二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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【REBORN】 皓々と照る月 【標的42/骸登場なう】
日時: 2013/02/17 12:38
名前: 苗字(元なゆ汰 ◆UpTya9wNVc (ID: 6xS.mLQu)
参照: 更新停滞中。

※必読!お知らせ >>115

※参照1000突破企画シリーズ小説更新中 >>105



 私は平凡なただの並中生である。名前は東城夕(とうじょうゆう)。平凡主義者といっても過言ではないほど平凡と普通を愛すこの世に生を受けたただの女子中学生。平凡ではないところといえば……ない。恐ろしいほどない。多分私が一番、並中生らしいと思う。何をとっても並だから。そもそもこの学校は並という字がついているのに並じゃない人が多すぎる。暴力で並盛を支配する風紀委員長や、その取り巻き。私のクラスメイトだって、学校のマドンナと極端にダメな男。おっと話がズレたが私が言いたいことを簡潔に纏めると、こうだ。「私はただの平凡主義者です。」


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平凡すぎるほど平凡な女が非凡な原作に巻き込まれていくきわめて残念な話。
東城夕(13)は平凡な少女だった。面倒くさがりなのが玉に瑕だが、友達ともつかず離れずの関係を保ち続け、平和な生活を送っていたのだ。しかし、突如現れたリボーンの「ファミリーに入れ」という一言により、平凡な生活が崩れ去る。平凡を望む少女とボンゴレの皆様が織り成すシリアス有りコメディ有りバトル有りなお馬鹿連載。

※オリキャラは主人公と主人公の家族のみです。なるべくオリキャラは少なめに心がけています。
※主人公自体は平凡ですが、主人公が平凡に執着する理由はやや非凡気味です。

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Ⅰ設定
[cast]東城夕 / >>67 >>92(質問してみた)
Ⅱ本編
[prologue] / >>1
[story]
01〜05話 / >>2 >>3 >>4 >>5 >>6
06〜10話 / >>7 >>8 >>9 >>10 >>11
11〜15話 / >>12 >>13 >>14 >>15 >>16
16〜20話 / >>17 >>20 >>21 >>23 >>24
21〜25話 / >>30 >>32 >>36 >>38 >>45>>48(ツナ目線)】
26〜30話 / >>57>>58(京子目線)】>>59 >>65 >>69 >>74
31〜35話 / >>80 >>90 >>91 >>95 >>98
36〜40話 / >>100 >>102 >>103 >>121 >>123
41〜 / >>125 >>127
[shortstory]
>>81(時間軸としてはおとうさんが死んだ直後)
>>89(時間軸としてはヴァリアーに来て暫くたった頃)


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[作者紹介]
苗字(元なゆ汰(♀)◆青祓/海賊/銀魂/鳴門/復活/黒子/目高/首無etc...ジャンプ系の漫画らぶ。てか少年漫画はすべて大好物。好きな食べ物は和食。嫌いな食べ物は茸。万年五月病の面倒くさがり。最近風邪気味だけど元気にやってる♀。

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[LINK]
Thanks!(お題サイト/お題スレ/様)
>>マダムXの肖像(元間接の外れた世界)/>>#69/>>NoaNoa/>>ひよこ屋/>>名前がない
>>お題倉庫【使ってくだされ】[>>22]No.12>>お題提供屋。(ばんからという名で御題お借りしました。)

[coment]
ルリ朱雀&様/ちぃ様/未桜様/月那様/雲雀様/有栖様

〆24.9.5〜

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Re: 【リメイク】 皓々と照る月 【REBORN】 ( No.17 )
日時: 2012/09/07 20:24
名前: 苗字(元なゆ汰 ◆UpTya9wNVc (ID: mxpCGH6q)

 『応接室に来い』。真っ白な画面に、その六文字が黒々と輝いている。携帯を持ったまま、フリーズしてしまった私はきっと間違っていない。きっと。送り主はリボーンくん。見事に私の予想のはるか上を行ってくれるな、君の行動は。私は慣れた手つきで文字を打つと、『いや』とだけ送信した。するとすぐに返事は返ってくる。『拒否権はねえぞ』『ある』『ねえ』『ある』……暫くそんなメールは続いた後、私はとりあえず冷静になろうと近くの自動販売機で買ったミネラルウォーターを頬に当てた。何故、応接室なのだろうか。応接室に、何かあるとか?次第にじんじんと冷たくなってくる頬からようやくミネラルウォーターを離して、そのままキャップを右に回した。ぶ、しゅっと空気の抜けた間抜けな音が響く。

