二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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モンスターハンター・バロル  完結!!
日時: 2010/11/27 21:56
名前: アビス (ID: U3CBWc3a)

無事完結しました!!今まで見たくださった皆さんありがとうございます。


その他掲載小説
・フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜
・封魔士軍団—アボロナ(コメディ・ライト)





人物紹介

ソニック 17歳 男・・

身体的特徴・170cm・65キロ・赤黒の髪(ミディアム)・前髪を残し後ろになびかせている感じの髪型

超がつくほど新米のハンターだが、天賦のセンスと並み外れた力で、
大剣を片手で軽々と振り回せる。
そのレベルはすでに並みのハンターよりずっと上。

仲間思いで誰に対しても余裕の態度を示す。
そのせいで、揉め事を起こしてしまう事もしばしば・・・
夢は未だかつてない、最強のハンターになること。



ミルナ 18歳 女・・

身体的特徴・165cm・53キロ・綺麗な黒髪(セミロング)・前髪の横を残したツインテール

片手剣が主体だが弓の扱いも超1流の腕前。
片手剣の形が変形し弓のようにもなる。
          
誰にでも明るく振舞い元気な性格。面倒見もよい(よいうか世話好き)



スターク 20歳 男・・

身体的特徴・180cm・75キロ・青髪(ショートよりのミディアム)・ウルフ

太刀を二つ持ち双剣の様に扱う。それに加え、
両足にも刀を仕込んであり、4本の刀で敵を狩る。

性格は口が悪く、短気。だが、曲がったことをする事が大嫌い。

始めてあった時のソニックの堂々とした態度を気に入り、よく絡んでいた。


サラ 15歳 女 ・・

身体的特徴・153cm・46キロ・赤が少し入った茶髪(ロング)・ストレート(前髪も分けて首の辺りまである)

自ら武器を改良してライト・ボウガンの威力を保たせたまま小型化に成功した。
それを『銃』と名づけ、それを両手に持ち戦う。今でいう2丁拳銃のスタイル。

性格は優しいが弱気。知らない人に話しかけられたり、怒鳴られたりすると
直ぐにうつむいてもじもじしてしまい、言いたい事いえなくなってしまう。

だが、ソニックたちと出会い少しずつそれがなくなってくる。


シルバ 31歳 男・・

身体的特徴・185cm・82キロ・銀髪(シルバだけにw)ショート・ツンツン

主な武器を持たず、投げナイフで数々のモンスターを
狩猟してきた凄腕ベテランハンター。

普段は無口だが、狩りになると普通に喋りだす。
両目は以前のモンスターとの戦いで失い、今は僅かな音や気配
空気の流れをよんで生活をしている。


クルト 24歳 男・・

身体的特徴・190cm・70キロ・緑髪(ロング)・ストレート

竜人族の最新技術の笛を武器に音を操って戦う旅人。ハンターじゃない。
だが実力はかなりのもので、ソニックたちと比べても何の遜色もない。

丁寧な物腰、口調で常に笑顔を絶やさないが、過去に親に捨てられた辛い出来事がある。
その時竜人族に拾われ、里で育てられる。彼も竜人族の里を故郷と言っている。






1話>>26   2話>>27   3話>>28   4話>>29   5話>>30 

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51話>>119  52話>>124  53話>>127

エピローグ>>134


モンスターリスト>>25


番編(シルバ)1話・2話>>2

番外編(ミカ・ミク)>>3

質問コーナー 参>>67  四>>69

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Re: モンスターハンター・バロル  39話更新 ( No.61 )
日時: 2010/02/15 19:14
名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)

