二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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モンスターハンター・バロル  完結!!
日時: 2010/11/27 21:56
名前: アビス (ID: U3CBWc3a)

無事完結しました!!今まで見たくださった皆さんありがとうございます。


その他掲載小説
・フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜
・封魔士軍団—アボロナ(コメディ・ライト)





人物紹介

ソニック 17歳 男・・

身体的特徴・170cm・65キロ・赤黒の髪(ミディアム)・前髪を残し後ろになびかせている感じの髪型

超がつくほど新米のハンターだが、天賦のセンスと並み外れた力で、
大剣を片手で軽々と振り回せる。
そのレベルはすでに並みのハンターよりずっと上。

仲間思いで誰に対しても余裕の態度を示す。
そのせいで、揉め事を起こしてしまう事もしばしば・・・
夢は未だかつてない、最強のハンターになること。



ミルナ 18歳 女・・

身体的特徴・165cm・53キロ・綺麗な黒髪(セミロング)・前髪の横を残したツインテール

片手剣が主体だが弓の扱いも超1流の腕前。
片手剣の形が変形し弓のようにもなる。
          
誰にでも明るく振舞い元気な性格。面倒見もよい(よいうか世話好き)



スターク 20歳 男・・

身体的特徴・180cm・75キロ・青髪(ショートよりのミディアム)・ウルフ

太刀を二つ持ち双剣の様に扱う。それに加え、
両足にも刀を仕込んであり、4本の刀で敵を狩る。

性格は口が悪く、短気。だが、曲がったことをする事が大嫌い。

始めてあった時のソニックの堂々とした態度を気に入り、よく絡んでいた。


サラ 15歳 女 ・・

身体的特徴・153cm・46キロ・赤が少し入った茶髪(ロング)・ストレート(前髪も分けて首の辺りまである)

自ら武器を改良してライト・ボウガンの威力を保たせたまま小型化に成功した。
それを『銃』と名づけ、それを両手に持ち戦う。今でいう2丁拳銃のスタイル。

性格は優しいが弱気。知らない人に話しかけられたり、怒鳴られたりすると
直ぐにうつむいてもじもじしてしまい、言いたい事いえなくなってしまう。

だが、ソニックたちと出会い少しずつそれがなくなってくる。


シルバ 31歳 男・・

身体的特徴・185cm・82キロ・銀髪(シルバだけにw)ショート・ツンツン

主な武器を持たず、投げナイフで数々のモンスターを
狩猟してきた凄腕ベテランハンター。

普段は無口だが、狩りになると普通に喋りだす。
両目は以前のモンスターとの戦いで失い、今は僅かな音や気配
空気の流れをよんで生活をしている。


クルト 24歳 男・・

身体的特徴・190cm・70キロ・緑髪(ロング)・ストレート

竜人族の最新技術の笛を武器に音を操って戦う旅人。ハンターじゃない。
だが実力はかなりのもので、ソニックたちと比べても何の遜色もない。

丁寧な物腰、口調で常に笑顔を絶やさないが、過去に親に捨てられた辛い出来事がある。
その時竜人族に拾われ、里で育てられる。彼も竜人族の里を故郷と言っている。






1話>>26   2話>>27   3話>>28   4話>>29   5話>>30 

6話>>31   7話>>32   8話>>33   9話>>34    10話>>35  

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51話>>119  52話>>124  53話>>127

エピローグ>>134


モンスターリスト>>25


番編(シルバ)1話・2話>>2

番外編(ミカ・ミク)>>3

質問コーナー 参>>67  四>>69

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Re: モンスターハンター・バロル  39話更新 ( No.46 )
日時: 2010/02/15 18:47
名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)

19話
   目覚める悪夢





「いや〜、本当に助かったよ。内のハンターたちじゃ手に負えない
クエストをかなり片付けてもらって」

受付の女性が笑顔でいった。
ソニックたちはこの村にきて10日が過ぎていた。
そして今旅の準備が整って出発しようとしていた。

「あはは、別にいいよ。
ちょっと難しいぐらいのじゃないと誰かさんたちが満足しないから」

ミルナはそういうと後ろの2人の方を向いた。
ソニックは軽く笑い、スタークはそっぽを向いてしまった。
その姿にミルナが微笑む。
そんな3人を見ていた女性は少し重い口調で

