二次創作小説(紙ほか)
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- 【ダンボール戦機W】バン×ハルと忘却の彼方
- 日時: 2013/05/31 22:38
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
- プロフ: http://www.kakiko.cc/novel/novel3a/index.cgi?mode=view&no=10082
【読者の皆様へ レッドからの挨拶】
ダンボール戦機Wの小説でお馴染みのレッドです。
第2部の第1作【バン×ハルと失われた過去】の小説が終わった時点で新たに第2作を描くことになりました。
上記の参照に【バン×ハルと失われた過去(改)】のアドレスを載せておきます。興味のある方はクリックして読んでみて下さい♪
タイトルは【バン×ハルと忘却の彼方】です。
このようなタイトルに決まったのは、ハルの過去に繋がる記憶に出てくるオリキャラが1人くらい出ることを意味しています。
アメリカにいた時の記憶を中心に語られるオリジナルストーリーになります。
ミステリー×LBXを交えた謎解きアドベンチャーは今後も継続して描いていきます。
この小説はハルの兄・人見光一が登場します。
今回は大学4年生になる前のオリジナルストーリーになる予定です。
【原作:完結した作品】
第1作:バン×ヒロと黒影の亡霊
本編は全20章で完結、番外編は全16章で完結しているぞ!
ダンボール戦機Wの小説を描くにあたり、記念すべき第1作はホラー×ミステリーを交えた本格的な謎解きアクションアドベンチャー!!
第2作:バン×ヒロと過去の追憶
前作の【黒影の亡霊】の続編となった待望の第2作!
本編は全30章で完結、番外編は第25章で完結しました。
全30章にわたる大長編オリジナルストーリーを展開させることで感動あり、迫力ありの描写を表現しながら、展開が読めないようなオリジナルストーリーを手掛ける。
ポイント:ナオが記憶喪失していることだけではなく、ハルの過去に隠されたエピソードも収録している。
番外編では初登場した聴覚障害を持つ少年・船津直紀を取り巻く展開を中心にストーリーを進めていく。
これまでにないオリジナルストーリーを展開させることで前にも増して、文章力を上げることでクオリティをパワーアップさせた。
第3作:バン×ヒロと怨炎の幻想(ミラージュ)
前作の【過去の追憶】の続編となった待望の新作!
本編は第40章で完結しました。番外編は第4章まで進んだが、完結できませんでした。
なので、番外編は新シリーズの小説でリニューアルに伴い、執筆させることにいたしました。
全40章にわたる大長編オリジナルストーリーを展開させることで感動あり、迫力ありの描写を表現しながら、展開が読めないようなオリジナルストーリーを手掛ける。
ポイント:バンの弟・山野健太&直太の兄弟が初登場していることだけではなく、2人の過去に共通点を持つところがある。
バンが兄としての役割を担うことで、2人の弟をどうやってサポートしていくかというところも見逃せない!!
バンを支える仲間たちとの絆を深めながら、友情と感動を送るという感じになるストーリーも手掛ける。
健太と直太に対するバンの強い思いにも注目してください!!
第4作:バン×ハルと失われた過去
第1部の3作に代わる新シリーズ。第2部の第1作となった作品。
本編は全60章で完結しました。今までにない長編ミステリー小説。
全60章にわたる大長編オリジナルストーリーを展開させることで感動あり、迫力ありの描写を表現しながら、展開が読めないようなオリジナルストーリーを手掛ける。
ポイント:バンの妹となる山野リンが登場。リンの過去に隠された壮絶な記憶だけではない。
健太と直太の2人と共通点を持つことが判明。姉弟ということもあり、ある出来事をきっかけに絆を深めていく。
バンが兄としての役割を担うことで、リン・健太・直太をどうやってサポートしていくかというところも見逃せない!!
バンを支える仲間たちとの絆を深めながら、友情と感動を送るという感じになるストーリーも手掛ける。
リンに対するバンの強い思いにも注目してください!
【お客様】
シグレ:この小説に初コメしてくれた人です。友達だけど、ダン戦好きな人で気が合う! 2次(映像)でポケモン小説を描いておりますぜ♪ キョウヘイ君とヒュウさん、カッコイイ!! そして、メイちゃんもかわいい!!
