二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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モンスターハンター・バロル  完結!!
日時: 2010/11/27 21:56
名前: アビス (ID: U3CBWc3a)

無事完結しました!!今まで見たくださった皆さんありがとうございます。


その他掲載小説
・フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜
・封魔士軍団—アボロナ(コメディ・ライト)





人物紹介

ソニック 17歳 男・・

身体的特徴・170cm・65キロ・赤黒の髪(ミディアム)・前髪を残し後ろになびかせている感じの髪型

超がつくほど新米のハンターだが、天賦のセンスと並み外れた力で、
大剣を片手で軽々と振り回せる。
そのレベルはすでに並みのハンターよりずっと上。

仲間思いで誰に対しても余裕の態度を示す。
そのせいで、揉め事を起こしてしまう事もしばしば・・・
夢は未だかつてない、最強のハンターになること。



ミルナ 18歳 女・・

身体的特徴・165cm・53キロ・綺麗な黒髪(セミロング)・前髪の横を残したツインテール

片手剣が主体だが弓の扱いも超1流の腕前。
片手剣の形が変形し弓のようにもなる。
          
誰にでも明るく振舞い元気な性格。面倒見もよい(よいうか世話好き)



スターク 20歳 男・・

身体的特徴・180cm・75キロ・青髪(ショートよりのミディアム)・ウルフ

太刀を二つ持ち双剣の様に扱う。それに加え、
両足にも刀を仕込んであり、4本の刀で敵を狩る。

性格は口が悪く、短気。だが、曲がったことをする事が大嫌い。

始めてあった時のソニックの堂々とした態度を気に入り、よく絡んでいた。


サラ 15歳 女 ・・

身体的特徴・153cm・46キロ・赤が少し入った茶髪(ロング)・ストレート(前髪も分けて首の辺りまである)

自ら武器を改良してライト・ボウガンの威力を保たせたまま小型化に成功した。
それを『銃』と名づけ、それを両手に持ち戦う。今でいう2丁拳銃のスタイル。

性格は優しいが弱気。知らない人に話しかけられたり、怒鳴られたりすると
直ぐにうつむいてもじもじしてしまい、言いたい事いえなくなってしまう。

だが、ソニックたちと出会い少しずつそれがなくなってくる。


シルバ 31歳 男・・

身体的特徴・185cm・82キロ・銀髪(シルバだけにw)ショート・ツンツン

主な武器を持たず、投げナイフで数々のモンスターを
狩猟してきた凄腕ベテランハンター。

普段は無口だが、狩りになると普通に喋りだす。
両目は以前のモンスターとの戦いで失い、今は僅かな音や気配
空気の流れをよんで生活をしている。


クルト 24歳 男・・

身体的特徴・190cm・70キロ・緑髪(ロング)・ストレート

竜人族の最新技術の笛を武器に音を操って戦う旅人。ハンターじゃない。
だが実力はかなりのもので、ソニックたちと比べても何の遜色もない。

丁寧な物腰、口調で常に笑顔を絶やさないが、過去に親に捨てられた辛い出来事がある。
その時竜人族に拾われ、里で育てられる。彼も竜人族の里を故郷と言っている。






1話>>26   2話>>27   3話>>28   4話>>29   5話>>30 

6話>>31   7話>>32   8話>>33   9話>>34    10話>>35  

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31話>>62-63  32話>>64  33話>>65  34話>>66  35話>>4 

36話>>7  37話>>10  38話>>16  39話>>19  40話>>70  

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51話>>119  52話>>124  53話>>127

エピローグ>>134


モンスターリスト>>25


番編(シルバ)1話・2話>>2

番外編(ミカ・ミク)>>3

質問コーナー 参>>67  四>>69

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Re: モンスターハンター・バロル ( No.2 )
日時: 2010/01/09 18:00
名前: アビス (ID: 7.60N42J)

番外編(シルバ)1話
          念願の相手


〜ギルド〜

シルバはソニックたちと別れた後も、いつもと同じように
依頼を受けていた。そんなある日、

「おい、聞いたかよ。あの噂」

ギルドのハンターの話しが耳に入ってきた。

「何の話しだよ」

「あのテオ・テスカトルが近くの火山地帯に出没したらしいぜ」

「本当か!?」

男が驚くのも無理はない。テオ・テスカトルとは古龍と呼ばれる種別に入る。
古龍とは古代から生息する非常に危険の多く、並みのハンターでは
とても太刀打ちが出来ないモンスターである。