30話
   モンスター=化け物であらず





【皆さん大変長らくお待たせいたしました!!モンスター・オブ・コロシアムの開幕です】

ソニックたちは町の放送を聞きつけ、町の奥にある特別闘技場に足を運んでいた。

「モンスター・オブ・コロシアムって何だ」

ソニックがミルナに聞く。ミルナはここにくる途中に貰った
パンフレットを見ながら

「『モンスター同士の熱い激闘を肌で実感せよ!!』、だって。
モンスター同士を戦わせるお祭りみたいなものだね」

ミルナが説明した。それにソニックは鼻で笑い

「くだんねえ。よくそんなことでここまで盛り上がるな」

その言葉にミルナは

「それはきっとお金がかかってるからなのかもね」

と言った。

「お金?」

ソニックがそう聞き返すと同時にまたアナウンスが入った。

【それでは早速始めましょう。まず最初のバトルはこちら
ランボス7頭VSドスランボス!!】

その声とともにソニックたちがいる観客席の下のバトル場の二つのハッチが
開けられ、そこからモンスターが出てきた。

—オオオオ!—

それとともに、湧き上がる歓声。

【さあ!!まずはどちらが勝つか予想をしてみましょう。
当たったかたには、かけた金額の倍をプレゼントします!!】

「よし。ランボスが勝つに50万だ!」

「ドスランボスに100万ね」

あたりからこんな声が聞こえてくる。どうやら座席の所に置いてある
スイッチのような物を押して金額などを決めるようだ。

「なるほど。モンスターを使ってギャンブルをしてんのか。
モンスターをこんな見世物にしやがって」

ソニックが周りの声を聞きながら言った。

【統計がでたので、さっそく本番に参りましょう。それでは
ランボス7頭VSドスランボス・・・スタート】

—カーン!!—

高いコング音とともに拘束具が外され、首輪だけが残った。
その瞬間ソニックの表情ががらりと変わった。

「どうしたの?」

ミルナがソニックの様子を見ていう。

「あいつら、あの首輪に操られている」

ソニックがランボスたちから目を背けずに言った。今もなおランボスたちは
バトル場で戦っている。

「操られている?」

ミルナが聞き返す。

「そりゃあそうだろ。もし観客に襲い掛かったら大変だからな」

スタークが下の光景を見ながら言った。
その言葉にソニックは首を振って

「そんなんじゃない。あの首輪にはそこまでの操作はできていない。
だから、あいつらもその気になれば観客を襲おうと思えば襲える。

けど、あれには恐らく命令に背いた場合の処置が施されている」

「ソニック・・なんでそんな事までわかんの?」

ミルナが目を丸くして言った。

「あいつらの声が言ってんだよ『戦わなきゃ。あんな痛い思いはもういやだ』って。
前よりも声がはっきり聞こえるようになってる。
とにかく止めねえと」

ソニックが一心不乱にバトル場に乗り込もうとする。
その腕をスタークが止める。

「離せよ、スターク!!」

「落ち着きやがれ。こんな所で暴れてみろ。俺たち全員終わりだぞ」

「知るかよそんなこと。あんな思いで戦っているモンスターなんてみたくねえ。
いいから離せよ」

スタークの説得も聞かずに必死に引き離そうとする、ソニック。
その時

【おおっと。決着がついた模様です。勝者はドスランボスだーー!!】

その声にソニックは下を向く。そこにはランボスの死骸にぼろぼろになった
ドスランボスがいた。

「モンスターだって俺たちと同じように生きてんのに、あいつら・・・」

ソニックの手が震え、震えた手で大剣に手をのばした。

—ドス!—

ソニックがその場に倒れこんだ。スタークが手刀で首を打ったのだ。

(今一瞬見えたのは何だ)スタークが考える。ソニックが大剣を掴んだ瞬間
に見えたのは、前にも感じたことがある。

ソニックがイャンクックに初めて挑んだときに見せたあの感じ・・・

「ねえスターク。少しやりすぎじゃない?」

サラが気を失っているソニックを心配そうに見つめながら言った。
スタークはソニックを担ぐと

「こいつならすぐに目が覚めるだろ。とにかく、こいつをここから離さねえとな」


—ドン—

「悪いじいさん」

「かまわんよ」

闘技場を出る際にスタークは研究服を着た老人にぶつかってしまった。
老人は最初はそのまま通り過ぎようとしたが、
気を失っているソニックを見ると目の色を変えた。

「そこの気を失っている小僧は」

「あ?じいさん、ソニックを知っているのか?」

「いや、知人に似ていると思ってな」

老人はそう言うと、そのまま闘技場の中に入っていった。

「なんだったんだ。・・どうしたミルナ」

ミルナが手を口に当てて考えているようだったのでスタークが聞いた。

