二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- モンスターハンター・バロル 完結!!
- 日時: 2010/11/27 21:56
- 名前: アビス (ID: U3CBWc3a)
無事完結しました!!今まで見たくださった皆さんありがとうございます。
その他掲載小説
・フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜
・封魔士軍団—アボロナ(コメディ・ライト)
人物紹介
ソニック 17歳 男・・
身体的特徴・170cm・65キロ・赤黒の髪(ミディアム)・前髪を残し後ろになびかせている感じの髪型
超がつくほど新米のハンターだが、天賦のセンスと並み外れた力で、
大剣を片手で軽々と振り回せる。
そのレベルはすでに並みのハンターよりずっと上。
仲間思いで誰に対しても余裕の態度を示す。
そのせいで、揉め事を起こしてしまう事もしばしば・・・
夢は未だかつてない、最強のハンターになること。
ミルナ 18歳 女・・
身体的特徴・165cm・53キロ・綺麗な黒髪(セミロング)・前髪の横を残したツインテール
片手剣が主体だが弓の扱いも超1流の腕前。
片手剣の形が変形し弓のようにもなる。
誰にでも明るく振舞い元気な性格。面倒見もよい(よいうか世話好き)
スターク 20歳 男・・
身体的特徴・180cm・75キロ・青髪(ショートよりのミディアム)・ウルフ
太刀を二つ持ち双剣の様に扱う。それに加え、
両足にも刀を仕込んであり、4本の刀で敵を狩る。
性格は口が悪く、短気。だが、曲がったことをする事が大嫌い。
始めてあった時のソニックの堂々とした態度を気に入り、よく絡んでいた。
サラ 15歳 女 ・・
身体的特徴・153cm・46キロ・赤が少し入った茶髪(ロング)・ストレート(前髪も分けて首の辺りまである)
自ら武器を改良してライト・ボウガンの威力を保たせたまま小型化に成功した。
それを『銃』と名づけ、それを両手に持ち戦う。今でいう2丁拳銃のスタイル。
性格は優しいが弱気。知らない人に話しかけられたり、怒鳴られたりすると
直ぐにうつむいてもじもじしてしまい、言いたい事いえなくなってしまう。
だが、ソニックたちと出会い少しずつそれがなくなってくる。
シルバ 31歳 男・・
身体的特徴・185cm・82キロ・銀髪(シルバだけにw)ショート・ツンツン
主な武器を持たず、投げナイフで数々のモンスターを
狩猟してきた凄腕ベテランハンター。
普段は無口だが、狩りになると普通に喋りだす。
両目は以前のモンスターとの戦いで失い、今は僅かな音や気配
空気の流れをよんで生活をしている。
クルト 24歳 男・・
身体的特徴・190cm・70キロ・緑髪(ロング)・ストレート
竜人族の最新技術の笛を武器に音を操って戦う旅人。ハンターじゃない。
だが実力はかなりのもので、ソニックたちと比べても何の遜色もない。
丁寧な物腰、口調で常に笑顔を絶やさないが、過去に親に捨てられた辛い出来事がある。
その時竜人族に拾われ、里で育てられる。彼も竜人族の里を故郷と言っている。
1話>>26 2話>>27 3話>>28 4話>>29 5話>>30
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51話>>119 52話>>124 53話>>127
エピローグ>>134
モンスターリスト>>25
番編(シルバ)1話・2話>>2
番外編(ミカ・ミク)>>3
質問コーナー 参>>67 四>>69
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- Re: モンスターハンター・バロル 39話更新 ( No.41 )
