二次創作小説(紙ほか)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

自己満足で書く
日時: 2017/03/19 00:00
名前: ぜんざい (ID: KEu3oUUg)


 どうもおはこんばんにちはぜんざいです。

 ここではぜんざいが自己満足で二次創作やら歌い手様やら夢やら書き殴って行きます。感想コメント大歓迎です。

 ぜんざいは基本自己満足で書くだけですので、不快に思われたらすみません。荒らし様等は潔くUターンしてください。
 アドバイス、コメント大歓迎です、画面の前で小躍りします。なつきます。

 しょっぱなからこんなにぐだぐだでどうしようもないぜんざいですが暖かく見守っていただければ幸いです。

では。☆(∀´)ゝシ

Re: 自己満足で書く ( No.14 )
日時: 2017/03/28 15:17
名前: ぜんざい (ID: RZK0hNxi)



 晋助は「なのにこの世界は俺たちからあの人を奪った」と目を伏せた。なら、奪われたのだから仕方がない。喧嘩を売るしかない、この世界に。あの人を奪ったこの世界を潰すしかこっち等には出来ないのだ。いくら奮闘したって、先生は戻って来うへんけど。それでも、抗い続けるしか。
 大きく風が再び吹いて、肩に羽織ったコートが空気を内側に取り込み吐き出してばさばさとはためく。こっちはそんなことなんか気にせずにただ一心に晋助の背中を見つめて、世界への憎悪を膨らませた。晋助だけやない。こっちだって、この世界が憎たらしくてしゃーないねん。



「なァ、ヅラ。お前はこの世界で何を思って生きる? 俺たちから先生を奪ったこの世界をどうして享受しのうのうと生きていける? ……俺は、ソイツが腹立たしくてならねェ」
「高杉……俺とて何度この世界を更地に変えてやろうと思ったかしれぬ。だがアイツが、それに耐えているのに……銀時が、一番この世界を憎んでいるはずの銀時がそれに耐えているのに、俺達になにができる。俺にはもうこの国は壊せん。壊すには、江戸には大事なものが出来すぎた。今のお前たちは抜いた刃を鞘に納める機を失い、ただいたずらに破壊を楽しむ獣にしか見えん。この国が気に入らぬなら壊せばいい。だが、江戸に住まう人々ごと破壊しかねん貴様等のやり方は黙ってみてられぬ。他に方法があるはずだ。犠牲を出さずともこの国を変える方法が。松陽先生もきっとそれを望んで……」



 長ったらしい桂の茶番劇は、突然桂の背後に現れた天人により遮られた。河上のやつ、成功したな。
 元々我ら鬼兵隊は、どうにかして春雨と手を結んで後ろ楯を得られないか苦心していたんやけど、そこへまあタイミングよく桂と坂田が春雨とやりおうたという情報が入ってきたんや。これを使わん手ェはない。うまくことが運びそうだ、と晋助が桂へと吐き捨てれば、こっちと晋助の名を叫んで刀に手をかけた。



「言った筈だ。俺ァただ壊すだけだ。この腐った世界を」



 戦場に高杉一派、桂一派、そして春雨派の天人が三つ巴の戦いでも始めたのかぎゃあぎゃあと喧しくなったのを遠耳にニヤリとこっちは歩くそ笑んだ。桂は天人の対象は遠く離れて姿が見えない。さあ、やれ、やれ。壊せ、全てを。奪え全て……奪え、全てを。
 もうこのボロ船に用はない。近くまで来ていたその春雨の船に移動して、甲板から必死に斬り合う坂田と桂を見た。



『よおやったなァ、河上。春雨相手に交渉成立、こっちが言ったら無言貫いとった思うわァ』
「まったく。世辞は要らんでござるよいおり」
「いや、テメェなりにゃよくやったぜ万斉」
「なんでござるか晋助、拙者なりとは。失礼でござる」



 見た目だけ拗ねた河上を放っていれば、唐突に船から二人を見下ろしていた河上は「あれが桂小太郎と坂田銀時、一手試合うて欲しいものだな」と言うポツリとした言葉は聞かなかったことにする。
 視線を再び二人に戻せば他の兵は撤退していて、ほとんど二人が背中合わせで戦っている状態だ。本当に後先を考えないバカ二人である。桂と坂田は背中合わせでピタリと止まり、二人して真剣の切っ先を離れたこっちと晋助に向けて叫んだ。