たま:この小説に初めて来た人ですが、ダン戦好きで気が合います。映像の方でイナイレの小説を描いております。ロコちゃん、可愛すぎる!
タク:私の小説に初コメしてくれた人です。ダン戦シリーズの小説を読んでいて、凄く面白いと言ってくれました。本当にありがたいです♪ ポケモンの小説を描いておりますぜ♪
姫佳:2次(紙ほか)でイナイレの小説を描いてます。仲良くさせていただいてるので、たまにコメントをくれる親友です。輝姫・ティアラ・ここちゃんが可愛すぎる!!
雪桜奇:元は凛々でしたが、改名しました。この小説にコメントをくれる親友ですが…亞夢さまと和輝君をオリキャラとして使わせていただきます。亜夢さまと和輝の幼馴染コンビ、最高!!
【オリキャラ募集のお知らせ】
オリキャラの応募方法 >>34
この度、今作から応募方法を入れて募集することに致しました。
前作までは自らオリキャラを出してくださった方がいたので、今作から募集を行うことになりました。
読者の皆様のオリキャラ投稿、待っています!
【本編:キャラクター原案・構成】
本編の登場人物設定 >>1
バンたちの登場人物が設定されているぞ!
この小説に初めて来た人は読む前に目を通しておいてください。
健太&直太、姉のリン、イナイレの登場人物設定も収録されているので、それも含めて確認しておいてください。
この小説はハルの兄・人見光一も登場します。光一の活躍もお見逃しなく!
竜胆イブキ&桜崎トモミの登場人物設定 >>49
タクが出してくれたオリキャラです。この小説に出すということで応募して下さいました。
2人は幼馴染という設定で登場しますが、ハルの知り合いということもあり、LBXも載せております。
読む前に確認して、クリックしてください。登場予定は第9章〜第10章の予定です。
夢ノ崎亞夢&光ヶ丘和輝の登場人物設定 >>58
雪桜奇(凛々)が出してくれたオリキャラです。どうしても出したいということで応募して下さいました。
亞夢たんと和輝の幼馴染コンビがどうやって活躍するのか、そこを見逃すな!
登場予定はまだ未定ですが、10章以降の可能性あり。もう少しストーリーを進めた時にタイミングを計った上で考えて決めます。
【本編:ストーリー原案・構成】
第1章〜第4章:ミソラタウン編
第5章〜第7章:アメリカ(予定:ルークたちとの再会)
第8章〜 :謎かけ編(ハルの記憶喪失に関する謎など)
【本編:目次(ストーリー進行具合)】
第1部:ミソラタウン編
序章(プロローグ) >>6
第1章 7年が経過したミソラタウンでの日常…ハルの様子に異変を察したバンの違和感とは? >>10 >>16
第2章 7年前の事件に隠された謎とは? >>20 >>23
第3章 ヒロ&ナオの幼馴染コンビ登場!(前編)…バンからの大事な話とは? >>29
第4章 ヒロ&ナオの幼馴染コンビ登場!(後編)…2人が下した決断とは? >>33
第2部:アメリカ編(ルークとの再会、過去の出来事)
第5章 7年ぶりのアメリカ…そこで待ち受ける展開とは? >>39 >>42
第6章 7年ぶりの再会Ⅰ 幼馴染のルークに対するハルの思い >>43 >>60
第7章 7年ぶりの再会Ⅱ ルークの壮絶な過去…いったい、何が? >>69 >>72 >>86
第3部:謎かけ編(ハルの記憶喪失、事件に関する謎など)
第8章 ハルに忍び寄る影(前編)…その背景には、何が? >>91 >>93
第9章 ハルに忍び寄る影(後編)…ハルが記憶喪失!? >>95 >>100
第10章 桜崎トモミ&竜胆イブキの幼馴染コンビ登場! >>103-104
第11章 もう1人の幼馴染・高橋輝美との再会(前編) ハルに対するテルの思いとは? >>105
第12章 もう1人の幼馴染・高橋輝美との再会(後編) ハルは犯人を目撃していた? >>113
第13章 ロサンゼルス市警・捜査一課(前編) サイモン・マックロン登場! >>116
これからも応援よろしくお願いします!