「ううん。ただ、さっきのおじいさん、どっかで見たことあるなって思って」

「あ、私も思いました」

サラがいう。

「まあ、研究者みたいだったから。一度くらい本出したことあるんじゃねえの」

スタークが興味無さげにいい、療養所を目指した。



—夜—

「ねえ、ソニック知らない?」

ミルナが息を切らしながら、休んでいるサラとスタークの元にやって来た。

「いないんですか?」

サラがたずねる。

「ええ。近くを探しても見つかんなくて。どこに言ったんだろう・・・あ、もしかして!」

「まさか、あいつ!」

ミルナとスタークが同じタイミングでいう。

「え、どうしたんですか?」

サラは未だに分からないでいる。

「おそらく闘技場だ。夜に身を潜めて捕まっているモンスターを逃がす気だ」

スタークがすぐに支度をすると、一人で飛び出していった。

「待ってよスターク!私たちも行こう、サラ」

「はい!」

こうして、3人は闘技場に向かった。


〜闘技場内部〜

「待ってろ。絶対助けてやるからな」

ソニックはスタークたちの考えた通り闘技場にいた。

「よし、もう少し」

「何がもうすこしなんじゃ?」

後ろからの声に反応するソニック。しかし、その瞬間目の前が真っ暗になった。

「くっくっく。やはり間違いない。やっと見つけたぞ、共鳴者よ」

薄れゆく意識の中でソニックはその言葉を耳にした。

Re: モンスターハンター・バロル  39話更新 ( No.62 )
日時: 2010/02/15 19:16
名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)

31話
   名なに本当のモンスター〜前編〜





—スタタタタタタ—

スタークたちは、ソニックがいると思われる特別闘技場の中を走っていた。

「本当にソニックさんはここにいるんでしょうか?」

サラが走りながら言った。

「ここくらいしか、あいつがくるところはねえよ。
それに昼間の様子から見れば十中八九そうだろ」

スタークは前を向きながら言った。その時

—ギャオオォォオ!!—

モンスターの雄叫びが闘技場中に響いた。

「バトル場のほうからか」

「急ごう。もしかしたら、ソニックがそこにいるかも」

「だな」

バトル場に着いた3人はこの世のものとは思えない光景を見た。
まさに地獄絵図。

バトル場内部はモンスターの残骸が散らかり、壁は血で塗られていた。
そして、その中心に立っていたのは・・・

「ようこそ諸君。裏 モンスター・オブ・コロシアムにようこそ」

観客席の反対側から声がして振り向く。そこには昼間にあった老人がいた。

「おい、じじい!これはどういうことだ!?」

スタークが声を上げて言う。

「なに。本来ここはモンスター同士を戦わせる舞台。だが、観客の中には
人間とモンスターを戦わせるのを見たいと、言うものもおる。

だが、それは規律上禁止されておってな。そこで罪に訪われている
ハンターを雇い、この場で戦わせるということだ」

老人が説明する、だがスタークはさらに声を上げて

「そんな事を聞いてんじゃねえ!なんでソニックがあそこにいるか聞いてんだよ」

その言葉に老人はにやけて

「それは・・奴がモンスターと深い関わりを持つから、と言っておこうか」

「なに?」

スタークの言葉に老人はさらに、口元をにやけさせながら

「さてお主たちも気付いておると思うが、今ソニックは我々に操られている。
その源となっているのはあの首輪じゃ。外せばソニックは正気に戻る。
取り戻したければ、あれを外す事じゃな」

スタークたちはお互いの顔を見合わせると、バトル場に飛んだ。
その瞬間、観客席とバトル場の間に柵が出てきた。

「ここから、出す気はないってか」

スタークがいう。

「さあ、いい実験結果を見せてくれよ。実験スタートじゃ」

高いコング音が鳴り響く。それとともにソニックはスタークに向かって
思いっきり大剣を叩きつける。だが、

「なめんな」

—ズドン!!—

スタークのカウンターでソニックは反対側の壁に激突する。

「さすが、封印のハンターじゃの。覚醒なしじゃ無理か」

老人がそう呟き、手に持った機械を操作し始める。
ソニックが砂煙の中から出てきた。その直後

—ウォオオオ!!!—

ソニックが吼えると、全身から黒い煙のようなものが出て包み込んだ。

Re: モンスターハンター・バロル  39話更新 ( No.63 )
日時: 2010/02/15 19:17
名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)