「高杉ィィ! 小原ァァ!」
「そーいうことだ!」
「俺たちゃ次会ったときは仲間もクソも関係ねえ! 全力で……テメー等をぶった斬る!」



 そう言った坂田は「せいぜい町でばったり会わねーよう気を付けるこった!」と言う捨て台詞のようなものを吐いて二人して船から飛び降りた。したの方から「ふははは、さーらばぁぁぁあ!」と言う桂の妙にムカつく言葉が聞こえてきたので大方パラシュートでも仕込んでいたんだろう。どこのルパンや。



**


 こっちは現在、春雨側から用意された部屋にいた。どかりと座椅子に座ってハア、と大きく溜め息を吐いた。今回の件で疲れたしダルいし面倒やしと三段階のいおりさん精神攻撃を受けたのだ、死ねと言うのかこっちに。死ぬわ。疲労で。
 そして、この部屋もまだ安心は出来ないのである。鬼兵隊本艦隊の船なら全然安心安全なのだが、今回は他から与えられた一室。何が仕込まれているかわからない。一度他のところと手を組んで船に一室を与えてもらったのだが、そこで盛大にくつろいでいると突然男たちが入ってきたケースがあったのだ。もちろん、多分そう言うことをする目的で。とりあえずそいつ等を伸してから部屋を探索すれば、そりゃもう出てくる出てくる盗聴機盗撮機。最近の男はどれだけ女に飢えてんねん、遊郭行けや遊郭。
 ハア、と溜め息をもう一度吐いて椅子から立ち上がり、なにか無いか探索。いつかと同じように出てくる出てくる盗撮機盗聴機。どこに行っても思考回路は同じらしい。まあ、もうじき自分たちの船に帰るのだが、それまでこりゃしばらく部屋にはおられへんな、と思い至り、奴等が訪れる前に晋助の部屋にでも逃げ込もかと晋助の部屋へとノックして入った。



『晋助、こっちや』
「入れよ」



 ギッと扉を開いて中へと入れば、晋助が相変わらずニヒルな笑みを浮かべ、窓際の畳に座って外を見ながら煙管を吸っていた。椅子にでも腰を降ろすかと思っていたのだが、晋助に手招きされて方向を変える。こっちも晋助に倣い、彼と向き合うように畳に座った。



「どうした、俺のとこに来るたァ」
『……いや、部屋に盗聴機とかそういうんが仕掛けられとったからこっち来た、身の危険を感じてん。刀ならエエんやけど、人間ならまだしも天人には素手で勝てる気はせんからな』
「なら、俺のとこに来たのァ正解だったな。今頃あいつ等はいおりが部屋にいねェことに戸惑ってるだろうよ」



 くつくつと笑う晋助に目を細めてから、出かけた欠伸を噛み殺す。生理的な涙が目に浮かんだので親指で掠めとった。
 晋助と同じように外を見れば煤けた空が広がっていて、こっちはこれが嫌いだったりするのですぐに目を逸らす。ふと思い至り、晋助に「盗聴機の類いは無かったんか」と聞けば、無かったと返答が来たのに安堵の溜め息を吐けば更に晋助は笑った。



「いおりは本当に俺が好きだなァ……」
『へェ、晋助は好きやないと』
「……誰もんなこたァ言ってねェだろ」



 若干顔を曇らせて少しぶすくれる晋助に苦笑いして頬を撫でた。まるでその顔はそう思われていたなら心外だ、と言うような、実際そうなのだろうけど。晋助だって大概だ。互いが居ないともう、生きられない体になってしまっているのだから。ある種の依存、それでも構わないのだ。例え周りから歪んでいると言われても、恐ろしいと言われても、こっちは晋助が居らんと生きられないし、晋助もこっちが居らんと生きられない。だから晋助の目は少し濁っているのだし、こっちの目も晋助と同じくらい濁っている筈。
 既に松陽先生と言うひとつの心の支えを失ったこっち等がまた大切なものを失うならば、きっと精神はもう保たないだろう。晋助は死んだってこっちを手放したくないのだ。



「愛してるんだ、いおりを」
『ん、』



 だからこんなにも言い聞かせるように呟く、愛してると。こんなことをしなくても、こっちは晋助から離れへんのに。



Re: 自己満足で書く ( No.15 )
日時: 2017/06/17 17:02
名前: ぜんざい (ID: 4vHQ2yMW)