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと忘却の彼方 ( No.93 )
- 日時: 2013/05/17 20:13
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
第8章の続き(ハル視点)
バンは肩を竦めながら、眠そうに欠伸する。仕方がないと思っているのか、私の肩を掴んで抱きしめた。
ジョーイを失ったという出来事があったので、辛いと思わせたくないのだろう。
その気持ちは分かりきっていたようなものだ…孤独を感じつつ、気を紛らわせることで不安を解消することができた。
「お前なぁ、ジョーイのこと…今も好きだったって思ってんだろ?」
「うん…ジョーイはいつだって、優しくしてくれたよ。なのに、目の前から消えていくのが信じられなくて…」
ジョーイとの思い出が少しずつ蘇る。学校でよく喋りながら、ふざけ合って遊んでいたこともあった。
幼馴染であれ、ジョーイは私を気遣って英語を教えてくれたりもした…もちろん、リーザもその1人だった。
リーザは中学に入ってから、仲良くなった友達の1人でよく喋ることが多かったのを思い出してしまう。
「リーザもジョーイも、目の前から消えてしまうんだよ…っていうか、そんなこと言ってもしょうがないけどさ」
「ハル、俺は別に気にしてないよ。お前がどう思ったか聞いてるけど、2人を失ったのが辛くて話せないことがあったんだろ?」
バンは私を抱きしめながら、背中を擦って話しかけてくれる。幼馴染だからこそ分かる、寂しさによる孤独。
ジョーイとリーザを失ったことで、目の前から誰かが居なくなるのを恐れていたから…そのせいでバンたちに話せずにいたのだということを-------
「うん…」
「やっぱり、そう思ってたぜ…でもな、天国に居るからきっと見守ってるはずさ」
「…氷介兄さんも天国だもんね…っていうか、本当に嫌だっ!!」
バンの服の裾を掴んで、3人に対する思いを込めて号泣する。その様子を見て、優しく受け止めながら抱きしめた。
ルークとリーフ、ケイティが居るから、辛いと思ったことはなかった…なのに、3人が居ない寂しさを受け止められずにいたのだ。
「ハル…」
「バンッ…目の前から居なくならないでよぉ…」
ギュッと力を込めて、バンの服の裾を掴んで嗚咽を上げながら言う。そんな私の様子を見て、思わず苦笑した。
「何言ってんの、お前…俺はここにいるから、大丈夫だぞ」
「バン…私、目の前から消えてしまうのが嫌なんだよぉ…」
ヒックヒック、と嗚咽を上げながら号泣している私の背中を擦りながら、黙って聞いていた。
いつも酔っ払って、たまに私の話を聞いてくれるバン…そんな彼を見ていて、酒を飲むのはいいって思っていても飲みすぎは良くない。
(バン…いつだって、私を助けてくれた…時には見守ってくれたりもしたっけ…)
バンは酒を飲んで帰ることが多く、飲み会に連れ回されることもあった。
時には、私がその場所まで迎えに行ってあげたり…そんなこんなでバンに付き合ったりもした。
死んだ兄の氷介の代わりとして、私の様子を見守ってくれる兄貴的存在だった…そんな彼のことが大好きになっていったのは覚えている。
「バーカ、そんなこと思ってんならさぁ…俺が傍に居るから、心配しなくても大丈夫だって」
「バン…私のこと…今でも心配してくれてんの?」
「心配してるよ、お前がいきなり無茶なことしでかしそうだからさ。俺だって、ハルのことを気にしてんだぞォ〜」
いきなり無茶なことをしでかすって…確かに当たってる、しっかり私のことを見抜いている。
バンは私のことを心配して気遣ってくれて、探してくれたりもしたっけ…それで怒られたこともあったし、懐かしく感じた。
「俺がどんなに心配してんのか、分かってねぇだろ…っていうかさ、お前は本当に無茶なことしでかすんだからなぁ」
「ごめんなさい…っていうか、バンに怒られたくなかったのは確かだけどね」
「何でそうなるんだよ。俺は気にしたことねぇし、ルークたちにも迷惑かけたことあったか?」
「…っ、ルークたちには…うん、そんなこともあったりするかな」
あはは、と笑いながら流そうとした矢先…バンは私の頭をパシッと優しく叩いた。
本当に無茶なことをしでかしたことがあるのか…というようなしぐさを見せていた。
「お前、ホントに無茶なことしでかしたの…アメリカで?」
「うん、ちょっとね…日本に帰る前だったから、ルークたちには迷惑かけたかなーって…」
アメリカで何をしでかしたのかは…想像にお任せしてもらおうかなって思ったりする。
