二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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イナクロ〜なくしたくない物〜参照23,000突破感謝!!〜
日時: 2016/02/10 23:59
名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: JuyJRz6j)

どうも。
イナGOの「なくしたくない物」がイナクロなるってことで、続編つくりました←
いちおう、>>1にキャラ紹介をのせときます。オリキャラも。


   ※注意事項※

・キャラ崩壊のおそれあり
・なんかいろいろ意味不
・更新おそい(中学生だもん、部活入ってるもん←)
・絶叫多しww
・荒し、パクリは厳禁
・ひとの目によって、駄作に見え……いや、駄作
・なんかシリアスでもコメディでもなし(←わかんねえよ、あいまいで)
・「駄作お断り!」のかたはさよならです(二度目)

注意事項はどんどん追加されていきます←
もしこれのうちひとつでも「守れるわけねえだろ!」という人は、そよかぜステップで退散!
「いいよ^^」という神様は、どうぞおとおりください!



オリキャラ募集のお知らせです
>>95

《更新再開の大号令》
>>342



〜もくじ〜

ストーリー説明〜第2章まで
>>230
第3章〜第5章まで
>>328
第6章まで
>>345



☆番外編☆     また会う日まで
第1話〜第10話まで
>>317
第11話〜第20話まで
>>329
第21話〜第30話まで
>>344
第31話
>>346
第32話
>>347
第33話
>>349

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Re: イナクロ〜なくしたくない物〜キャラ人気投票&2000越え ( No.200 )
日時: 2012/12/25 19:28
名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: ftamISp/)

>>>イナズマ





ああ! すごいな、3000って。
わたしの目、じつは腐ってるとか? ほろんでるとか? アハハww

風花「事実だろ?」

風花、ちょいとだまろっか?

イナズマ! メリークリスマス!
きょう、妹が友だちを呼んできて、クリスマスパーティーを開催していたww

Re: イナクロ〜なくしたくない物〜キャラ人気投票&2000越え ( No.201 )
日時: 2012/12/26 22:44
名前: 志保 (ID: wxZ0SJGK)

3000参照おめでとう!!
なんか全然これなくてごめん;

沙「土下座。」

真顔はやめなさい。

沙「でもどうせお前の心の中でも兄貴に『土下座しろ』とでも思ってるんだろ。」

今関係ないぞ〜;

沙「聞いてくれ、こいつの兄貴『チェンジワイパー』のCMの曲に合わせて踊るんだ。」

笑っちゃうよねwwなんかもう最近は軽蔑した目になってきたけど。

久しぶりにきてゆいらの小説一気に読んだからテンションあがってきた。
やっぱ神作見るとテンションの上がり方が違うね。

沙「……きもっ」

冬休み入って5日目に思った事。

『冬休み暇だよ´・ω・`』

Re: イナクロ〜なくしたくない物〜キャラ人気投票&2000越え ( No.202 )
日時: 2012/12/27 11:16
名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: ysgYTWxo)

>>>志保




ありがとう! これなくてもだいじょうぶだよ。
わたしも、なんか最近いそがしいんだよね、ある意味。

風花「年賀状書きまくって、手がいたいんだとよ。」

べつに、そこまでいたくないけどね。


アハハッ。
なら、わたしとかもっと重傷だわww

風花「だれかが歌い出すと、それにあわせてバックコーラスを歌うわ、おどるわ、だもんな。」

へんなひとってやつですな。

風花「(アホを見る目)」

ひ、ひどいぞ、おまえ!


