十話 >>76  第五十一話 >>77  第五十二話 >>78  第五十三話 >>79  第五十四話 >>80  第五十五話 >>81  第五十六話 >>82  第五十七話 >>83  第五十八話 >>86  第五十九話 >>87  第六十話 >>88  第六十一話 >>89-90  第六十二話 >>91  第六十三話 >>92  第六十四話 >>93  第六十五話 >>94  第六十六話 >>95  第六十七話 >>96  第六十八話 >>97  第六十九話 >>98  第七十話 >>99  第七十一話 >>101  第七十二話 >>102  第七十三話 >>103  第七十四話 >>104  第七十五話 >>105  第七十六話 >>106  第七十七話 >>107  第七十八話 >>108  第七十九話 >>109  第八十話 >>110  第八十一話 >>111

《捕捉短編集》

本編の捕捉説明を兼ねた短編集 暇なときにどうぞ
本編では語られないキャラ達の過去の話

No.1 「絆が憎悪に変わるとき」
前編 夜桜said

エピソード1 >>100

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第二十五話 ( No.42 )
日時: 2012/09/28 20:50
名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)


「…あ…」
海音は声を上げる

居たのは、前に来たあの森だった

いつの間に寝たんだろ…

海音は辺りを見回す
すると向こうの樹の近くにシュウがいた

「シュウ!」
海音はシュウに近づく

「海音…」
「この前…夜桜の時はありがと」
「いいんだよ 別に」
シュウは言った

シュウが見ていたのは、樹の近くのお地蔵様だった
あまり見ないポーズをしている

「シュウ…これは?」
「このお地蔵様は、この島の守り神と言われているんだ」
シュウは言った
「へぇ〜 でも何で頭にボール乗せてるの?」
「この島には、古くからサッカーみたいに玉を蹴りあう競技があったんだ」
「じゃあこれはサッカーボール?…サッカーの神様だね」
海音は言った

「そうだね…でもこの島ではサッカーで大事な事を決めてた 村のリーダーとかね だから僕も昔からボールを蹴ってた」
「だからシュウはサッカーが上手いんだ!」
海音は言った

ボクももう少しで…化身を使いこなせるはず

——————

「…あれ?」
気がついたときには、海音はまたベットの上にいた

夢…かな…

「まぁいいや…着替えないと」
そう呟き、海音は着替え始めた

——————

決勝はホーリーロードスタジアムで行われる

海音達はキャラバンで移動し、グラウンドに来るとギャラリーからの歓声が凄かった

「皆!絶対に勝って全国に行くぞ!」
「おおッ!!」

「…革命なんて…出来るわけ…」
速水は呟く

海王の選手も向こうに立っていた
浪川は剣城を睨んでいる
「剣城…テメェの首は俺がもらう」

それぞれのポジションにつき、試合開始のホイッスルが鳴った

海王は全員シード…大丈夫 今まで練習したんだから 化身も使えるし!

でも…本当に勝てるの?

「うわああ!」
「ふっ…」
すると開始すぐにボールを奪われた

「行くぞ雷門野郎!」
海王の一人がスゴいスピードでゴールの前に立つ
「フライングフィッシュ!」
トビウオと共にボールはゴールに突き刺さる

僅か三分で先制点を奪われてしまった

「みんな!パスを繋ぐんだ!」
神童は叫ぶ

海音からのキックオフ 早速天馬にパスをした

「倉間先輩!」
天馬は倉間にパスを繋ぐ

「サイドワインダー!」
まるでヘビのようなシュートが放たれる
「ハイドロアンカー!」
だが 地面から表れたいかりを利用した必殺技に阻まれた

「シードをなめるな!」
ボールは浪川に渡り、そのまま突っ走る
「行かせない!」
そこに海音がスライディングをかけた

だが かわされてしまう

すると浪川は他の海王の選手にパスを出した
「これ以上点はやらない!」
天馬の周りに風が吹き始める

「スパイラルドロー!!」
天馬は必殺技でボールを奪い、剣城にパスを出す

剣城はゴールの前に来た
「デスドロップ!!」
赤と黒のオーバーヘッドシュートは海王に止められず、ネットを揺らした

これで同点弾だ

「…遊びは終わりだぜ!音速のバリウス!」
海王の一人から化身が出現する

化身使い…!

