二次創作小説(紙ほか)

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東方異聞録♯TH 【オリキャラ募集中】
日時: 2017/07/23 20:31
名前: ミヅキ (ID: RSw5RuTO)

この物語は、東方と♯FEをクロスオーバーさせたものです。
♯FEの設定を東方に逆輸入させたものです。
主にファイアーエムブレムと東方のキャラが、世界を救う為に頑張るシナリオです。
♯FE本編のキャラはほとんど出ません。
ファイアーエムブレムの設定やネタバレも含みます。
東方旧作のキャラや設定も組み込みます。
個人的に好きなキャラをどんどん贔屓しますので、ご注意ください。




ストーリー

運命に導かれし少女と英雄の物語。

圧倒的な力に抗う術を知らない少女がいた……。
誰かを救うのはいつも「だれか」。自分を忘れた英雄がいた……。

だがしかし。

少女は夢を持つ素晴らしさを知っていた。
英雄は立ち向かう力を持っていた。

幻想郷を舞台に、少女達が異世界の英雄達と共に紡ぐ新たな英雄譚。




登場人物 >>1 >>2 >>44

専門用語 >>3 >>38

ミラージュクラス >>83

オリキャラ募集詳細 >>9

登場人物オリキャラ
>>15 >>20 >>22 >>26 >>42 >>50 >>69 >>75

(続編登場予定)
>>81


目次 >>31

Re: 東方異聞録♯TH 【オリキャラ募集中】 ( No.36 )
日時: 2017/07/02 15:59
名前: ミヅキ (ID: RSw5RuTO)

第11話 幻影異聞録


「ちゆり、そこのイチゴ、とってきて〜」
「へいへーい、ったく、人使い粗いっつの・・・・」

赤髪のロングヘアを後ろで三つ編みでまとめた、赤い服を着た女性が、
金髪のツインテールで、白いセーラー服、白い帽子をかぶった少女をこき使っていた。


二人がいるのは、博麗神社のすぐ近くの林においてある、巨大な建物の中。
付近の住人に聞くと、そこは1か月前からできていたらしい。

その中で、赤い髪の岡崎夢美と、
金髪で粗暴な口調の北白河ちゆりが、いそいそとせわしなく動いていた。


「ったく、今日は休日だって教授も言ってたじゃねえか・・・・ん?」

ちゆりが文句をタラタラ言っていると

「お〜い、夢美にちゆり!」

そこへエレンと霊夢と魔理沙と早苗が入ってきた。

「んお?ああ!エレン、霊夢に魔理沙!久しぶりね!」

夢美がエレンの声を聞いて飛び上がって迎え入れた。
ちゆりも名前を呼ばれたので夢美に続く。

「久しぶり、やっぱこの船できてたんだね〜。あ、お店開いてくれてありがとう!」
「いやいや、私の力をもってすれば、あんなのちょちょいのちょ」
「で、久しぶりの挨拶はそれくらいにして、ちょっと話を聞きたいんだけど」

