二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- モンスターハンター・バロル 完結!!
- 日時: 2010/11/27 21:56
- 名前: アビス (ID: U3CBWc3a)
無事完結しました!!今まで見たくださった皆さんありがとうございます。
その他掲載小説
・フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜
・封魔士軍団—アボロナ(コメディ・ライト)
人物紹介
ソニック 17歳 男・・
身体的特徴・170cm・65キロ・赤黒の髪(ミディアム)・前髪を残し後ろになびかせている感じの髪型
超がつくほど新米のハンターだが、天賦のセンスと並み外れた力で、
大剣を片手で軽々と振り回せる。
そのレベルはすでに並みのハンターよりずっと上。
仲間思いで誰に対しても余裕の態度を示す。
そのせいで、揉め事を起こしてしまう事もしばしば・・・
夢は未だかつてない、最強のハンターになること。
ミルナ 18歳 女・・
身体的特徴・165cm・53キロ・綺麗な黒髪(セミロング)・前髪の横を残したツインテール
片手剣が主体だが弓の扱いも超1流の腕前。
片手剣の形が変形し弓のようにもなる。
誰にでも明るく振舞い元気な性格。面倒見もよい(よいうか世話好き)
スターク 20歳 男・・
身体的特徴・180cm・75キロ・青髪(ショートよりのミディアム)・ウルフ
太刀を二つ持ち双剣の様に扱う。それに加え、
両足にも刀を仕込んであり、4本の刀で敵を狩る。
性格は口が悪く、短気。だが、曲がったことをする事が大嫌い。
始めてあった時のソニックの堂々とした態度を気に入り、よく絡んでいた。
サラ 15歳 女 ・・
身体的特徴・153cm・46キロ・赤が少し入った茶髪(ロング)・ストレート(前髪も分けて首の辺りまである)
自ら武器を改良してライト・ボウガンの威力を保たせたまま小型化に成功した。
それを『銃』と名づけ、それを両手に持ち戦う。今でいう2丁拳銃のスタイル。
性格は優しいが弱気。知らない人に話しかけられたり、怒鳴られたりすると
直ぐにうつむいてもじもじしてしまい、言いたい事いえなくなってしまう。
だが、ソニックたちと出会い少しずつそれがなくなってくる。
シルバ 31歳 男・・
身体的特徴・185cm・82キロ・銀髪(シルバだけにw)ショート・ツンツン
主な武器を持たず、投げナイフで数々のモンスターを
狩猟してきた凄腕ベテランハンター。
普段は無口だが、狩りになると普通に喋りだす。
両目は以前のモンスターとの戦いで失い、今は僅かな音や気配
空気の流れをよんで生活をしている。
クルト 24歳 男・・
身体的特徴・190cm・70キロ・緑髪(ロング)・ストレート
竜人族の最新技術の笛を武器に音を操って戦う旅人。ハンターじゃない。
だが実力はかなりのもので、ソニックたちと比べても何の遜色もない。
丁寧な物腰、口調で常に笑顔を絶やさないが、過去に親に捨てられた辛い出来事がある。
その時竜人族に拾われ、里で育てられる。彼も竜人族の里を故郷と言っている。
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エピローグ>>134
モンスターリスト>>25
番編(シルバ)1話・2話>>2
番外編(ミカ・ミク)>>3
質問コーナー 参>>67 四>>69
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- Re: モンスターハンター・バロル 39話更新 ( No.51 )
- 日時: 2010/02/15 19:02
- 名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
23話
意外〜前編〜
「・・・・!!ソニック!」
しばらく暗い穴の淵に立っていたソニックが突然、穴の中に
身を投げようとした。
ミルナが思わず叫ぶ。
—ガシッ—
あと少しで落ちるというところで、スタークがソニックの腕をとり助けられた。
ソニックは以前と同じように気絶をしていた。
「ちっ。世話のかかるやつだな」
そういい、スタークはソニックの腕を思いっきり引っ張り、ミルナにパスする。
ミルナがみたその顔はいつものようで、眠っているかのようだった。
「いつかまた、こんなことが起きるのかな?」
ミルナがソニックの顔を見ながらいった。
「俺が知るかよ。本人に聞けって言っても覚えてねえだろうしな。
とにかく、この場から離れようぜ」
その言葉にミルナがスタークの顔を見る。
「この場所が悪いってこと?」
スタークはすくめたようにして
「少なくとも少しは関係があるだろう。ここに来ていきなりのあの状態。
偶然とは俺は思えない。お前もそうだろ」
・・・・
・・・
・・
・
「ん?ここは」
それからソニックが目を覚ましたのは、丸一日経っていた。
