二次創作小説(紙ほか)
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- ツバサ -DReaM CHRoNiCLE- 〜夢に導かれて〜
- 日時: 2015/02/21 19:37
- 名前: Va*Chu (ID: vAYBtxw9)
二次創作は初です、Va*Chuです( ´ ▽ ` )ノ
私は、「ツバサ -RESERVoir CHRoNiCLE-」及び「ツバサ -WoRLD CHRoNiCLE-」の二次創作を書かせていただきます。どうかよろしくお願いしますo(^▽^)o
- Re: ツバサ -DReaM CHRoNiCLE- 〜夢に導かれて〜 ( No.26 )
- 日時: 2015/04/19 08:54
- 名前: Va*Chu (ID: vAYBtxw9)
Chapitre.14 仲間への信頼
戦いが終わって、街の復興が始まった。街をこんなにするきっかけは自分たちだし、と一行もその手伝いをしている。なお、彼らは自分たちの住む場所を失ったので、クビにされながらも『魔神狩り』の施設に住まわせてもらっていた。
そう、結局クビにされたのだ。
何があったのか全く覚えていない小狼は目覚めてから何があったんだ、とファイと黒鋼に問い詰めた。しかし、ふたりとも曖昧な答えしかくれず、小狼は腑に落ちない様子であった。けれど、きっと話せば悲しがるだろうし、話さないのが小狼のため、とファイと黒鋼の間で決めていた。
『で、復興は進んでいるのか?』
そして、戦いの間は一回も連絡をとれなかった四月一日と小狼は話している。ああ、一応。そう小狼が答えたが、表情は暗い。そういえば、ファイが元気がないんだよね〜なんて言ってた気がする、と四月一日は思う。
『小狼、やっぱりまだ本調子じゃないか』
「いや、そんなことは…」
『あるはずだよ。魔力は戻っても、血は戻らない。ひどい貧血だと思うけどね』
半目で四月一日がそう言うと、う、と小狼も参ったようだった。元気がないのはこのせいでもあるんだろうけど、あるいは…
『桜の木のこと、気になるか?』
四月一日の言葉に、ピク、と小狼の肩が動いた。わかりやすいな、なんて思いながら四月一日は話を続ける。
『あれは、君の夢の中で息づいていた、桜の木だ』
「…え?」
あまり意味が分かっていないようで、小狼が首をかしげる。まだ貧血で頭がぼうっとしているのだろう。
『だから、あれは、君自身の心なんだって』
「それは…」
『君が封印していた「苦しい」とか「痛い」とかそういう感情が具現化したんだよ、君の気づかないうちに』
小狼が驚愕して目を瞠った。四月一日はまあ驚くよな、と呟いて、溜息をついた。
『それに、その世界の闇を利用して君を狙う何かが憑依してしまった』
「そう、だったのか…」
『だから、おれの言いたいこと、わかるか?』
四月一日がより強調して言ったその言葉に、小狼はえ、と声を漏らした。だと思った、とでも言いたげな表情で四月一日は言う。
『自分の感情を押し殺しちゃダメだ』
強い光を宿した四月一日の瞳が、小狼のそれを見つめる。小狼は少し、迷っているようだった。
『君には、仲間がいる。彼らに、頼っちゃダメなのかな?』
「…」
小狼は黙って俯く。頼りたくないんじゃない、頼るべきではないと、頼れば彼らの重荷になってしまうと思っている。それは四月一日が見てわからないわけがなかった。
『もっと頼るべきだよ。少なくともおれは、そう言われた』
「…おれ…」
呟いたのを耳に挟んで、四月一日は黙った。少しの沈黙ののち、小狼は顔を上げて苦笑した。
「…おれ、本当に莫迦だったな」
『うぇっ!?』
予想外の言葉に、四月一日の口から変な声が漏れる。それにくすくす笑って、小狼は続ける。
「どこまでも独りよがりだったから。結局みんなを心配させてたんだ…」
『…』
「君尋にも、心配かけたな。本当にごめん」