- 日時: 2010/02/15 18:43
- 名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
15話
火山地帯の深紅のモンスター
火山地帯
マグマの熱により、辺りの温度が異常に高い、危険な狩猟区域。
しかし、火山から、とれる鉱石はハンターにとって重宝されるものも多く、
極稀に、太古の技術によってつくられた、未知なる武器が発掘されることがある。
ソニックたちは、いま拠点としているギルドの女性から、グラビモス亜種の狩猟に
行ったハンター、シルバの捜索を請けて、この火山地帯に足を運んでいた。
「うわ!火山からこんなにも遠いのに、熱気を感じる」
初めての火山地帯に軽くテンションが上がり気味のソニック。
「とりあえず、拠点に行きましょう。そこで、支給品を貰わなきゃ」
「ないと、おもうけどな・・・」
スタークがぽつりと言った。
こうして、拠点に向かったミルナたちは、早速支給品ボックスを確かめた。
しかし、そこは、全部、空だった。
「ほらな」
スタークがいう。
「そう、みたいね。それに、シルバはここにはいないってことは、この洞窟のなかに
いるってこと。早く探さなきゃ」
ミルナの言葉に2人も行こうとした時、スタークが足を止めた。
「どうした?」
ソニックが尋ねる。
「足音が聞こえる。あっちからだ」
スタークがそういい、今自分たちが行こうとした方を見る。
するとそこから、人影が見えた。その姿は・・・
「シルバ!!」
ミルナが声をあげる。
その声に気づいたのか、ボロボロの体で顔をあげ、
「お・・おまえたち。なぜここに・・・」
—ドサ!—
いい終わるか、そうでないかという所で、倒れてしまった。
彼を慎重にベットに運んだ。傷を見るとそれはとても酷いものだった。
背中の方は、完全に防具が焼けてしまって、皮膚は全身から血が噴き出し
たかのように、赤くなっている。
「ここまで、酷いんじゃ、応急処置もままならない」
ミルナが悲痛に叫ぶ。
その時スタークがミルナの前にでた。
「お前、相当の腕前らしいが、その様かよ。なさけねえ」
「スターク!」
スタークの言葉にミルナが叫ぶ。
しかし、スタークは無視して。
「何があった?はなせ」
「シルバは、話せるような状況じゃ・・・」
ミルナは止めようととしたが、
「かまわない、だが、喋るのもきついのも、事実だ。簡単にいうぞ」
シルバが苦しげにそういった。
「ああ」
「グラビモス亜種と戦っていた。もう少しで、
倒せるというところで、やつの体に異変が起きた。
私はその状況に目が釘付けになってしまって、後ろの敵に気がつけなかった」
シルバはそこまで話すと、苦しそうに唸った。
「後ろの敵ってなんだ?」
「バサルモスだ。気がついたときにはもう遅かった、
私はバサルモスの熱線を直に受けてしまった。それが、このざまだ」
話し終わった後、シルバは失笑した。
すると、スタークはどこかに行こうとした。
「スターク?どこいくの?」
「どこって決まってるだろ。クエストだよ。
俺たちは、一応このクエストを受注してるんだぜ。請けたクエストは必ず成功させる。
それが、俺のプライドだ」
スタークの言葉にミルナは呆れてため息をついたが、自分も狩りの準備をした。
「はあ。まあ、その異変を起したグラビモスってのを調べないといけないし。
いこう。そういえば、ソニックは?」
さっきから、姿が見えなかった。ソニックはミルナの近くでしゃがみこみ、耳を押さえ、
苦痛な顔を浮かべていた。
「ソニック?どうしたの」
「向こうの方から、なんだろう。ものすごい嫌な声が聞こえる。
悲鳴なんかよりもずっと辛くて苦しそうな声が、ずっと」
そういって、ソニックは火山のほうを指さした。
「その、異変を起したグラビモスのかもな。
とりあえずとっとと行くぞ」
スタークそういい、先に行ってしまった。