「あ。ソニック。目が覚めたんだ。よかった」
「おれは・・・いって!」
ミルナが喜んだのもつかの間、ソニックが痛がる。原因は簡単。
「目が覚めたなら、とっとと自分の足で立て」
ソニックをおんぶしていたスタークが地面に落としてしりもちをついたからである。
「ちょっとスターク。もうちょっと優しくおろしなよ」
スタークは頭をかじってミルナの無視して、ソニックの目を見た。
「ソニック。お前はあの穴の所にきた後どうなったか知らないのか?」
ソニックはスタークが何を聞きたいのか分からなかった
「あ、ああ。なんか急に意識が朦朧としてよく・・・」
「知りたいか?」
ソニックがすべてを言い終わる前にいった。
「スターク!!」
ミルナがスタークが言おうとしていることに気づき止めようとする。
だが、スタークはミルナを睨み付けて言葉を制した。
「いつまでも黙ってられるもんじゃねえだろ。だったら俺たちの口で言った方が
こいつもそんなに傷つかないだろ」
ミルナにそういうと、またソニックに向き直る。
その時ソニックのほうが先に口を開いた。
「自分のことは知っておきたいしな。話してくれ」
それからスタークはすべてを話した。ミルナは心配で堪らなかった。
もしその事を知ってしまえば、それからずっとソニックがソニックでは
なくなってしまうのではないのかと思ったからだ。
しかし話を聞いたソニックの第一声は意外なものだった。
「へ〜。俺がそんな事をしたのか」
その言葉にこもっていたのは、自分にたいする負の感情でも
モンスターにたいする同情でもなかった。
あったのは、自分の新たな一面にたいする感心だった。
「それ・・だけか?」
スタークのソニックの意外な反応に目を丸くしていう。
「あ、ああ。それだけだ」
「軽いね。もう少しなんかあるかと・・・」
ミルナはソニックの態度に先ほどまでの心配が呆れと安心に変わり、
ソニックに微笑していう。
「そういわれてもな。俺にはその時の記憶はないんだし・・・」
そこでソニックが言葉を止める。何かを思い出したかのような顔だ。
「どうしたの?」
ミルナが聞く。
「いや、別に。それよりも2人とも」
ソニックの言葉に耳を傾けるスタークとミルナ。
「もしまた俺がその状態になってモンスターだろうが誰でも生物を
殺すような事になったら、俺を本気で止めてくれないか?」
ソニックの言葉にスタークは。
「そのつもりだ。あの状態のお前はめんどくせえからな。
なった瞬間に頭ぶん殴って起こしてやるよ」
その言葉にソニックは苦笑して
「ほどほどにな。本気で殴られたらそのまま記憶が戻ってきなさそうだから」
「私もほどほどに殴るね。記憶少し失うかもだけど」
「ミルナまで・・・はあ、もうそれでもいいや。とにかく任せたぜ」
- Re: モンスターハンター・バロル 39話更新 ( No.52 )
- 日時: 2010/02/15 19:02
- 名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
23話
意外〜後編〜
「そんで俺たちどこに向かってんだ?」
それからしばらく歩いていた時、ソニックが言った。
「次の町に行くの。そこであの場所で見たものを報告。
一応それが今の私たちの任務だし」
ミルナが答える。
「あの、暗い穴の事もか?」
ソニックがさらに尋ねる。
ミルナは頷いて
「うん。あれが今回の一番重要なことだと思うし」
「そうか」
〜町中〜
ミルナが言っていた町はその日のうちに着いた。
町は今までのどの町よりも賑わっていた。
どうやら、貿易が盛んな町らしい。それだけに、情報も集まりやすい。
ソニックたちがしばらく歩いていると
目の前にいた女の子が歩いている二人組みのハンターにぶつかってしまった。
「あ・・ごめんなさい」
女の子が即座に謝る。しかし、男はその女の子の肩を掴んだ。
「おいおい。人にぶつかっといてごめんだけじゃねえだろ」
男は笑いながら言った。するともう一人の男が出てきて
「そうだよね。人に迷惑かけたんだから、それ相応のことを僕たちにして貰わないと」
「あ・・あの、ええっと。わ・・わたし」
「あ〜。何か言ったか?」
「ひっ!・・・」
男が顔を詰め寄ると、女の子は言葉を止めて、下を向いてしまった。
「へ。よく見るとかわいい顔してるな。それじゃあ、まずはじめに・・・ゴフ!」
男が何かを言おうとした時、思いっきり吹っ飛んで壁に激突した。
吹き飛ばしたのはスタークだった。
スタークは拳を強くにぎり、歯を食いしばっていた。
どうやら、相当気が立っているようだ。
「き・・君!何をするんだい!?」
吹き飛ばされた男を見た後、もう一人の男がスタークに向かっていった。
「ああ」
スタークが相手をにらみつけて言う。相当な迫力だ。おそらく今のスタークの気迫なら、
イャンクックも恐れて逃げるだろう。それほど今のスタークは殺気を放っている。
「う、お前。俺たちが誰だかわ、わかってるのか?