夢美がどや顔で説明をしようとした途端、霊夢が遮った。
話の内容は、「トウキョウで起きたミラージュ事件」の詳細である。








「ふーん、なるほど。確かに最近変な奴が此処に無断で入ってきてやんなっちゃうって思ってたとこなのよ。」

夢美が話を聞き終わると、珍しく真顔で話す。
すると、夢美がハッと思い出したかのように、

「あ、そういや、多分心当たりあると思うわ。このデータを見てごらんなさい。」

夢美がそういうと、近くにあるモニターを軽くいじって、
何かの画像を照らし合わせた。

その画像には、巨大なジェット機を思わせる黒龍が映し出された。

「・・・・?なにこれ?」

エレンの思わず出た発言に、

「これはね、そのミラージュ事件のキーパーソン・・・的なヤツ。「暗黒竜メディウス」よ。」

夢美はしれっと発言した。

「ん〜っとね、集めた情報によると、「暗黒戯曲」で呼び出したメディウスの力で、トウキョウを滅ぼそうとしたんだけど、9人の英雄たちによって倒されているのよね。」

「暗黒戯曲・・・・?」

早苗は聞きなれないワードを復唱する。

「あ、暗黒戯曲って言うのは、暗黒竜を呼び出すための儀式みたいなものよ。」

夢美は補足してから、話を続ける。

「で、その後トウキョウは暗黒竜の復活の予兆もなく平和そのものなんだけど、もしかしたらこの幻想郷で、暗黒戯曲をやろうって輩がいたら・・・・多分幻想郷はミラージュ達の世界と同じ運命を辿ると思う。」

さらっと説明されて、
カムイは今までにないくらい慌てる。

「え、じゃ、じゃあ!はやくその暗黒戯曲をやろうってミラージュと人物を探さないとダメじゃないか!」
「まあ、落ち着けよ・・・・なんて名前?」
「カムイです!」
「そ、カムイ。そんなに慌てても黒幕は姿を現さねーんだ。」

カムイをちゆりがなだめる。
夢美がちゆりに指示を出す。

「ちゆり、例の。」
「へいへーい。」

ちゆりは生返事を返しながら、部屋を出た。







ちゆりが何かの書物をもって部屋に戻ると、夢美に渡した。
書物には「幻影異聞録」と書かれている。
夢美がそれを受け取ると、とあるページを開き、霊夢たちに見せる。

「これがメディウスね。で、これが唯一メディウスに対抗できる「神龍ナーガ」。で、一応補足すると、チキはナーガの末裔よ。」

夢美は続ける。

「かつてミラージュの世界は暗黒戯曲によって呼び出したメディウスに脅かされていたんだけど、「英雄王マルス」とその仲間たちが、「光の戯曲」を演じながら「神剣ファルシオン」と「封印の盾ファイアーエムブレム」を以ってメディウスを倒したの。これが「暗黒戦争」・・・・って説明がこのページね。」

夢美はページをめくる。

「で、重要なのがココ。トウキョウでも「ガーネフ」っていうミラージュが、自分の魂とマルスの魂を使って、メディウスを復活させたわけ。でも、復活したメディウスを9人の英雄とチキが、倒したってわけ。」

さらに夢美は続ける。

「ただ、メディウスはパフォーマがあればいつだって復活する存在なの。だからミラージュたちは、パフォーマがある限り、何度でもメディウスを倒し続けよう!って話で、トウキョウは救われました。って終わり方なんだけど。」
「それじゃあどうして、私たちの世界は滅んでしまったのかしら?」

ティアマトは夢美に質問する。
夢美は、少し悩んでからモニターに別の画像を照らし合わせる。
その画像に映っているのは、先ほどのメディウスよりも巨大で禍々しいヘビのような竜だった。

