二次創作小説(紙ほか)
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- ツバサ -DReaM CHRoNiCLE- 〜夢に導かれて〜
- 日時: 2015/02/21 19:37
- 名前: Va*Chu (ID: vAYBtxw9)
二次創作は初です、Va*Chuです( ´ ▽ ` )ノ
私は、「ツバサ -RESERVoir CHRoNiCLE-」及び「ツバサ -WoRLD CHRoNiCLE-」の二次創作を書かせていただきます。どうかよろしくお願いしますo(^▽^)o
- Re: ツバサ -DReaM CHRoNiCLE- 〜夢に導かれて〜 ( No.21 )
- 日時: 2015/03/30 03:52
- 名前: 星野* (ID: eNPK8IuO)
うわわわっ!すごいハラハラでドキドキな展開に……!
とっても読みやすいです!表現も豊かですし!
とても面白いです(((o(*゜▽゜*)o)))更新楽しみにしてます!
補足:出して欲しいキャラでサクラちゃんを(笑)
サクラちゃん大好きなんですよー♪( ´▽`)((どうでもいい
- Re: ツバサ -DReaM CHRoNiCLE- 〜夢に導かれて〜 ( No.22 )
- 日時: 2015/04/02 07:37
- 名前: Va*Chu (ID: vAYBtxw9)
杏奈さんへ
来てくださりありがとうございます!! しかも褒めて頂いて…!! 嬉しすぎて死にそうです!!笑
それから、新章では小狼が愛されるようなお話を期待されているとのこと! ぜひぜひ今度はこんな殺伐としていない、小狼が愛されるようなかわいい話を書きたいです!
来場&コメント、本当にありがとうございました!
では、またのご来場、お待ちしております♪
星野*さんへ
コメントありがとうございます!!
読みやすいと言って頂いて、誠に光栄です! でもやっぱりまだまだですよ、私は!笑
また、新章ではサクラちゃんの登場を望まれているとのこと。私も次の話では全面的に出したいと思っていたところです!
では、またのご来場、お待ちしております♪
- Re: ツバサ -DReaM CHRoNiCLE- 〜夢に導かれて〜 ( No.23 )
- 日時: 2015/04/02 09:33
- 名前: Va*Chu (ID: vAYBtxw9)
Chapitre.12 戦いの終末
音が、一切の音が耳に入ってこない感覚がファイとモコナを襲った。代わりに、全ての意識が目にそそがれていた。
目の前のその人は、その場にしゃがみ込んで、ふわり、と笑った。
「な…んで、…君が。逢えないはずの、君が、ここに」
ファイがその人——『もうひとりの小狼』に、途切れ途切れに話しかける。彼の存在が信じられなくて、それ以上の言葉は出ない。
『お久しぶりですね、ファイさん、モコナ。黒鋼さんはいないようですが』
『もうひとりの小狼』がそう呟く。そして、小狼の頬に手を伸ばした。
『とはいっても、おれがここに"存在"しているわけではないけれど…』
伸ばした手は、小狼に触れることはできず、するりとすり抜けてしまう。それは、彼が躯を持って存在しているということを否定するには十分だった。
『…この木が小狼の魔力と一緒に、おれも吸い取ろうとしてしまって』
「でもでも、それだけで『小狼』は出てこれないでしょ?」
それまで黙っていたモコナが口を開いた。確かにそうだね、とファイが頷くと、『もうひとりの小狼』もそうです、と肯定した。
『直前に小狼自身が膨大な魔力を放出したのと、さくらが夢を渡って魔力を使ったから、その流れに乗れたんです』
「…それで、わざわざ現れて、一体どうしたの?」
ファイが尋ねる。『もうひとりの小狼』はそのとき立ち上がって、ファイを見据えて言った。
『こうしている間にも、小狼は魔力を吸い取られています。時間がありません』
そう言われてハッとすると、桜の花びらは色鮮やかになっていっている。対照的に、小狼の顔色はどんどん悪くなる。魔力を持つ者は魔力が少なくなればなるほど死に近づくことをみんな知っているから、みんな息を呑んだ。
『この木を破壊すれば、魔力も全て還ってきます。しかし、それには少なくとも小狼の倍の魔力は必要だ』
「…それって」
『ええ。さすがのさくらでも持たないほどの膨大な魔力です。ひとりじゃ足りない』
そこまで聞いて、ファイは確信した。つまり、彼はこう言っているのだ。
『おれの魔力とファイさんの魔力。足せばちょうど小狼の倍にはなる。さくらも手を貸してくれました』
「…君の言いたいことはわかった」
『ええ、貴方の察する通りです』
『ふたりで協力して、この桜を壊しましょう』
黒鋼は銀竜を握り、仲間のことを思いながら、ローゼンたちを見据えた。
———敵は6人、目の前に主将、右に2人、左に2人、後ろに夢見。
そう考えて、それほど大変なものではないなと思う。こちらにも急ぎの用はある、長引くようなことはしたくない。
「まずはひとり———」
そう言って、その場から目にも見えないような速さで夢見の女の後ろにまわり、彼女が驚く間もなく峰打ちをかます。その瞬間に、右の2人が動く気配を感じ、そちらに意識を向け、2人の姿を一瞬でも確認すると、銀竜を大きく振った。それは見事命中し、峰打ちをくらった2人はその場に倒れる。
「これで3人———」
今度は左側で気配を感じ、銀竜を振ったが、相手の剣に受け止められてしまう。その隙を突いて、もうひとりが後ろから攻撃を仕掛けたが、そんなの黒鋼に通じるわけもなく。銀竜をぐり、とまわし、相手を剣ごと縦に回転させ、地面に叩きつけて気絶させ、もうひとりも蹴りをくらわせて昏倒させた。
「残るはお前だな」
そう言って、銀竜をローゼンに向け、にやりと笑った。ローゼンも同じように笑って自分の剣を構えた。
「受けて立と…———っ!?」
そのときだった。ドン、と大きな音とともに、ぐら、という擬態が本当にぴったりなぐらい世界が大きく揺れた。音は先ほど見えた光の方からで、ハッとした黒鋼とローゼンがそちらを向くと、そのとき唐突に空を覆っていた雲が開けて、青空が広がった。———雨が、止んだのだ。
空が開けたと同時に、魔神の姿も消えた。これは、とローゼンが呟いたが、黒鋼は息をついて言った。
「終わったか」
———世界が、元に戻った。
- ツバサ -DReaM CHRoNiCLE- 〜夢に導かれて〜 ( No.24 )
- 日時: 2015/04/08 20:17
- 名前: 秋桜 (ID: 7HladORa)
こんにちは♪
同じくツバサの小説を書いている秋桜(こすもす)です。
私のスレに来ていただきありがとうございます!