まぁ、バンたちが居たから良かったと思っている…辛くなった時はバンに愚痴を聞いてもらっていたから、彼と話すのが唯一の楽しみだ。
「バカ、そんなこと言ってんならさぁ…ルークたちも気付いてんじゃね?」
「でも、あんまり話すことってないんだよねー。日本語より英語で話すことが多かったからさ」
「そうなんだ…まぁ、日本語で話すことは少ないけどな…そこはしょうがねぇよ」
バンは苦笑しながら、私の腕を掴んで手繰り寄せる。いきなり、そんなことして良いのか。
やっぱり幼馴染として、話すことがたくさんあった…でも、赤い瞳の男が気になる。
「赤い瞳の男ねぇ…そいつには会ったことねぇが、気をつけた方が良いな」
「そうだね、やっぱり気をつけないとまずいか…」
確かに気をつけなければいけない…逆に怪しげな視線を注がれたりしたら、まずいことになる。
気を引き締めていかないとヤバいことになりそうだ…バンはいつも傍に居てくれる、そういうところが好きだった。
「バン…」
「んー?」
「今日は話を聞いてくれてありがと…」
「バーカ、いつでも聞いてやるって…これで気が済んだろォ?」
バンは私の頭を撫でながら、溜息をつく。やっぱり、傍に居てやった方が良さそうだ。
しょうがないわけではなかったが、そろそろ寝る時間なので…電気を消して就寝した。
翌日、ルーク宅を出て散歩に出かけた。公園を散策しながら、久しぶりに歩いた。
バンはヒロと一緒にジェシカのところに行くと言っていた…せっかくだから、ナオ&ケイティと一緒に行くことになった。
「ハルさん、何か良い天気ですね」
「そうね…まぁ、私たちも気を緩めないようにしなきゃね!」
「フフッ、よく言いますね…っていうか、ハルさん…」
ナオは何か思い出したのか、後ろを振り返った。何かが居そうな予感がするのは気のせいか?
訝しげに考え込んでから、ナオは私を見て思い出しながら呟いてみた。
「もしかして、昨日…バンさんと話しこんでたのは赤い瞳のことですか?」
「えっ、何で知ってんの!?」
「ヒロが目を覚ましだして、バンさんのところに戻るんだーって言ってて…。その時に部屋から声が漏れてて、少し覗き込んだら…」
その時に部屋を覗いた時に話を聞いて知ったのだという…両目に赤い瞳をした男の存在すら知らなかった。
ナオは溜息をつき、私を見やりながら苦笑する。どうして、あの時…話してくれなかったのか。
その事について、疑問を抱いたのも頷けるわけで…どうも、気になることがあって考え込んでしまう。
「ハルさん…どうして、私たちに話してくれなかったんですか?」
「ごめん、バンだけ話すつもりでいたけど…ナオたちには、どうしても言えなかったの」
バンには話すつもりでいた…なのに、ナオたちに聞かれてしまうとは思わなかった。
これ以上、話を聞かれてしまうのもまずいか…と思っていたその時、バレてしまうのも時間の問題だ。
気を取り直して、ナオと一緒に遊ぶ時間を過ごしながら楽しむことに集中した。
(よーし、楽しむか!)
時間が経ち、夜になって帰り道を歩いていた…その時、ナオが何かを感じて振り返った。
「…!」
ナオが異変を察知した頃には、道の向こうから不気味な音が聞こえていた。
こんな時間に不気味な音が出るとは思えない…いや、それは有り得ない。
「まさか…」
「ハルさん、どうしたんですか?」
「ナオ、気を引き締めて。どこから来るか分からない…っ!?」
その時、頭に何か殴られたような音が聞こえて触ると…血が伝っていた。
後ろを振り返ると…見覚えのある赤い瞳の男が立っていた。左手で頭から出てくる血を押さえ込んだ。
「ハルさん…頭から血がっ!」
ナオが怯えながら指差した瞬間、赤い瞳の男はズボンのポケットから何かを出した。
ケイティが気付いて、ナオを狙っているのだということに時間がかからなかった。
…が、その時はもう既に遅し…ナオの身体にナイフを突き刺していたのだ。
「なっ…ぐ…うっ…」
腹から噴出してくる大量の血を見た私はビクッと怯えながら、顔を青ざめて叫んだ。
「ぎゃあああああ!」
そう言った瞬間、意識を失って倒れこんだ。しかし、この後…意外な展開になってしまうとは思っていなかった。
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと忘却の彼方 ( No.94 )
- 日時: 2013/05/17 20:31
- 名前: yumi ◆CGFOaQutxk (ID: P.nd5.WZ)
- プロフ: じんさん猫アレルギーなの!?え!?