「ああ。数年前にも一度現れたって話しだ。
話しによるとその時討伐に行ったハンターがいるらしい」

「本当か!それでどうなったんだ」

詰め寄る男に対して、もう片方の男は笑いながら

「ばーーか。相手はあの炎王龍と呼ばれるテオ・テスカトルだぜ。
焼け死んじまって骨も残ってないだろうよ」

「それもそうか」

そう言って、今度は二人は違う話しで盛り上がった。
シルバは紙を一枚剥がすと、それをカウンターの女性持っていった。
女性はシルバが持ってきた紙を見る

「・・・珍しいね。あんたが火山の採取ツアーに行くなんて。
でも今はよしといたほうがいいよ。あそこには今テオ・テスカトルが
いるらしいからね」

忠告する女性を無視しシルバは黙って出口に行き、そして消えていった。


〜火山地帯〜

「感じる」

火山に着いたシルバは静かにそう言った。
目が見えなくても、いや目が見えないからこそ分かる
火山のいつもと違った雰囲気。

シルバは山の頂上を目指して歩いた。あの時の事を思い出しながら
頂上に着いたシルバ。そこにテオはいなかった。しかしここで待っていれば
必ず来ると確信していた。

その予想は当たり、しばらくするとバサバサと翼を羽ばたく音が聞こえてきた。
音はどんどんでかくなる。そして、遂にその姿を感じた。

真赤な体に力強い角。強靭な尾に燃え滾るその目。
見えなくてもはっきり分かるその姿。

シルバは覚悟を決めるとナイフを取り出すと、テオに投げつける。
ナイフは体に見事命中。だが、傷は浅くてダメージは見込めなかった。

だが、それで良かった。今のは攻撃ではなく威嚇。こちらの存在を知らせるため。
テオは狙い通りこちらに気づき、降下しながら空中でブレスをはいてきた。
それをうまく避けるシルバ。体勢を立て直すころには、すでにテオは地面に降り立っていた

「7年ぶりの対面か・・・心が躍る。またこうやってお前と会えた事をな」

—ウォオオオ!—

テオが突っ込んでくる。それをかわしナイフを投げる。命中するもあまり
効いてはいない様子だった。だが、その攻撃に腹を立てたのか
テオはさっきよりも広範囲のブレスを吐く。

「くっ!」

とっさに近くの岩の陰に隠れる。熱風が襲う。それだけでも顔が火傷しそうだった。
納まると、こちらに近づいてくるのを感じて、ジャンプをする。

間一髪のところで、テオが岩を砕きやって来た。真上からさらに攻める。
これもあまり効いていない様子だった。
            
(やはりただのナイフじゃ、大したダメージにはならんか。
だからと言ってこんなひらけた所ではあれは使えん)

シルバはすぐに相手から距離を取りさらにナイフを投げる。
しかし、それは尻尾で弾かれてしまう。
どうやら、ナイフの軌道を読まれてしまっているようだ。

その後も、しばらく戦いが続いた。相手の攻撃をうまくかわし
攻撃をするが、こちらの攻撃も読まれ満足に攻撃が当たらなくなった。

しばらくすると、テオは空中に飛び去り他のエリアに行ってしまった。
付けておいたペイントボールの臭いを嗅ぐ。
そして場所が分かった途端、シルバの顔から笑みがこぼれた

(あのエリアならあれが使える)