「ソニック、立てる?」
ミルナはソニック気遣いいう。
「ああ。大丈夫。いこうぜ」
こうして、三人は中に入っていった。
〜火山地帯中心部〜
—バキバキ!ボキ!—
「おい。なんか変な音しねえか?」
ソニック汗を拭きながらいう。
「しねえか?じゃなくて、普通にしてるだろ」
スタークがいう。
「たぶん、グラビモスだろうな」
「わかるの?」
ミルナがいう。
「ああ。さっきの声が強く聞こえるからな。ま、本当に声の主がグラビモスならだけどな」
しかし、その予想は的中することとなる。
3人が音の元へ行くと、そこにはグラビモスがいた。
しかし、シルバのいうような異変はなく、普通だった。
そして、この妙な音の正体は、食事であった。グラビモスがバサルモスを食べる音。
「おい。バサルモス食べてるぞ。あいつ・・・、何味だ?」
「岩の味がすんじゃねえのか」
「そうか。グラビモスは岩の味が好きなんだな」
「俺が知るかよ」
「ちょっと!そんなのんきな事言ってる場合じゃないでしょ!」
ソニックたちがそうこうしている内に、グラビモスは食事を終え、こちらを向いていた。
しかし、シルバの言う通り異変があった。近くで見るとグラビモスの体はいたる所に
ヒビが入っており、今にも殻がとれてしまいそうであった。
まるで、脱皮する直前のさなぎのような・・・
—ピキッ!ピキピキ!—
なんともぞっとしない音をたて、グラビモスの黒い殻が剥がれていった。
そして、完全に殻を剥いだグラビモスは、もう別の生き物であった。
血のような深紅の殻を鎧のように纏い、太かった尻尾は薄くなり、刃のように
研ぎ澄まされていた。
大きさも、前よりは少し小さくなったが、3人の目には完全にこちらのほうが
戦闘向き体に変貌したと確信した。
この時、ソニックは、ここに入るときに感じた声が、より一層、
強くなったことに気づいた。
- Re: モンスターハンター・バロル 39話更新 ( No.42 )
- 日時: 2010/02/15 18:44
- 名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
16話
絶対絶命
深紅のモンスターはこちらを睨んで、唸っている。
今にも、飛び掛ってきそうな、感じだ。
「ありゃ、もう完全に別な生き物だな」
スタークが太刀を構えながらいった。
「そうね。強さはおそらくグラビモスより上でしょうしね」
ミルナがいった。
「強さなんて関係ねえよ。わかってるのは、今こいつをここで倒しておかないと、
俺たちがあいつの餌になるだけってこと」
「たしかにな」
ソニックの言葉にスタークが答えた。
—グゥオオオオオン!!—
「おっと。敵さんはもう待ちきれないようだな」
スタークの言葉の通り、目の前にいる敵は姿勢を低くして、
こちらに突進しようとしていた。
そして、前かがみの姿勢から突進に変わった瞬間、3人は驚愕した。
いくらグラビモスの巨体から一回り小さくなったといえど、
それでも、まだかなりの大きさがある。
それなのに、そのスピードは格段に上がっていたのだ。
「うわあ!」
「きゃあ!」
「ぐっ!」
何とか3人とも直撃はさけられたが、吹っ飛んでしまった。
「くっそ!はっ」
いち早く起きたスタークが敵の状況を見る。
敵は、突進の勢いで壁に頭がめり込んで抜け出せないでいた。
スタークはチャンスとばかりに、敵に突っ込む。
しかし、頭が壁にあるのだが、尻尾はスタークのほうにあった。
スタークが尻尾の届く範囲に入ると、後ろに目でもあるのか、
すぐさま、刃のような尻尾をスターク目掛けて攻撃してきた。
スタークはそれを、難なくかわした。だが、攻撃された右側に集中したせいで、
すぐ左に爆弾岩があるのに、わずかに遅れた。
敵の攻撃でこれが爆発すれば、いくらスタークでも無事ではすまない。
(くそ!!)