おうふ((
更新したと聞いてやってきました((
何これ俺得
さらにコープスパーティの世界とか行きたくなった
エンカ「そういう暇があるなら助けろ」
ごめんなさい((
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと忘却の彼方 ( No.95 )
- 日時: 2013/05/17 21:08
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
第9章 ハルに忍び寄る影(後編)…ハルが記憶喪失!?
(ストーリーモード:バン)
ヒロと一緒に出かけて、酒を飲んだ帰りに立ち寄った駅前で休んでいた。
「うー…飲みすぎちまったぁ、ハルたちは先に帰ってんじゃね?」
「バンさん…そんなになるまで飲んだら、寝ちゃいますよ」
ヒロが俺を見て心配そうに声をかける。酒を飲むと、嫌なことが忘れられた。
そんな俺の様子を見て、思わず苦笑するしかなかった…酒を飲みながら語り合う時間は過ぎていき、気付けば深夜1時。
「こんな時間まで飲んだら、ダメだってリーフさんに言われてませんでしたっけ?」
「あぁ、そんなこと言われてたなぁ…っく、そろそろ帰るかぁ」
そう言って立ち上がろうとした矢先、ヒロのCCMに着信音が入った。
ヒロは大慌てで、CCMを開く…画面には、ルーク・タイロンという青年から着信が来ていた。
「もしもし、ルークさん?」
『ヒロ、大変なんだ!』
ルークの大きな声が聞こえて、ビクッと肩を揺らす。大変って…何があったのか?
ハルたちに何かあったのかということは何となく察することができた。しかし、ルークの口から意外なことが出た。
『ケイティから連絡があってな、ナオとハルが赤い瞳の男にやられたそうだ』
その言葉を聞いた時、一瞬身体が固まる。ハルとナオがやられた…それは有り得ない。
どうしても信じたくないが、ルークに言われた病院に向かうしかなかった。
「ヒロ、病院に行くぞ!」
「えっ…酔いを覚ますんじゃ…」
「そんなこたぁ、どうでもいいんだよ。いいから、急いでいくぞ!」
ダッ、と走り出したのと同時に病院に向かった。行き先はロス市内にあるロサンゼルス総合病院。
そこに向かって、病院の中に入ると…ルークが手術室の前に設置されている椅子に座っていた。
「ルーク!」
「おっ、バン…それにヒロも来てくれたな」
ルークは立ち上がり、俺たちのところに歩み寄る。ヒロが今までにない動揺を見せながら、不安を抱く。
その様子を見かねて、手術室の明かりを見たルークは少し息を整えてから落ち着くようにした。
「ナオは腹を刺されて、その…重体だそうだ」
「えっ…ちょっと、ナオが腹を刺されたって…なんで!?」
「ケイティの話によれば、赤い瞳の男にナイフらしきもので刺されたそうだ。その時、ハルは血を見て…大きな声を出して、気を失ったらしい」
ナオの容態を聞いた瞬間、ヒロはギュッと右手で拳を握りながらもワナワナと震わせた。
怒りと憎しみが混ざり合ったオーラを醸し出していた…ヒロは絶対に許せないという思いを抱いている。
「許せない…こんな酷いことをしたヤツを捕まえてやりたいです!」
「ヒロ、落ち着けって…ここは病院だぞ、大人しくしてろよ」
「これが大人しくしていられますか!?」
ヒロは左手で拳を握って、俺を見ながら顰めた。ナオはヒロにとっても大切な幼馴染だ。
赤い瞳をした男にナイフで刺されるとは…ヒロも想像していなかった。こんなことになってしまったのは、俺たちの責任だ。
「ナオを殺そうとしたヤツを捕まえなきゃ、気が済まないんですよ!」
「気が済まないって…確かにそうかもしれないけど、今は落ち着けって」
「バンさん…ナオのこと、大好きなんです。あいつ、僕に甘えてくるのが多かったから何もしてやれなかった…」
ナオに対する強い思いがヒロを熱くさせてしまう。目の前で彼女を失いたくないというオーラを感じた。
俺もハルのことを失いたくない…何があっても、俺が守るって誓った。なのに、事件に巻き込まれてしまうとは想像していなかった。