「気をつけなよ。ギルドの報告によるとその跡地にむかったハンターは
一人も帰ってきていないらしいから・・・」

その時スタークに向かって1本のナイフが飛んできた。
スタークはそれを簡単にとり、投げた本人をみる。
誰が投げたのかなんて皆わかっていた。

「ずいぶんな別れの挨拶じゃねえか、シルバ」

スタークが嬉しそうにいうとナイフをシルバに向けて投げ返した。
シルバはそれをキャッチすると無言で近寄ってきて
今後は素手でスタークに自分のナイフを渡した。

スタークもそれを無言で受け取る。
そしてそのまま、3人はその村をあとにした。

「一緒に行きたかったんじゃないのか?」

3人を見送った後女性がいった。シルバは少し黙った後

「だから俺の中で最も長く愛用していたナイフを渡した・・・
それで十分だ」

そういってシルバはギルドに向かって戻っていった。
女性は、まさか返事が返ってくるなんて思っていなかったので
少し目を丸くしたがすぐにシルバと同じようにギルドに戻っていった。


〜森〜

「それでその跡地まではどれぐらいあるんだ?」

スタスタ歩いていたスタークがいった。

—ザク!ズパ!—

「このままいけば2日ってところじゃない。でも彼女が言ってたことが本当なら
無事にいけるかわかんないけど」

—ドス!ヒュン!—

ミルナが答える。

「現地に向かったハンターが帰ってこないってやつか。
ガルドロスがそこにいるわけじゃないから・・なんか帰れないわけとかあるんじゃねえか?
それにしても俺たち・・・」

—ドスン!ガン!—

「余裕だよな〜」

ソニックがなぜこんなこというのか。それは・・・

—ギャア!ギャア!—

3人を囲んでいるランボスの数・・およそ50体。
それでも3人は焦らなかった。

「なんかすごく体が動くよね」

ミルナが嬉しそうにいった。

「確かに前に比べると力があがってんな。
なんかこう・・・・」

—ズパン!—

「よく見える」

「それでいて、自分の体もそれに対応できるだけの力がある」

ソニックは二人の変わりぶりを見て以前のイビルモスの時に見た夢を思い出した。

『お前の仲間2人の潜在能力を少し開放してやった。これで、貴様の足手まといには
ならずに、すむだろう』

・・・

(あれはあっぱり夢じゃなかったのか?)ソニックは辺りのランボスを薙ぎ飛ばしながら思った。

そう思うソニックも変わっていた。

相手からの死角からの攻撃も反射以上のスピードでかわし攻撃する。
剣を振るう力も前よりも必要としなくなっていた。

イビルモスとの戦いは3人にとても多くの力を育んだ。


—跡地—

「おい!本当に大丈夫なんだろうな!?」

黒のオールバックの青年が叫ぶ。

「大丈夫だって。俺たちは選ばれた封印のハンターなんだぜ。
そこらのハンターとは一味も二味も違うっての」

前を行く髪を逆立てた金髪のショートヘアーの男が鼻高さにいう。

「ここはそんな封印のハンターたちが何十人も死んでいる場所なんだぞ!」

ショートヘアーの男の軽い言葉にオールバックの男が怒鳴りつける。
そして、もうやってられるかというと、向きを変え立ち去ろうとする。

その姿を見てショートヘアーの男は手を前に合わせて

「悪かったって冗談だ冗談。確かにここは危ねえ場所だが有力な情報があることは
間違いないんだ。だから、な?」

男の言葉にオールバックの男はため息をつき、前に振り返る。
そのとき・・・

「あ・・・・あ・・」

「どうした?」

ショートヘアーの男が尋ねる。男は声が出ない感じで指をさした。
その指は震わせていた。

「う・・うしろ・・」

「ん?」

その言葉に男は振り返る。その瞬間・・
ショートヘアーの男も固まる。目の前にいるのは・・・

「う・・うわああ!!!」

異形な形をしたモンスター。

Re: モンスターハンター・バロル  39話更新 ( No.47 )
日時: 2010/02/15 18:57
名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)