31話
   名なに本当のモンスター〜後編〜





「な・・なにあれ」

ミルナが驚き立ちすくむ。

「驚いたか。あれが我々の研究のスタートといっていい。実験体だ」

「なに?」

スタークがいう。

「思い出した。あの人はモンスター研究のスペシャリスト、シュライデン博士。
今あるモンスターの生態なんかすべて、ほとんどがこの人が関係してるの」

ミルナが言った。

「そうだ。我々は普段はモンスターの研究に力を入れているが、その時ある
事を発見した。・・・根源の欠片というのを、ご存知かな?」

老人がいきなり、落ち着いた口調でいった。

「根源の欠片?」

サラが不思議そうな顔で言った。

「知らんのも無理はない。根源の欠片の存在はどんな文献にも載っていない。
だが、その存在はどの時代にも世界に影響を与えていた。

根源も欠片は誰もが僅かだが持って生まれてくる。
同じ根源の欠片でも真逆の性質を持つ。
この世界を憎む『憎悪の欠片』とこの世界を愛する『平和の欠片』

だがそのほとんどは
欠片の力を解放せずに、息絶える。その力を偶然解放できたものを
天才、仙人、神の子などと言われてきた。

だが、稀に人よりも多くその力を持って生まれてくる子がいる。
それは世界に必ず、憎悪の欠片と平和の欠片に1人ずつ現れた」

シュライデンはさらに続けた。

「憎悪の欠片を持つものはこの世界を消そうと動いた。
平和の欠片を持つものはそれを阻止するために動いた。

一体なぜか?それは、この世界の始まりから始まっている戦いが原因されている」

この世界の始まり・・・。
その言葉にミルナとスタークはハッとなり固まる。

「知っているようだの。竜人族に伝わる言い伝えに出てくるこの世界を造ったと言われる
白阿神・ジルストと黒吽神・ジスペルじゃ。

平和の根源はジルスト、憎悪の根源はジスペルによって生まれたもの。
2匹の戦いは今も続いておるのじゃ。時代から、時代にあらゆる姿になってな。
私はずっと探していたのだ。共鳴者と呼ばれるこれらのことを」

そこまでいうと、シュライデンは声を上げていった。

「そして、今ここにその一人、憎悪の根源の欠片を持つソニックに出会えた。
これで、私の研究は更に進むのだ!!」

ソニックを包んでいた黒い煙が一気に晴れた。

「な・・なんだありゃあ」

スタークは自分の目で見たものを信じられず言った

ソニックの姿はしっかりとしているのだが、体は黒いオーラで覆われている。
それだけで、ソニックだが誰だけわからなくなってしまった。
唯一変わったのは、尻尾が生えたぐらいだ。

ソニックは自分の体を確認するかのように、自分の指を動かす。
尻尾がクネクネと動く。

「ははは!!やってしまえ。ソニック」

シュライデンがいうが、ソニックはピクリともしない。
しかし、瞬間ソニックそ姿が消える。

—スパン!—

何かが切れる音がしたかと思ったときには、シュライデンの首が飛んだ。

「・・・・」

ミルナはショックで声もでない。サラも放心状態だ。
唯一スタークは太刀を握り締めて構えている。

—ヒュン—

ソニックがまた消えた。スタークが辺りをみわたす。

<今のも見えなかったのか>

後ろからの声にひかれて振り向く。が、そこには誰もいなかった。
その時背中から視線を感じる。

先ほどまでたっていたとこに、ソニックはたっていた。
ソニックがこちらを見る。その目はとても冷たく、殺気を感じた。

「お前・・ソニックじゃないな」

スタークが震える手を押さえながら言った。

<名などは我には必要のないものだ。貴様らを殺すもの。
それだけ、分かっていればいいだろう>

ソニックはそういうと、また姿を消えた。
その瞬間

—スドオオン!—


バトル場を覆っていた柵が壊れた。そこから現れたのは、白く輝く
翼の生えた馬だった。

<つういになってしまったか。ソニックよ>

ベリウスが静かにそういう。ソニックは嬉しそうに

<会いたかったぞ、今こそ貴様の命をたってやろう>

Re: モンスターハンター・バロル  39話更新 ( No.64 )
日時: 2010/02/15 19:18
名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)