覚悟を決めたスタークだったが、
—スパッ—
「らぁぁ!」
敵の攻撃が中央にいっている間に、ソニックは空いた右足に攻撃を仕掛けていた。
「魔紅閃!」
敵の足元に赤い線が走る。が、しかし、敵の足には傷はおろか、ヒビ一つはいっていなかった。
すぐさま距離をとったソニックは、同じく引いていたスタークの横に並ぶ。
「奴の体、お前の大剣でも傷もつかねえか。体を覆う甲殻は鉄異常の硬さ。
それに加えて尾の切れ味は、あの通りだしな」
ソニックがスタークが見るほうを見るとそこには、真っ二つになった爆弾岩があった。
「あれは、あいつが?」
ソニックが尋ねる。
「ああ、あんなもん喰らったら、一発で鎧ごと体が二つにわかれるな」
「弓も効きそうにないね。剣もだめ。弓もだめ。有効な手立てがないね。
どうすんの?」
遠くで弓を構えていたミルナがやって来て、いった。
—ボコオオン!—
「チィ!考える時間も、くれねえってか!?」
壁からでてきた敵にむかって、スタークが吐きつけた。
すると、敵が今度は、息を大きく吸い始めた。
そして、吐き出した時に、出てきたものは、リオレウスのような、ブレスだった。
3人はそれを、何とかかわした。みると、先ほどまで自分たちがいたところが
マグマのような、ドロドロとした地面に変わっていた。
「どうやら、あの攻撃はかすっても一発ケーオーみたいだな」
ソニックが苦笑しながらいった。
「こんな、モンスターが存在するなんて」
ミルナが辛そうにいう。
敵は、先ほどと同じように息を吸い始めた。
そして、ブレス攻撃をした。しかし、その攻撃の方向は
ソニックたちではなく、上のほうだった。
ブレスは天井に当たり、それによって溶けた岩石と、飛び散ったブレスの被弾が、
3人を襲った。
「うわ!まるで、小さな隕石みてえだ!」
ソニックが避けながらいう。
「言うなれば、メテオ・ブレスってか。笑えねぇ・・」
「あっつ!」
ミルナの悲痛な声が聞こえた。
ミルナの左肩をみると、鎧が溶け、皮膚が焼けていた。
「ミルナ!」
ソニックが叫ぶ。しかし、ミルナはつらそうな顔で、笑いながら
「大丈夫・・ちょっとかすっただけだから」
「ソニック!!危ねえ!!前をみろ!!!」
スタークが根限りに叫ぶ。
ソニックが前を見ると、目の前には敵の姿があった。
すでに敵は体を回転させ、鋭い尻尾で獲物を引き裂こうとしていた。
「「ソニック!!!」」
スタークと、ミルナが叫ぶがもう無駄だった。
敵の攻撃はもう、ソニックと目と鼻の先ほどまでに迫っていた。
それにもかかわらず、ソニックはあまりの出来事に、大剣でガードすることさえも
しないで、攻撃をくらうのを待っていただけだから。
- Re: モンスターハンター・バロル 39話更新 ( No.43 )
- 日時: 2010/02/15 18:44
- 名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
17話
光の向こうに見えるものは
—ガッ!ギャギャ!—
何が起こったのだろう。ほんの1秒前は敵はソニックの命を
とろうとしていた筈なのに、今は体を痙攣させ、動かないでいる。
しかし、それでもその微妙な動きでも、尻尾はソニックの首下にあるので
少し切れていた。
ソニックは何も考えられないでいた。しかし、それでも頭に強く響く声があった。
<何をしている。速くその場から離れろ。まきこまれたくなければな>
なぞの声に導かれるように、ソニックは即座にひいた。その瞬間
—ピシャン!!ズドン!—
敵の頭上が光ったかと、思えばその光が敵を包んだ。
—ギャ・・・—
敵は悲鳴すら上げられないまま、なす術なしにその攻撃を受けてしまった。
数秒の後、大きく、紅いモンスターは息絶えた。
「あ・・危ねえな。あと、0,1秒遅かったらお前も一緒にああなってたぞ!!」
スタークが今起きた、現状にそういうしかなかった。
しかし、ソニックの意識は全然違うところにいっていた。
目線が行く先は、遠くの白い発光体。
姿は、馬のような形、頭からは角、そして背中からは翼が生えていた。
まるで、閃光玉のように光っていたが、なぜだがはっきりとその姿が見えた。
その生物はこちらを少し見ると、また、頭に声が響いてきた。
<お前の仲間2人の潜在能力を少し開放してやった。これで貴様の足手まといには
ならずにすむだろう>
その声の主があいつだと分かり、こちらも語りかける
『どういう意味だ。この二人は俺なんかよりもずっと実力は上だ。むしろ、おれが足手まといに
なっているんだぞ』
こちらがそう答えると、体の発光がすこし、小さくなり
<・・・そうか、おまえはまだ根源の欠片が覚醒していないのか。それではまだ、
ただの人間に過ぎないな。ただ、力の使い方を分かっていないくて
これほどの力を・・・>
『一人で何ぶつぶつ言ってやがる。お前は、モンスターなのか!?