『…ああ、まったくだよ。結局、なんにもできなかったけど』
そんなことないだろう、と小狼は苦笑した。そして、もうひとつ、こう言った。
「さくらにも、ごめん、それから…ありがとうって、伝えてくれるか」
『ああ、伝えておくよ。じゃあ、そろそろ客が来るから』
「ああ、ありがとう。じゃあ、また」
なんでさくらちゃんのこと、と思ったけれど、そこは触れないでおいた。多分、夢の中で桜の木が壊れたとき、それを仕掛けたのがさくらであることが直感的にわかったのかな、と自分の中で結論づけて、四月一日は通信を切った。
- Re: ツバサ -DReaM CHRoNiCLE- 〜夢に導かれて〜 ( No.27 )
- 日時: 2015/05/03 07:54
- 名前: Va*Chu (ID: vAYBtxw9)
Chapitre.15 新たな世界で
戦いから3日後、モコナの耳飾りが光ったので、一行は次の世界に移動した。その世界は、比較的安全なところで、戦いの傷が癒えていない黒鋼やファイ、体調の戻らない小狼にとってはありがたかった。
その世界に着いて、まずは就職をするわけだが、やはり彼らには桜都国の『鬼児狩り』、テルモンド王国の『魔神狩り』のような仕事が向いているようで、賃金ももっとも高いしとその仕事に就いた。今回は効率よく仕事ができるようにと3人は全く他人ということにしている。特異な3人が集まると、ろくなことにはならないからだ。
「おはよぉ〜」
「おはよーファイ!」
「うー、あったま痛い」
ファイが頭を押さえながら言う。モコナは宿酔いだぁ、と笑った。唸りながら、ファイが続ける。
「あれぇ、ふたりは?」
「黒鋼は外で鍛錬するって。小狼はまだちょっと気分悪いって」
「あーそう。オレ、もうちょっと寝てようかなぁ」
「ファイ、今日休みじゃないよ」
「嘘でしょ」
夕べ、小狼とモコナが寝たあと、黒鋼とファイは飲み比べをした。ファイは自分がいつ寝たかを覚えていないから、負けたなぁ、と思いながら、出勤の時刻が迫っていると知り、宿酔いの頭で嫌だなぁなんて考える。おそらく黒鋼はこのまま出てしまうんだろうし、モコナの言い方からするに、小狼は休むのだろう。あれからもう5日は経つのに調子が戻らないことは、あの桜に宿っていた闇の力がどれだけ強大で、どれだけ小狼の生命力を奪ったかがわかる。
「じゃあモコナ、いってくるね。小狼君に欠席連絡いれておきなよって言っといて」
「あいあーい、いってらっしゃーい」
ファイが出ていったあと、モコナは庭にいる黒鋼に声をかけた。
「ファイ、もう行ったよ」
「わかった。俺もそろそろか。小僧は行ったか」
「今日、休むっぽい」
「そうか。欠席連絡いれておけって言っとけ」
「ファイにも言われたから大丈夫」
黒鋼はそうか、と言って銀竜をしまった。そして近くにあった彼の荷物であろう小包を持って、いってくる、と裏口から出ていく。モコナもいってらっしゃい、と言って、今度は寝室に向かった。
「小狼、大丈夫?」
「うー…」
ガチ寝だったようだ。らしくなく、呻き声をあげた。モコナは小狼の枕元まで行き、もう一度声をかける。
「大丈夫?」
「ああ…ごめん、大丈夫だ。少し熱っぽいけど」
「休むんなら欠席連絡いれてってふたりが」
「もういれた…」
熱を含んだ声で、消え入るように小狼はそう言った。モコナが次に声をかけたときにはもう返事はなく、寝てしまったなぁとモコナは感じて部屋を出た。
こんな毎日の中で、ちょっとした事件が起こる。可愛らしくも、修羅場が待っているであろう事件が。
***
更新遅れてすみません! 今回から新章です。可愛らしい内容になっていると思います。さくらちゃんの出番もたくさんあります♪ お楽しみに☆
- Re: ツバサ -DReaM CHRoNiCLE- 〜夢に導かれて〜 ( No.28 )
- 日時: 2015/05/17 09:29
- 名前: Va*Chu (ID: vAYBtxw9)