32話
   神々の決闘





ベリウスとソニックはお互いに様子見るように見つめ合っている。
いや、力を溜めていると言った方が正しいのかもしれない。

そんな緊迫した状況がしばらく続いた後、
ベリウスがこちらに向かってきた。

「お前は・・・」

スタークがそう言うがベリウスは耳を傾けず、後ろのミルナとサラに近づいた。

「お・・おい」

何を仕出かすか分からなかったので、スタークが呼びかける。
ベリウスは2人の前まで来ると、角の先が光りだした。

その光を浴びると、なぜだか心が落ち着いた。
ミルナとサラもその光を浴びて正気を取り戻した。

「スターク」

サラは、ぼーとした顔でスタークを見る。

「あれ・・ここは」

ミルナはまだ意識が混乱しているようだったが、少しすると思い出したのか
ハッと顔を上げる。そこにベリウスの顔があり、驚き後ろに引く。

「あなたは・・・」

<しばらくここから動くな。この光の中にいれば奴の力の影響を受けないですむ>

ベルウスは優しく言う。

「お・・おい。ソニックは一体どうしちまったんだ!?」

スタークがそういうと、ベリウスは顔を向ける。
その目は今のソニックとは違った意味でゾクっとした。

<我々のことは大体知っているな。我々の終わりなき戦いのことも。
ソニックは今体に憎悪の根源の源、お前たちではジスペルと呼んでいたな。
そいつにのっとられている。

憑依されていると言ってもよい。我々はすでに肉体は朽ちた。だが、こうやって
共鳴者の体を借りることで因縁を断とうとしている>

「あなたも、誰かの体を乗っ取っているんですか?」

サラが尋ねると、ベリウスは少し悲しそうな表情で

<ああ、今の世界では幻獣『キリン』と呼ばれている者のな。
それが、今回の我の平和の根源の共鳴者だった。

彼は同意した上で我に体を明け渡してくれたが、やはり申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
世界のためとはいえ彼の人生をなくしてしまったのだからな>

そこまで話すと、ベリウスは表情を変えて言った。

<話しはここまでだ。どうやらこれ以上奴は待ってくれるつもりはないらしい>

<そういうことだ!>

ソニックはそう叫ぶと右手を前に出した。そこから黒いイカヅチが放たれた。
ベリウスは翼を大きく広げた。そこから小さな光が霧散して、
黒いイカヅチを受け止め、相殺した。

<ソニックの体から出て行け!!>

<悪いが、この体はもう完全に我のものだ。ソニックとかいう奴の人格は
もうすでに、なくなってる。それにしても・・・>

ソニックはにやけながら言った。

<この体は最高だ!今までのその共鳴者よりも力が体に馴染んでくる。
貴様が借りたそのひ弱な体なぞあっという間に塵にできる>

その言葉に、ベリウスは鼻で笑い

<ふっ。我こそ同じだ。今までで、一番力が漲ってくる>

そういうと、ベリウスの翼が光りだした。

<ソル・シエルガ(飛翔の光翼)>

今度はソニックの両手に黒いオーラが集まっていく。

<ジ・ディムルガ(終焉の爪)>

黒い爪がソニックの両手から現れた。それから、僅かな沈黙。
それから2体は激闘を始めた。だが、スタークたちがそれに観戦出来たのは音だけだった。

姿は速過ぎて見ることが出来ないのだ。
辺りは、2体がつけたであろう傷がどんどん出来ていく。

どちらが優勢なのかまったくわからない。しばらくした後、激しい衝撃音と
共に、二人の姿が現れた。

<くっ。エクルド・ティエス(光耀の兵隊)>

ベリウスから自分と同じ形をした光のエネルギー体がソニックに向かっていく。
だが、ソニックは余裕の表情で

<ディミス・ウォルド(消滅の風)>

ソニックが手を振り下ろすと、黒いオーラがベリウスの技を飲み込み
そのまま、ベリウスに押し寄せた。

<力の性質に違いが出たな。貴様の力は戦いとは程遠い『誕生』。
だが、我の力は戦いに相応しい『破壊』。この差が今の結果を生み出しているとなると・・・
ふん、敵ながら同情するぞ>

