二次創作小説(紙ほか)
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- あさきゆめみし〈薄桜鬼〉パロ
- 日時: 2016/09/08 17:59
- 名前: 小鈴 (ID: JQzgI8be)
はじめまして小鈴と申します。さて小説はこの話で三作品目になります。初めての作品は複雑、ファジー小説にのせています。よろしかっらそちらもお願いします。つきましては新しい話を書こうと思います。
薄桜鬼のメンバーを使わせていただきますが、駄文ですのでつっこみはなしでお願いします。
〈あさきゆめみし〉
設定。
時代背景は近未来。薄桜鬼のメンバーは軍人の扱い。主人公は少女。人と吸血鬼の話。
詳しくは書きながら付け足していく予定です。
オリジナル。
如月 芹〈きさらぎ せり〉リーダー。人。
浅黄 姫香〈あさぎ ひめか〉優しい娘。人。
桐谷 未羽〈きりたに みう〉顔つきを変えない。人。
立花 咲〈たちばな さき〉笑った顔しかできない。人。
天斗〈たかと〉吸血鬼の頂点に立つ男。残酷。吸血鬼。
和叉〈かずさ〉礼儀正しい。黒スーツ。吸血鬼。
東間〈あずま〉自由人。好きに生きる。吸血鬼。
今はここまでです。
- Re: あさきゆめみし〈薄桜鬼〉パロ ( No.34 )
- 日時: 2016/12/31 23:12
- 名前: 小鈴 (ID: C1fQ.kq4)
どこか寂し気に呟き目を閉じる。
「やはり、歴史から消されてしまったのですね」
薄く目を開けてそう言う。そのことが気になったのか。
「あの?せりちゃん」
ふいに声をかけられて千鶴を見た。
「なぁに」
大人の顔をした彼女に少し気おくれしてしまう。あまりの違いに千鶴は戸惑い視線を外す。
「あれぇ。どうしたの千鶴ちゃん。もしかしてせ・り・ちゃんに見とれちゃった?」
猫のように目を細めた。流石は沖田であるここぞとばかりに狙いを定めてくる。「え?」幕末の芹にはいまいち意味が分からない。ついいつもの癖で助けを土方に求め見てしまう。
「おい、なんでこっちを見てんだよ」
と言われてはへにゃりと眉が下がる。
「土方さん。何虐めてんだよ。」
「そうだよ。女の子泣かすなよな。」
「最低ですね」
永倉、原田に続き沖田が最期を締めくくる。沖田は棒読みで言っていたが土方は言葉を失くす。
芹はぱっと面を上げて皆に言う。
「えっと。泣いてはいませんが・・すみません。やはりつい、重ねてしまいます」
無理して芹は笑う。その顔は寂しげで今にも涙がこぼれ落ちてしまいそうだった。『そんな顔すんじゃねぇよ。俺が泣かせているみてぇじゃねぇか』思っても口にはしない。
「俺は・・・・お前の知っている男じゃねぇよ」
それしか言えずにいた。一緒にするなと暗に伝えていた。
「そうですね。そんなことをしてはあの人にもあなたにも失礼になりますものね」
分かっているというも芹は瞳はうるんでいた。『だめね。もう一度会えたというのに・・・私は感情ばかり先にたって想いは追いつかない』そんな芹を見たとしても土方にはどうすることもできない。『俺にはどうしてやることもできねぇ』拳は知らずに強く握られていた。
『本当は今すぐ抱きつきたい』なのに耐えなくてはいけない。知らないうちに芹は下を向き胸に両手をあてて痛みに一人我慢している。
うつむき胸に手当てている芹を見ていた土方は『お前はいつもそうやって一人で耐えてきたのか』と思った。
- Re: あさきゆめみし〈薄桜鬼〉パロ ( No.35 )
- 日時: 2017/01/04 21:24
- 名前: 小鈴 (ID: C1fQ.kq4)