 応接室、おうせつしつ…。確か、来賓の方をご接待する部屋な筈。学校案内のとき見てみたが、黒い革張りのソファーとかぴかぴかの机とか、豪華な内装だったことを覚えてる。そこまで考えて、私はふと思い出した。応接室は、風紀委員会の委員室じゃないか!何で思い出さなかった、私!

 【応接室に行く × しかもこの前サボッた = 咬み殺される。】という方程式が一瞬で私の脳内にて作られる。そうだ、逃走しよう。私はすぐさま携帯の電源を切って、ポケットに押し込んだ。そのまま渋々ながらも応接室に向かおうとしていた足を止めて、踵を返す。


「リボーンくん、先に謝っとくよ。……私は、逃げるから!」


 誰もいない廊下で呟きながら、早足で帰路を急いだ。




 ***



 
 『——なんでこなかった?』。携帯越しに、鋭い声が聞こえた。電話モードに入っている携帯画面には、リボーンくんの名がでかでかと映し出されている。携帯越しからでもひしひしと伝わるわずかな殺気にも、動じなくなってきた。電話を耳に押し当てながら、私はベッドに身を放り投げた。


『まあ一応は想定内のことだったが——、次やったら承知しねえぞ』
「いや知らねーし。別にさ、想定内ならいいじゃんか。確かにいかなかったことは謝る。けど、リボーンくんのお遊戯には付き合ってられない。それが自分を傷つけるものだったら、なおさらさ。」


 冗談ぽく、それでも本音を交えて、その言葉を紡いだ。私は何でもいうこと聞く奴隷でもリボーンくんの友達でもない。ましてやマフィアなんかでもない。そんな凡人が、リボーンくんと仲がいいわけでもないわたしが、雲雀恭弥の元に行くと思ったら大間違いだ。


『……言うようになったじゃねーか、ユウ。』
「私の行くこれからの未来に、リボーンくん……いや、お前はいらない。——私の世界にお前は邪魔だ。」


 マフィアになって得る強さなんかいらなかった。わざと冷たい言葉を吐く。きっと、電話越しではリボーンくんはちっとも動じずに無表情でいるのだろう。そんなことはわかっていても、少しは揺らいでくれればと思う。


「……私は、マフィアになんか、」
『——ならないってか、ユウ?』
「…………、!」
『お前はもうマフィアの道に片足突っ込んでるんだぞ。今更逃げようとしたって、遅いんだ。マフィアから逃げようものなら、お前は何かを危険に晒すことになるぞ。マフィアには血の結束ってもんがあるんだからな。』


 つまり。私が逃げれば、誰かが犠牲になると、いうことだ。そんなの、いやだ。私のせいで誰かが傷つくだなんて、いやだ。そうは思ってても、私は。リボーンくんが私を犠牲にしてまで何かを成し遂げようとするように、私も誰かを犠牲にして平凡を取り戻さなければならない。おあいこ、でしょ。

 だから、私は鬼になる。長い、長い、夢を見るために。


「——それが、どうしたのさ。」


 私にだって、夢がある。希望がある。考えがある。ぷつぷつと噴出す汗を振り切るように、その言葉を紡いだ。


「私にだって、譲れないものがあるんだ。」


 それが、どれだけ無情な言葉なのかは、まだ未熟な私にはわからない。けど、私が最悪な言葉を言っているのは、わかる。自分勝手な、私。本当に醜い。

 けれど、私は。



 けれど、私は、その言葉を口に出すのだ。


「誰がどうなろうと、関係ない。」


 多分リボーンくんは、それが本心じゃないことくらい、わかってた。私の世界は誰にも崩させない。その思いは、揺らがずにこれからも私の胸に咲き続ける。


 私には、助けてくれる人なんていらない。助けてくれなくていい。自分で何とかする。だから、もう私に関わるな。



Re: 【リメイク】 皓々と照る月 【REBORN】 ( No.18 )
日時: 2012/09/07 21:06
名前: ルリ朱雀& (ID: J/cl5oqb)


どうも!!お久しぶりです。
 リメイクしてたので、見に来ました。
 夕ちゃん、相変わらず可愛いね!!キュート!!
 では、更新頑張って下さい!!
 