Chapitre.16 白、黒、琥珀
職場に着いて、出欠票を提出したファイは、自分の所属するチームの部屋に入った。あくびが止まらないけれど、すればするほど頭痛が激しくなって、顔をしかめる。その様子を見た仲間たちが声をかけた。
「よお、眠そうだなぁ。その様子だと宿酔いか?」
「あーわかります?」
尋ねてきたのは、チームの中で最年長に見える(実際はファイが最年長なんだけれど)、白髪で褐色の肌、がたいの良い男、ディガロだった。彼はとても明るい性格で、このように入ってきた人に真っ先に声をかける。
「昨日、隣に住む人と飲み比べをしましてね? 普段はこんなにならないのになぁ」
「っはは、気の毒になぁ」
「じゃあ、ファイ兄、今日は午後からのシフトだから、午前はゆっくりしてなよ〜」
そう言ってファイを心配する少年はゾーラだ。白髪のはねた髪に、翡翠色の瞳が特徴だ。ゾーラの勧めに、しかしファイは断った。さすがに作戦会議ぐらいは参加しないと、午後からみんなに迷惑をかけてしまう。
「本当に大丈夫ですか? お薬などは…」
「あ、いや大丈夫大丈夫。ありがとー」
心配してくれた黒髪で海色の瞳を持つ少女の名はナーシャ。このチームの紅一点だ。
ちなみに、このチームは全員新参者で、しかし強いことから『白』のチーム、という呼び名がついている。
「…では、今夜の獲物ですが、ちょうどこのあたりに現れると推測できます」
地図を広げて、参謀であるナーシャが言った。そう推測できる理由として挙げられたのは、このあたりの環境、獲物の性質である。
「なるほどね。でも、狙っているのは当然、オレたちだけじゃないんでしょう?」
ファイがにこにこして尋ねると、そうですね、とナーシャが頷いて、答えた。
「『黒』と『琥珀』が狙っているでしょう」
その晩、『白』は推測されたあたりで、獲物を待ち構えていた。当然、彼らだけではなく、『黒』、『琥珀』と呼ばれるチームらもいたが。
「よお、『白』。またお前らとかぶったのかよ」
「みてえだな」
黒髪のサングラスをした『黒』の男に言われ、ディガロがにやりと笑みをこぼして言った。この3つのチームは全員新参者にも関わらず、会社の中での精鋭が集まっており、実力も五分五分。殆どの手柄はこの3チームがかっさらっていた。
「…そろそろ来ますよ」
呟いたのは『琥珀』の少年だ。茶髪に黒の瞳、どことなく冷徹な雰囲気を持つ。
そうこうしているうちに、上空、遥か彼方から降ってくるものがあった。
今夜の獲物だ。
それは大きな衝撃をもたらしながら地面に足をつき、周囲を圧倒した。それと同時に敵を認識したのか、初速をつけ、地面を蹴った。
「よし、行こう!」
「うっす!」
「ラジャー!」
『了解です!』
ファイの声に、現場にいない参謀ナーシャも含めた全員が頷き、敵と同じく初速をつけ、地面を大きく蹴り、
速度を、うみだした。
- Re: ツバサ -DReaM CHRoNiCLE- 〜夢に導かれて〜 ( No.29 )
- 日時: 2015/06/02 16:20
- 名前: ゆーみん ◆okR9D5EASs (ID: hVBIzJAn)
おひさしぶりです〜
ついに新章はじまりましたね!前章もとてもよかったです。
白、黒、琥珀、ってことは、あの3人のグループだったりするんでしょうか……?
続きが楽しみです。更新がんばってください!
- Re: ツバサ -DReaM CHRoNiCLE- 〜夢に導かれて〜 ( No.30 )
- 日時: 2015/07/05 08:12
- 名前: Va*Chu (ID: q/Nw05BF)
ゆーみんさんへ
おそくなってすみません!
ありがたいお言葉…!! ありがとうございます!(日本語おかしい)
白、黒、琥珀…ふふ、さぁて、なんのことでしょうねぇ??←うざい
今、書き溜めをしておりますので、どうか末永くお待ちくださいませ!!
ご来場、コメント、ありがとうございました!!