ギルドが認めた封印のハンター様だぞ」
そういって男は震える手でハンターカードを取り出した。
そこには確かに俺たちと同じように印が押されていた。
それを見て、スタークが動きを止める。
それをみた男がにやりとして、今度は強気な言葉で
「君たちのような、一端のハンターとはわけがちだうの・・・ぶへ!」
その男も先ほどの男のように吹き飛ばされて、撃沈した。
「あんな奴が俺たちと同じ任務についているなんてな」
スタークが少しがっかりしたように言った。
「あ・・あの」
女の子がスタークに話しかけた。女の子は少し言葉を止めたが、すぐに
「助けていただき、ありがと・・きゃ!」
女の子がお礼を言い終わる前にスタークが女の子を胸倉をつかんだ。そして
「なんで、奴らが調子に乗り始めたときにうじうじしやがった!!」
と、怒鳴りつけた。あたりの人たちが一気2人を見る。
「やば。止めねえと」
ソニックが止めに入ろうとしたとき、ミルナが手で制した。
「ミルナ」
ソニックたちがそうしている間にも、向こうは話しが進んだ。
「俺はなあいつらのように、ものに力を言わせて調子に乗る奴が大嫌いなんだ!
だけど、それ以上にてめーみてーに、そういう奴らを
前にして、何もいえずうじうじするような奴のほうがまっと嫌いだ」
女の子は少し目に涙をためている。傍から見れば完全にスタークが悪者だ。
すると、女の子が口を開いた。
「わ・・私もうじうじしたくして、しているわけじゃありません。
本当は言いたいのに怖くて言葉が出てこないんです」
そこまで女の子は大きく息を吸って。
「私だってあなたみたいに、堂々とあの人たちに言いたかったです!!」
と、スタークにも負けない大きさで言った。
その後二人はしばらく睨み合った。
- Re: モンスターハンター・バロル 39話更新 ( No.53 )
- 日時: 2010/02/15 19:03
- 名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
24話
理由
以前、二人はにらみ合ったまんまだ。
スタークが女の子を殴るとは思わないが、なぜかハラハラした。
「スターク」
ミルナがいう。スタークはミルナをチラと見ると舌打ちして、
女の子の胸倉から手を離した。
「ごめんね。大丈夫だった?」
ミルナが女の子に駆け寄り、優しく言う。
ソニックも駆け寄る。
「は・・はい。大丈夫です」
女の子は小さな声で言った。
「そ・・それでは私、大事な用事があるので失礼します」
女の子は小さく頭を下げると去っていってしまった。
「まさか、スタークがあんな女の子を思いっきり怒鳴るなんてな」
ソニックがスタークに向かっていった。
「見た目なんて関係あるか。むかつく奴はどんな姿でもむかつけ。
それだけだ」
「だからってなあ・・」
これ以上言っても無駄だと思ったソニックはそこで言葉をとめた。
「それじゃあ、ギルドに行こうか」
ミルナの言葉に従い、3人はギルドに向かった。
〜ギルド〜
中の人数が思っていたよりいなかった。そう思ったが、
ギルドが広くてそう思っただけで、実際はかなりの人数がいた。
「見ない顔だな。封印のハンターか?」
カウンターに立っている男性がいった。どうやらここは男性が受付の役を請け負っているようだ。
「わかるのか?」
ソニックが尋ねる。男性はにこっと笑って。
「この仕事は長いからね。それで、なにが欲しいんだ。情報か?それともクエストか?」
「それよりも先に調査の報告をしたいんですけど」
ミルナが言った。
「へ〜。新しい情報を持っているのか?」
男性が関心するように言う。
「はい。まず・・・」
ミルナが話している間にソニックは辺りを見渡した。