はぁとため息をこぼすと面を上げろと土方が言う。芹のそばにいつの間にかきていた。
「土方さんどうしたんですか?」
沖田がにやにやしながら軽口を叩く。
「頭の使い過ぎで壊れましたか」
「黙りやがれぇ。」と土方が雷を落とす前に斎藤が言う。
「総司。黙れ」
じろりと斎藤が沖田を睨み黙らす。ようやく静かになる。
「話せ。何があったのか」
彼の優しさを知る。よく分かりきっていた。彼の性格を決して言葉や態度で示す人でないことを。
「変わりませんね。あなたは・・・」
小さく笑い次に芹は表情を引き締まめる。
「羅刹と言うのは人が鬼の血を飲んだもののことを言います。そして白い髪に赤い目に変わります」
「赤い目だとっ」
「はい。」
藤堂が前のめりになり聞いてくる。
「人がそれを飲んだらどうなるんだ?」
「駄目だよ。平助君」
千鶴は小さな声で言う。
「そんなものに頼らなくてもあなたたちは十分に強いでしょ」
芹は藤堂を見ながら言う。
「どのように変化するかと言われれば・・・血を飲まなくてはいられないほど狂います」
ばっと皆はいっせいに土方を見た。それはまさに吸血鬼そのものだ。
「しとめるには心臓、首を狙うしかありません」
得点などありはしないと伝える。
「寿命を使い羅刹となります。確実に短命になります」
羅刹のこと鬼の血のこと簡単に話をしていく。最後にこれだけを伝いたい。
「私は今でも永遠に変わることなくあの人を愛しています」
あの人と言った時だけ土方を見る。『わかっています。あなたとあの人を重ねてはいません』と目で伝える。
「私は・・ひっく」
「わかっている。せめちゃいねぇよ。如月が生きてきた人生だろ」
いつの間にか泣いていた。嗚咽をこらえることもできないほどに。ぐしゃぐしゃになっていた。本気で想っていた。愛していた。新選組のことも話していく。見てきたこと全てを。真剣に話を聞いている。
「それだけか」
土方が言う。
「なにがでしょうか?」
「新選組のことはここにのってる。だいたいは今の話でわかった」
- Re: あさきゆめみし〈薄桜鬼〉パロ ( No.36 )
- 日時: 2017/02/05 23:47
- 名前: 小鈴 (ID: C1fQ.kq4)
「何も利益もねぇのに新選組が手を付けるわけねぇって思ってよ」
「これは幕府からの命令でしたから・・・」
鋭き私的に内心ひやりとする。もう二度と同じ過ちをおかしてはいけない。あの時のあの人の慟哭を魂の叫びを今でも覚えている。嘘は言えない。
「普通の人に比べて戦闘能力が上がり怪我をしてもすぐに治るのです」
それはもう人ではない。下を向き芹はなにも言えなくなる。
「つまり戦闘能力が上がり怪我も治るんだ。すごいね」
にやっとして沖田が反応した。藤堂も同じように興味を示した。
「平助君。たとえそうだったとしても短命になり最後は灰となって消えてしまうのよ」
千鶴は大きな瞳をこれでもかとうるませていた。そんな彼女を見て藤堂は激しく動揺した。
「な、なんで泣くんだよ。大丈夫だって今はそんなものないんだから・・・」
泣き止ませようと口にしたが察しのいい男らはまさかと雪村を見つめる。
「そうよ。想像通りです。現在でもそれは可能です。純潔の鬼の血さえあれば簡単に作れるのです。毒そのもの。絶対に手を出してはいけない」
芹は説明をし目を閉じる。
「いつの世も同じですね」
悲痛に口にして雪村は涙をこぼしていく。まるで自分のことのように責任と罪悪感を雪村自信を襲う。胸が苦しくてたまらない。芹もまた自分をせめていた。次々と頬を涙が伝い落ちていく。見ているこっちが辛くなるほどに静かに涙を流し続けるのだ。誰だってほおってはおけないだろう。
