二次創作小説(紙ほか)

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東方異聞録♯TH 【オリキャラ募集中】
日時: 2017/07/23 20:31
名前: ミヅキ (ID: RSw5RuTO)

この物語は、東方と♯FEをクロスオーバーさせたものです。
♯FEの設定を東方に逆輸入させたものです。
主にファイアーエムブレムと東方のキャラが、世界を救う為に頑張るシナリオです。
♯FE本編のキャラはほとんど出ません。
ファイアーエムブレムの設定やネタバレも含みます。
東方旧作のキャラや設定も組み込みます。
個人的に好きなキャラをどんどん贔屓しますので、ご注意ください。




ストーリー

運命に導かれし少女と英雄の物語。

圧倒的な力に抗う術を知らない少女がいた……。
誰かを救うのはいつも「だれか」。自分を忘れた英雄がいた……。

だがしかし。

少女は夢を持つ素晴らしさを知っていた。
英雄は立ち向かう力を持っていた。

幻想郷を舞台に、少女達が異世界の英雄達と共に紡ぐ新たな英雄譚。




登場人物 >>1 >>2 >>44

専門用語 >>3 >>38

ミラージュクラス >>83

オリキャラ募集詳細 >>9

登場人物オリキャラ
>>15 >>20 >>22 >>26 >>42 >>50 >>69 >>75

(続編登場予定)
>>81


目次 >>31

Re: 東方異聞録♯TH 【オリキャラ募集中】 ( No.61 )
日時: 2017/07/12 22:05
名前: ミヅキ (ID: RSw5RuTO)

第27話 邂逅、そして・・・・


影狼は、弓を引く。

「ジョルジュ、もう一度言う・・・・その女性を放すんだ。」
「お願いします、ジョルジュさん!そんなことに意味はありません!!」

ジョルジュは手に炎の玉を出して、影狼に投げつける

「説得に意味はない!俺を止めたければ力づくで止めてみせろ!!」

「くっ!!」

影狼は身体を逸らして炎の玉を避けた。

「では、お前を獲物とみて・・・狩りの始まりだ!」

影狼は目を爛々と輝かせた。












「レイム、だいぶ鎮火できてるよ!」

剣になったカムイは霊夢に叫ぶ。

「そのようね・・・・しかし、妹紅はどこにいるのかしら・・・・」
「マリクも心配だ、無茶してなきゃいいんだが・・・・」


「そ、そこに誰かいるのか?」

弱弱しい声が竹林の中から聞こえる。

「レイム、あそこ、あそこに誰かいるよ!」

カムイはカルネージ・フォームから戻って、林の真ん中を指さした。
一同が近づくと、アイスブルーのロングヘアのミラージュが、
慧音を介抱していた。

「れ、霊夢と魔理沙か・・・・よかった、来てくれたんだな。」
「お仲間ですか、ケイネさん。」
「・・・・ああ。」


アイスブルーの髪のミラージュは、慧音から少し離れ、
「お初にお目にかかります、私はアクア・・・・ってアレ、カムイ?」

アクアは、カムイを見ると、驚きの声を漏らす。

「やっぱカムイじゃない!久しぶりね」

アクアはカムイの手を取って笑顔になる。

「え、えっとぉ・・・・どなた?」

「え、私の事覚えてない?・・・・・ハッ、しまった・・・」

アクアは何かに気づいたのか、急にオロオロとし始める。

「ご、ごめんなさい、「まだ」あなたには会ってないわね!」
「どうしたんだ、アクア・・・・会いたい人に会えたんじゃないのか?」
「いえ、時間軸が・・・・」

アクアと慧音はよくわからない話をしている。

「で、あんたたちは一体ここで何してるのよ?」

「ああ、そうだ、実は妹紅をこの辺まで見送りに来ていたんだが、突然、赤いマフラーの腕に弓が生えたミラージュに襲われたんだ。」
「私は偶然この場に降り立ったらケイネさんが大けがを負ってたから、介抱してたの。」