20話
   動き出す凶夢〜前編〜





〜2日後〜

「おい。あそこの木の周辺なんかツルが多くないか?」

2日経ってソニックたちは、問題のクレータがあったという場所の近くに来ていた。
ミルナが目を凝らした後

「違うよあれ。あれはたぶん立ち入り禁止のテープだよ」

近くまでいくとミルナのいう通りそこには
木の間を進入禁止と書かれたテープが張られていた。
その木の奥は霧がたちこめていた。

「やっぱり、彼女のいうとおり・・・」

ミルナがなんか言おうとした時、スタークがテープを切って先にいこうとした。

「ちょ・・ちょっと!スターク」

ミルナの言葉にスタークは顔だけ向けて

「噂なんて関係ねえよ。ここまで来たんなら立ち止まる必要もねえだろ」

そういってスタークは先に行ってしまった。

「スタークの言うことも一理あるな。ここで立ち止まっててもどうしようもねえだろ?」

「それも、そうだね」

ソニックとミルナもスタークに続いて、霧が渦巻く死の領域へと足を運んだ。


辺りは霧がたちこみ視界が大分限られていた。お互いが霞んで見えるほどだ。

「ずいぶん霧が深くなってきたな。おい気をつけろよ」

前を行くスタークがソニックとミルナに注意を促す。
その姿にミルナとソニックはクスっと笑い

「スタークが私たちの心配するなんてね。どうしたの?」

ミルナの言葉にスタークは照れたように少し鼻で笑って。

「てめーには関係のないことだ。それよりも霧がどんどん濃くなっていくぞ」

スタークのいう通り霧が先ほどよりも濃くなっていて、
すぐ前にいる仲間もすでにほとんど見えない。

そんな状態がしばらく続いた後、霧が一気に晴れた。

「な・・ここは・・」

ミルナが辺りを見渡す。
辺りには自分たちがいる所以外すべて地面が黒ずんでいて草も木もなにもない。
目を凝らすと遠くに霞んで見える。

「この黒いのは一体なに?」

ミルナが黒ずんでいる地面に触れようとした。その瞬間ソニックはとても嫌な予感がした。

「ミルナ!!触れるな!!」

ソニックの叫びに驚き手を止める。

「ど・・どうしたの?」

「・・・・」

ミルナは尋ねた後、スタークが無言で自分の髪を数本抜き、その地面に落とした。
地面に落ちた髪の毛はあっという間に溶けてなくなってしまった。

「もしソニックが叫ばなかったらお前の手がこうなってたな」

「・・・。でもなんで私たちの所だけが・・・」

ミルナは話しを中断して地面を見る。ソニックも同じように地面を見る。
そこには驚愕の出来ことがおきていた。

黒ずんでいた地面がうねり、いやうねっているのは黒ずんだ部分だけ。地面はなんともない。
その黒ずんだ部分が波のように一箇所に集ま始め、
スライムのようにクネクネした物体へと姿を変えた。

3人はそれが何なのかまったく分からなかったが、武器を構えた。
そうしなければいけないと体が感じてしまったのだろう。

スライムの体は透けて見えた。その中はほとんど人間の骨のようなものが浮いていた。

「もしかして、ハンターたちが帰ってこない理由って」

「詮索は後だ。くるぞ!」

Re: モンスターハンター・バロル  39話更新 ( No.48 )
日時: 2010/02/15 18:58
名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)

20話
   動き出す凶夢〜後編〜





スライムは口を膨らませた。そして自分と同じスライムの塊を3人に飛ばしてきた。
3人はそれをかわすが落ちたスライムはそのまま形を針のように変え、3人を襲った。

「ち!何なんだこいつは。離れても変なスライムを操って攻撃してくる」

ソニックがいう。ミルナは自分の武器を弓へと変形させ、目標に向かって射抜いた。
だが、その攻撃はスライムにあたると同時に溶けて無くなってしまった。

「あの調子じゃあ。物理攻撃は効きそうにないね。触れる事も出来ないか・・・」

ミルナが冷静に分析する。その間もスライムは形を変え、3人を襲う。
攻撃スピード事態は速くはないため避けるのは容易かった。
だがこのままこの状態が続けば体力が奪われ、確実に攻撃を受けてしまう。

