二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- クレイモア外伝 黄昏の戦士達
- 日時: 2012/04/13 23:03
- 名前: カササギ ◆QcV39OuFkU (ID: ???)
プロローグ
かつて、人間は妖魔になすすべもなく
同胞の内臓を喰われるのを指をくわえているしかなかった。
そして、およそ百年前……
妖魔を見抜き、妖魔を超える力で妖魔を殺す戦士が現れた。
しかし、戦士達は人々から感謝される事はなかった
それは、戦士達は妖魔の血肉を取り込んだ半人半妖だからである。
人々は戦士達をこう呼び畏怖している。
クレイモア……と。
- Re: クレイモア外伝 黄昏の戦士達 ( No.23 )
- 日時: 2012/06/29 21:02
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: ???)
「お知らせ」
この度、
当スレッドを閲覧して頂き誠にありがとうございます。
別の小説創作HPで、
私の名前を名乗る偽者が荒らしを行っている為。
やむを得ずIDを変更させていただく事になりました。
ご理解のほどを願い致します。
- Re: クレイモア外伝 黄昏の戦士達 ( No.24 )
- 日時: 2012/06/29 22:29
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: ???)
「!?」
IF 微笑と邂こう3
「大丈夫だ……。
さっき、盗賊団全員の内臓で腹は満たされている
だから、お前達をとって喰いはしない 」
覚醒者ウィルフレドは、
昔、戦士だった時に各町等で見せた営業の笑みを浮かべる。
(これが、奴本来の大きさか…… )
覚醒者は長期間、人間の内臓を絶てば
その身体は徐々に縮小してゆくといわれるが、
最終的には、人間の内臓を欲する本能が勝り
通常の摂食量を超える大量の人間のそれを喰らう為、
完全に人間の内臓を絶った覚醒者は皆無である。
「……名は確か、ウィルフレドといったな?
最初に見た時の倍の背丈になっているが、
おそらく一部分は、覚醒者討伐隊等に加わった
四肢を伸ばす能力を持った者の死体から剥ぎ取った物だな……? 」
「……あぁ、コレか? まあ、そんなところだ。
何回かは数えてないが、
俺か別の奴を殺しに来た連中のを仕立て直した……。
コレなら、体が元に戻った時や四肢だけを覚醒体にした時に便利だろう? 」
「…………」
「人間も死体から衣服を取るのだから、
別に普通の事だ。
それに、その後は丁重に埋葬している。
文句は言わせないぞ……」
余裕と思っているのか否か、
ウィルフレドは臨戦体制に入っておらず。
普通に会話をしていて今一つ緊張感がなく、
そのまま、また口元についた人血を手のひらで拭う。
「何故、追いかけてきた?
ましてや、組織の連絡員がいる時に…… 」
4へと続く
- Re: クレイモア外伝 黄昏の戦士達 ( No.25 )
- 日時: 2012/07/03 22:24
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: ???)
Scene4 悔恨の牙4
かつては多くの者が祈りを捧げたであろう教会は、
昔、盗賊に焼かれて以来。
誰一人として近寄る事はなく、
ただ、朽ち果ててゆくのみの
そんな、廃墟にぼんやりと一つ赤い灯があった。
(雪風をしのげるだけマシといった所か……。
それにしても、他の奴らはいつになったらくるんだ?
十日もあれば最低、二人は来ているはずだが…… )
始まりの街ピエタを後に、
この廃墟と化した村を訪れてすでに十日。
今回、一桁ナンバーが二人編入した四人チームの。
数百の村人全員が、
数百の妖魔に取って代わられた廃村での殲滅戦になる。
(実質上、俺一人でも何一つ支障を来さないのだが……。
指令にチーム戦とあった以上、勝手に動く訳にはいかないしな…… )
気が短い攻撃型の戦士は、
頻繁に組織の指令に反して頻繁に暴走する事がある。
しかし規律がある以上、そのような身勝手な行動は許されない。
(いつだったか……
指令違反を繰り返す問題児の下位戦士が、
それが理由で粛清されたのは…… )
いくら、残酷だとわかってはいても掟は掟。
それ故に、
いくら足止めを食らってもウィルフレドは、
規律を乱す行為はしない。
しようとすら、思わない。
しかし、いくら待つ事には慣れているとはいえど。
流石に一人も来ないとなると、暇でしょうがない。
(……大方、予想はつくがな。
遠方の配属地域からの奴か、
前の仕事が手間取ったのか……。
あるいは…………
その場合は、そいつには悪いが組織に報告しなくてはならないな )
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
空が白んできた時間。
その朝日で照らされたダイヤモンドダストは、
キラキラと光を反射して輝いている。
そこへ一つの人影が雪を踏みしめ、
金属のこすれる音と共に、
今は住む者無き廃村の教会へと歩を進める。
(そういえば確か…
今回は二人も一桁ナンバーがくるんだっけな……
という事は、その内のどちらがリーダーなんだろうな? )
元々小さな村だったが故、
集合場所である教会はすぐに見つかった。
“彼”はゆっくりと朽ちかけた扉のノブを回した。
「……漸く一人だけ…か」
消えかけた焚き火の奥から、
ぼんやりとうつる人影はため息混じりに口を開いて、
じっと、銀色の眼で目前の戦士を見やった。
「え、あの…君は?」
「人にもの聞く時は、遅れて来た理由と
お前の方が先に名とナンバーを紹介するべきだ…… 」
「あ、あぁ、すまない。
私の名前はイースレイ ナンバーは12だ。
まだ、印を受けて間もないけれど
今回の戦いでは頑張るつもりだ 」
続く
- Re: クレイモア外伝 黄昏の戦士達 ( No.26 )
- 日時: 2012/07/05 01:57
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: ???)