神作じゃないよ。ていうか、志保、めずらしく変換まちがいしてるよ? わたしのは「紙作」だよ。

風花「そのとおり。」

あと、キモくないよ☆


冬休み、わたしはもうすぐ、一週間をむかえようとしてるんだけど、ぜんっぜんヒマじゃない。
腹筋、背筋……その他もろもろやりまくってるし、なんか冬休みの課題(特に社会)多いし。社会とかさ、漢字249問もあるんだよ!?
まじめにやめてくれよ。

風花「ザマぁ見ろww」

うわー……ムカつく。

Re: イナクロ〜なくしたくない物〜キャラ人気投票&2000越え ( No.203 )
日時: 2012/12/27 11:17
名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: ysgYTWxo)

五話   「暴走」



みんながポジションについて、試合は再開。ベータたちからのスタートだ。
でも……なんか、あいつらの顔が、よゆうぶってるっていうか……。まあね、ベータの顔は、いつもニコニコしてるから、よゆうぶってる顔に見えるんですけどね。デュプリっぽいヤツらの顔に、表情がにじみ出てきてるっていうか……。

『なにかんがえてるんだ? 風花。』
「!」

いきなり声をかけられ、俺はビクッと肩をふるわせる。声の主は、ウォーターだった。なんか、きょうはウォーターにビビらされる回数が多いな。

『よけいなこと、かんがえるんじゃねえぞ? おまえ、どうせからまわりするし。』
「あ、ああ……。」

やっぱり、みんな、そう思ってるのかな……?

『おい、はじまるぞ。試合に集中しろ。』
「わ、わかってるよ……。」

俺はウォーターから視線をはずし、ボールの方に目をむける。いつもなら切り替えられる気分が、いまはまったく切り替えられない。なんで……なんだろう……。

ピ——ッ!

試合再開のホイッスルが鳴りひびいた。
と同時に、ボールがベータにパスされた。

「ふっ……いかせてもらうぜ!」

一気にベータのオーラが、あの凶暴……ゲフン、ゲフン。いきおいのいいキャラにかわった。

「こい! 『虚空の女神 アテナ』! アームド!」

アテナとアームドしたベータは、まっすぐにゴール……ではなく、こちらのチーム全体を見た。

「おまえら全員、たたきつぶしてやるぜ!」
「! おまえ……!」
「くらいな! 『シュートコマンド 07』!」

ベータのシュートが、アクアやフェイを、まるで木の葉のように吹き飛ばした。俺もおなじように、宙を飛ぶ。地面にたたきつけられた瞬間、父さんの口から、いちばんいわれたくなかったことばがとびだした。

「しょせん、風花もまだ、まどわされるような子どもか……。」
「!!」

そのことばに、自然と手に力が入り、きつくこぶしをつくる。下くちびるをかみしめ、あのいやな記憶を思い出した。
もう……あのときの俺からは、ぬけだすんだ……。あのときの俺と、いまの俺はちがう。だから、だから……!

「俺は……あのときとはちがう!」
『ふ、風花……?』

俺はゆっくり立ちあがる。むこうのほうで、アクアが顔だけをこちらにむけて、俺を見ているのがわかった。でも、いまの俺は、そんなことにはかまっていられなかった。

「俺を……!」

背中にオーラを感じる。たぶん、ファイアリ。からだの底が、どんどん熱くなっていく。この感じは……。

「俺を、むかしとおなじにするんじゃねえ——ッ!!」

なにかが爆発して、もうそれは、とめようがなくなった。
俺は、ベータをキッとにらみ、ポツリとつぶやく。

「アームド……!」

ファイアリが俺のからだについた。でも、そのアームドは、ふつうではなかった。
からだが、まるで炎でおおわれたような、そんなアームドになっていたんだ。まあ、ふつうにアームドするほうが、俺からしたら、体力つかうんだけどな。

「ふんっ。なんだ、コケおどしか?」

ベータがそういった瞬間、俺は地面を蹴り、ベータの元へかけた。かけた、といっても、ほんの数秒の間で、数十メートルはなれたベータのところまで到着。

「なっ……!」
「ジャマなんだよ……。」

ボソッとつぶやき、ボールを奪う。

「チッ……。とめろ、てめえら!」

ベータの指示を受け、動き出すデュプリたち。
でも……。

「おせぇんだよ。」

あっさりと八人をぬきさり、残るはアルファのみ。しかも、アルファはアームドずみ。

「とおさない。いや、とおしてはならないから……。」
「ハッ。ほざけ。」

俺はボールを高々と蹴り上げ、俺も飛び上がる。ボールに追いつくと、まっすぐにゴールを見つめた。

「すべて焼きつくしてやる!」
『あのバカ……! やめろ! 「あの技」はつかうな! おまえの体力がもたな……。』
「うるせぇ! ぜんぶ消えろッ! 『全焼火炎』ッ!」