「あの日の出来事は・・・うっ・・・今でも・・ひっく・・忘れません。歳さんが・・・ひっく変若水を飲んだのは私の責いでした。」
一度言葉を切り手の甲で目元をこする。土方は思わず、手首をつかんでいた。
- Re: あさきゆめみし〈薄桜鬼〉パロ ( No.37 )
- 日時: 2017/02/11 13:50
- 名前: 小鈴 (ID: C1fQ.kq4)
いきなり両手をつかまれて驚いていた。
「そんなにこすったら目を傷めるぞ」
と言われても涙は止まることはなく頬を伝い落ちていく。はらはらと。
「ひっく。歳さんの苦しむ姿は・・・うっ。」
それっきり顔を伏せてしまう。顔を隠すことは手をつかまれているのでできない。
「変若水を飲んだのはてめぇ自信で決めたことだ。責任を感じる必要はどこにもねぇ。・・・って言うだろう」
まるで自分自身の言葉のように途中まで口にして我に返り付け足す。その言葉で面を上げて黙って見つめてくる。きらきらと光り輝くその瞳は涙で濡れて艶をおびている。知らずに見とれていた。中身が違うだけ個まで違うのかと思った。ごっほんと咳払いが聞こえて二人は慌てて離れる。
「ちょっといつまでいちゃついているんですか。正直うっとおしいんですけど・・・」
「おい、総司」
斎藤が沖田を黙らせるがやや顔をそらしていた。
「べ、別にいちゃついちゃいねぇだろ」
焦った男は言いつくろうとしたがあえなく追撃された。
「いちゃついてんだろ」
「どう見てもいちゃついてただろう」
「だよな」
三人の男たちが口をそろえいってきたもので額に片手を当てて押し黙る。
「あ、あの。すみません。土方さん」
とたんにおろおろしだす姿は幼い印象をあたえてくる。ちらっと横目で見るも困ったように眉根を下げた。ふっと自然におかしくなり笑った。それに驚いたのは幹部たちであった。
「土方さんが笑った」
「明日は雨が降るかも吸血鬼たちの襲撃を受けるかもしれませんね」
「山南さん。演技でもねぇことを言うなって」
ざわざわしだす室内におさまりが見えなくなる。ぴきりと土方の額に青筋が浮かんだ。
「ふふ」と笑う声がする。千鶴がくすくすと口元を片手で隠している。「千鶴ちゃんよね」
と確認してくるとこくりと頷く。
「懐かしい光景ですね」
切なく寂し気に言う雪村を見て聞きたくなる。あの頃を彷彿させるものが目の前で繰り広げられていた。
「千鶴ちゃんは今でも平助君を・・・」
人差し指を自分の口元に持っていくと小さく笑う。しいっと。
「私は今でも忘れない。あの日あの時を変わることなく想っています」
最後にこういう。「わかっています。あの人ではないと」悲し気に目を伏せることしかできない。本当は今すぐ駆け出して抱きしめたい。それはできないときつく手を握り締めて耐えていた。過去の記憶を持ったまま今を生きるのは残酷なことだった。愛した男が目の前にいるのに男は何も覚えていないなんて・・・。
そんな女たちを見てこぼす言葉。
「残酷だよな」
「ん?どうしたんだ。左之」
「あの二人は前の記憶がある。」
考えて見ろと永倉に言う。女は全てを覚えている。男は全てを忘れている。ようやく会えたのに・・・。だったら全てを忘れたままの方がどんなに幸せなことか。
「芹ちゃんと千鶴ちゃんのことか?」
「ああ実はな。俺もわけがわかんねぇ感情があるんだ」
「ん?どういうことだ。佐之」
「新八にはわかんねぇか」
苦笑されむっとして声を荒げた。
「どういう意味だ?」
原田につかみかかっていく。
- Re: あさきゆめみし〈薄桜鬼〉パロ ( No.38 )