「なるほど、そういうわけね。」

慧音とアクアの話に納得する霊夢。

「妹紅は私を突き飛ばして、そのミラージュに憑りつかれてしまったんだ・・・・」

慧音は悔しそうに唇をかむ。

「で、妹紅は今どこに?」
「奥だ、だが、奥は」

ドォォォォォォォォォォォン

突然、爆音がしたので振り返ると、竹林の奥から灰色の煙が上がっていた。

「な、なんだありゃ!?」
「エレンとカチュアとマリクが心配だわ、アクア、慧音から離れちゃだめよ!」
「ちょ、どこへ!?」
「奥に行くのよ、じゃね!」

霊夢はそう叫ぶと、走って奥へと進んでいった。

「ま、待てよ霊夢!」

続けて魔理沙も箒にのってスピードを出す。

「ぼ、僕も」
「カムイ!」

突然アクアがカムイを呼び止める。

「なに?どうしたの?」



「あなたがどんな選択をしても、それが自分の出した答えならそれでいい・・・・いつかあなたが・・・・」

「カムイー!早く来なさーい!!」
「い、今行く!じゃあ、アクアさん!」

カムイは、霊夢の元へ慌てて走って行ってしまった。

「いつかあなたが、全てを敵に回したとしても、私はあなたの味方で居続けるわ、カムイ。」

アクアは、カムイの走り去った場所を見つめてつぶやいた。
















「ぐはっ!」
「うわあっ!!」

影狼は吹き飛ばされ、地面を滑った。

「この程度かゴードン!さっきの威勢はどうした!」

影狼は、口の中の血を吐き出して弓を構える。

「まだまだ、これからが本番だよ」
「ジョルジュさんが目を覚ますまで、負けられない!!」

まだまだやる気十分だが、二人はボロボロだった。

「カゲロウ、もういい・・・退け!」
「いーや、このまま退いても竹林が燃えて無くなっちまう。
 最後まであきらめないのが、私だ!」

影狼は笑う。
マリクは彼女の姿を見て、理解ができなかったが、
かつての友人を見ているような感覚になった。


「———!もういい、退こう!!」
「ダメだマリク、彼女たちを解放しないと・・・・」
「だが、このままでは君が・・・・!!」
「目の前の救える命を諦めるなんてできない!」

「君はいつもそうだ、———。」



「カゲロウ、僕も応戦する。」

マリクは、吹っ切れた顔で影狼の隣に立つ。

「そんなボロボロなナリで?」
「お互い様だろ。」
「あははっ、それもそうだ!」

マリクと影狼は、武器を構える。

「揃いも揃って死にたいのか?いいだろう、ならば・・・・一瞬で灰にしてやる!!」

「そうはいかないわよ、いけぇ!!」



ボォォォォオオ!!

突如横から黒い炎がジョルジュを襲った。

「なっ・・・・!?」

吹き飛ばされたジョルジュを睨みつける竜化した霊夢。
竜化から戻り、ジョルジュに指をさした。

「あんた、竹林を燃やして・・・ただで済むと思ってるわけ!?」


「き、貴様は・・・・ギムレー様が言っていた、「博麗霊夢」か!?」
「その通り、というわけで妹紅に憑いてるミラージュ!さっさと妹紅から離れて私にぶん殴られるか、今からぶん殴られるか、どちらかに一つ、選びなさい!!」

「どっちも断るに決まっているだろ!!」
「そう思ったわ、いくわよ!!」

ジョルジュと霊夢は、戦闘を開始した。

Re: 東方異聞録♯TH 【オリキャラ募集中】 ( No.62 )
日時: 2017/07/13 20:38
名前: ミヅキ (ID: RSw5RuTO)

インターミッションその7 主人公って誰なんだ?


「ところでさ、みんな。この小説の主人公って誰?」

ざわっ・・・・・

カムイの一言で、周りの空気が一味変わった気がする。








霊夢「と・い・う・わ・け・で!主人公決定戦するわよ!」
魔理沙「なにがというわけでだよ!唐突すぎんだろ!!」

霊夢「チッ、うっさいわねー」

魔理沙「今舌打ちしただろ!?」

マリク「まあまあ、マリサ・・・」

カチュア「何が始まるんです?」
エレン「主人公決定戦だってー」
カチュア「まあ♡」

天子「主人公争奪戦って聞いたら燃え上がってきたわ!!」
エルフィ「うん・・・・テンシ、手伝う・・・・」

ピエリ「ピエリ、張り切って殺しちゃうの!」
エリス「私たちが手を組めば、どんな相手もイチコロだな!!」


カムイ「えーっと、何々、「主人公は一人だけ、協力プレイ・ズル禁止」だって。」



全員「・・・・・・・」


ゴードン(全員の目の色が変わった・・・・!なんだかんだ言っても主人公になりたかったんだ!)