「ミルナ無茶するな。左肩まだ完全じゃあないだろ」

「そうだぜ、下がってろミルナ」

「ううん大丈夫。足手まといになんかなりたくないし」

ソニックたちの気遣いに首を横に振る。その行為にスタークは舌打ちをして

「無茶した挙句、左肩動かなくなってそれを庇いながら戦う方がよっぽど
足手まといだ!!」

ソニックもスタークの言葉にため息をつきながらも

「ミルナは下がってあいつの弱点を見つけてくれ。頭脳派はお前だけだからな。
この先お前がいなくなったら、俺たちが困る。
安心しろよ。おまえはちゃんと俺たちが守るからよ」

仲間にここまで言われたんじゃあ、ミルナも2人を信じるしかない。
大人しく後ろに下がるミルナ。

「おい。そこまでいったんなら何か奴の攻撃を防ぐ方法ぐらい見つけたんだろうな?」

スタークがいった。

「うなもん・・・剣で防ぐ」

「・・・・」

沈黙。そして

「馬鹿かてめーは。そんなことしたら使いもんにならなくなるだろ!」

「あーそうだよ。でもな人の命、ましてや大切な仲間の命に比べたら軽いもんだろ」

「俺にとっちゃ剣も命と同じくらい大切なもんだ。誰が人のために壊すか」

「そーゆーこというんだ!へ〜!」

(この二人。私がいなかったら本当に危ないな。私がちゃんとしないと)
ミルナは心でそんなことを思った。

「剣の命と仲間の命、どっちが大切だよ!?」

「どっちも大切だ。だからどっちもなくさねえ」

スタークの言葉にソニックはニイと笑い。

「それでいいんだよ。いいこというじゃねえか。スターク」

「誰に向かっていってんだ。てめーは」

スタークも笑う。

・・・・
・・・
・・


それからしばらく経ったころ、3人はまだ戦っていた。2人の凄まじい反応速度と底なしの体力で
スライムの化け物は苛立ち攻撃が単調になっていた。それが余計に二人を避けやすくしていた。

それでも確実に体力が減っているのは確か。こちらは攻撃が全然できないため、突破口を見つけられずにいた。

「くそ。まだなんかわかんねえかよ?ミルナ」

後ろで分析をしているミルナに急き立てる。

「そんなこといっても・・・」

ミルナは困ったようにいう。
その時大量のスライムの波がスタークを襲った。スタークは瞬時に後ろに引いたが、その勢いで
ポーチの蓋が開いてしまい、アイテムがたくさんこぼれてしまった。

そのアイテムの上を包むようにスライムが飲み込み引いていく。
アイテムはスライムによって無くなってしまった。

「くそ!こんな奴倒せんのかよ」

スタークが悔しそうにいう。その時ソニックは耳を疑った。そして

「ミルナ、スターク。弱点わかったぜ」

ソニックの言葉にミルナは驚いたように

「え。弱点って・・・?」

ミルがいった。その後ソニックは体を遠くの森のほうに向いた。

「木を見て森を見ずっていうのかな、こういうの。とにかくこのスライム野郎は少しの間任せた」

そういうと、ソニックは全速力で走り出した。

Re: モンスターハンター・バロル  39話更新 ( No.49 )
日時: 2010/02/16 19:09
名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)

21話
   目覚めない夢はない〜前編〜





「さてと、どうしたものか・・・」

ソニックは今森の中にいた。しかしどうすれば目的のものにたどり着くか、
ましてや本当にそんなものがあるか正直不安であった

「とにかく、この森をくまなく探すしかないか」

そう呟き、また走り出した。
しばらく走っていると不思議な光が見えてきた。

「あの光は・・・」

(目的のものかもしれない)そう思ったソニックはその光の元に走った。
しかし、その光の場所はソニックが求めていたものはなかった。

そこにいたのは

「なんでお前がここに・・・・ベリウス」

夢で見たあの時の翼の生えた馬がいた。

<またあったな。根源の欠片を持つ者よ>

ベリウスは優しい口調でいった。

「前も言ってたな。俺に向かって根源の欠片がどうとかって。
お前は意味の分からねーことばっか言いやがる。
いろいろ聞きたいことがあるが今はお前と長く話している時間は
ないんだ」