幕間 イースレイ Side
「要は、遠方から来たなりたてという事か…? 」
廃墟と化した村の教会で待機していた戦士に、
正式に戦士なって初めて自分の配属地域から、
この遠い地域へはるばるやって来た事。
道中、吹雪と不慣れで道を間違えた事を簡潔に述べると。
納得した表情で虚空を見つめた。
「俺の名はウィルフレド……
ナンバーは2。
ごく最近に昇格したばかりだ 」
「ナンバー2……。
という事は、君が今回のリーダーなのか。
前に組織で会ったナンバー7
雷電のオリオールよりも妖力が小さいから、
てっきり6、8、9のいずれかと思っていた 」
本人が言うには、
これまで一度も妖力を解放する必要性がなかったのと、
長期間、妖力を押さえ込み続けた結果らしい。
「……大抵の妖魔は妖力を感じるどころか、
斬られた事に気づきはしない。
視認したとしても、無駄だがな…… 」
それは、初めて感じた戦慄だった。
一度も同期のリカルドやダフに負ける気はしないし、
あの雷電のオリオールと互角に渡り合ったばかりだ。
だが、
ナンバー5と6の間には大きな壁があり、
上位ナンバーは化け物揃いという噂は本当らしい。
(一度、本気で殺す気で戦ってみたいけれど。
今の実力では、恐らく首が飛ぶのはこっちの方……。
これが、覇気というものか……? )
まだ、千里眼のゲオルギウスや
神速剣のキース、粉砕ヨハン。
そして、殲滅のレ−ヴァントは会った事は無い。
こんなのがゴロゴロいるとなると、
担当の黒服が言っていた。
なりたてで、すぐには昇格出来ないという話しは本当かもしれない。
(これだけ強くて、
自分のナンバーと実力に興味を示さないとなると。
一体、何が為に奴は戦うのだろう? )
「へぇ…… 」
噂では、奴は防御型の戦士。
復讐の為に戦う事を選択したのならば、
私やリカルド、ダフと同じ攻撃型のはず。
奴の過去は知った事では無いが、
臆病者ほど長生きするのかもしれないな。
まあ、いずれ……
この、目の前の
悲壮のウィルフレドを超えてやるがな。
fin
- Re: クレイモア外伝 黄昏の戦士達 ( No.27 )
- 日時: 2012/07/06 00:03
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: ???)
「ども、ナンバー23 ルドルフっす。
あんたらとは初めてだけど、よろしくな! 」
Scene5 集いたる剣
十三日目にして到着した軽い口調とノリの戦士。
ナンバー23 ルドルフは、
まるで、遊びに行くような感覚で満面の笑みをつくり
握手をしよう、と右手を差し出す。
ウィルフレドは遅れてきた割には、
悪びれるようすがないな、と怪訝な表情で右手を差し出す。
「ナンバー2 ウィルフレドだ。
あっちで休んでいるのが、
最近、印を受けたばかりのナンバー12 イースレイだ。
お前、これから何をしにいくのか理解しているのか?」
「わかってるって! リーダー!!
ようは、ウジャウジャいる妖魔をぶっ殺せばいいんっスよね? 」
(こいつは頭の中が花畑なのか?
はたまた、余程の自信があるのか…?
目眩と頭痛がしてきたな…… )
眉間を抑え頭を悩ませるウィルフレドをヨソに、
ルドルフは地面に大剣を刺し、それを背もたれにして座り込む。
「そういや、あと一人は?
おれが最後と思ってたんッスけど……? 」
やたらテンションが高い
ルドルフの声で目を覚ましたイースレイは、
「ここにいる者以外は、来ていない」とうるさそうに答える。
「君は少し静かにしたほうがいい。
こっちは疲れているんだ…… 」
「り、了解っす 」
わりぃ、と軽くだが頭を下げたルドルフは、
荷物から干し肉を出して食べ始めた。
どうやら、ルドルフは緊張感が薄いらしい。
続く
後書き
今晩は。
新しく登場した戦士ルドルフは、いかがだったでしょうか?
それから最近、
SeenからSceneに変更いたしましたが、
たいした意味はありませんので、ご安心してください。