霊夢「やっぱり、ここは穏便に私が主人公ってことで」
魔理沙「抜け駆けは卑怯だぞ霊夢、私も本編東方の主人公の一人だぞ!」
早苗「それを言うなら私も主人公になったことありますから!」
エレン「私も主人公になったときあったもん!!」
天子「やっぱラスボスが主人公ってのもアリなんじゃない!?ねえ!!?」
エリス「やっぱ微妙なポジションでも少しくらい人気あったし!?私が適任じゃない!?」

影狼「あっ・・・・蚊帳の外・・・・」


ティアマト「醜い・・・・すごい醜い。」
カムイ「でもこの小説、僕とレイムが中心に回ってるから、僕が主人公ってことで」
マリク「いや待つんだ、今小説本編は、僕と影狼にスポットライトが当たってるだろう」
ゴードン「待ってマリク、僕もいる」
ピエリ「ずるいの!ピエリ強いんだよ!強いから主人公なの!」
カチュア「ピエリはどちらかというと主人公を惑わさせるポジションよね。」

エルフィ「テンシが主人公なら・・・・それで・・・・」
ゴードン「君は忠実なんだね・・・・。」

エルフィ「うん、私とテンシが○○(規制)して○○○○(規制)したあと、中まで○○○(規制)」
ピエリ「エルフィは、おとなしそうな顔して肉食よね」
エルフィ「もちろん、軍の中で一番おかわりするの・・・・。」
マリク「女ってこわー・・・」



霊夢「このままじゃ埒が明かないわ、勝負で決めるわよ。」

魔理沙「弾幕ごっこか?」

霊夢「いや、ミラージュがいるから弾幕ごっこができない」
早苗「本編準拠!?」

霊夢「こうなったらバトルロワイヤルよ!」
ピエリ「殺しちゃうの!!」
エリス「やっぱこうじゃなきゃ!!」







数時間後・・・・


霊夢「ハイ、おしまい。」

魔理沙「クソッ、お前・・・・最後の一人が残るまでその場を動かないってズルい・・・」

霊夢「これが主人公よ、覚えておきなさい。」



そうして、主人公決定戦は、博麗霊夢の勝利で終息した・・・・。


カムイ「オチが適当すぎるよ作者!」

Re: 東方異聞録♯TH 【オリキャラ募集中】 ( No.63 )
日時: 2017/07/14 00:24
名前: ミヅキ (ID: RSw5RuTO)

第28話 カムイとカムイ


「ぐはっ・・・・クソッ・・・・こんな・・・」

ジョルジュは膝をついた。
周りの炎は鎮火して、竹藪が真っ黒な煤をかぶっていた。


「妹紅を放しなさい、えーっと・・・・」
「ジョルジュさんです。」
「そう、ジョルジュ!」

「ま、まだだ・・・・」

ジョルジュは弱弱しい炎を手の上に生み出したが、すぐに消えてしまった。

「宿主がもう体力の限界なのよ、いくら不死でもね。」
「クソッ・・・・」

「ジョルジュさん、もう一度・・・・もう一度話しましょう!あなたは優しい人だったではありませんか!」

ゴードンがジョルジュに近づく。
その姿は、緑のマフラー、緑の髪、腕には弓が生えている
小柄で少年のような姿である。

「ゴードン・・・・・」

途端に、霊夢の胸の上に光の玉が輝いた。

「!・・・パフォーマ!!」

霊夢は、その光を手で包み込むと、妹紅の胸の上にそっと置いた。
すると、パフォーマは輝きを増し、妹紅を包み込んだ。


「こ、これは・・・」
「早苗がティアマトにした時と同じじゃんか!」

マリクと魔理沙が驚愕していた。
そして、妹紅の中から、ゴードンと同じ容姿だが、金髪で赤いマフラー、腕に金色の弓が生えたゴードンより身長が高いミラージュが姿を現した。