「多分、ミラージュたちの世界を滅ぼしたのはこっち。憶測なんだけどね。」

カムイはつばを飲み込む。
その姿は、とても恐ろしく、見るだけでも震えが止まらなくなる。

「こ、こいつは・・・・」
「どうしたのカムイ、この竜に見覚えが?」

霊夢の質問にカムイは首を振る。

「な、なんでもない!」
「な、ならいいんだけど。」

霊夢はそれ以上の追及はしないでおくことにした。

「で、こいつは恐ろしいことに、人の姿に模倣してどこかに潜んでいるらしいのよ。つまり、ここの誰かかもしれないし、もうすでに出会っているかもしれない。」

夢美は幻影異聞録を閉じてそう発言した。

「おいおい夢美、私たちを疑ってるってのか?」

魔理沙は抗議する、しかし夢美は首を振った。

「そうじゃないわよ、この中にこの竜が潜んでいることも頭に叩き込んでおけって言ってるのよ!じゃなきゃ、寝首をかかれることになる。」

夢美は魔理沙に指をさして強い口調で言った。

「・・・・。」
「さて、あとは私が独自に調べておくから、あんたたちは散った散った!」

夢美は手を打ち鳴らした。
ちゆりも、霊夢たちを押し込んで

「ホラホラ、さっさと帰れ!あとの話はまた後日呼ぶから!」

と部屋から追い出した。


「まったく、あの気まぐれさは相変わらずね・・・・。」

と霊夢は呆れてつぶやいた。

Re: 東方異聞録♯TH 【オリキャラ募集中】 ( No.37 )
日時: 2017/07/02 17:29
名前: ミヅキ (ID: RSw5RuTO)

第12話 予兆


「紅魔館。
 ここは吸血鬼が住むといわれる館である。」


「なーんちゃって、ま、館全部が真っ赤だなんて、イイ趣味してるな〜館の主さんって♪」

魔術師のローブを羽織る、フードから銀色の髪がのぞく少年のような姿の男が、紅魔館を見ながら楽しそうに言っている。

「中に入ったらきっと、血みどろ!血なまぐさい!大量出血ぶわーっ!!ってカンジなんだろうな、早速はいらせてもーらおっと☆」

少年はウキウキして小躍りしながら紅魔館の門の近くに歩み寄った。

「すみませーん、入れてくださーい♪」









紅魔館は物音一つせず、恐ろしく静かだった。

「あり?もしかして、お留守?」

少年は中に入ろうとすると

「うわっ!?」

何かに躓いた。

「なんだなんだ〜?」

少年が足元を見ると、緑色の服を着た赤い髪の女性が倒れていた。

「おーん?なんだこれ、先客?気絶してんのかな〜?」

少年は立ち上がると、中に入ってみることにした。

















「おかえりなさい、みんな」

ブルームパレスで紫は皆を迎え入れた。

「それで、何かわかったかしら?」

チキは真剣なまなざしで霊夢たちを見据える。

「大体ね」










「暗黒竜メディウスではなく、別の竜が幻想郷を滅亡に導こうとしている?」

紫は珍しく考え込む様子を見せる。

「暗黒竜を目覚めさせようとした者が「故意に暗黒竜を復活させて、その力を喰らって」その竜が目覚めてしまった・・・としたら?」

チキは腕を組んで自分の今考えている推測を漏らした。

「そんな話・・・」
「ありえない話ではないと思いますよ、ミラージュにもガーネフと同じ考えを持つ者がいたとすれば。他者を取り込みその力を自分の者にするミラージュがいたとすれば。そのミラージュが暗黒竜を喰らって自分の力にして滅ぼしたという話も、ありえない話ではないと思います。」

霊夢を遮り、早苗が推測する。

「そんなミラージュ、いるのかな?」
「ミラージュも十人十色だからね。」

カムイのつぶやきに、答えるマリク。

「まあ、真実がわからない以上、これ以上の議論と推測に意味はないわ。」

紫は手を打ち鳴らす。

「霊夢、あなたは引き続き、この異変の解決に専念しなさい。あと協力してくれるミラージュたちの協力を仰いで異変を解決するの。一刻の猶予はないわ。
 あと、現在、藍に紅魔館に出向いてもらってるわ。吸血鬼たちにも協力を仰ぐように言っているから、連絡が来次第・・・・」

紫は何かに気づいたように、隙間を見る。




「霊夢、今すぐ紅魔館に行きなさい。」

「えっ、何がどうしたのよ?」

紫の言葉に驚く霊夢。


「紅魔館の近くにイドラスフィアができたみたいよ。」

Re: 東方異聞録♯TH 【オリキャラ募集中】 ( No.38 )
日時: 2017/07/28 12:23
名前: ミヅキ (ID: RSw5RuTO)

専門用語(追加版)


暗黒竜メディウス

古の時代にミラージュたちの世界を支配しようとするが、神剣と封印の盾にて討伐される。
その100年後に蘇りガーネフと共に暗黒戦争を始めるものの、英雄王マルスの手によって討伐された。