なぜ、俺たちを助けた!?お前はいったい何者だ!?』
ソニックがそういうと、相手の体の光が強くなっていった。
<我はこの世界で、眠り続けていた平和の根源。ベリウス>
光がどんどん、強くなっていって、すでに目が開けられないほどだった。
<憎悪の根源の暴走を止めるため、そのすべてを打ち砕く。
貴様も、気をつけておれよ。己の根源の欠片、暴走すれば
己だけでなく、愛しい人まで傷つけることになる。そうなれば、
我も貴様を消すことになる>
そして、辺りは強い光で覆われてしまった。
・・・・
・・・
・・
・
「いい加減に、目を覚ましやがれ!!」
—ズゴン!—
ものすごい音とともに、頭に衝撃がはいる。
「いって。あ・・あれ?」
辺りを見渡す。場所は今までいた場所だが、あの不思議な生き物の姿はない。
「今のは、夢・・・?」
ソニックがそう呟くと、両方のほっぺを思いっきりつねられた。
「なにが、夢だ!このボケ!」
「い!いててててて!ちょっ、やめろって!」
スタークの攻撃を必死に止めさせるソニック。
「はあ。なあ、変な光る生き物いなかったか?」
「まだ、寝ぼけてるのか。だったら・・・」
スタークがまた、殴る素振りを見せる。
「ちょっ。タンマ。別に寝ぼけていない」
ソニックが必死に言う。
「ソニック、あなた変な光があの化け物を倒した後、気を失ったのよ」
ミルナが優しくいう。
「気を・・・失ってた?」
おかしい。自分の記憶が途切れた感じもないし、なによりさっきまでの、
あの光景。とても夢とは思えなかった。それじゃあ、いったいなぜ・・・
ソニックが物思いにふけっていると
「しっかし、こいつは一発で倒しちまうとはな。でも、いったいだれが、こんな芸当を」
スタークがいった。
「とりあえず、シルバも心配だから、こいつの体の一部を持っていきましょう」
ミルナが大きく息を吐いていった。
〜ギルド〜
「おつかれさん。無事ってわけじゃないけど、シルバを連れてきてくれてありがとうね」
女性が言った。
「まあ、それが私たちの任務だったし。それよりも、話しておきたいことが・・・」
ミルナは今回あった事を話した。グラビモスに起きた異変。それにより
生まれた新しいモンスター。その強さを。
「それは、また」
話しを聞いた女性が、言葉が出ないといた感じで言った。
「それで、一応そいつの体の一部を持ってきたから、ギルドで調べてくれるように
頼んでもらえないかな?」
ミルナのお願いに、女性は
「ああ、いいともさ」
と、明るく言った。
後日の調べによって、持ち帰った情報だけでは、ほとんどのことは、分からなかった。
しかし、その、あまりにもの強さから、ギルドでは、正式な危険モンスターとして、
俊鎧龍(しゅんがいりゅう)・イビルモス、と言う名前で
リストに乗せることになった。
- Re: モンスターハンター・バロル 39話更新 ( No.44 )
- 日時: 2010/02/15 18:46
- 名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
18話
気持ちの変化〜前編〜
「おい、ミルナ」
ソニックが診療所を訪れた。
そこには、ミルナが医師に、左肩を見せていた。
「ソニック。どうしたの?」
ミルナが不思議そうに聞く。
ソニックは、軽くため息をついて
「心配してきたんだよ。左肩、大丈夫なのか?」
イビルモスとの戦いから、数日後。攻撃を受けた左肩が良くならないので、
ミルナは、医師に見せに行っていた。
「心配してくれて、ありがとう」
ソニックの言葉にミルナが笑顔でいう。
ソニックは少し照れながら、微笑む。
すると、医師の人が
「うむ。モンスターのブレスを受けた時の熱が、神経を少し損傷している。
しばらくは、動かさないほうがいい。無理して動かせば、もっと悪くなって、
最悪、左腕が使えなくなってしまうから」
と、いった。
「わかりました。ありがとうございました、先生」
ミルナは頭をペコリと下げそういった。
そして、
「いこう、ソニック」
「ああ」
〜村の通り〜