すごい熱を帯びたボールが、ゴールにむかっていく。俺が《半個半幽》になってから、ぜったいにつかってはならない技……。体力を大幅に消耗するうえ、俺が暴走してからでる技だから、ひとを傷付けることもある。

『くそっ。アイス、ウォーター、こい!』
『了解/ああ!』

三人の声がきこえた。
と同時に、ボールのまえにアクア、アイス、ウォーターがたちふさがる。

『とめるぞ!』
『わかっている。』
『「ウォーターフォール」!』
『「氷の 槍」。』
『「アクアマリン」!』

三人の技が発動して、「全焼火炎」をとめにかかる。それは、いくら相手チームとはいえ、ケガをさせないため。そう、わかってるんだけど——……。

「……マだ。」
『!? ま、まずい! アイス、ウォーター、どけ!』
『えっ!?』
「ジャマだあぁあああああぁ!!」

俺は、いっきにボールに気を送る。アイスとウォーターは、アクアの指示どおり、サッとかわした。アクアはアクアで、サッとボールをかわす。ボールはゴールキーパーをまきこんで、ゴールにつっこんだ。

「はあっ……はあっ……。ザマァみ……な……。」

俺の意識が、フッと切れた。



『風花!』
『風花さん!』

ファイアリはすかさずアームドを自らとき、実体化すると、たおれていく風花のからだをささえた。それを見て、フェイたちはふう、と安堵のため息をつく。
フィールドの外でそこまでを見とどけた風花の父は、ふっとほほえんだ。

「ここまでになるとはな……。もういいだろう。ベータ、アルファ、引き上げろ!」
「えっ!? で、でも……。」
「いけ。さもなくば……。」
「イ、イエス……。」

父におどされ、ベータたちはこの場をさった。

「さてと。」

父は、くるりとふりかえって、フェイたちを見たあと、風花を見た。

『こんなになるまでためさくても、よかったんじゃないのか? 圭庸(けいよう)さん。』
「おれだって、ここまでになるとは思ってなかったさ。」

父・圭庸は大きくため息をつき、アクアのもとまで歩みよる。アクアも、ふうとため息をつき、

『まあ、ここまでバカやるのが、こいつですからね。』
「これまで、風花のそばにいてくれて、あつく礼をいおう、アクア。」
『いいえ。いちばんがんばってくれたのは、ファイアリですしね。』
『アクアさんですよ。わたしは、すこしきらわれてましたし……。』
「……?」

フェイは、ゆっくりと起き上がり、アクアたちの元まで、ためらいがちによっていく。

『あ、すまんな。すこし存在をわすれていた。』
「ぇ;;」
『ア、アクアさんっ;;』
「まあ、いいだろう。こちらへきてもらえばいい。」

やっときていいということがわかり、フェイも安心して、でも圭庸への警戒心をいだきながら、歩みよった。

「そういえば、ためしたって……?」
『ああ、圭庸さんは、よくやるんだ。風花の実力をためすためにな。』
『ええ。でも、やっぱり暴走してからじゃないと、本気をだせないというのは……。』
「欠点だな、あれは。」
「暴走? 風花、暴走なんてするですか。」

フェイが問うと、父とファイアリはだまりこみ、アクアがこたえた。だが、そのこたえは、フェイを納得させはしなかった。

『そのことは、いずれ風花も話すだろう。』
「えっ。で、でm 『もう夜もおそい。はやくもどろう。』
『そ、そうですね。はやくもどりましょうか。』
「おれも、もどろう。風花をたのんだぞ、ファイアリ、アクア。」
『ああ。』
『わかってます。』

父はそういい残して消え、ファイアリとアクアは、フェイにむきなおった。

『すみません、フェイさん。納得、いかないとは思うんですけど。』
『こいつのことをぜんぶ話すには、まだはやすぎるんだ。』
「わかった。でも、いつか話してくれるよね?」
『ああ。この旅がおわるまでには、わたしが話させる。安心しろ。風花は、おまえのことを、案外信頼しているらしい。』
「そ、そうなんだ……。」
『ふふっ。じゃあ、そろそろまいりましょうか?』
『ああ。』