ソニックはその場を離れようとした。

<ここから出るためか?>

ベリウスの言葉で足を止める。

「なんでお前が知ってんだよ」

<ここから出るにはある事をしなければならない。
お前はそれを探して走っていたんだろ?>

「自分はしっているみたいな言い方だな」

<ああ知っている。教えてやろう。ここから出るには・・・・>

・・・・
・・・
・・


<貴様にそんな事ができるのか>

去ろうとするソニックにベリウスがいった。

「姿形なんて関係ねえよ問題なのは心だ。姿が同じでも心は違う。簡単なことだ」

ソニックは最後にそういうと2人のいる場所に向かって走っていった。



「よう、ソニック遅かったじゃねえか。片付いちまったぜ」

ソニックが戻ってきたときにはスライムの姿はなく、二人は無事にたっていた。

「ところでよ。お前の言ってた弱点ってなんだったんだ?」

スタークがソニックに尋ねた。ソニックは黙ったまま、大剣をスタークの前に持ってった。

「何の真似だ、ソニック?」

スタークがいう。ソニックは大きく息を吸うと

「俺が言った弱点ってのは、スライムのことじゃねえよ。かけられている術についてだ」

「術?何わけのわかんねーことを・・・」

「俺の知っているスタークなら・・・」

スタークの言葉を遮ってソニックが言葉を出した。

「『こんな奴倒せんのかよ』なんて本気で悔しそうにいわねえよ。
それになんで太刀2本しか使ってねーんだ?」

ソニックの言葉にスタークは馬鹿馬鹿しそうに

「はあ、何言ってやがる。他に武器なんて持ってねーよ」

「外からじゃあ、すねのところに隠している刀なんて見えねーもんな」

「!!!」

ソニックの言葉にスタークの表情が消える。

「お前は幻影。本物じゃないってことが今はっきりと証明されたな。
そして、この術を解くためには」

ソニックがスタークに向かって大剣を振り下ろす。

「スタークとミルナの姿をしたお前ら偽者野郎を消滅させること」

スタークはククとわらい、ミルナもにやけ出す。

「チェ!ばれちまったか。けど倒せんのか?大切な仲間の姿をした俺たち・・」

—ズパ!—

ソニックがスタークの偽者が喋り終わる前に大剣で真っ二つにした。

Re: モンスターハンター・バロル  39話更新 ( No.50 )
日時: 2010/02/15 19:00
名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)

22話
   今と過去の真実





〜跡地現場〜

先ほどの森とはうって変わって辺りは草一本ない荒野が広がっている。
まるで先ほどの夢の中を歩いているような気分だった。
しかし、肝心の大きなクレータは見当たらない。