そこまで言うと、ソニックはスタークたちの方に向いた。

<さて、邪魔が入ったな。さっさとあの世におくってやるぞ>

そういって、スタークたちのほうに向かおうとした時

<ランバード・ティエンシア!(雷神の槍矢)>

ベリウスが角から一筋の光を発した。それがソニックに向かって伸びていく。

<・・・無駄なことする奴だ。我がこいつらを相手しているほんの数秒でも使えば
貴様なら逃げることができたものを>

ソニックは左手を前に差し出し、それを受け止める体勢に入る。だが、それは叶わなかった。
ベリウスが出した光はソニックの手に触れると、そのまま一気に貫通した。
ソニックの左手が力なく垂れ下がる。

<まだこれほどの力を隠していたとはな>

ソニックは自分の手を痛がる様子もなくベリウスに話しかける。

<我だけの力ではない。我の共鳴者であるキリンは雷を操る者。
それを使わせてもらっただけのこと。
貴様のようにすべてを力ずくで押さえつけるようなやり方では
決して出来ん事だ>

その言葉にソニックは鼻で笑い右手をあげた。

<ならば、力ずくで押さえ込んだからこそ出来る事をやってろう>

ソニックが右手に力を込める。すると、右手に黒い球体が現れ少しずつ大きくなっていった。

<本当はもっとこの世界を壊してから使うつもりだったが。
今見せてやろう。これがかつて一度この世界を滅ぼした力。
ディエスト・メルエム(地獄への序章曲)だ>

Re: モンスターハンター・バロル  39話更新 ( No.65 )
日時: 2010/02/16 19:39
名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)

33話
   力は人を選ばない。だから俺は・・・





黒い球体は少しずつだが、着実に多きくなっていく。

<くくっ。これで半分といったところか>

ソニックは自分の作った球体を見ながらいった。
そして、ベリウスに目を向ける

<どうした。我がこれを完成させるまで待っているつもりか?
阻止しなければ、この星はきえるぞ>

ベリウスは必死に力を溜めようとするが、足が震え光も弱まっている。

<すでに立っているだけで精一杯か。先ほどの一撃で力を使い果たしたか>

いい終わる刹那、笑っていた顔を突如に変えた。

—ガキィイン!—

後ろからスタークが攻撃を仕掛けたのだ。だが、それはソニックの尻尾で弾かれる。

「くそ!」

スタークは後ろに引き下がる。ソニックは少し感心した様子で

<ほお。我らの戦いの中に入れる人間がいるとはな。
だが・・・>

尻尾がスタークを襲う。ギリギリ篭手でガードするが、衝撃で後ろに吹き飛ばされる。
篭手が粉々に砕け散る。

<悪いが貴様らの相手をするのはもうやめにしたのでな。
こいつと遊んでいろ>

すると、ソニックの背後人の姿をした黒い人形の様な物が現れた。

<ドルバード・ディムルガ(終焉の人形劇)>

ミルナとサラはその人形に攻撃を放った。
しかし、その攻撃は人形が手を前にかざすと手が盾のように変形し阻止される。

人形はサラたちに向かって飛んだ。その間にスタークが割ってはいり、攻撃を仕掛ける。
今後は人形は全身から巨大な針を出す。スタークの攻撃は虚しく
その人形の体に弾かれ、巨大な針がスタークを貫いた。

「スターク!!」

ミルナが叫ぶが、スタークはそのまま地面に倒れこむ。
スタークの体から大量の血が流れ出る。

サラはリボルバーに徹甲榴弾LV3を装填し、人形に向かって連射する。
だが、その攻撃を無視してサラに近づくと、思いっきり殴り飛ばした。
サラは壁に激突し、そのまま倒れこむ。