「オーバードライブ!!」
化身技を使い、天馬と神童は吹き飛ばされてしまう
「うわああ!!」
「くっ…」
海音もかけ上がる

こうなったら仕方ない 未完成だけど 化身を使うか…

海音の背後からオーラが出てくる
「雪の女王シヴァ!!」

「な…海音が化身!?」
神童は声を上げる

「どけ!」
「うわっ!」
だが 半透明なシヴァはバリウスによって簡単に吹き飛ばされた

やっぱり使いこなせてない…

そして浪川にボールが渡った
「海王ポセイドン!」
大きな槍を持った化身を出現させ、シュート体制に入る
「ヘヴィアクアランス!!」
強力な化身シュートだ

「バーニングキャッチ!」
三国は必殺技を繰り出す
だが 止められずシュートを入れさせた

再び海王のリードとなる

「お前…化身が使えるようになったのか?」
剣城は海音に言った
「…夜桜と磯崎のおかげさ」
「光良と磯崎が?」
「ちょくちょく万能坂で練習してたんだけど、そのおかげかもしれない…でもまだ化身は使いこなせてない」
海音は言った

試合再開 剣城からのキックオフ
「海音!」
剣城は海音にパスを出す
「サルガッソー!」
だが そこに海王の二人がやって来て必殺技でボールを奪われた

「ザ・ミスト!」
霧野の周りに霧が発生する そしてボールを奪い 天馬にパスした

「精鋭兵ポーン!」
すると目の前の海王の選手がシンプルな化身を出現させる
「はああッ!」
立ち向かう天馬の背後からオーラがハッキリと見えた

だがボールは奪われた
「浪川!」
再び浪川にボールが渡った
そこに剣城がやって来る
「浪川!」
「剣城か…」
浪川は言った
その目は憎悪に溢れている

すると浪川は止まった
「…仲間を裏切り、更にはフィフスセクターまで裏切るとはな…お前も落ちぶれたものだな!」
「………」

仲間を…裏切る?
海音は思った

「…ひとつ聞く、剣城 何であの日…」
そして浪川は言った

「何であの日…仲間を、華音を殺した!!」

第二十六話 ( No.43 )
日時: 2012/09/29 19:58
名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)


「何であの日…仲間を、華音を殺した!!」
スタジアムに浪川の声が響く

周りの選手が皆剣城と浪川を見た

「剣城…?」
殺したって…
どういうこと?

「答えろ剣城!」
「…くっ…」
剣城は顔を背ける
「ちっ…海王ポセイドン!」
「ぐわああッ!!」
剣城を吹き飛ばし、浪川はゴールの前にやって来る

「ヘヴィアクアランス!!」
再びあの強力な化身シュートを繰り出した
「バーニングキャッ…うわああ!!」
技を繰り出す前に三国はシュートを入れさせてしまった

ここで前半戦が終わった
皆かなり疲れている

「………」
剣城はうつむいたままだ

心配になった海音は剣城に近づく
「剣城…大丈夫?」
「…ああ」
剣城は言うと、ベンチに戻っていった

「剣城…殺したってどういう事だ?」
神童は訪ねる
「………」
剣城は答えない
「まさか…人殺しとか…?」
浜野は言った
「ま…まさかそんなわけ…」
天馬は言った

「…にしても海音、お前化身が使えるようになってたんだな」
三国は言った
「でも…まだ完全に実体化してないんです」
海音は言った

俺の化身も…あと少しで出せそうなのに…何かが足りない
天馬は思った

「………」
すると海音は歩いていった
「海音どこにいくんだ?」
「ちょっと顔を洗ってきます」
そう言ってギャラリーの下の通路を歩いていった

「…やっぱりここにいたんだ」
洗面所にいくと、そこには浪川がいた
浪川はこちらを見る
「テメェ…雷門の…」
「雪雨海音だよ」
海音は言った

「…あの 華音って誰なの?」
「………」
浪川は水を止めた

「剣城に殺されたシードさ」
「殺されたって…」
「そのまんまの意味でな」
浪川は言った

そして洗面所を出ていった

——————

「…天馬、後半はお前がGKになれ」
海音が戻ると、円堂は言った
「俺が…GKですか?」
天馬は聞き返す

そんな…出来るのかな

不安の中、天馬は三国とユニフォームを交換した

「…ねぇ剣城 華音と浪川って仲良かったの?」
海音は剣城に訊ねた
「浪川は…前は明るくて、シード達の兄貴的な存在だったんだ …だから仲間は大切にしてた 特に仲が良かった訳じゃない」
剣城は言った