三人は、その場をさった。

Re: イナクロ〜なくしたくない物〜キャラ人気投票&2000越え ( No.204 )
日時: 2012/12/27 18:10
名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: ysgYTWxo)

六話   「好きだったりする?」



「よしっ、じゃあ、きょうも特訓はじめよう!」

天馬くんは、ボール片手にそういった。元気だなあ、みんな。

「あれ? ふ……ユエは?」
「お兄なら、ずっとねてるよ。」
「えっ、そうだったんだ。」

そうだったんだって……お兄、もしかしてちょっとわすれられてたのかな;; それはそれでおもしろいんだけどね。
ていうか、いまだにみんな、風花っていいかけるね。いまは髪とめてるから「ユエ」。とめてなかったら「風花」なだけなんだけどね。
けっこうむずかしいかもしれないけど。

「どうしたんだろ、ユエ。」
「なんか、寝不足っぽい。」
「寝不足かぁ。」
「ユエ、だいじょうぶかな……。」

フェイくんはそういって、風花の顔をのぞきこんだ。

「フェイくん、だいじょうぶだよ。お兄、寝不足のときは、いつもの起床時間より二時間おそく起きるだけ。特訓してるあいだに、目をさますよ。」
「そ、そうかな……。」
「……もしかして、フェイくんさ。」

友撫はそういって、フェイくんの顔を、ぐいっと自分の顔に近づけた。

「お兄のこと、好きだったりする?」
「なっ//」

わあ、フェイくん、顔まっ赤ww

「やっぱりぃ〜。」
「そ、そんなんじゃないよ!// チームメイトだから、ちょっと心配になって……//」
「え〜、ほんと〜?」
「う、うんっ。」
「なーんだ。つまんないの。」

友撫は、フェイくんの顔を、ぱっと話した。

「なんなら、お兄攻略するのにこまってるフェイくん、見たかったのになぁ。」
「え;;」
「お兄、そういうことに鈍感なんだもーん。だから、お兄を好きになったひとは、みーんな苦労してたよ? ……特に、シュウくんとか。」
「えっ、シュウ?」

わー、フェイくんおどろいてるぅー。

「そう。出会ったばっかりのころのお兄、大好きだったみたいだよ? もう失恋したらしいけど。」
「えっ、どういうこと?」
「失恋した? あ、ちがうや。あきらめたの。」
「あきらめた?」
「お兄の攻略は、難攻不落の城を落とすのとおなじくらい、むずかいしよ〜。」
「表現方法が、なんか……;;」
「まあ、いいじゃない! 特訓いこー!」

友撫は、むりやりフェイくんをおして、天馬くんたちのところまでいった。




暗い森で、子どもふたりで入りこんでいた。ずっと小さいころからいってみたかった。でも、ぜんぜんかんがえていたのより広くて、迷って、けっきょく、森のなかで一夜をすごすことになっていた。
でも、火のつけかたもわからないふたりは、よりそいながら、ただただ夜明けを待つことしかできない。

「こわいよ……。」
「だいじょうぶだよ。朝になったら、きっと、パパとママがきてくれるよ……。」
「もし、もしこなかったら、どうしよう……。」

妹が泣きだしたとき、姉もがまんしきれず、目にためていたなみだを、ポロリとおとしてしまう。
だが、姉は「わたしはおねえちゃんなんだから。」と自分にいいきかせ、ポケットからハンカチを取り出すと、妹のなみだをふきとった。

「おねえちゃん……。」
「だいじょうぶだよ。きっと、きっと、パパとママが、きてくれる。」

姉は、妹の手をとって、そういった。だが、妹は泣きやまない。

「きっとって? ぜったいじゃないのぉ?」
「そ、それは……。」

姉は、返答につまった。
と、そのとき。

「あれ? あれ、なんだろう?」
「えっ?」

妹の指し示す方向には、灰色の煙が上がっている。

「火だわ!」
「火? あれ、火なの?」
「火なのよ! あれは、火からでた煙なの!」
「じゃあ、ひとがいるの? ひとがいるの?」
「きっと、そうよ! いきましょ!」