唐突な絶チル長編。夢主は相変わらずのクール眼鏡神戸弁。葵ちゃんと被るが知らん。レベル7の炎発火系能力者パイロキネシスサー。ザ・チルドレンの四人目でいつの時代もショートカットで毛先が外に跳ねたクールイケメン系女子。パイロキネシスサーだが真剣を使用する。ザ・チルドレンの中で一番の戦闘力を誇る。かなりオタク。最近声優や歌い手にもハマり出した。『最強の女剣士トップ・オブ・ザ・ナイト』。他三人が大事で護衛すらはたす万能。胸は一番大きい。イメージカラーは紅色。黒髪で前髪は長く、左目が少し隠れるぐらい。右目は分けてある。スカートよりもショートパンツ派。


**

 一人の少女、『明石薫』は戦車を破壊し一人の少女、『野上葵』は水槽をテレポートで脱出し一人の少女、『三宮紫穂』は連なる壁に張り付けてあるCの向きを見えずとも手を触れれば言い当て、最後の少女、『最原いおり』は真剣で戦艦を真っ二つにしてから指をならして爆破させこっぱみじんに。
 それを上から見ていたものたちのうちのトップの男が口を開く。



「素晴らしいの一言だネ! まだ10歳と言うのにこのパワー、しかも超能力測定のたびにその力は成長している。あの三人が将来、我が国の超能力政策の要になるのは間違いないナ!」
「はい! 局長!」



 そういったのは内務省特務機関超能力支援研究会、通常バベルの局長、桐壺帝三だった。返事をしたのは局長秘書官、柏木朧一尉である。
 二十一世紀、エスパーは増え続けていた。彼らは軍事、外交、経済とと、あらゆる場で活躍し国際競争の鍵を握っていた。ESPを制する国が世界を制す! だが、その才能は貴重でレベル4以上のものは全体の3%以下。政府と契約しているレベル7は僅かに四名のみである。そしてその四名こそが日本のレベル7である。



**
いおりside
 小学校にも入学し、特務エスパーとしての仕事も恐らく順調にこなしていたある日だった。来日するサルモネア大統領の警備をすることとなった。狙っているのは「黒い幽霊ブラック・ファントム」。正体不明、血も涙もない最悪の殺人鬼。遠距離から高性能ライフルで急所を一撃、そして銃こそ使っているもののまちがいなくエスパー。やつの弾丸は軌道を変え、自由自在に曲がって襲いかかってくる。警備がエスパーの場合、まずはそちらを片付けるらしい。隠し玉としてチルドレンが呼ばれたらしい。
 発生率は3%。かなり低いがいるだけ安心ってことか。
 四人でずるずるとカップ麺をすすっていれば紫穂がカップ麺のネギを葵に送って涙目になっていたので取り替えてやればうわーんありがとーと飛び付いてきたので頭を撫でておいた。かわいい。



「ちょっといおりちゃん、葵ちゃんだけずるい」
『…紫穂…おいで』
「もういおりちゃん好き!」



 腕に絡まりながらずるずるラーメンすすってる紫穂。やっぱり美人は何してても様になるわけですね。
 車の中での出来事だった。

 しばらくして、任務待機所で皆本くんが寝ていた。それを局長が揺さぶって起こすものだから薫が止めに入った。



「ダメだよ局長、そんな起こし方!」
「そうね、皆本さんきっと疲れてるんだから……もっと優しく起こさなきゃ」
「チューか!? チューで起こすんだねっ!?」
『はー、ありきたりやなぁ……』
「えっ、ウチまだ心の準備が!」



 すーはー、とだけ深呼吸した葵は「よし! 準備完了!」と言うものだから三人で「早っ」と突っ込む。とりあえず薫は既に「起きて、お寝坊さん」と行動速かった。こっちは歳上に興味なしなので。とりあえず皆本くん起きたからよし。



「話はあとで……! 大統領護衛の戦闘機が海上に落下したようです! ザ・チルドレンはすぐ救助に向かってください!」
「まさか……襲撃ですか!?」
「わからん! いってそれを確認するのだ!」
「ほな行くで!」
「ちょ、待ってくれ! 局長に話が……」



 皆本くんが言い終わる前に、葵はテレポートしてしまった。

**

 例の任務中、薫が戦闘機を吊り上げ、無事に終了したと思ったのだが、嫌な予感が胸をよぎった。薫も同じだったようで、エスパーが死んでいく、行かなきゃと彼女が呟いた。



「行かなきゃってお前、任務中なんだぞ!?」



 皆本くんがそういうも、薫は戦闘機を皆本くんの頭上に落下させ、それでも行かなきゃと言う。



「葵! 頼む!」
「え、でも……」
『こっちも感じたで、嫌な予感』
「……行ってみよ。薫ちゃんといおりちゃんが感じたなら、きっと何かあるのよ」
「それだけじゃわからん! きちんと説明を……」
「……しゃーないなあ!」
「待て!」