しばらく歩いていたミルナがあることに気づいた。

「ここって変わった地形してるよね。妙に緩やかな傾斜が多くて歩きにくい」

ミルナのいう通り、緩やかな下り坂が続いたかと思えば、それと同じくらいの
長さの上り坂がある。

それを聞いたスタークが少し考えた後、

「ソニック、俺をさっき見たいに打ち上げろ」

「そんなことしてどうすんだよ?」

疑問に思いながらもソニックは、構える。

「確かめたいことがある」

そういってスタークはソニックの大剣の上に乗る。
そして、一気にスタークが空に飛んでいった。

スタークが小さくなる。それでも辺りをしきりに見渡しているのがわかった。
しばらくすると、スタークが戻ってきた。

戻ってきたスタークは顔をしかめて

「やっぱりな」

とつぶやいた。

「なにがだ?」

そう聞くソニックは何故かとても鼓動が大きくなっていた。
まるで、きいてはいけないといわんばかりに・・・

少しするとスタークが口を開いた。

「俺たちが探しているクレータはここだ」

「え!?」

ミルナが信じられないという顔でいう。
だが、ソニックはそれを聞くと鼓動が落ち着いていった。
おそらく自分の心の隅でそうなんだと気づいていたんだろう。

「飛んで確認したが、だいたい150メートルくらいの大きさだ。
あたりにもそれぐらいの大きさの地面のへこみがある」

スタークが舌打ちする。

「クレータの深さは10メートルから15メートルくらいか。
とんでもねえな」

「こんな化け物を倒そうってんだから、笑えるな。それと・・・」

スタークがかるく苦笑いした後、いった。

「なに、スターク?」

暗い顔をしたミルナがいった。

「ずっと向こうに妙な場所を見つけたんだ。多分、穴なんだが
やけに暗くてまるで・・・」

「空間が口を開けて大地を飲み込んでいるかのよう」

スタークの言葉に続くようにソニックがぽつりといった。
スタークは目を大きくして尋ねた

「なぜわかった?」

ソニックは自分でもよく分からないといった顔で。

「あ、いや。なんとなく・・・」

「・・・とにかくその場所に行ってみよう」

ミルナが優しく言った。



「ここか・・・」

ソニックが驚愕する。いやソニックだけじゃない。ミルナもスタークも
目の前のものに目が離せない。

そこはさっきソニックがいった言葉に相応しい穴があった。
その穴の中には、まったく日差しが入っていなかった。

本当にすべてを飲み込んでいるかのような穴。不思議とその穴に
吸い込まれるような感覚もしてくる。

「もしかしてここに・・・」

この穴を見てから最初に喋ったのはミルナだった。

「ガルドロスがいたのかも」

「そうかもな・・・」

ソニックがそういったっきり、また3人は黙り込んでしまった。
それほどこの穴は衝撃的なものだった。


「ソニック?」

しばらくした後、ソニックが急に穴に向かって歩き出した。

「どうしたの。そっちはあぶな・・・」

ミルナが駆け寄ってソニックを見ると、ソニックの目は虚ろだった。
その目にミルナがハッと息を呑む。その後ミルナは何か言おうと口を開いたとき、
スタークが近づいてきてミルナの腕をとった。

「諦めろ。ああなったら元に戻るのを待つしかない」

スタークがいう。ミルナも頷き。

「うん。そうだよね。でも・・・」

と悲しそうに言った。実は2人はソニックがこの状況に陥るのをみたのは
初めてではない。その、初めてというのは


〜鳥竜との激闘時〜

「いったい何だってこんな数のモンスターが・・」

スタークは辺りにいるランボスやイーオスを、片っ端から倒しながら思った。
そして、太刀を持った状態でポーチから、飲むと一定時間体力が急激に倍増する
「狂走薬グレード」を飲んだ。

その時、辺りの血の臭いが一層強くなった。思わず鼻をおさえたくなるような臭いだ。
モンスターを片しながら辺りを探すと、やけにそこだけ豪快に血が噴出している所を見かけた。

そこに急ぐと、そこは鳥竜との激闘とは別の行為が行われていた。
それは鳥竜を使った、殺戮ショーだった。

一度首をはねたモンスターを、さらに一回二回と切り刻む、酷い光景が広がっていた。
それを行っていた人物はたった一人のヒトだった。

「ソニック」

スタークが呟く。スタークはソニックの事はほとんど知らなかったが、少なくとも
こんなことをやるような奴ではないとは分かっていた。
しかし、今現実にソニックが行っているのだ。

ソニックは縦横無尽に走り回りやたらと高速で剣を振り回す、いつ仲間に当たっても
おかしくはない状況だが、決して当たることはなかった。

それでも、ソニックによる殺戮ショーは激しくなるばかりだった。
ソニックが通った場所はモンスターと血で道ができていた。
ソニック自身もモンスターの返り血で真っ赤になっていた。
それでも、攻撃の手を休めることなく、そのまま最後をむかえた。


村は無事に守られた。モンスターの半数近くをソニックが倒していた。
帰り道、仲間のハンターに声をかけられたが、ソニックはまったく耳を貸さなかった。

その途中スタークは皆にソニックのやった事は内緒にしておいてほしい、といった。
皆は少し不思議がったが、承諾した。

村に帰った時、ミルナがすぐさまソニックの元に駆け寄った。

「ソニック!!」

ミルナが嬉しそうにいうと、ソニックは少し顔を上げ、ミルナの顔を見た。
その瞬間ミルナの顔から笑顔が消えた。
ミルナの目に映ったのは目が虚ろで血まみれなソニック。
ミルナは一瞬、目の前にいるソニックをソニックではないと感じてしまい、
つい口に出てしまった。

「あなた・・・だれ?」

そういった瞬間ソニックはそのまま気を失ってしまった。


この時に見た目が今のソニックの目と同じだったのだ。
ミルナは嫌な予感がしてたまらなかった。


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