二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

千と千尋の神隠し‐その後の物語‐
日時: 2012/08/01 21:10
名前: みたま (ID: K9lkoYz9)

作ってしまいました…


よろしくです…!


@読んでくださっている方々@

・志保様
・まい様
・咲様
・ゆかりん様
・秋桜様
・藤桜様
・素海龍様
・ジル様
・スペシリオ様
・マリン様
・鈴様
・ガーリィ
・スズリン様
・イナズマ+ジブリ様
・DJ大佐様
・たうりん様

皆様ありがとうございます^^

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25



Re: 千と千尋の神隠し‐その後の物語‐ ( No.36 )
日時: 2012/07/17 18:48
名前: みたま (ID: K9lkoYz9)

約束の日の土曜日。



「よしッ・・・と!」

着替えやら朝食やら一通り済ませた。時刻は午前11時40分を指している。
そろそろ行こうか、と思ったときだった。

開け放している窓のカーテンがばたばたとはためき強い風が思い切り吹き込んできた。机の上に積んであったプリント類が風に舞う。


「ひゃぁ・・・!」


ほんの数秒で風は収まった。


「ん?」


カーテンの向こう側に人影が見えた。


「千尋・・・いいかい?」


「へ・・・?コハク・・・?!」


約束の時間まで20分あるし、待ち合わせはあのトンネルだったはずだ。


「うん・・・私だ」


「いいよ、入っても。来てくれたんだ」


「千尋を待たせるのは悪いと思ったから・・・つい」


「ううん。全然!」


「・・・それにしても」

部屋中に散らばったプリントやらノートやらを見回してから、

「少し手荒な方法で入ってきてしまった。すまない」

申し訳なさそうに謝った。


「いいよいいよ!そんなことくらい」


「ありがとう」


「・・・でも、何で窓から?どうやって来たの?」


「風になってきたんだよ」


「風?!」


「うん。竜の姿だとさすがに目立つ」

そう言うとコハクは少し笑った。
千尋もああ、確かに。というような表情をする。


「ふふ・・・でもすごいわ・・・!」


「そうかな?川の神だったらほとんどが風になれる能力を持っているんだよ」


「へぇ・・・!」

ふと、油屋の前の橋を渡る光景を思い出した。
自分が息をしてしまってコハクと風のように飛んだ光景だ。

うんうんと頷くと何か思い出したのか、あっ、と声を上げる千尋。


「ねぇ・・・琥珀川の主流は・・・もうないんだよね・・・?」


「・・・うん。主流は完全になくなってしまったみたいだね」

少し悲しそうに微笑むコハクを見ていると胸が苦しくなった。


「それで・・・川がなくなったのに・・・コハクは平気なの?」


「それは私の体のことかい?」


「うん・・・」


「・・・それはきっと今のところ心配ないよ。昔、川のあったところの傍に神社があったのは覚えてる?」


「うん。時々お参りに行ったもの」


「そこの祠に私のもう一つの体・・・つまり『魂倉』が移してあるから」


「たまぐら?」


「うん。私の魂の半分がそこに移してあるってことだよ」


「そうなんだ・・・」


「そうしておけば私の身体に何かあったときそのまま消えずにそっちに移ることができる」


「神様って・・・本当にすごい・・・!」


「・・・でもその祠に何かあった時のために早く源流を探しに行かなければならないんだ」


「私、何かできることがあるなら全力を尽くすから・・・!」


「すごく嬉しいよありがとう!・・・でも、主流がなくなったのに何ともないってことは源流はまだあるんだ」


「・・・!」


目を輝かせるコハクを見てまた胸がどきん、とした。


「どうしたの?」


「う、ううん!私も嬉しくて・・・」


「ならいいんだけど・・・」


「・・・あ!・・・もう行かなくちゃだね」


「そうだね」


「コハク・・・その前に一つだけ」


「・・・?」


「やっぱり私ね、コハクのことハクって呼んでいい?」


「・・・もちろん!千尋もその方が呼びやすいよね」


「うん。なんだかそっちの方があの夏みたいで好きよ・・・」


「!・・・そうだね」


「どうしたの・・・?やっぱダメ?」


「違うよ、そっちの方が懐かしいから」


「・・・ならよかった!」




この時、ハクは思った。
何故だ?・・・と。
彼女の口から出た『好き』という言の葉に不思議な気持ちになってしまった自分がいたからだ。

確かに6年前、千尋と別れた後ずっと会いたいと思っていたし、願っていたから、またこうして二人一緒にすごせるのは本当に嬉しいと感じている。
だが最近は「嬉しい」よりももっと大きな何かが心ノ臓というか、心ノ奥深くから湧き上がってくるのだ。