Re: 【リメイク】 皓々と照る月 【REBORN】 ( No.19 )
日時: 2012/09/08 10:00
名前: 苗字(元なゆ汰 ◆UpTya9wNVc (ID: mxpCGH6q)

>>ルリ朱雀さま/

うああああ、来てくださったんですかお久しぶりです!
はい、リメイクしてしまいました…。前までやってたのはちょっと気に食わない話とか修正したいのとかあったし、何かぐだぐだだったのでもういっそリメイクしてしまおうかと…。

本当ルリ朱雀さまにはお世話になってます。ユウとか千歳とか、可愛いって言ってくださって…。そろそろ風の守護者とプリンと風紀も更新しなきゃな、って思ってます。それでは、ありがとうございました!!

Re: 【リメイク】 皓々と照る月 【REBORN】 ( No.20 )
日時: 2012/09/08 12:13
名前: 苗字(元なゆ汰 ◆UpTya9wNVc (ID: mxpCGH6q)

 知らなくていいことが、そこにはあった。けれど、確かに私はそれらを知ってしまったし、関わってしまったのだ。

 
 次の日。朝、何時もどおりの時間に学校へ着いた。沢田もごっきゅんも山本も、皆白い包帯を巻いていて、やはり応接室に行かなくてよかったなと思った。黒い獣。それが、雲雀恭弥なのだから。おずおずと挨拶をしてきた沢田に、そっけなく返事だけして、私は席につく。後ろでごっきゅんが「10代目にそんな態度…!!」とか何とか言って喚いていたが、私の態度よりごっきゅんの方が沢田に迷惑をかけていると何故わからないのだろうか。もしかして、アホ?そう思いながらも、まだ喚いているごっきゅんを見据えた。「な…なんだよ」と、戸惑いがちに言うごっきゅんに向かって、口を開く。


「五月蝿い、ごっきゅん」
「ご……ッ!? てめっ、またそんなアホな渾名でオレを…!」
「何、嫌なの? じゃあ、獄寺。五月蝿い死ね」
「呼び方変わった途端辛辣!?」

 
 沢田のツッコミも入ったところで、私は顔逸らして何も書かれていない黒板を見つめた。ごっきゅんて渾名可愛いと思うのだが。けれどもう面倒だし獄寺でいいや。半ば投げやり気味に考えながら、暇な私は後ろでまた喚き始めた獄寺の声を聞く。


「っ何なんだよてめーはっ…! リボーンさんの言うことも聞かねえでフラフラしてよ! お前がマフィアにさっさとならねーせいで10代目がイロイロ苦労してんだぞ! 10代目の気持ちも考えろ!」


 ——、は?思わず素っ頓狂な声をあげて目を丸くしてしまった私の顔は間抜けだろう。しかし、そんなことどうでもいい。ブスといわれたことは一億歩譲っていいとして、私が沢田の気持ちを考えろだと? 怒りが一気に込み上げてくる。じゃあ、お前たちは? お前たちは、私の——


「ちょ、獄寺くん!」
「それはちょっと言いすぎじゃねえの獄寺?」


 獄寺を沢田と山本が宥める。獄寺もさすがにまずいと思ったのか、口をつぐんだ。けれど、もう遅い。私は怒りで頬が熱くなるのを感じて、唇を噛み締めた。噛み締めた唇から血が流れていくけれど、気にせず私は獄寺を睨みあげる。そのことに獄寺がムッとして私に何か言おうと口を開いた瞬間——、私は、それを遮るように叫んだ。


「じゃあ、アンタらは私の気持ちを考えたことがあるか!? 私が嫌がってもマフィアになれと無理強いするお前らは……、私の気持ちを考えたことがあるのか…!? 人が苦労してつくりあげた平凡な生活をいとも簡単に壊したアンタらが! 考えたことがあるのかって聞いてるんだ…! 私の平凡を返せ……“私”を返せぇえぇっ!」