どのハンターもかなりの腕前だな、と思った。
それからしばらくすると
「う〜ん。どれもこれも新情報ばっかだ。夢見龍の出現・クレータの最終直径の大きさ・
大壊龍が眠っていたと思われる大きな穴。
あの辺りは変な噂でギルド調査員も近づけなかった場所だ。
わかった。ギルド本部に報告しておこう」
「はい。ありがとうございます」
「しばらくしてこの報告が本当だった場合、報酬金が貰えるからそれまでこの町に居てくれ」
「わかりました」
—バン!—
ミルナが言い終わった直後、銃声が響く。
「な・・なんだ」
ソニックが慌てて辺りを見渡す。
「今のは・・」
男性はそう呟くと音がした方にむかって歩き出した。
ソニックたちも男性の後を追った。
しばらくすると、男性が立ち止まった
そこには不思議な形の物を持った、見覚えのある女の子がいた。
「てめー!サラ!いきなり何してんだ!」
太った男性ハンターが怒鳴った。
女の子は頭を下げて
「ご・・ごめんなさい。武器の手入れしてたら、誤って引き金を引いちゃって」
「誤ってすむ問題か。下手したら怪我じゃすまなかったろ!」
「う・・」
サラと呼ばれた女の子は男の言葉にまた下を向いてしまった。
「まあまあ。許してやれよ」
そこで、男性が仲介役として出てきた。
「オーナーさん。しかし、こいつのせいで・・・」
「誰も怪我してないんだからいいでしょ。サラだって謝ってるし。
それにサラが狙ってこんなことやる人ではないとわかるだろ」
「・・・」
男はその言葉ですたすた歩いてどこかに行ってしまった。
オーナーは、ふーと息を吐くと、女の子の近くにより
「手入れもいいが、気をつけてやれよ。誰かに当たったらどうするんだ」
「ごめんなさい。でも・・あ」
そこでサラはやっと、ソニックたちの存在に気づいた。
「またあったね」
ミルナがいう。
「知り合いなのかい?」
オーナーがいう。
「はい。先ほど街中で助けてもら・・・」
「助けたつもりはない。誰がこんな意気地なしのために動くか」
スタークが冷たく言った。するとオーナーは意外な言葉を発した。
「・・・随分優しい人に助けられたね、サラ」
「はあ!」
オーナーの言葉にスタークがいう。
「ちがうのか?」
「全然ちげえ!俺はそいつに絡んでいる奴の態度に腹を立てただけだ。
その後こいつの態度もムカついたから、怒鳴ってやったよ。
どうだ、まだ俺が優しいなんて戯言をいえるか?」
「もちろん」
オーナーが笑顔で言う。
「本当に優しい人はそれをしたら自分のためみたいに言うことが多いんだよ。
それに、相手の悪いところをはっきりと指摘する事も、一種の優しさだと思うけど」
「・・・ち!お前みたいなタイプは好けねえ」
「ははは。嫌われちゃったな」
そこまでいうと、サラは口を開いた。
「あ・・あの。オーナーさん。一つお願いがあります」
「ん?なにかな」
サラがはしばらく黙った後、決心したのかはっきりとした口調で
「最近現れたっていう、『ナルガクルガ』のクエストに行かしてください」
その言葉にオーナーは目を大きく開いた。
そして、強い口調で
「だめに決まっているだろう。お前まだ、小さな鳥竜種も満足に狩れないのに、
こんな危険モンスターに向かっても死に行くだけだぞ」
「そうかもしれないけど、ナルガクルガは私がハンターになった理由だから」
サラは以前、強い目でオーナーを見た。
「・・・いや、だめだ。最近はどのモンスターもおかしくなってきているんだ。
そんな、モンスターの元にお前ひとりで行かしても・・・」
「一人じゃなきゃいいんだろ?」
スタークが口を開いた。
「え?」
サラがスタークを見つめる。その言葉に驚いたのはサラだけじゃない。