しかし暗黒竜メディウスは人間が持つ力、パフォーマがある限り不滅の存在であった。
東京ではまだ存命だった神竜ナーガはミラージュたちの世界から芸能という文化を消すことで二度とメディウスが復活出来ないようにした。
蘇ったガーネフはミラージュたちの世界ではメディウスを復活させられないと知ると、現代日本に転移した。

日本でパフォーマを集めたガーネフは己の魂と、英雄王マルスの魂を捧げる事でメディウスを復活させた。

最後はクロムと蒼井樹とその仲間たちの手によって倒された。
しかし、肉体を滅ぼすことはできなかったので、
あるふたつの国の地下に封印されていた。



神竜ナーガ

英雄王マルスに手を貸して、メディウスを倒した竜。
光の戯曲を演じることで召喚できる存在であったが、
現在は、神竜として覚醒しているチキがその役目を担う。



ミラージュたちの世界

ミラージュがもともと住んでいた世界だが、
現在はブルームパレスを残して滅びている。



幻影異聞録

チキが執筆した、古の時代の暗黒竜と神竜の戦い、神剣ファルシオンの伝承、東京の英雄たちの戦いなどが記された書物。
夢美が持っていたわけは、持っていたミラージュからかっぱらったとのこと。
この世に2冊しかないとても珍しい書物。
1冊は岡崎夢美、もう1冊はチキが所有している。



暗黒戯曲

暗黒竜メディウスを呼ぶための儀式。



光の戯曲

神竜ナーガを召喚するための儀式。
英雄王マルスをはじめとした、7人の英雄たちを演じることで、神竜ナーガを呼ぶことができる。



神剣ファルシオン

暗黒竜メディウスを唯一倒すことができる、神竜ナーガの牙から作られた聖剣。



邪竜ギムレー

カムイがメディウスを喰らい、力を手に入れて世界を支配しようとした時に名乗った名前。
しかし、クロム含む7人のミラージュ達によって身体がふたつの光になったが、
ギムレーと名乗ったもう一人のカムイは、
今も全ての世界を破滅させようと目論む。
幻影異聞録にも描かれている、空を覆い尽くすほどの巨大な邪竜。




ミラージュの消滅

ミラージュはパフォーマを失うと消滅してしまう。
それは生命の終わりとは異なり、文字通り消えてしまう。





レンチンアイドル☆まもりん

子供から大人まで大人気の料理番組。
包丁を使わずに料理ができると主婦の皆さんに大人気だという。
まもりんにはお姉ちゃんと、友達のヤシロくん(一回限り出演)がいる。

Re: 東方異聞録♯TH 【オリキャラ募集中】 ( No.39 )
日時: 2017/07/03 19:52
名前: ミヅキ (ID: RSw5RuTO)