人で言えばその気持ちは一般的に『恋』というものだろう。しかしハクはまだ一度もそういうことを体験したことがないためその気持ちが何なのかまったくわからないのだ。



「・・・ク?・・・ハク?」


「!!・・・すまない・・・!」


「どうしたのー?ぼーっとして。ね?早く行こ?」


「そ、そうだね。行こうか」


千尋はよいしょと肩掛けのかばんを肩にかけて笑った。
ハクはまた不思議な気持ちに飲まれながらもそれに応えて笑いかけた。

そして窓のほうに歩み寄る。


「よし。千尋ちょっと待ってね」


「?・・・うん」


右の手のひらを自分の顔の前に持っていく。そしてぎゅっ、と一回握って開くとそこに窓から差し込む光を浴びてきらきらと光る小さな何かが浮いていた。


「あ・・・」

千尋はすぐにそれが何かわかった。
それは竜のうろこだった。


「さぁお待たせ」

うろこの浮いている方の反対の左手を千尋に差し出した。

「今からどうするの?」と言うような顔でその手に自分の左手を重ねた。

そんな千尋の気持ちを読み取ったハクが、


「お楽しみ。さ、しっかり握っているんだよ。離さないで」

そう言い聞かせた。


「え?え?え?」

戸惑いながらも言われたとおりハクの左手をしっかり握る。


「3・・・2・・・」


「1・・・!!」


ふっとろうそくのともし火を吹き消すかのような音がする。ハクがうろこを吹いたのだ。


反射的に千尋は目を閉じた。


さっきまで足が地面にぴたりとついていたはずなのに驚くことに足の裏には地面がない。




風が全身を滑っていくのを感じた。
そのすうっとした感覚が心地よい。


ゆっくりと目を開ける。



「・・・!」



千尋は地上からかなり離れた空にいた。



ハクの二本のがっしりとした角を両手に握り空を翔けていた。


今まで自分がいた地上を遥か下に見ながら、


「懐かしい・・・あの時みたい・・・」



思わず千尋は歓喜の声を上げた。





そのまま一匹の竜は高度を落とさず進んでいく。





















Re: 千と千尋の神隠し‐その後の物語‐ ( No.37 )
日時: 2012/07/17 18:57
名前: みたま (ID: K9lkoYz9)


>志保様

少し甘酸っぱいのを足してみちゃいました(笑

梅雨明けですかー!
私のところももう明けましたよ^^
暑いですねぇ・・・私、運動部なんで日焼けが(汗

お互い熱中症には十分注意ですねぇ(笑


>ガーリィ様

初めましてです!

半端なく下手の間違いですよ?!
何がともあれ読んでくださってコメまでしていただけて・・・ありがとうございます!
頑張ります!(暑さに負けそうで不安ですが・・・)

Re: 千と千尋の神隠し‐その後の物語‐ ( No.38 )
日時: 2012/07/17 20:47
名前: 志保 (ID: wxZ0SJGK)

二人のやり取りが目に写るよww
きっと二人とも鈍感そうだからお互いの気持ちに気づけないんだろうなぁ;

運動部かぁ;水分補給をこまめに頑張ってください^^
夏に大会とかありそうだけど無理せずに!!

Re: 千と千尋の神隠し‐その後の物語‐ ( No.39 )
日時: 2012/07/18 18:33
名前: みたま (ID: K9lkoYz9)

>志保様

そうなんですよねぇ・・・
鈍感すぎてw

はーい!
たくさん水分取ります!

Re: 千と千尋の神隠し‐その後の物語‐ ( No.40 )
日時: 2012/07/18 20:09
名前: 志保 (ID: wxZ0SJGK)

でも中々難しい恋だよね;
それでも実ることを応援してます!

〜今日の呟き〜(やってみた)
夏休みは思う存分楽しんですぐにテスト。
日程を組み直すことを提案したい。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25



この掲示板は過去ログ化されています。