「お、俺は・・・・ここは一体?」

ジョルジュは周りを見渡す。





「あーあ、正気に戻っちゃったんだ。」

竹林の奥から姿を現したのは、
カムイと同じ姿だが、髪が長く、華奢な見た目の少女だった。

「せっかく竹林と里を燃やしてめちゃくちゃにしようと思ったのに、ざんねん。」

・・・・ドクン

カムイの胸がざわつく。

(こ、こいつ・・・・竜石の記憶で見た・・・・)

「あんた、大方予想はついているけど、一応聞いておくわ。何者?」

霊夢の質問に、クスクスと鈴のように笑う少女。

「じゃあ一応答えてあげるね。
 私は邪竜ギムレー。この幻想郷を壊すために来たよ。」






「やっと姿を現せたみたい、マルス。」
(・・・・・ついに、この日が・・・・)

「ユカリ、この邂逅での戦闘は不可避だ、あなたの能力で、レイムの元に仲間たちを送ってほしい。」
「・・・・わかったわ」

ギムレーとの邂逅を見ていた紫とマルス。
紫は、霊夢の仲間たちを隙間で霊夢の元へ送り込み、
マルスは、走ってどこかへ去ってしまった。














「やっぱりギムレーか。」
「こいつが、ミラージュの世界を壊した張本人・・・・!!」
「同時に、僕自身でもあるよ!」

ギムレーが名乗ったことにより、その場にいる一同がざわつく。

「ふふ、やっぱ私、有名人ね。
 まあ挨拶がわりに・・・・・あなた達の実力を見せてくれ な い?」


ギムレーが腕を天高く伸ばすと、
ギムレーの周りから黒いオーラと威圧感、何かどす黒い力が放たれた。

「くっ、なんて力!?」
「これで力を失ってるってのか!?嘘だろ・・・・!?」
「エレンが気絶から回復していないのに・・・・!!」

「アハハハハッ!動揺してるみたいだね!!まだ本気も出してないのに!!」

霊夢たちの動揺に高笑いをするギムレー。
そして、ギムレーは自分の影に手を突っ込むと、その中から、刀身も柄も漆黒で染まった剣をゆっくり取り出す。


「さーて、どこから斬りおとされたい?足?腕?指?それとも、首かな?」

どす黒い笑顔で霊夢たちを見るギムレー。

「ふふっ、その前にジョルジュ、死んでくれない?」
ギムレーはそうジョルジュに近づくと、
彼を肩から斬り捨てた。

「じょ、ジョルジュさん!!!」
「ジョルジュ!!」


ゴードンと影狼が、ジョルジュに近づいた。
その瞬間


「エリスだぞ!待たせたな!!」
「お、お待たせしました皆さん!!」
「ごめんごめん、寝てたわ。」

変身したエリスと早苗、天子が空から降ってきた。
上空に紫の隙間が見える。

「助かったわ、ちょうど人手が足りないと思ってたのよ。」


「ありゃ、仲間が増えちゃったか、でもいいよ・・・・遊んであげるよ」

ギムレーは不敵に笑う。






「でやああああああっ!!」

霊夢は竜化した腕で水の塊を生み出し、ギムレーに投げつける。

「ふん!」
ギムレーはその水を手でつかむ。

「ティアマト!」
「ええ!」

「「月虹!!」」

早苗は、斧を力いっぱい振り下ろす。

ガキンッ

ギムレーは斧を素手で受け止めた。

「ッ!?素手で!?」
「いくぞ、エクスカリバー!!」

その隙に魔理沙は風の刃をギムレーに向かって放った。

「畳みかけよう、ゴードン!」
「はい!!」

「「流星!!」」

放たれた無数の光の矢がギムレーを襲う!しかし・・・
ギムレーは早苗を斧ごと持ち上げたまま飛び上がり、早苗を地面に投げつけた。

「あがっ・・・!」
「サナエ!?」

たたきつけられた早苗は血を少し吐く。

「ラウアブレード!」

ギムレーは、剣の形をした魔法を、魔理沙と影狼に放った。

「ぐああっ!!」「クソッ・・・・あああっ!!」

二人に甚大なダメージを与え、魔理沙と影狼はその場に倒れ込んだ。


「ギムレーちゃん、覚悟してほしいの!!」
「いくぞピエリ!」

上空に飛び上がったギムレーに、槍から赤い光を放ち、ギムレーに当てた。

・・・・・かに思えたが、ギムレーがとっさに右手で光を受け止め、握りつぶした。

ダダダダッ!