「ねえ、ソニック。ひとつ、聞いてもいい?」
歩いていた、ミルナが突然いった。
「なんだ?」
「今回のモンスター。イビルモスだっけ。強かったよね」
「そりゃあな。あんな化け物・・」
「自分よりもずっと、強くて。死んじゃうかもって・・思った?」
言葉を少し重く言った。
「それは思ったが。どういう、意味だ?」
ミルナがいっている意味は分かる。でも、ソニックがいった『意味』は、
ミルナが言葉に乗せた、『想い』について。
「私もさ、ハンターやってて、自分よりも強いモンスターと戦うことなんて、
しょっちゅうだったけど、死んじゃうかもなんて思ったこと何てなかったんだよね」
「さすが、大した度胸だな」
ソニックがそういったら、ミルナは首を振って
「そんなんじゃないよ。前に言ったよね。一流のハンターを目指してるって。だから、そのためになら、
どんな、強いモンスターでも、命だって簡単にかけられたし、死ぬのなんて全然怖くなかった」
「おい。それはまちがっ・・・」
「うん。まちがってたよね」
ソニックが言おうとしたことが、分かっていたかのように、言葉をとめた。
「一流のハンターと呼ばれる人たちが、なんでどんなモンスター相手にも、勇敢に立ち向かえるのか。
それは、恐怖を恐れず、命を懸けてモンスターに向かっていってたからだと、思ってた。
でも最近は、恐怖を受け止め、命を守るために、命を懸けてるんじゃないかって、
そう思うようになった。
あのモンスターと戦っている時、初めて何も考えないで、『生きたい』って思えた。
この心の変化が、正しいのかは分からないけど・・・」
「正しいに決まってんだろ」
「え?」
ミルナが分からない事を、ソニックははっきりといった。
「一流のハンターがどうかなんてわかんないけど、ミルナは目的のためになら、
死んでもいいって思ってた。でも、今は、目的のために生きたいって
思えてんだろ。
そんなもん、正しいことに決まってんじゃねえか。
死んで叶って嬉しい夢なんてないんだからよ」
ソニックが当り前のようにいう。
そんな、ソニックの姿をみて、ミルナはくすっと笑い。
「そうだよね。ソニックって、簡単だけど難しいことを、簡単にいうよね。」
ミルナの言葉にソニックは
「なに、わけのわかんねえこといってんだ?」
と、いった。そんなソニックをみて、ミルナはまた笑い
「でも、誰もが持っていることだけど、難しい事には、ちょっと鈍感だよね」
といった。
「???。まあ、いいや。それより、最近スタークの姿が見えないけど、知ってるか?」
ソニックん問いにミルナは少し顔をにぶらせ
「わかんない。けど、ここんとこずっと、一人でクエストにいってるみたいだよ」
「なにやってんだ?あいつ・・・」
ソニックはそういい、遠くの空を眺めた。
- Re: モンスターハンター・バロル 39話更新 ( No.45 )
- 日時: 2010/02/15 18:47
- 名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
18話
気持ちの変化〜後編〜
〜砂漠地帯〜
「ふ〜」
スタークは洞窟と砂漠の間で、敵を待ちながら休憩していた。
「これが、最後の応急薬か」
スタークはそう呟き、いっきに飲み干した。
それから、しばらくした時、砂漠が大きく揺れた。
「きたか」
スタークは砂漠に向けて走った。
ーボオン!ー
砂の海から出てきたのは、砂漠の暴君と呼ばれる『ディアブロス』の亜種だった。
だが、角の片方は折れ、尻尾も切断されていた。
ディアブロスはスタークを見つけるなり、吼えて突進してきた。
スタークはそれをかわすと、脚に3撃いれた。
しかし、それでもひるまず、ディアブロスは切れた尻尾の残りで
スタークに攻撃した。
「ぐ!」
太刀でなんとか、直撃は防いだが、太刀はもともと、攻撃を防ぐようにはできていない。
スタークは衝撃で、吹っ飛んで砂の地面にたたき付けられた。
ディアブロスは追い討ちをかける様に、また突進をした。
スタークなら、十分によけられる距離だった。