第13話 深紅の悪魔


霊夢たちが紅魔館にたどり着いたころには、
既に悲惨な状況になっていた。

「あの、大丈夫ですか!?」

カムイが門の傍に倒れていた女性、美鈴を抱き起す。

「・・・・気絶しているだけです」

早苗が脈をとり、大事がないことを確認した。
並の人間であれば、生死を彷徨うことになっていただろう。


「レイム、この気配、暴れようは・・・・ミラージュだと思いますよ。」
「まあ、大体そうよね。・・・・もしくは、力の強い悪魔にミラージュが憑いているか。」

カチュアの言葉に、えらく冷静な霊夢。
魔理沙は、紅魔館の入り口のすぐ近くに穴が開いてることに気づく。

「おい霊夢、イドラスフィアを見つけたぜ!」
「こんなところに・・・・」


「だ、だれかいるのかしら・・・?」

紅魔館の中から弱弱しい声が聞こえた。

「パチュリー!?」

霊夢たちは慌てて紅魔館の中に駆け込む。
扉を開けると、紫の髪の女性、パチュリーが血を吐いて倒れていた。

「あわわ!大丈夫なの!?」

エレンが慌てて駆け寄る。

「な、なんとかね・・・賢者の石で命をつないでいるから・・・・」
「パチュリー、ここで何があったの?大惨事じゃない!」

霊夢はパチュリーに強く問いかける。
パチュリーは、エレンの介抱を受けながら答えた。

「あ、紅い悪魔が・・・・悪魔が・・・・ゲホッゲホッ」

パチュリーは心底おびえた様子で霊夢の手を握る。
その手は震えていた。

「お願い!レミィとフランと咲夜を・・・・助けて!!」

パチュリーは全身全霊を込めて霊夢に向かって叫んだ。
魔理沙は、パチュリーの頭をなでながら

「大丈夫だぜパチュリー、私たちがきたからにはもう安心だ。首を洗って待ってろよ!」

と微笑みかけた。
マリクは少し呆れてツッコミをした。

「首を洗うのは敵の方だけどね・・・・」
「うぐっ」


「パチュリー、あんたはここで休んでなさい、3人は必ず取り戻してくるから。」

霊夢も優しく語り掛けた。


パチュリーは安心した顔つきでそのまま気絶した。


「レイム、マリサ、エレン、あなた達はイドラスフィアへ行きなさい。」

ティアマトが美鈴を抱きかかえて紅魔館へと入ってきた。
早苗もパチュリーを介抱した。

「ここは私たちにお任せを、3人は早く紅い悪魔とやらを追ってください!」


霊夢は、少し安心したような顔をした。

「ありがとう、早苗、ティアマト。サクっと片づけてくるわ。」
「2人も別の悪いミラージュが来るかもしれないから、気を付けてね」


霊夢たちはその場を後にし、紅魔館入り口の近くのイドラスフィアに入っていった。












イドラスフィアの中は、赤い空、赤い荒野・・・・
一面が赤色に染まっていた。

「目きっつぅ・・・・」

魔理沙が目をこする。

「シルフ●コープでも持ってくればよかったね」

エレンも続いて目をこする。

「お二人、目をこすると目の病気になりますよ」
「「嘘!?」」

カチュアの言葉に驚く魔理沙とエレン。

「馬鹿やってないで、レミリアとフランと咲夜を探すわよ。」

霊夢とカムイが先に歩いているのに気づいた魔理沙とエレンは、
慌てて走っていった。






その上空で二つの影が一行の様子を見ていた。

「あらン、新しいお客様ね。・・・・おいしそうなパフォーマを持っているわ・・・・ウフフ」
「・・・・・。」

Re: 東方異聞録♯TH 【オリキャラ募集中】 ( No.40 )
日時: 2017/07/07 11:47
名前: ミヅキ (ID: 9RGzBqtH)

第14話 紅蓮の刃と黒き翼


「いけどもいけども、赤、赤、赤。赤い空、赤い大地。他には何もないわね。」

霊夢たちはイドラスフィアの入り口から歩き続けて、約2時間は経過していた。
いつもならミラージュたちが歩いていたりするのだが、
本当に、空と大地以外何もない。
風も吹かず、音も歩いて靴の音がするだけで何も聞こえない。
それはまるで・・・・

「死の世界だな、地獄ってこんなもんなら、善い行いをして天国に行きたいぜ。」

魔理沙は愚痴をこぼした。


ふと、霊夢は何かを発見したのか、立ち止まった。

「血の匂い・・・・」

霊夢は指をさしてつぶやいた。

霊夢以外のみんなは、霊夢の指さす場所を見た。










「なんじゃこりゃ、惨いな・・・」

魔理沙は、腕で口元を塞ぎながら「ソレ」を見ている。

それもそのはず、ミラージュやら人間やらが
地面に深く突き刺さる太い丸太のようなものに
深々と刺さっているからだ。
丸太からは血がこびりついており、見ているだけで吐き気がしそうである。
突き刺さっているミラージュや人間たちは、
絶望に染まった表情や、助けを呼ぼうとしていたのか、大きな口を開けて死んでいる。