「ヒロ、それは俺も同じだよ。ハルは俺の大切な幼馴染だ、何があっても守るって誓った…なのに、何で…」
ハルが居なくなることに対して、不安を抱く。俺だって、ハルのことが大好きだった。
彼女はいつだって、俺に構って欲しいと思って明るく振舞うことが多かった…それで、無茶なことをしでかすこともあった。
「絶対に許せねぇ、あいつを捕まえてやらないと気がすまない!」
「その通りです、バンさん!」
ヒロが意気込みながら頷いて笑う。絶対に許さない…そいつを捕まえて、その時に問い質してやるつもりだ。
ふと、ハルのことを思い出して…気になったことがあったので、ルークに聞いてみた。
「ハルはどうしてるんだ?」
「彼女なら、病室に居るよ。ケイティが傍に居るから大丈夫だ」
「そっか…良かった、大したことにならなくて済んだな…」
ハルの様子を聞いて、命に別状はないということが伺えた。その時、ケイティが俺たちのところに駆け寄る。
「ルーク、大変なの!」
「大変って…何が?」
ケイティが息を切らしながら、肩を上下に揺らしながら顰めた。もしかして、嫌な予感がしそうだ。
ようやく、ケイティから告げられた言葉は…俺たちを揺るがす、とんでもない展開になっていた。
「ハルの様子がおかしいの、何も覚えてないって言うし…」
その言葉を聞いて、呆然とした俺はその場に佇んだ。ヒロとルークに向かって行ってくると言って駆け出した。
ケイティの案内でハルの病室に入ると、ベッドの上に虚ろな目つきをしたハルがいた。
「ハル、大丈夫か?」
心配そうに声をかけてみると…ハルは俺を見て、虚ろな目をしたままで声を発した。
「…誰なの、あなたは?」
その言葉を聞いた瞬間、身体が固まった。まさか、記憶喪失?
ハルが記憶喪失って…いくらなんでも有り得ない、何でこんなことになってしまったのか。
「さっきから、こんな状態なのよ。さっき、目を覚ました時は記憶を失ってたの」
「そんなバカな…嘘だろ、信じられねぇや…」
記憶を失ったハルの前で何を言えばいいのか分からなかった。その時、病室のドアが開いた。
振り返ると、ヒロが心配そうにやってきた…ナオの容態を聞くと、危機は脱したものの、意識が戻るかは分からないそうだ。
「バンさん、ハルさんの様子がおかしくないですか?」
「うん…どうやら、記憶喪失みたいだな…」
ヒロの目が大きく見開かれ、ハルの方を向いた。本当なのか、というような顔をして驚きを隠せない。
ハルが記憶喪失になるなんて…まさか、こんなことになるなんて思わなかったのだろう。
「嘘でしょ…記憶喪失って…どういうことですか?」
「さぁな、それは俺も分からない。先生の話を聞いてみた方が良さそうだな…」
記憶を失ったハルを見て、躊躇うこともなかったが…このままでは、ハルが危ない。
俺たちでハルを守っていくしかないのだと考えた上で、彼女を気遣うことが増えそうだ。
この時、ハルに対する複雑な思いを抱くようになってからは犯人を捕まえておかなければいけないと誓った。
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと忘却の彼方 ( No.96 )
- 日時: 2013/05/17 21:21
- 名前: yumi ◆CGFOaQutxk (ID: P.nd5.WZ)
- プロフ: じんさん猫アレルギーなの!?え!?
記憶喪失!?
あー、ショックとかで…
早く戻るように頑張れ!
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと忘却の彼方 ( No.97 )
- 日時: 2013/05/17 21:34
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
yumi
ビックリした?
そう、ハルが記憶喪失になりました!
何か描いてたら…とんでもない展開になっちゃったっていうね!!
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