 叫んだ熱も冷めぬまま、私は息も絶え絶えに辺りを見回した。沢田も獄寺も山本も、京子ちゃんも花ちゃんも、皆驚いた顔して私を見てる。覚醒してきた脳内で、ああやっちゃったなと他人事のように思った。


「……東城さん」
「…………ねえ、沢田。」


 泣きそうな顔の沢田に、私は引きつった笑みをつくる。その作り笑いを目の当たりにした沢田は、歯を噛み締めたまま俯いた。そんな沢田を宥めるように私は比較的やわらかい声を出す。また口を開いた私の言葉に耳を傾けようとしている彼らを見渡して、私は言った。


「私は、平凡を望んじゃいけないの?」


 ずるい、言葉だったと思う。沢田たちは一瞬傷ついたような顔をして、また俯いた。ずるい、女だよ。私は。


 本当に、ずるい女。

Re: 【REBORN】 皓々と照る月 【リメ】 ( No.21 )
日時: 2012/10/08 13:45
名前: 苗字(元なゆ汰 ◆UpTya9wNVc (ID: gwrG8cb2)

「ユウ。起きな。」
「——……おじいちゃん。」


 朝。皆に怒鳴り散らしてしまった、翌日。もう登校時間ぎりぎりだと言うのに未だ布団に包まっている私を案じてか、おじいちゃんがやってきた。垂れ目がちだが、三白眼のせいで目付きが悪く見られてしまう優しいおじいちゃん。けれど肩には趣味の悪い刺青が彫られていて、思わず「おじいちゃんってヤクザ?」と聞いたことがある。おじいちゃんは「トップシークレットさね!」とケタケタ笑ってた。思えばおじいちゃんは、イタリアに行ったことがあるらしい。小さかった私に、「やっぱり本場は違うさな」とぼやいていた覚えがある。本場とはきっと、マフィアのことだったのかもしれない。もしかしたら、おじいちゃんは本当はマフィアだったのかも知れない。今更ながら、そう思う。


「おじいちゃんは、マフィアだったの?」
「ふふ、気になるのかい? まあ、教えるつもりはないけどねえ。そうさな、けれどリボーンとはもう長い付き合いになるさあ。詳しいことは、自分で調べるといい。真実がわかったら、私のところへ来なさい。真実がわかったそのときは、私を責めてもいい。殺してもいいさね。ほうら、この紙切れに、真実は隠されているからねえ。見てみてごらん。」


 おじいちゃんは、私に一枚の資料のようなものを渡しながら、三白眼を細めてケタケタ笑った。ずれた丸眼鏡を中指でくいっと直しながら、私の目線に合うようにしゃがみこむ。「ユウは、死んだ妻に似ているさね。彼女も、平凡を求めて運命に抗おうとしていた……。結局、運命に逆らえきれずに死んださあ。」その笑顔は、どこか儚くて、優しかった。まるで、脳内の思い出のアルバムを、1ページずつ捲っているように、懐かしそうに愛おしそうに、次の言葉を紡ぎだしていた。おじいちゃんは、その整った顔を緩めて、私の頭を撫でる。


「今日はもう、学校は行かなくていいさね。あんたのお母さんには、私が言っておきまさあ。」
「——おじいちゃん。」
「なんだい?」
「……おばあちゃんは、美人だった?」


 その質問を聞くなり、おじいちゃんは、柔く目を細めて微笑んだ。


「——勿論。」


 愛おしい。ただ、それだけの気持ちが込められた言葉は、とても美しく感じた。とても、とても。




 ***




「ユウは、とてもお前に似てるさね。——どうか、ユウはお前のように、殺されないで欲しいねえ……。なあ、そう思わないかい?」


 男は、ある美しい女の写真を手に、しみじみと呟いた。その女は、非凡に関わったがために殺された、哀れな女で、男はその女の夫であった。女が殺される前に生んだ子供には今やもう妻も子供もおり、その子供の名は、夕と云った。——東城の、者であった。


「夕月夜、儚く散りらむその夜は、手折れる脆い花のようなり……。」


 ユウは、お前と同じ道をたどってしまうのかねえ。男は、そう呟いた。




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