ソニックとミルナもだ。
「そのナルガクルガの狩猟に俺たちも付き添う。俺たちは封印のハンターだ。
お守りには十分だろ?」
「・・・・わかった。それならいいだろう。サラ、いってきな」
「オーナーさん。ありがとうございます」
「お礼なら、そこの人にいいな」
すると、サラはスタークの方に向いた。
「そ・・その、ありがとうございます」
と、いってぎこちなく軽く頭を下げる。
「お礼なんていらねえから、とっとといくぞ。
ソニックもミルナもいいだろう?」
「いいよ」
「ああ」
- Re: モンスターハンター・バロル 39話更新 ( No.54 )
- 日時: 2010/02/15 19:03
- 名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
25話
異常
今ソニックたちは、今回のターゲットである『迅龍・ナルガクルガ』の討伐のため
船で目撃されたという樹海に向かっていた。
サラは先ほどと同じように不思議な物を手に持ち、手入れをしている。
「ねえ、それ武器なの?」
その様子を見ていたミルナが尋ねた。
「あ、はい。これは『銃』っていってライト・ボウガンを改造したものなんです」
「ライト・ボウガンを改造」
ソニックが不思議そうにいう。
「はい。私ってあまり力ないから普通のライト・ボウガンでも結構重たいんです。
ですから、威力を保ったまま軽量化させることにしたんです」
「ふ〜ん。世の中にはそんなすげー事ができる職人もいたもんだな」
スタークがあまり関心がなさそうに言う。その言葉にサラは首を傾げて
「別に私、職人じゃないですよ」
「誰がおめーに言ったよ。それを創った奴に言ったんだよ」
「だからそれ、私に言ってるじゃないですか」
・・・・・
「・・・・まさかそれ、お前が創ったのか?」
ソニックが恐る恐る聞く。
「さっきっから、そう言ってるじゃないですか」
さも当然のように答えるサラ。
「な・・なんでそれだけの事ができるのに、ハンターになったの?」
ミルナが聞く。
すると、サラは少し下を向いて
「ナルガクルガは私のとって敵ですから」
と小さな声で言った。
「ギルドでも同じようなこと言ってたな」
スタークが思う出だすようにいう。
「あ・・はい。私の両親もハンターをやっていたのですが。あるクエストを受けたときに
殉職してしまったんです。それが・・・」
「ナルガクルガってわけか」
「はい。だからわたしは大好きなお父さんとお母さんを奪ったナルガクルガをすべて討伐します」
〜樹海〜
「ふ〜。やっと到着か」
ソニックが背伸びをする。
「ここに・・ナルガクルガが」
サラが呟いた。
「とりあえず散策しよ。まず、見つけないことには始まんないから」
ミルナが言って、樹海の散策が始まった。
しかし、散策する必要はほとんどなかった。
近くの大きな木々に囲まれた広間にそのモンスターはいたのだから。
「あれがそうか」
ソニックがミルナに確認する。ミルナは頷き。
「うん。間違いない。あれが・・・」
ミルナがそこで言葉を切った。ナルガクルガがこちらに気づき振り向いたからである。
「よし、いくぞ!」
スタークがそう言い、皆で向かおうとした時、敵の姿が消えていた。
「え?え?」
サラがあたりを見渡す。
「上だ!」
居場所をいち早く見つけたソニックが叫んだ。
しかし、皆その言葉に反応する前にナルガクルガが大きな
鋭い翼を広げて攻撃を仕掛けてきた。
しかしそのあまりにものスピードで皆どうす事もできなかった。
—ズドオン—
着地と共に大量の砂埃が舞った。その砂埃の中にソニックたちの姿はなかった
〜キャンプ場〜
「痛っ。ここは、キャンプ場?なんで・・・」