後半戦が始まった
GKは天馬だった

「…もしかして」
剣城は何かに気づき、円堂を見た

「…何考えてるか知らねぇが、野郎共!遠慮はいらねぇ!ぶっ潰せ!!」
浪川は叫んだ

「音速のバリウス!!」
加速ユニットがある化身が再び表れ、雷門のDF陣を蹴散らした

そしてあっという間にゴール前にやって来る
「俺らはシード…お前ら何かに負けるかよ!!」
シュート体制に入る

と…止められるのか?

「怯むな!!」
剣城の声が飛んでくる
「サッカーを守るんじゃ無かったのか!!」

「…!!」
そうだ…
出来るかじゃない 止めないと!

強力な化身シュートが飛んでくる
集中しろ…
「絶対止める!!」
その時だった

天馬からオーラが出て、それは羽が生えた化身に姿を変えた

化身はボールを打ち返した
「なんだと?!」
浪川は叫ぶ
「やはり…」
剣城は呟く

天馬をGKにしたのは、集中力を高めて気を膨らませる為だったんだ
海音は思った

「やった…俺の化身 魔神ペガサスだ!」
「天馬!お前はフィールドプレイヤーに戻れ…化身は使えるな?」
「はい!」

「………」
ボクだって…もう少しでシヴァが完成する

「速水!!」
霧野は速水にパスを出す
パスを受け取った速水はかけ上がる

やる気になれば…
本当に革命は起こせるのかもしれない!

「ゼロヨン!!」
必殺技で敵をかわし、海音にパスを出した
「行かせるか!」
そこに浪川の化身が立ち塞がる

海音も化身を出現させた
「雪の女王シヴァ!!」
二つの化身がぶつかった

するとシヴァは完全に実体化した
「うわああ!」
浪川を払い除け、海音はゴールの前にやって来る

すると海音の周りに吹雪が起こり始める
ボールは白く光り、シヴァの槍と共にシュートした
「ブリザード・オブ・インフィニティ!!」

「ハイドロアンカー!」
海王もゴールを守ろうとするが、止められず入れてしまった

「やったな海音」
海音は剣城とハイタッチする

「………」
浪川は剣城を思いきり睨み付ける
華音…お前の仇は俺が取ってやる

試合が再開され、海王はゴールへかけ上がろうとする
「スパイラルドロー!」
天馬はボールを奪い、剣城にパスを出した

「みんな行くぞ!神のタクト!!」
神童の右腕から光る線が出現した

その指示に従い、ボールは剣城から海音、海音から天馬、天馬から信助に渡った
「ぶっとびジャンプ!」
信助は思いきりシュートする

必殺技を出す暇を与えずにシュートは決まった

海王と雷門は同点弾になった

全員シードの俺達と互角に戦っている… 浪川は驚愕の表情を浮かべた

浪川からのキックオフ
天馬は化身を出現させた
「魔神ペガサス!!」

天馬はスライディングをかけ、ボールを奪った
そして剣城にパスを出す

そこに浪川が追い付いた
「負けるかよ…華音を殺したお前なんかに!!」
「くっ…」
動きが鈍くなった剣城からボールを奪い、浪川はゴールにかけ上がる

そして他のメンバーにパスした所に海音は割り込んだ
「剣城しっかり!」
走りながら海音は言った

「スケーティングアイス!」
華麗なドリブルで海音はゴールに近づき、近くの神童にパスした

「フォルテシモ!!」
軽やかなボレーシュートは 海王のゴールを直撃した

ここで試合終了のホイッスルが鳴った

勝ったのは雷門だ

「…!!」
浪川は膝をついた
「すまない華音…俺は…仇を討てなかったッ!!」
「………」
ボロボロと涙を流す浪川を、剣城は遠くから見ていた

「やったね天馬!全国大会進出だよ!!」
海音は言った
「うん!頑張ろうね!」
天馬は言った

「華音…すまない…」
「もう止めてくださいキャプテン!!」
すると海王の一人が声を上げた

「喜峰…」
「キャプテン…あんたは華音が死んでから、剣城に対する復讐心に囚われている!!周りの事を見てない!!…前の仲間想いで、優しくて明るかったキャプテンは何処に行ったんですか!!」
喜峰は叫ぶ