しかし、スタークは避けずにあえて突進をくらった。
「がは!」
角には刺さらなかったものの、その重量からくる攻撃に体が悲鳴を上げる。
それでも、スタークは、ディアブロスの頭から離れなかった。
そのわけは・・・
「うおおおおおお!」
スタークが吠え、腕に持つ太刀2本と、脚に付いている刀2本が、赤い光を巻き上げた。
「気刃乱舞!」
ディアブロスの頭が斬撃の嵐でうもれる。
ーグァァ!ー
ディアブロスが、倒れる。これでクエストは無事に完了。だが、
「はあ、はぁ・・・」
ードサッー
スタークも力尽き倒れこんでしまった。
ーキャンプー
「ん。ここは・・・」
スタークが目を覚ましたときは、そこは砂漠の上ではなく、キャンプのベットの上。
スタークが不思議がっていると、男の声がした。
「もう、目を覚ましたか。二日は寝ると思ったが・・・」
「シルバ!」
スタークが叫び、ガバっと起きる。だが、全身に激痛が走り、またベットに倒れこんだ。
「なんで、てめーがここに・・・」
痛みに耐えながら、いった。
「彼女に頼まれた。最近、お前は無茶をしていると、聞いてな」
シルバは冷静に答えた。
「けっ。誰も無茶なんてしてねえよ」
スタークがそういうと、シルバが、スタークを見て
「ここ数日、寝ずにクエストにいってるそうだな。
ドドブランゴ・イャンクック・ショウグンギザミ・リオレウス。
そして、ディアブロス。しかも、ほとんど手ぶらでの狩り。
たいした体力・精神力だ」
「そいつは、ありがとうよ」
スタークの言葉にシルバはスタークを睨みつけ。
「だが、こんな命を捨てるような狩りをして、お前はどうするつもりだ?」
「俺の勝手だ。おめーには、関係のねえことだ」
「イビルモスに負けたことがそんなにもショックか?」
シルバの言葉に、スタークが睨む。
「もう一度いうぜ。てめーには関係のねえことだ」
シルバはスタークから放たれる、静かな殺気に気づきながらも、続けた。
「請けたクエストは必ず成功させる。それが、おまえのプライドだったな。
今までは、クエストを全て成功させてきた」
「だまれよ・・・」
「だが、初めてのクエスト失敗。しかも、相手に自分は傷一つも付けられなかった。
失いかけている自信と誇りを取り戻すために、こんな無茶なことをしているんだろう。
だが、そんなことをしていれば・・・」
「だまれってんだ!」
スタークは体の痛みを、無視してシルバにつかみかかり、その顔面を思いっきり殴った。
その勢いで、サングラスが飛んだ。
「!!!」
スタークが驚愕する。拳の痛みなど、忘れてしまっていた。
シルバのサングラスの下に隠れていた目が、はっきりと見えた。
そこは、空洞だった。
「おまえ、目が・・・」
シルバは軽く鼻で笑い
「昔の狩りで失ってしまった。原因は、お前のように無茶に敵に突っ込み、返り討ちにあったからだ」
シルバは一呼吸置くと、
「私もあのころは、お前のように自身を持っていた。自分が負けるはずがないと。だが、世界は広い。
自分の知らないこと、自分より強いやつなんて、たくさんいる。
スターク。お前が私のようになるには、あまりにももったいない。お前はいままで
勝つ喜びしか知らなかった。だが、今は負けた悔しさも知った。
自分の知らないことは、相手から教えてもらえ。仲間だったり、他のハンター達だったり、
時にはモンスターから学ぶことだってある。
お前に今必要なのは、力ではなく、知ったことを自分が正しいと思ったことに生かすことだ。
知ったことが自分にとって、不快なことだったとしても、それを受け入れろ。
そうすれば、お前は今よりもずっと強くなれる。
例え、前と力が同じでもな」
「・・・・」
若干の沈黙そのあと、スタークは鼻笑い
「説教とは、面倒くせえ奴だな。まあ、先に生きるものの助言として、受け入れてやるよ。
そんな風には、なりたくないんでな」
「ふ。いってくれる」
そのあと、しばらく、2人の笑い声が絶えなかった。
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