目を覚ましたスタークが辺りを見渡して言う。自分たちはナルガクルガの急襲によって
やたれたはずなのに、なぜかキャンプにいる。その理由は
「はあ、はあ、くっ。ぎりぎり間に合ったね」
ミルナが言う。
「ミルナ。何をしたんだ?」
傷つい体に鞭をうち、立つスターク。
「『拡散式戻り玉』。これを使えば、使った半径5メートル以内にいる人を強制的に
キャンプに戻すことができるの」
「ミルナさん!ソニックさんが」
ミルナが話しているとサラの叫び声が聞こえた。
すぐ近くでサラと、そして倒れたままのソニックがいた。
みんな、それなりに怪我をしていたがソニックが一番ひどかった。
ナルガクルガの鋭利な翼を受けたのか、左肩が半分ほど切られていた。
もしミルナが戻り玉を使わなかったら、確実にソニックの左腕はなくなっていただろう。
「これじゃあ、クエスト続行は無理ね。一度リタイアしないと」
ミルナがいう。それが今の現状だった。
「確かにそれしかねえな」
スタークがいう。
「ごめんなさい。私のわがままののせいで、皆をこんなに傷つけて」
サラが涙目で言った。
「誰もあなたのせいなんて思ってないわよ。
そんなに自分を責めないで」
ミルナがあやす様にいった。
「こいつだってこうなることは覚悟してお前を助けたんだろ。
お前が気にすることじゃない」
二人の言葉にサラは涙を拭って。
「・・・はい。ありがとうございます」
「どういたしまして」
「ここでぐずられても困るだけだ」
そういいながら、スタークはソニックを担いだ。
「くだらねえこと言ってねえで早く行くぞ。このままじゃソニック死んじまうぞ」
〜町〜
町に着いてすぐにソニックを治療施設に連れて行った。
どちらかというと怪我よりも出血の方が問題で、
あと少しで手遅れになるところだったらしい。今はぐっすりとベットで寝ている。
「さてと、どうする?」
3人は町中を歩いていた。
「どうするも何も、あれだけ速いんじゃ・・・」
「確かに速かったが、いきなり襲われなければ俺とソニックなら何とかなるだろう」
スタークがいう。
「それよりも問題なのは奴の攻撃力だ。ソニックの特殊な防護服でも簡単に貫いたんだ。
俺たち程度のもほとんど意味ないだろ」
「あ・・あの」
サラが話しに入ってきた。
「なに、サラ?」
ミルナが尋ねる。
「今この町にすごい腕を持った双子の竜人族のひとがいるんです。
その人たちに武具を作ってもらえばいいんじゃないでしょうか?」
「双子の竜人族?まさか、ミカとミクか?」
双子の竜人族と聞き、スタークがいう。
「さ、さあ。名前は知りませんけど、行ってみます?」
「ほかに今のところあてないし、いこうか」
ミルナがスタークの方に向きいう。
「ああ。それに気になるしな。その双子の竜人族ってのが誰か」
- Re: モンスターハンター・バロル 39話更新 ( No.55 )
- 日時: 2010/02/15 19:04
- 名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
26話
変貌
〜工房〜
「あの〜すいません」
サラが工房の奥に向かって呼ぶ。すると懐かしい顔の一人の女性が現れた。
「その声はサラかい。久しぶりだね。そのついでに銃を見せてもらえないか?」
あいさつがすむやいなや、銃にがっつこうとする。
「姉さん・・・その前に懐かしい人がいるよ」
奥からもう一人見覚えのある男性が現れた。
「え?あ。スタークとミルナじゃん」
「気づくの遅えよ」
スタークがため息を吐いて言う。
「相変わらず、珍しい武具が大好きなんだね」
ミルナもあきれ果てて笑っている。
「はは、まあね。そんなことより、旅は順調に進んでいるの?