そういって、持っていた手には火山の光で光るナイフとは別の物が見えた。



番外編(シルバ)2話
          決着



シルバが向かった先にはテオが待ち構えていた。
シルバはすぐに十数本ものナイフを一斉に投げつける。

しかし、テオはそれを翼で弾く。弾かれたナイフが地面、床。天井、壁に突き刺さる。
何本か当たったが、ダメージにはなっていない様子だった。

テオは翼を大きく広げる。辺りに赤い粉が飛び交う。

「まずい!!」

シルバがすぐにその場から離れる。

—ボカーーン!!—

赤い粉が粉塵爆発を起こす。するとすぐにまた自分の周りに粉塵が囲む。

—ボカン!!ボカーン!!ボカーーン!!—

幾度無く粉塵爆発がシルバを襲う。それを必死に逃げる。だが、
動き続けていた足が止まった。逃げようとした先が溶岩の中だったのだ。
辺りにはすでに粉塵が舞っている。

「しま・・・」

—ボカーーン!!!—

他の方に逃げようとしたが遅かった。爆発に呑まれるシルバ。
なんとか、そこから這い出るがダメージはでかい。

テオは休ませないとばかりに広範囲のブレスを吐く。
シルバは広がりきる前に横に逃げる。そしてがら空きの横腹にナイフを投げつける。

テオはそれを弾こうともしなかった。当たってもダメージが無いとふんで
完全になめていた。だが、それが仇となった。

—ビリビリ!—

投げたのは麻痺ナイフだった。テオは体が痺れて動かなかった。

ぬかった。テオはそう感じずいられなかった。
弾いていればこんな事にはならなかったものを。傲慢さがこの結果を生んだ。

テオは自分の愚かさとこの人間に対する怒りでいっぱいだった。
人間は攻撃してこない。おそらく回復に有しているのだろう。
あの人間は自分が必ず焼き払い、切り裂き、ずたずたにしてやる。


テオは痺れから痺れから抜け出すとこちらの方を向いた。
シルバは回復はしていなかった。所々火傷の跡が酷く残っている。
テオは雄叫びを上げるとこちらに向かって突進してきた。

シルバはもう避けるだけの体力は残っていなかったのか、膝を突き、動こうとしない。
テオは今も猛然と来ている。地面にあるナイフも蹴飛ばしながら進んでいる。

その内の一つを飛ばした瞬間、テオの動きが止まった。
そして、その瞬間テオが空中に飛んだ。いや飛ばされた。

テオがわけもわからず空中でもがく。だがもがけばもがくほど
体に正体不明の傷ができる。

「暴れるな。余計に自分が辛くなるぞ」

シルバはよろよろと立ち上がりながら言った。
テオは暴れるのは止めたがこちらをずっと睨んでいる。

「解せない様子だな。モンスターに説明しても理解できると思えんから、実際に見せてやる」

そういうとシルバはナイフを二本取り出すと投げた。
それが地面、壁にと刺さる。そしてその間には岩があった。

今度は左手を前に出す。その手は何かを引っ掛けているように見えた。
シルバが左手を開く。すると・・・

—スパァン!!—

岩が名刀の刀にでも切られたかのように切れた。

「糸よりも細く、鉄よりも硬い。性質はゴムのように
伸び縮みするワイヤーだ。これと同じようなワイヤーが今お前の体中に張り巡らされている」

そう、テオが痺れている間に行っていたのは、辺りにワイヤーつきのナイフを刺し、
罠を張っていたのだ。そして仕掛けたワイヤーと繋いだナイフを地面に刺し、
テオがそれを外すことでワイヤーが引っ張られ、今の宙吊りへとなっている。

シルバはナイフを一本手に持つと遠くに刺さっているナイフを見る。

「あれにもワイヤーが張ってある。俺があれを抜けば、お前も
あの岩のように真っ二つになる」

シルバはそう言うと静かにナイフを投げた。ナイフは地面に落ちている
ナイフに当るり地面から抜ける。

—ゴト!!—

音も無くワイヤーがテオに向かい、そしてテオの体の上半身が地面に落ちる。
下半身を空中に残して。

シルバはその場で突っ立っていたが、しばらくするとテオの元に向かった。

そして、テオから素材を貰うために剥ぎ取りをしていると不思議な形をした
赤い物体を見つけた。

「これは・・・見たことも無い形をしているな。
テオの体内で生成される特別な素材か?」

なんなのか分からなかったが、不思議な力を感じたのでそれをポーチに入れた。


—ギルド—

シルバが帰ってくると、皆その手に持っているものを見て驚愕し口が開く。
カウンターの女性も向かってくるシルバをただただ見つめていた。

「・・・・」

シルバは相変わらずの無言でカウンターに「炎王龍の剛角」を置いた。

「あ・・あんた。テオ・テスカトルを討伐したのかい?」

その言葉にシルバは黙ってうなずく。女性もギルドの皆も沈黙する。
シルバはしばらくすると、だまったままギルドを出て行った。

いつもと同じような態度。だがシルバが喜びに満ちていたことは
女性にはわかっていた。

Re: モンスターハンター・バロル ( No.3 )
日時: 2010/01/09 18:02
名前: アビス (ID: 7.60N42J)