まさに死屍累々である。


「・・・・昔、こんな事件があったわね。」

霊夢が突然話を始めた。

「どんな事件?」

カムイは恐る恐る聞いてみる。







霊夢の話す事件の全貌は

あるとき、心優しい紅蓮の悪魔は、ある吸血鬼の姉妹と仲良く暮らしていた。
しかし、その紅蓮の悪魔は太陽が沈むと、殺戮の限りを尽くし、
人々は恐れおののき、眠れない夜が続いた。

困った人々は、巫女に知恵を分けてもらい、その紅蓮の悪魔を昼のうちに縛り付け、処刑した。



「そんな話よ、今はもういない巫女から聞いた話だから、詳細はわからないけどね。」
「でも、そんな話と、この場所・・・一体どんな関係が・・・・つっ!」

カムイが詳しく聞こうとした瞬間、鋭い頭痛が走った。

「・・・カムイ?」

エレンは心配そうにカムイの顔を覗き込む。


(・・・・この光景・・・・昔、どこかで・・・・)
「な、なんでもない、ごめん!」

カムイは首を振り、謝る。


「まあ、とにかく、長居は無用だぜ。」

魔理沙は手を振り、話を流した。

「そうだね、ここをもう少し調べて・・・・ッ!?危ないッ!!」

マリクがこの場の調査を提案しようとした時、
攻撃の気配を感じ取る。
一同は、間一髪で、強力な魔法を避けることができた。



「あらあら、避けちゃったの?」

頭上から黒髪で顔が隠れた、下半身が黒いペガサス、腕が黒い鳥の翼になっている女性と、
赤い髪、鮮血のように真っ赤な瞳、背中には悪魔の羽と尻尾が生えている黒い服を着た男性が降りてきた。

「ウフフ、その丸太に刺さってる子たちのようにするつもりだったんだけど・・・」

女性は嘲笑していた。

「・・・・・。」


「何者ですか、あなた達!」

カチュアは、エレンの前に立ち、女性と男性に叫ぶ。

「他人に名前を聞くときはまず自分から・・・・って言葉もないのかしら、アナタ?」

女性はカチュアを見下しながら笑っていた。

「いいわ、教えてあげる。私はインバース、この子はグレン・スカーレットちゃんよ。」


インバースは、グレンをなでながら自己紹介をした。


「というかなんだよこいつ、なんか臭いぜ!?」
「屍人というものか、禁忌に手を出したのか!?」

魔理沙は鼻をつまんで、
マリクはグレンの姿を見て怒りを露わにしていた。

「私がやったわけではないのよ、私も「あのお方」に蘇生の術を施されたんだもの。」
「蘇生の術は、贄もある程度必要になる・・・・人を殺したわね」

インバースの言葉に冷静に呟く霊夢。

「おしゃべりはここまでよ、グレン・・・・皆殺しにしなさい。」

インバースの言葉に、

「我ガ求メルハ、破壊ノミ!」

グレンは刀剣を抜く。


「「「カルネージ・フォーム!」」」

霊夢と魔理沙とエレンは、素早く変身して、グレンを迎え撃つ。



グレンの素早い動きに翻弄されつつ、
エレンは、槍で追突する。

「カチュア!一緒に!!」
「行きましょう、エレン!」

「「陽炎!!」」

エレンは炎の纏った槍をもってグレンに突撃する。

ガキンッ!