・・・あれ?ソニックは?」
懐かしい顔が一つ足りずミカが尋ねた。
「うん。実は・・・・」
「ふ〜ん。そんなことが。あのソニックがね〜」
一通り話しを聞いたミカが言った。
「おかしいね。ナルガクルガは確かにスピードのあるモンスターだけど、
見失うほどの速さじゃないんだけど」
ミクも手を唇に当てて考える。
「最近はモンスターがどれもこれも異常になってきているからね。
そんで、そのモンスターを倒すために私たちに新しい武具を作ってもらいたいってことね」
ミカが言った。ミルナは頷き。
「うん。できれば、皆の分を一通り・・・できる?」
ミルナが聞く。ミカは笑いながら
「もちろん。一週間ぐらい時間ちょうだいね。やるよ、ミク」
「わかったよ、姉さん」
と言って、また工房の奥に行こうとした。
「ちょっと待って。素材はいいの?今私たち全然持ってないけど」
ミルナの言葉にミカは不思議がって
「あれ、あんた達知らないの?封印のハンターは今まであんた達が狩ってきた
モンスターの素材はギルドが保管してんだよ。いままで報酬として素材をもらえたこと
なかっただろう?」
「う、うん。でもなんで?」
「こういうときのためさ。それじゃあね」
そう言って、二人は奥に消えてしまった。
すると、サラも工房の中に入っていってしまった。
「ちょっ、サラ!?」
その言葉に反応して顔をこちらに向けると
「私も何か手伝えることがあるかもしれないから」
そう言ってサラも工房の奥に消えていってしまった。
「大丈夫かな。どんな物が出来るか全然予想が出来ないんだけど」
ミルナが心配そうに言う。その言葉にスタークは
「大丈夫だろう。あの二人なら」
そういった。
〜一週間後〜
一ヶ月は掛かると思っていたソニックの怪我もすっかりよくなっていた。
「信じられん回復力だ」
そう言ったドクターの顔が、本当にビックリしていて面白かった。
「どんな武具が出来てんだろうな。楽しみだな」
ソニックが歩きながら言った。
「でも少し不安もあるんだけどなあ」
ミルナは相変わらず、ミカとミクが作るものに不安を抱いている。
しかし、この後そんな思いが馬鹿馬鹿しく思うほど物が3人の前に現れる。
〜工房〜
「お!来たね」
すでにミカとミクが何かを抱えて待っていた。
サラの分も作ったらしく、すでに着替えていた。
その防具がまたサラ用だからなのか、頑丈そうでありながらも可愛らしくされており、
ハンターらしく見えたが、普通の可愛い女の子のようにも見える。
これなら、チンピラに絡まれてもおかしくはない。
「もう出来たの?」
ミルナがサラの防具をみて聞く。ミカは嬉しそうに
「ああ、最高傑作だ。とりあえず見てくれ。まずはミルナのから」
そういうと、ミクが抱えていたものをミルナに渡した。
「弓を張る糸は特別な混合糸で絞った糸が戻る時の力が数倍上がるのを使った。
弓の扱いが難しくなっているから頑張ってね。
後は、大した変化はない武器の切れ味を上げたぐらいだな」
そこまで言うと、今度は自分が持っているものをスタークに渡した。
「あんたの刀は敵を切った瞬間、その衝撃で超振動を起こさせて切れ味を
一気に上げられるようにしたから。けどその分、刀のブレも多いから気をつけてね。
下手したらその超振動で自分の刀が折れるから。
それと太刀じゃ防御が劣るからその『篭手』を使いな。
防御力もそれなりに高いし、はめても気にならないようにつくってあるから」
「随分俺のはリスクが高いんだな」
スタークが受け取った後言った。
「危険をおかさなきゃ、力は手に入んないでしょ」
「・・?俺のは?」
ソニックが突然言った。もう3人の手には武具を持っていなかったのだ。
「ああ。ソニックのは工房の奥。見てきてみ」
その言葉に促されて行った。すると
「な・・なんでこれーー!」
と、ソニックの驚く声が聞こえた。
「それが、あんたの武器よ。持ってきて」
ミカがそういった後ソニックはそれを持って出てきた。
「え!!!」
「おいおい・・・」
2人は驚きのあまり声が出ない。それもそのはず、工房から出てきたソニックの姿は
塚を鎖で繋がれ、切先が少し錨のようになっている大剣を二つ背負い現れたのだから
「ソニックは大剣を片手でらくらく振り回せるからね。大剣を双剣のように扱うのも簡単だろ。
それに二つになった分、ガードもしやすくなった」
「だからって無理があるでしょ」
ミルナがいう。しかし、ソニックは、二つの大剣を振り回し始めた。
辺りに風の入り乱れる。
「いや、案外いけるかも」
と、いってしっかりと塚を握り締めるソニック。
「ソニック。前よりも力上がってるよね」
ミルナがいう。
「す・・すごい」
サラは口を開けてままだ。
「名前は、
ミルナのは、弓剣・アルセドナ
スタークのは、響狼ノ太刀(きょうろうのたち)
ソニックのは、崩山剣・レグルス」
その後、3人は武具を新しいのに変えたが不思議と違和感がなかった。
まるで、いままでもずっとこれを身に付けていたかのようだった。
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