番外編(ミカ・ミク)
          竜人の魂




—密林—

「きゃーーーー!助けてーーー!!!」

一人の女性がババコンガから必死に逃げている。
その先には一人の男性が座っていた。

「何やってんの、姉さん」

男はため息を吐きながら言う。

「あ、あれ退治して。早く」

女は男の後ろに隠れる。男は腰に刀をぶら下げていた。
長さは太刀と片手剣の間ぐらいだろうか。

ババコンガがすぐ目の前までくると男は塚に手を伸ばした。
そして次の瞬間

—ズパン!—

ババコンガを一瞬で切り裂いた。ババコンガはそのたった一撃で絶命してしまった。
男は刀を鞘に収める。

「まったく。一人でババコンガに近づくなんて」

「ごめんごめん。ババコンガの近くに珍しいキノコがなってたからさ。
取ろうとしたら起こしちゃって。ごめんね、ミク」

手を合わせて謝る女性はミカ。この二人は以前ソニックたちに武具を造った
竜人族の双子の姉弟だ。

二人は旅をしながら、いろんな所を回り素材を集めている。
弟のミクは抜刀術に長けている。その実力は見ての通りである。

「あ、ババコンガが持っているキノコってあれ・・・」

姉のミカがババコンガに近づく。その時ミクは空から不穏な気配を感じた。

「姉さん!下がって!!」

「え・・・」

—ズドン!—

空からモンスターが現れた。そのモンスターはなんとあの伝説の古龍、クシャルダオラだった。

「姉さん、にげ・・・」

ミクがそう言おうとした時はすでに遅かった。
ミカはすでにその場から逃げ切っていた。逃げ足の速さ、それがミカの能力だ。

クシャルは獲物を見つけると吼えて、連続でブレスを吐き出した。
ミクはそれをよけると、クシャルに突っ込む。

クシャルはそれを爪で引き裂こうとするが、上空に交わしがら空きの背に一撃入れる。
だが、

—ガキン!—

刃は届かず硬い外殻に阻まれる。ババコンガを一発で仕留めたミクの剣技もさすがに、
古龍の前では厳しかった。それでも、ミクは諦めずにいる。
その姿は完全にハンターそのものだった。

—ギャオウウウゥウゥゥ—

「!!!」

風が突然クシャルの方に向かって吹き始めた。
ミクは風に飛ばされクシャルに近づいてしまう。

何とか剣を地面に刺し止まる。クシャルの周りはまるで削岩機のように全てが
粉々に切り刻まれる。

「さすが、風翔龍と呼ばれるだけはあるんね。強風で自分に近づかせて
近づいてきたものは、カマイタチで切り刻むか」

ものすごい風だ。まるでクシャル自身が小さな台風のようだった。
こうやってじっとしているのも、正直つらい。だがいつまでもそうしているわけにもいかなかった。

クシャルがミクに向かってブレスを吐き出す。風で足止めし遠距離で攻撃する。
このクシャルは頭も相当賢いようだ。
ミクは逃げ遅れて、直撃をくらってしまう。

「ぐあ!」

なんとか致命傷は避けたが、もう2回も喰らえばさすがにやばい。
でも、あれほどの風の中、かつあのカマイタチでは近づきようがなかった。

唯一の賭けはあるんはあるが、危なすぎる。
だが、そんな悠長なことは言ってられない。この風でどんどん体力は減っていく。
何かにしがみついている力も除々に失われていく。

ミクは決心がつくとしがみ付いていた地を離し、クシャルの真正面から
一直線に突き進む。

クシャルはそれを待ってましたと言わんばかりにブレスを吐く。
だがミクはそれを避けようともせずに直撃を喰らい、歯を食いしばりながらさらに前進する。

その先に待っていたのはカマイタチの渦だが、それも真っ直ぐに突っ込む。
体中が引き裂かれるが、それでもミクは塚を強く握り締めた。そして、

「葬刃(そうじん)!!」

渾身の一振りは見事にクシャルの頭を捉える。刀は頭を通り、背の半分の辺りまで切り裂く。
そこまでいくと刀は耐え切れず折れてしまった。
だがクシャルは体の半分は裂かれてしまったので、倒れたまま動かない。