「サラ!!」

ミルナの呼びかけにも、ピクリともしない。

(強すぎる。私たちが手も足もでないなんて)
ミルナは目に涙を溜める。

不意に後ろからの気配に振り向くと、すでに人形が真後ろにいた。
そして、止めを刺そうと腕を振りかぶる。
ミルナは覚悟をした。目に溜まった涙が地面に落ちる。その時

<もういい。茶番は終わりだ>

ソニックが静かにそう言った。人形はしばらくすると、音も立てずに消えた。
ミルナは信じられない気持ちで、ソニックを見た。
ソニックはミルナの顔を少し見ると、ベリウスの方に顔を向けた。

<さて、それではまた俺の愛唱歌を聞かせてやる。
世界が崩れ落ちる心地よい音色を聞くがいい!

ディエスト・メルエム 発動!!>

—パンッ!!—

言葉と同時に黒い球体が弾けて消えた。これがこの技だと思っていた
ミルナは死を覚悟した。

だが、一向に何もおきない。二人の顔見ると目を見開いて固まっていた。
どうやら、不発になってしまったらしい。

<なぜだ!?なぜ出てこない、黒き雷よ。まさか失敗・・いやそんなはずは・・・>

そこめでいうと、ソニックは突然よろめいた

<な・・なんだこの寒気は>

(出て行け)

心の中に声が響いた。

<まさか、そんな事があるはずが・・・>

(俺の中から出て行け!くず野郎!!)

<グオオオォオオォォオオ!!>

突然ソニックが暴れだし、頭を抑えて地面に這い蹲る。その体から
黒いオーラがどんどん出て行った。

「な・・なんなの?」

ミルナは目の前の光景に理解が出来なくなっている。
ベリウスは驚愕した表情で

<ま・・まさか。そんなことが出来るのか。人間が・・・>

その間にもソニックの体からはオーラーが出て行っている。
しばらくすると、オーラの出は止まり、空中にはソニックから出たオーラが漂っている。

ソニックから激しい息遣いが聞こえ、それでもソニックは立ち上がった。

<こ・・こんなことはあり得ん!!人間風情が我の憑依から自力で解くなんて>

空中に漂うオーラから声が響く。

「はあ、はあ。てめえには心底腹が立つぜ。俺の大切な仲間にあんなことしやがって」

<真に驚いたが、これで形勢逆転だな>

ベリウスがおぼつく足取りでソニックの隣に向かう。

<今のお前は壊れた機械に残るエンジンそのもの、どれほど力があっても
それを使う媒体がなければ無力となる。今の私でも貴様を屠ることは出来るぞ>

黒いオーラはしばらく黙ると

<仕方あるまい。ここは引かせてもらおう。
だが忘れるなよ。貴様の力は我と同じだ。
いつかお前は自ら傷つけたくない者も傷つける。それが運命だ>

その言葉にソニックは

「力は一つの道具だ。道具は使い手によって善にも悪にもなる。
例えお前の力が『破壊』だろうと『悪』だろうと関係ねえ。だったら俺は
この世界に降り注ぐ災厄を『破壊』してこの力を『善』に変えてやるよ」

黒いオーラは無言のまま、ソニックたちから姿を消した。

ミルナには何が起こったのか分からない。
だが、それでも一つだけ分かっていることがある。

—タタタタタッ—

ソニックにむかって歩み寄る足音がしてソニックは音のほうに体を向ける。
すると、ミルナがソニックに向かって抱きついてきた。

「お・・おい!ミルナ!!」

ソニックは顔を赤くして言った。それでも、ミルナは離すどころかさらに強く抱く

「よかった。ソニック・・本当に良かった」

その言葉を聞いてソニックは口元を綻ばせ

「ああ、本当に良かったよ。ありがとうな」

そのまま、されるがままに抱きしめられていた。


「・・・ったく見せ付けやがって」

スターク遠くから小さくつぶやいた。

「あはっ。本当にね」

サラも傷ついた部分を押さえながら言った。

「サラ・・生きてたか。よかった」

スタークの珍しい言葉にサラは少し照れながら

「それはこっちの台詞。・・でもありがとう、心配してくれて」


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