- 日時: 2017/04/11 20:33
- 名前: 小鈴 (ID: C1fQ.kq4)
「おい、どういう意味だよ」
永倉が頭にきて大きい声を上げて原田につかみかかった。
「新八っちゃん。どうしたんだよ」
二人の女もこっちを見てくる。
「声がでけぇんだよ。ばかっ」
ため息をついて原田は永倉の手を外させる。何か言っている男のことは存在自体を消し去る。
「もう一つ確認してぇんだが芹と千鶴は姫香たちのことも知ってんのか」
問われた二人はちらりと斎藤と沖田を見た。
「なに?」沖田は黒い笑みを向けられて「なんだ?」斎藤からは感情を一切捨て去ったいちべつを向けられて芹は近くにいる土方の千鶴は藤堂の背中に隠れてしまった。
「おい、総司に一君虐めるなよ」
責められた斎藤はとたんにうろたえだす。
「い、いや。俺はそんなつもりは・・・」
「そうだよ。僕たちは虐めてなんていないよね。一君」
人をくったような笑みだけを浮かべ藤堂を見てくる。
そろそろ止めないとまずいと判断して原田が口をはさむ。
「話を戻すぜ。んで?知ってんのか」
原田に問われたが今だに男の背中に隠れて出てこない。
「いい加減そこから出てきたらどうだ?」
永倉に言われ芹はびくびくしながら土方の後ろからそっと出てきた。
「あのなぁ。如月。いつまでそこにいるつもりだ」
土方にも呆れた目で見られて腕をつかまれて引っ張り出されてしまう。実は沖田と斎藤が怖く半分以上隠れていた。
「きゃっ。すみません。と・・土方さん」
いけないいつものくせで名前を呼びそうになってしまった。慌てて言い直したがだいぶ怪しかったであろう。片手で口をふさぎ自然と下を向いてしまう。
『仕方ねぇな』と内心ため息をついて頭をぽんと撫でてやる。自然と苦笑をした。
「もう、どうとでも呼べ」
「いいのですか?」
こくりと一つ頷いてやったらぱっと花が咲いた。そこだけ遅咲きの桜の花が咲いたように見えた。切なさが何故かうまれた。芹は嬉しそうに「歳さん」と呼ぶ。女にそんなふうになれなれしく呼ばせたことはない土方は何故か照れくさくなり視線をずらす。そんな二人を見て驚いてしまう。幹部のものは初めて見たのだ。そんな彼を。
「あの」小さな声で千鶴が声をかける。
「ん?」問いかけるのは藤堂だ。
「実は私もあったことあるの。」
「誰に?」
「姫香ちゃんたちに」
こっそり教えられた藤堂は目を向ける。
「いつ?」
まわりに配慮して小さな声で会話をしている。
「原田さん、斎藤さん、沖田さんがいた時に」
千鶴は寂し気に目を伏せる。約200年前の記憶を持っていたのだ。平助と結婚していた時が一番覚えていた。
「私よりも芹ちゃんの方が詳しく知っているはずよ」
そう言い懐かしそうに想いをはせた。
「歳さん。実は私知っています。姫香ちゃんたちのこと」
ようやく落ち着き芹が話を始めた。
「知っているだとっ。いつだ。あの時はそんな暇なかったはずだ」
とそんな言い方をされては記憶が戻ったと勘違いしてしまう。眉を寄せて目を閉じて開く。一度落ち着かせないと感情で動いてしまう。頭を振った。
「きっとあれは奇跡だったと思います」
言いずらそうに沖田から視線を外して土方にだけ聞こえるように伝える。
「沖田さんが病で亡くなったことはご存知ですか?」
「ああ。それは有名な話だ」
頷くのを確認してから皆を見ると同じように聞き耳を立てている。沖田自身。複雑な顔つきだった。
面白くない。まるで自分のことのように感じて。しょせんは他人事のはずなのにだ。
「如月君。ここに書かれていることは本当ですか?」
山南が手にしている【アイパッド】を渡されたので目を通していく。