するとどこに隠れていたのか、ミカがテクテクと走ってきた。

「きゃー!これってやっぱり『仙薬万寿ダケ』だよ。ずっと探して素材の一つを見つけたー」

ミカは大喜びだ。

(重症の僕よりも、探してた素材の方か・・・まあ、姉さんらしいていえばらしいや)

ミクが心でそんなこと思っていると

「ねえ、ねえ。やったね、ミク・・・」

それまで喜んでいたミカの顔が表裏一変した。

「ミク、すごい怪我じゃない!!ちょ・・待ってて。今すぐ薬作るから」

そう言うと、持っていたポーチから出るわ出るわ、いろんな物が出て来て
それを使って何やら調合し始めた。

どうやら、ただ単に気がついていなかったらしい。ものすごい勢いで作っていく。
そこになんと、先ほど取った仙薬万寿ダケも加える。

「ちょ・・姉さん!それは僕たちが探していた素材の・・・」

「そんなの後で時間をかければ見つけられる。でも、あたなは私の唯一の弟だから。
あとでいくら探したって見つからない。だから・・・」

そこまで言うと喋るのをやめたが、ミクには十分だった。
体は重症なのに、笑みがこぼれる。

〜数分後〜

「出来た。名づけて『仙天の秘薬』。飲んでみて」

ミクは渡された仙天の秘薬を一気に飲み干した。
するとどうだ。体の痛みが消え傷もどんどん消えていった。

「・・すごい。いにしえの秘薬とは比べ物にならないよ。
でも、いいの?仙薬・・」

そこまで言うとミカがミクの口をふさいだ。

「さっきも言ったでしょ。それは探せばいいって」

と、笑顔で言う。すると、クシャルの方を見ると駆け寄る。

「どうしたの?」

ミカはナイフでクシャルの体を探る。すると手を突っ込むとそこから
白く光る不思議な鉱石のようなものを拾い上げた。

「それは?」

ミクがそれを覘くように見る。不思議と飲み込まれるような感覚になる。

「わからない。でもすごい力を感じる。これは一度里に戻って
長に聞いてみたほうがいいかもしれないね」

そう言って、自分のバックに入れる。
これが、なんであるのか。それを知るのは後の話しである

Re: モンスターハンター・バロル ( No.4 )
日時: 2010/01/10 14:54
名前: アビス (ID: 7.60N42J)

35話
   奏で者・クルト





「こんにちは、旅の皆さん」

男は静かな物腰で言った。

「私の名前はディー・クルト。見ての通りハンターをやっています」

と、クルトは自己紹介をしたがハンターには見えない。
防具はしていなくて、ただの服を着ているだけ。
ソニックと同じタイプの物かもしれないが、肝心の武器は見当たらなかった。

「あの、今どうやってイャンクックを?」

サラが尋ねると、クルトはすっと右手を差し出した。
その手には細長い棒に幾つもの穴が開いた物が握られていた。

「これは魔笛(まてき)と呼ばれる、狩猟笛を改良して、
縮小し、『音』を操ることができるようになった武器です」

「音を操る?」

「はい。今竜人族では形なきものを操る武器の開発に成功しています。
まだまだ量産できない品物で見るのは初めてだと思いますけど」

「そんな大層な武器をなんであんたが持ってんだ?」

ソニックは少し突っかかる言い方でいう。それでもクルトは穏やかな口調で

「私は竜人族の里出身ですから、故郷を出るときに頂いたのです」

「竜人族の里出身って、あんた竜人族じゃあ・・ないよな?」

ソニックはクルトを見るが、竜人族には見えない。

「里の出身というだけで、私はれっきとした人間ですよ。
私は捨てられていたところを竜人族の人に拾ってもらったんですよ。
私を育ててくれた人、里。だからそこが私の生まれ故郷です」