 皆本くんが止める前にはもうこっちらはそこには居なかった。



Re: 自己満足で書く ( No.16 )
日時: 2017/06/17 18:26
名前: ぜんざい (ID: 4vHQ2yMW)



 ブラックファントム騒動、こっちの中でそう呼んでいる出来事は以前の大統領暗殺の時のバレット、玉突き事故のティム。洗脳されていた二人の事件だった。ブラックファントムに操られていた二人の洗脳はチルドレンと皆本さんの五人のブーストで溶けた。洗脳が溶けたと同時に彼らの超能力は失われたようで、ただのノーマルになったと聞かされる。

 それからしばらく。こっちは二人のことが気にかかっていたので蕾見管理官に二人は今どうしているのかを直接聞いた。



『管理官、バレットとティムは今どないしてるんですか』
「あら、気になるのかしら? いおりちゃん」
『……まあ』



 そう言えば蕾見管理官はにやにやによによと気持ちの悪い笑みを浮かべ始めて本能的に一歩下がれば「引かないでよ!」と飛び付かれた。しっかり支えれば「やだもうかっこいい」だの騒ぎ出すので先を促す。



「ああ、二人ならモデル医療施設の末紡のところで働いてるわ。リハビリの一環としてね」
『……さいですか』
「気になるなら行ってみる? 任務としてだけど。いずれチルドレンの影や護衛をすることになるから、良好な関係を築いた方がいいと不二子は思うの。ただし、貴方だけよ?」
『……マジっすか。ありがとうございます管理官』
「やぁん不二子って呼・ん・で!」
『不二子さん』
「はぁーい! 今回だけ特別に不二子もついていってあげちゃう!」
『……っしゃ』



 と言うわけで、任務と言うことであの三人とは離れてやって来た離島。あの三人と別れるとき、私たちも行く、と行って聞かなかったが、帰ってきたら遊びにいこうと言うことで決着した。
 モデル医療施設へと、まあ、やって来たのだが……。



「その時じゃ! 待ち伏せていた敵の機銃がわしらに攻撃をー!!」
「ブローニングM2が!?」
「その通り! 一方わしらの武器は旧式のサンパチだけ__」
「三八式歩兵銃で! どうやって!?」



 元軍人のおじいちゃんの話を熱心に聞く軍事オタクのバレット。目ぇきらっきらなんやけど。



「ほら、直ったぜババア!」
「おお……! 父が独逸で買ってきてくれたときのまま……!」
「ったく、大事にしろっての! 戦前のボタンイヤーつったら貴重品なんだからよ!」



 直ったテディベアを嬉し涙を流すおばあさんに渡して僅かながら嬉しそうなティム。うまくやっているようだ。聞く話に寄ると二人して『魔法少女絶対! チルチル!』にハマッたようだ。こやつら、できる……!

 影から覗いていれば彼らに対して説明は終わったらしく、こっちが手招きされて呼ばれた。



『……どうも、最原いおりです、よろしゅう』



 そう告げれば彼らはぽかんとしたあと、二人して「萌えええええええ!」と叫び出したから本当にびっくりした。いきなりどうしたと思ったら二次元から飛び出してきた女の子だのなんだのどうだの。



「お、俺はバレットと言います! 別名【チルチルは俺の嫁】です!」
『え、ホンマに!? チルチルは俺の嫁さんなん? は、え、どないしょ。……こっちこっち、【白玉ぜんざい】』
「「マジで!? しらぜんさん!?」」
『そう、しらぜんさん』
「お会いできて光栄です!」
「俺ティム・トイ! 俺は【トイ・ストー】!」
『は、トイストさん? マジかこんなところにおったとは』



 最近仲のいいネット友達にチルチルは俺の嫁とトイ・ストーが居るのだが、まさかこの二人だったとは。そのままきゃっきゃと会話を弾ませていれば不二子さんが趣味が合ったようねと微笑んでいた。

 こんなところで同志を発見するとは……。

Re: 自己満足で書く ( No.17 )
日時: 2017/06/17 23:18
名前: ぜんざい (ID: 4vHQ2yMW)