大きな音を立てて剣でふさがれてしまう。

「雷神剣ッ!」

霊夢はその隙に雷を纏う斬撃で追撃をする。


「・・・・・。」

グレンは回転し、霊夢の攻撃をはじいた。


「ほらほぉら!グレンだけ集中してないで!!」

インバースが空から風の魔法を放つ。

「エルウインド!」

巨大な風圧が霊夢とエレンを襲う。

「きゃあっ!」「くっ!!」

吹き飛ばされ、丸太にたたきつけられる二人。


「ほぉら、もう一発!」
「させるか!エクスカリバー!!」

インバースの追撃に魔理沙は風の刃をインバースにぶつける

「邪魔をするな、小娘がァ!!」
「怒り狂って冷静さを失っている、インバースを引き付けるぞ、マリサ!」
「任せとけ!」

インバースは怒り狂い、魔理沙とマリクは魔導書を開き、術を唱え続ける。


グレンは、その間に倒れている二人に斬りかかる。


キィン!

しかし、霊夢は立てなおし、グレンの剣を防ぐ。
そこでグレンの剣を受け止めるカムイは気づいた。

「こいつ・・・誰かに操られてる!術者はこの近くにいる!!」
「インバースが・・・操ってるんじゃ・・・!?」
「ううん、インバースは術者じゃない・・・・多分・・・・・」

カムイが何かを言う前に、グレンの剣に押される。

「ちぃっ!!」
「レイム!!」

弾かれた霊夢は態勢を崩してしまう。

「させない!」

エレンは霊夢をかばうように前に出る。

「グレン、あなた・・・・私のお店に来てくれたことあるよね!レミリアと一緒に!」

エレンは、グレンの剣を受け止めつつ、グレンに話しかける。


「おほほ、無駄よ無駄!そいつは今やただの操り人形・・・あのお方の傀儡よ!」
「おまえはちょっと黙ってろ!」

魔理沙はインバースを遮り、エクスカリバーをうち続ける。



「グレン、お店に来てくれた時、すっごくレミリアに優しかったじゃん!あのやさしさはどこいったの!?」

エレンは説得を続ける。

「・・・・・。」

「かわいいぬいぐるみを持って、「フランにもあげるんだ」って笑ってたよね!私、覚えてるもん!!仲のいいきょうだいだって・・・・」

「・・・・・・・ウ。」

グレンの力が一瞬弱まる。



「カムイ!」

その一瞬を霊夢は見逃さなかった。

「でやああああああっ!!!」


霊夢はグレンを斬る。

「グアアアアァァァァ!!」

グレンの断末魔が耳をつんざく。




そして、グレンは糸のきれた人形のように倒れ、ピクリとも動かなくなった。


「や、やった・・・?」

霊夢はつぶやく。



「お、おのれぇぇぇぇっ!!」

インバースは、急に叫びだし、イドラスフィアの外まで猛スピードで駆けだした。

















「くっ、あのお方に報告を・・・ん!?」

イドラスフィアから飛び出し、紅魔館の入り口に立つインバース。
しかし、何かに気づいたかのように空を見上げる。



真っ赤な満月に、影が映った。

その姿は・・・・


運命を司る吸血鬼、レミリア・スカーレットの姿であった。


「あなた、インバースって名前だったのね。よくもやってくれたわね・・・・」

レミリアが低い声でインバースに向かって手に持つ武器を向ける。

「・・・・・ふ、フン!ミラージュの力を持たないお前が、私にかてるとで・・・・も!?」
「レミリア、本気を出してもかまわないのね?」

レミリアの持つ武器・・・・それは、カルネージ化したミラージュだった。

「ええ、リンディス。私に剣が扱えるか心配だけど・・・・フランと咲夜とパチェと・・・・ついでに中国を甚振ってくれたお礼はしないといけないわ。」


リンディスと呼ばれた刀剣を持ち、レミリアは構える。

「さあ、覚悟しなさいインバース。」





ザシュッ

その一瞬、レミリアはインバースを斬る。

「かっ・・・・アッ・・・・・「カムイ」・・・さ・・・・・」

レミリアに斬られ、真っ二つになったインバースは言葉を残して倒れる。


「懺悔するといいわ、あの世でね。」

レミリアは剣を鞘に納めながらつぶやいた。


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