「浪川…」
剣城は浪川に近づく
「剣城?」
「…確かに あれは事故じゃない 俺が殺した」
剣城は言った
「何で…殺した?」
「………」

その時だった

「…くっ…」
突然剣城は首を押さえた
「剣城どうしたの?」
海音は近づく

すると剣城は膝をついた
「剣城!?」
「なんだ…これは…」
剣城は呟く

首が焼けるように痛い
しかも本当に焼かれて居るようにどんどん熱くなっていく

「…おい剣城見せろ!」
すると喜峰は剣城に近づく
そして手を避け、首を見てみると、真っ黒なアザが出来ていた

「やっぱり…」
「どういうことだ喜峰!」
浪川は言った
その時、気を失って剣城は地面に倒れこんだ
「剣城!」
雷門の皆も剣城に駆け寄る

一体…何が起こっている?

Re: 【イナGO】〜雷門の蒼きストライカー〜 ( No.44 )
日時: 2012/09/29 22:43
名前: 葉月 (ID: eldbtQ7Y)


はわわわわっ

急展開だね急展開!
剣城が殺したなんて……いやいや、違うか(^_^;)

海音化身発動おめでとー!
なんか公式にも本気でいてほしい……(・_・;)

剣城はどうなっちゃうのかなぁ……

更新頑張ってね!

Re: 【イナGO】〜雷門の蒼きストライカー〜 ( No.45 )
日時: 2012/09/30 20:54
名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)

葉月へ

これから剣城 大変な事になるんで注目してみてね!

第二十七話 ( No.46 )
日時: 2012/09/30 20:55
名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)


試合の後、剣城は病院に運ばれた
緊急手術で首のアザは消えたが、もう心配ないとは言えなかった

「京介…」
剣城の病室にいた優一は呟く
剣城はベットの上で眠っていた
「海音くん…練習に行かないのかい?」
「まだ練習が始まる時間じゃないので」
優一の隣の海音は言った

剣城…

その時だった
病室に誰かが入ってくる音がした
海音が振り返ると、そこに居たのは喜峰だった
「喜峰…どうしてここに?」
「見に来たんだ…気になったから」
喜峰は海音の隣に座る

「海音くん、この子は…」
「昨日戦った海王学園の喜峰です…剣城とはシード仲間だったらしいです」
海音は言った

「シードは辞めた …というかクビになったって言った方が良いかもしれない」
喜峰は言った

「…剣城って、本当に人を殺したの?」
「ああ」
喜峰は頷いた

優一は驚愕の表情を浮かべる
「京介が…人殺し!?」
「あんたが剣城の兄貴か…」
喜峰は優一を見た

「喜峰!ここにいたのか…」
すると浪川も病室に入ってくる
「浪川…さん?」
海音は言った

「…雪雨も居たのか」
海音を見て浪川は言った
浪川は喜峰の隣に来る

「教えてくれ!!京介は…人を殺したのか!?」
優一は声を上げる
「でも多分…剣城の意思じゃないです」
喜峰は言った
「え…?」
「どういうことだ喜峰」
浪川は言った

「……俺、前にフィフスセクターがサッカー選手を使って人体実験してるのを、見たことあるんです」
喜峰は言った
「人体…実験?」
海音は声を上げる

「あくまでガラス越しでだがな…白衣の科学者達が、拘束した選手達の首に…注射器で黒い液体を入れていて…」
喜峰は思い出したのか青ざめていく

「…そういえば、セカンドランクのシード養成施設から、選手が次々に消えていく事件があったけど…」
浪川も青くなる

人体実験に使っていた…?