 そうして月日はえらく流れてもう中学生。中学入学前、皆本くんの家から離れて自分の家で住まいその近くの学校にいくと言う案が出されたが、葵の超能力の暴走もあって四人で皆本くんの家におるのが安全策と言うことになった。
 バレット、ティムとの交流も続けており、ちょくちょく一人、任務で抜けることも多い。
 そして今日、中学校の入学式であった。



「わあ、やっぱり! こうなるって気がしてた!」



 小学校に転入仕立てのころに仲良くなり、今でもかなり仲が良い友達、花井ちさとちゃんが駆け寄ってきてくれて、手を握る。紫穂、薫、葵が「えへへ、ちさとちゃんたちと同じ中学校が良いって」「局……じゃなくて家族にダダをこねたの!」「またよろしくな」と続けたので、こっちはちさとちゃんの頭を撫でながら、こう告げる。



『おんなしクラスで、めっちゃ嬉しい』



 そう言えばボッと顔を赤くして、いや、その、私も嬉しい、と言ってくれたので満足していれば、薫から唐突なハグをもらった。「あたしは!? あたしたちは!?」と三人とも詰め寄ってくるので、おんなじクラスで安心したと告げれば三人とも「もう! いおりってば!」「いおりちゃん好き! かっこいい」「ウチもみんなと一緒でよかった! いおりイケメン!」と似たり寄ったり。訳がわからず、ずっとちさとちゃん同様同じクラスだった東野将に視線をやれば「やれやれまったくお前は……」と言う視線をいただいた。違う東野そうじゃない。



『あと薫どさくさに紛れて胸さわるんやめろや』
「だぁーっていおりってばさー、こーんなにさーあたちたちと差ぁつけてくれちゃってさー。発育良すぎ! 今でD寄りのCぐらい!?」
「ううん、E寄りのDよ。本当に13歳の発育とは思えないわいおりちゃん」
「は、嘘やろ!? これこそ発育の暴力や!」
『(コイツらェ……)』



 薫はそこからとててと離れ、「よかったなー東野!! こんだけ大量の綺麗所が友達ってエロゲーの主人公かお前は! フラグはちさとちゃんしか禁止の仕様だけどな!」と言うので東野が「なんだその例えは!」と怒鳴っていた。確かに思春期の男子にそれはきつい。



「みんな……! この子塾で一緒だった子よ!」



 そういってちさとちゃんが連れてきたのは影のある美少女、雲居悠理ちゃん。友達のようだ。めっちゃかわいい。純粋なのか薫のセクハラに抵抗しないのは玉に瑕やけど。


 その後、紫穂が皆本くんに悠理ちゃんと会ったことがあるかと言う問いに、皆本くんは否と言った。どうやら学校の生徒は調べてあり、同級生は念入りだと言う。こわ。



「で、学校はどうだい?」
『普通に楽しいっすわ』
「その次の日から授業やってるよ! 今日は体力測定した! そーいやそのときさぁ!」




「明石薫、6秒5! 中一の女子でこれはかなり速い!」
「えっへっへー」
「「きゃー、すごーい明石さん!」」
「最原いおり、5秒6!! あんた本当に中学生!? 見えない! 体つきとか!」
『え、ひどないっすか先生……』
「くそ、いおりに負けたー!」
『……ふっ、どや……』
「「きゃああああ、最原くうううん」」
「さっすが……!」



 なんでこっちがくんなのかはよく知らんけど、なかなかに速いタイムだったと思う。めっちゃ女子叫ぶやんなんでやねん。そんななか、紫穂がぽつりと「でもこれ」と言った。



「かっこいい……!」
「明石さんステキ……!」
「最原くーん! こっち向いてええ!!」
「きゃああああ、今笑った! 笑ったわよ!」
「また女子に人気出るパターンやな、いおりに関してはもうアイドルやん」



 そして気がつけば悠理ちゃんの番で、彼女は合図と共に走り出したは良いものの、てうてうと効果音が付き添うで、ずべしゃと転ける。そしてはううと半泣きなので男子の心を一斉に掴んだ。負けた気がするんはなんでや。



Re: 自己満足で書く ( No.18 )
日時: 2017/06/18 00:03
名前: ぜんざい (ID: 4vHQ2yMW)