そう言うと、クルトは武器をしまい体の向きを変えた。

「それでは、私はこれで失礼します。縁があればまた」

クルトはどこかに行ってしまった後、ミルナがはっとした顔で

「私たち、名乗るの忘れちゃった」

と、つぶやいた。


〜目的の村〜

「あなたたちですか、依頼を請けてくださった方々は?」

村の村長らしき人物が出迎えてくれた。

「はい。それでさっそくですが、ウィルテリアスについて教えてくれませんか」

ミルナがさっそく本題に入る。

「はい。ウィルテリアスはこの近くにある砂漠に居座っています。
討伐に向かったこの村屈強のハンターもやられてしまって。
もうわしらにはどうすることも出来んのです」

「そのウィルテリアスっていうのはそんなに強いのか?」

ソニックがそう言うと、村長は首を横に振った。

「正直なところわかりません。討伐に行ったハンターも調査に行った者も
誰一人帰ってきていないのです」

「誰一人って・・・」

サラが言葉を震わす。

「わかった。そんじゃあその砂漠までの道のりを教えてくれないか」

「ここから、乗り物で2時間のところです。乗り手の者はすでに呼んでいます。
こちらへどうぞ」

村長に案内された先には、一人の男が立っていた。

「おや?」

男はことらに気がつくと駆け寄ってきた。

「これはこれは、何時ぞやの人たちではありませんか」

「クルトさん!?」

ミルナはクルトの登場に驚いたが、ソニックは別な事に驚いていた。
それは乗り物についてだが、普通人を運ぶのはアプケロスなどの
草食種なのだが、彼の乗り物はなんと伝説の幻獣、キリンだった。

まさに、馬車だ・・・。
ソニックがキリンを見ているとキリンがこっちを向いた。

『なんだ人間。そんなに私が珍しいか?』

語りかけてきた。そても澄んだ声だった。

「ったりめーだろ。古龍が人間に飼いならされているなんて話。
聞いて事もないぞ」

ソニックの言葉にキリンは少し驚いた様子で

『驚いたな。人間なのに私の声が聞こえるなんて主だけだと思ったが』

「え?」

ソニックが振り返る。クルトはこちらを見てにっこりと笑った。

「それでは村長。行ってまいります」

クルトは軽く頭を下げた。


—道中—

「お前、モンスターの言葉がわかるって本当か?」

キリンにひかれ揺れる馬車の屋根の上にいたソニックが声をかけた。

「・・・いったい誰がどのようなことを?」

『私だ、主』

走るキリンがいう。

「あなたですか、ソルト。ということは、あなたも声が聞こえるのですね」

「まあな。自己紹介がまだだったな。俺はソニック」

「私はミルナです」

「サラって言います」

ソニックに続いてミルナとサラもいう。

「あらためてよろしくお願いしますね、皆さん」


しばらくすると、辺りの景色が変わり拠点が見えてきた。

「見えてきましたよ、皆さん。あれが目的地ですよ」

「どれどれ・・・」

ソニックが体を起こして砂漠のほうを見る。すると突然血相を変えて

「止まれ!!クルト!!!」

ソニックの突然の声にクルトは綱を引っ張りソルトを急停止させた。

「もう・・なんなの、ソニック!?」

ミルナが頭をおさえながら顔を出す。どうやら今の急ブレーキでぶつかったらしい。
ソニックはあたりを見渡し、もう一度砂漠のほうをみる。

「なんかが舞ってる」

そうつぶやいた。ミルナも辺りを見るがなにも見えない。
見えるとしたら砂漠のほうから舞っている、小さな砂だけだ。

「砂ぐらいしか舞ってないけど」

『いや、確かに砂以外の何かが紛れている。これは・・菌?』

ソルトが鼻を嗅ぎながらいう。

『これは、モンスターが持つ菌の一種だ。この程度の量なら平気だが
大量に吸い込めば危険だ。だが、一体なぜこんなにも増殖を』

ソルトはもう砂漠のほうを見る。

『砂漠の方から飛んできている』

「ウィルテリアスが菌を飛散させているという事ですかね。
皆さん、これを」

そう行ってクルトはみんなにマスクを渡した。

「防菌性のあるマスクです。これである程度は大丈夫だと思いますよ」

「ウィルテリアスが菌を飛ばしているのは本当なのか?」

ソニックがマスクを付けながら言う。

「ソルトはそういう危険なことには鼻がよく効きます。信じていいですよ」

クルトはそう言いながら、目的の拠点にソルトを走らせた。

Re: モンスターハンター・バロル ( No.5 )
日時: 2010/01/12 09:59
名前: 秋空 (ID: OK7TThtZ)

菌を操るモンスターにクルトさんに麒麟...
何だか物語が一気に進んだというか新しい設定が一気に出てきた感じですね^^
さて,クルトさんの実力のほども次回くらいで分りますかね…


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