「使えない者はフィフスセクターに要らない…だから人体実験に使っていたんだ」
喜峰は言った
「え…じゃあ剣城も人体実験に使われたの!?」
海音は訪ねる

「いや…でも剣城は消えることなく、そのままファーストランクに上がって行ったぞ」
浪川は言った

「……俺 見たんです 剣城が森で変な男と話していて…男に近づかれて首に注射器を刺されていた所を」
「なぁ喜峰…人体実験に使われた選手はどうなったんだ?」
浪川は訪ねる

「注射をうたれてしばらくして…うたれた所から黒いアザが出てきてたんです…剣城のような そして…狂ったように叫び出して おかしな行動をしてました」

「…残酷な…」
優一は呟く

「そして最後…自分で手首を切って次々と自殺していきました」
「……!!」

ひどい…

「だから剣城も…うたれてしばらくしたら叫び出して それが止んだらどこかへ向かいました まるで男に操られたかのように」
喜峰は言った

「でも何で…華音を?」
浪川は呟く
「キャプテン知らないんですか?華音はフィフスセクターの管理サッカーにかなり批判的で、施設の管理人からひどく嫌われていたんですよ…だからかも」

「…ははっ」
すると浪川は額を押さえる
「浪川さん?」
「…なんか俺はとんでもないバカ野郎だったな 仲間を簡単に殺せる集団に忠誠を誓ってたんだから…フィフスセクターに救われた?そんなの俺を利用する為だったんだ!!」
「キャプテン…」

「…京介」
優一はうつむく
そこからは涙が溢れていた
「すまない京介…俺の為にッ…!!そんな事をされて…!!」

「優一さん…」
剣城だけじゃなく、優一さんも剣城をシードにしてしまった責任を感じていたのはわかっていた

「…華音の本当の仇は フィフスセクターって事か…」
浪川は呟く
「華音だけじゃない 他の実験に使われた仲間も」
喜峰は言った

その時だった

「…う……」
剣城は目を開いた
「剣城!」
「…海音?それに浪川も…」

「…珍しいな 剣城が下の名前で呼ぶなんて 華音以来だな」
浪川は言った
「……海音は 華音に似てるんだ」
剣城は言った
そして起き上がる

「え…そうなの?」
「そういえば…雰囲気がよく似てる」
喜峰は海音を見た
「…剣城、華音が死んだあの日 一体何があった?…洗いざらい話せ」

「……どこから話せば良いんだか」
剣城は呟いた

——————


フィフスセクターに入り、連れてこられたのはセカンドランクの特訓施設 だった

シードの養成施設だけあって、かなり厳しい特訓が課せられた

「野郎共!今日も特訓頑張ろうぜ!」
セカンドランクでかなりいい成績だった浪川は セカンドランクのシード達の兄貴みたいな存在だった

勿論俺にも優しかった
「俺は浪川蓮助 宜しく新入り!」
「…宜しく」
浪川は俺より一つ年上だったが、シード仲間の間に敬語はほとんど無いらしい

「君 サッカー上手いね!」
ある日、俺に話し掛けてきたのは、同じセカンドランクの者だった

銀髪だが所々が黒い不思議な髪をしていた
「僕は黒並華音 君は?」「剣城京介だ」
「そっか 宜しく!」

俺に話し掛けてきたのは、浪川と華音位だった
何故か皆は俺を避けていた…まぁこんな容姿なら仕方ないか

「…黒並は何でシードになったんだ?」
「華音でいいよ京介」
華音は言った
「僕はね…姉ちゃんを助けるためさ」
「姉貴がいるのか」
「うん 今は稲妻町の病院に入院してるんだ」
「稲妻町…俺の兄さんも入院してる」
「そうなんだ!じゃあシードになれたら一緒に行こうよ!」

華音は明るくて…俺には眩しかった

「…姉ちゃんはね、すぐにでも手術しないといけない位重い病気でさ 手術費を稼ぐためにシードになるんだ」
「……俺も、兄さんの手術費の為にシードになる」
俺は言った
「そうなの?」
「兄さんはサッカーが好きで…でも俺のせいで足に怪我をしたんだ だから足を治すためにな」

「テメェらそろそろ練習始まるぞ!」
そこに浪川がやって来た
「ん?なんの話してんだ?」
「シードになる目的だよ蓮助」
華音は言った

「目的?…俺には特にない ただ俺を救ってくれたフィフスセクターに忠誠を誓う それだけだ」
浪川は言った

みんなそれぞれ目的が有るんだな…


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