 朝、リビングが騒がしかったので起き上がり、みんなと共に皆本くんがいるであろうリビングに向かうと、そこにはなぜかネコミミメイドのこっちら四人がおった。……うーわ。



「この、浮気者ー!」
「そして変態ー! 犯罪者ー!」
「ウチらの許可なくウチらに何てことをー!」
『……ないわー、いや、これは皆本くんないわー』
「いやちがう!! ソコちがう!! 動転するポイントはそこじゃない! っていおりドン引きやめろ!」



 そして影からわはは驚いたかねと言いながら出てきたのは局長だった。いや、こっちかなりドン引いてるんやけど。



「もとい、驚かせてすまなかったね! 今度新しく実践配備することになった「偽物デコイ」だよ! すみずみまで君たちそっくりな超可動フィギィア! 名付けて! 『影チル(シャドウ・オブ・ザ・チルドレン)』だ!」



 これには皆本くん含む全員が引いて「お前かー!」と殴りかかる。局長があわてふためいていたがそんなもの知らん。

**
 車内にて。


「以前にも話したように、今後は任務が増えるからね! 急な早退や病欠を繰り返すわけにもいかん!」



 そういった局長にこっちらはその影チルに興味津々で、これはエスパーが動かしているのかロボットなのかと本体に聞けばどっちだと思う? と返ってきた。知らんがな。
 紫穂曰く高性能なメカだが動かしているのはエスパーだと言う。機体が言うに機械で人間的な行動は限界があるらしい。そうして出てきたのは、彼らだった。



「そこで俺たちの出番って訳!」
「はじめまして、ザ・チルドレン!」
「あ!」
「え!」
「ブラックファンむぐ!」
「(しっ、その件をまだ本人たちは知らんのだ!)」



 そう、バレットとティムである。顔見知りなのでひらりと手を振ればバレットは微かに笑んで、ティムはにっと笑う。



「メカ、フィギィアを操作する合成能力者、ティム・トイってんだ!」
「バレット特務技官であります! 『ザ・チルドレン』の警護及び『影チル』のサポートが任務であります!」
「今後、彼らがあなたたちの影武者として任務中の留守をバックアップします。二人は記憶を失ってますが、能力の方は八割方回復してるんです」



 洗脳からの回復は出来るらしい。末錘さんと不二子さんが頑張ってくれたようだ。ありがとうホンマにありがとう。



「よくわかんねーけど、なんつーか、役に立ちたいんだ。なんも覚えてねーけどさ。俺たち、お前らになんか借りがあるんじゃねえ?」
「この能力、何かのために使うならこの任務に使いたいのであります! 許可を!」



 まあ、チルドレンと連携させることで彼らにも居場所が出来る。不二子さんの狙いは多分それだ。



「管理官殿は、「皆本主任を萌え萌えにすれば採用される」と!」
「どうっすかあのシチュ!? 萌え萌えっすか!?」
「いや、またいつものノリだけって気がする! すごく!」



 皆本くんの苦労ってホンマに絶えへんよなあ。
 一日学校で正体がバレずに過ごせたら採用らしい。途中、他三人が邪魔しにいったりファントムドーターが来たりで大変だったが、無事完遂したようだ。


オマケ

「これがそのザ・チルドレンよ! お友達のいおりちゃんもいるわ! あなたたちの任務はこの四人の護衛、やってみる?」
「やる! やらせてくれ!」
「自分も志願します!」



 不二子の言葉に即賛成したバレット、ティムの二人は「覚えてねぇけど何かを感じる!」「訓練で取り戻した能力、この任務に使いたい」と献身的だ。
 そして始めるのはバーチャルシュミレーション。これで任務についてからの日常を体験するらしい。反応は電気刺激でフィードバックされるから気を引き絞めろと桐壺が告げた。シミュレーション開始という合図で二人はこれをクリアすればいいんだなと意気込む。



チルドレン「おはよう、今日は何する?」
<楽勝だ!>
<このテのゲームはやりこんでいる!>



 そうして選択肢のカーソルを滑らせていくのだが、二人して『触る』の項目を発見してしまった。あからさまな罠である。それに気付かない筈がない二人の次の画面は……。



神の声「どこを触りますか?」



 結局押してしまったようだ。ティムの画面には薫、バレットの画面にはいおりが映っている。二人がカチ、とボタンを押せば、とたんに体に電流が流れて悶え出した。



「はい死んだ! シミュレーションでよかったわねー、本物のレベル7はこんなもんじゃすまないわよ!」
「ぎゃあああ!」
「リアルなんてクソゲーだ!」



 厳しい訓練に耐えて彼らは任務についたのである!




Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。