めっちゃ更新楽しみにしてます!
がんばってください。
- Re: ツバサ -DReaM CHRoNiCLE- 〜夢に導かれて〜 ( No.25 )
- 日時: 2015/04/12 10:00
- 名前: Va*Chu (ID: vAYBtxw9)
Chapitre.13 闇が晴れて
黒鋼は、大きく溜息をつき、銀竜を自分の手の中に仕舞った。ローゼンが驚いて目を見開くが、すぐに憤りの表情を見せ、叫んだ。
「どうした! 剣を構えんか! 怖気づいたか!?」
「違ぇよ、その必要がなくなっただけだ」
大声で焦ったように叫ぶローゼンを見て、黒鋼は眉を顰めて言う。
「お前もその剣、仕舞わねぇと大変なことになるぞ」
「な、な、なぜ、そう思…!」
「混乱は収まったようだしな。それに———」
黒鋼がそう言ったとき、いくつかの足音がふたりの耳に入ってきた。なんだ、とローゼンはそちらを振り向き、絶句する。黒鋼はわかっていたと言わんばかりに溜息をついた。
足音の正体は、『魔神狩り』の幹部メンバーだったのだ。
「ローゼン、我らの中でのルールを覚えているか?」
「…」
「『私闘厳禁』。特に、協力社会である『魔神狩り』において、最も破ってはならぬ掟であるぞ」
幹部は、ローゼンが黒鋼に対して言った言葉と同じモノを、ローゼンに浴びせた。ローゼンは悔しいのか、俯いて震えている。
「処分は戻ってから言い渡そう。ついてこい」
「…う」
ローゼンは、そこで何か発した。黒鋼がそれに気づき、いつでも銀竜が取り出せるように構える。そのときだった。
「う、う、う、わあああああああ!!!!」
「なっ!?」
ローゼンは、狂ったように叫び、手に持った剣を幹部に振り下ろす。黒鋼が動こうとしたそのとき、ドン、という音とともに、ローゼンが後ろに吹き飛ばされた。ハッとすると、黒鋼の目の前には見慣れた魔術用の文字が並んでいた。
「いやあ、危なかったですねぇ」
黒鋼の後ろから、へら、とした軽い声が聞こえた。———ファイだ。
「お前…」
呟いて振り向いたとき、ファイの腕に小狼が抱かれているのに気が付いた。眠っているだけみたいだよ、とファイが言う。そういえば、小狼の腕や頬についた傷からは、もう血は流れていない。それは、世界が通常運行しだしたことを如実に表わしていた。
「あったことは、このあとまとめて話すから。でも、小狼君が起きる前の方がいいかも」
「なんで」
「まあ、待ってよ。…それと、言っとくけど私闘をしたの黒ろんもだからね? オレたちクビだよ多分」
そう言って、幹部を振り向くと、そうかもしれんな、と返された。まあもうすぐ出発することになるのだろうし、構わないが。しかしそれでも何か悔しいようで、黒鋼は舌打ちをする。
「まあ、とりあえず帰ろうか」
「ファイ!! 大丈夫!?」
時は少し遡って、桜に対してありったけの魔力を放出した直後。ファイはさすがに疲労を感じ、その場に膝をついた。モコナが心配そうにのぞき込むと、大丈夫だよ、と返した。ふ、と息をついて前をみると、そこにはもう桜の木はなかった。空も晴れて、完全に闇は消え去ったようだった。
「これで、よかったのかな…って、あれ」
あたりを見回すと、もう『もうひとりの小狼』の姿はなかった。桜の木が消えて、乗れる魔力の流れもなくなってしまったのだろう。と、ハッとして倒れている小狼に駆け寄ると、顔色は悪いものの、寝息を立てて眠っていた。ほっとして彼を抱き起こし、モコナに行こうか、と言って、歩き出したのだった。
———戦いは、終わりを迎えたのだった。