ふたりは立ちあがり、そこにむかった。ときどき、妹が転びそうになったところを姉が助けたり、道をまちがえたりなど、トラブルもありながら、その火のもとまでたどりついた。
だが、そこにたどりついたとき、姉は凍りついた。

「こ、これ……。」
「おっきい火だね……。でも、おっきすぎるよ……?」
「これ、火っていうレベルじゃないよ……。これ、山火事よ!」
「やまかじ?」
「山でおこった火事のことよ! ど、どうしよう……広がったら、たいへんなことになるわっ。このあたり、川があったはず……あ、あなたはここにいて! おねえちゃん、水くんでくるわ!」
「う、うんっ。」

姉は、いそいで川べりまで走った。だが、なにで水をもっていくのだろう。

「……よしっ。」

姉はエプロンを、川につっこんだ。川の水をたっぷり吸収したエプロンから、水をしぼりだそうという、なんとも時間をかける消火作業しか、彼女には思いつかなかった。
エプロンが水を吸収し、もうすえなくなったであろうと思って、姉がエプロンをだそうとした、そのとき。

「キャアアアッ。」
「!?」

森のほうから悲鳴がきこえ、姉は手をとめた。

(い、いまの……。)

姉はかたまった。いまの悲鳴は、どことなく、妹に似ている気がしていたのだ。妄想かもしれないが、もしかしたら、妹は……。
姉がそう思った、そのとたん。

グイッ

(えっ……?)

きゅうにエプロンを、なにかに引っぱられ、姉は水におちた。泳ぎを知らない彼女は、手と足をなんのかんがえもなく、バタバタとふりまわした。
姉を引っぱりこんだ生きものは、ゆっくりと川下へむかっていく。姉も、なんの抵抗もできぬまま、川下へ流れていき、一粒のなみだも同時に、川下へと流されていった。


『!!』

アクアは、ハッとして目をあけた。

『……夢、か……。』
『アクアさん、だいじょうぶですか?』

ファイアリは、アクアに問いかけた。アクアは上半身をおこし、ひたいに手をあてた。

『ああ。……どうやら、悪夢でも見ていたらしい。』
『悪夢を? それは、まあ……。』
『でも、わたしたちも、特殊だよな。夢を見られる化身だなんて。』
『わたしたちには、前世がありますからね。』

ファイアリは、苦笑いをしながら、そういった。アクアも、それをきき、顔をゆがめる。

『その前世のことだ。』
『前世のことで、悪夢といいますと、あの話ですか?』
『いいや。めずらしく、死ぬ瞬間だった。』
『それは……たしかに、悪夢ですね。』
『まったく。ほんっとうにつかれてきた。』

アクアが大きくため息をつくと、ファイアリは苦笑いをしたままいった。

『そういえば、アクアさんは、「ユエ」さんになった風花さんしか、最初は知りませんでしたよね。』
『ああ。ファイアリに教えてもらってから、はじめて風花は、女だってことを知ったよ。』
『ふふっ。』
『ファイアリはいいよな、むかしからの風花を知っていてさ。』
『そんなことないですよ。わたし、やっぱりきらわれていたみたいで……。アクアさんはうらやましいです。風花さんにとって、よき相談相手みたいです。』
『そんなことない。……わたしもわたしで、ある意味きらわれているようだ。』

アクアは、風花の顔を思い浮かべて、顔をゆがめた。ファイアリは、アクアのとなりにすわり、話をはじめた。

『アクアさんは、風花さんのこと、好きですか?』
『あたりまえだろう。まあ、あいつの場合、ちょっと危なっかしくて、ほおっておけないところもあるがな。』
『わたしも、風花さん大好きです。だから、きらわれていても、好きなら、それでいいと思いますよ。』

ファイアリは、アクアにニッコリとほほえみかけた。アクアも、その笑顔を見て、フッとほほえむ。

『……そうかもな。』


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