ギムレーが飛び降りてきた瞬間に、霊夢がギムレーを斬りつけようと剣を振る。

ガキィン!!

大きな音を立て、黄金の剣と漆黒の剣の刃が交わった。


「この程度なの、あなた達って」

その隙に、天子も盾に仕込んでいた剣を出し、ギムレーを斬りつけるが、
素手で受け止められる。

「アンタ・・・・化け物ね・・・・!!」

霊夢は嫌味たっぷりにギムレーに言うが、

「マークス兄さんとリョウマ兄さんみたいなこと言うね。あの二人も、私がメディウスを喰らったときに同じこと言ってたよ・・・・
 「化け物、近づくな!」ってね。あんなにやさしかった姉さんたちも、兄さんたちも、妹たちも、同じ顔をしてたんだよ?
 やっぱり私はいつまでもどこまでも・・・・ひとりぼっちだった!!」

ギムレーは、口調を強めると、霊夢と天子の剣を弾き飛ばす。

「あぁ!」「くっ・・・・!!」

「ああ、鬱陶しい!!」

ギムレーは巨大な黒い塊を地面に放つ。
地響きと共に、霊夢たちの立っている地面が爆発し、霊夢たちを吹き飛ばした。

「いやあっ!!」
「ぐあっ!!」
「ぎゃああっ!!!」


「みんなひどいよね・・・・・どんなに信じても、どんなに愛しても・・・化け物は好きになってくれない!!」

ギムレーは表情を変えずにうつむいて誰に言うでもなく、叫んだ。
右目から涙がこぼれ、ギムレーは右手で拭う。

「あれ、涙が・・・・ふふっ、おかしいな・・・・・」

ギムレーは両腕を天空にかざし、黒い塊を生み出す。

「カムイ、よく見てるといい・・・・・お前の仲間が死んでいく様をね!!」
「や、やめっ!!」


ドオオオオオオォォォォォォォォォン!!!

ギムレーが爆音のする方を振り向いた。
その隙に、マルスが現れ、ギムレーを斬りつける。

「・・・・!!?」

ギムレーは驚き、バランスを崩してその場にへたり込んだ。


「チキ!」
「はい!」

マルスが叫ぶと、神竜となったチキが霧のブレスを吐く。
すると、辺りは濃霧に包まれ、視界が悪くなった。

「アクア、フレデリク、リズ、レイヤ、リンネ!今のうちに、皆さんを!!」

「しょうがねえな!」
「姉様!」


霧の中、マルスとその一行は、
ダメージを追っていた霊夢一行や、倒れている妹紅、ジョルジュを抱きかかえたり、
持ち上げて、紫の隙間の中に入っていった。










「・・・・・ちっ」

ギムレーは霊夢たちを逃がしてしまったため、舌打ちをする。

「失敗したな、ギムレー。」

クロノスが濃霧の中から姿を現す。

「まさか未来から来たミラージュに邪魔されるとは思いもしなかった。」
「あの仮面の少女かな?」
「よくわかったね、アレが女だったって。」

クロノスは不敵に笑う。

「まあね、それより—————。」
「わかってる、キミには近日中に動いてもらうよ、カムイをどんな状態でもいい、確実に私の前に「生きて連れて」きてもらう。」

ギムレーは笑った。

「期待通りに動いてくれよ、クロノス?」
「ああ、わかってるよ。」

Re: 東方異聞録♯TH 【オリキャラ募集中】 ( No.64 )
日時: 2017/07/15 00:15
名前: ミヅキ (ID: RSw5RuTO)

第七章 トウキョウの英雄たち

第29話 未来から来たミラージュ


「・・・・・ここは・・・・」
「レイム!よかった・・・・」
「気がついたようね、霊夢。」

霊夢が目を覚ますと、ベッドの上だった。

ベッドの脇で、レミリアとカムイが看ていた。

「レミリア・・・・アンタが助けてくれたの?」

レミリアは首を振る。

「ついていらっしゃい、他のみんなも待ってるわ。」

レミリアは椅子から立ち上がり、部屋を出た。




「・・・・・。」

霊夢とカムイはある大部屋に入った。
そこには、仲間と見覚えのないミラージュが待っていた。


「レイムさん、よかった・・・・無事で。」

マルスが霊夢に近づき、握手をする。

「カムイさんも。」





「マルス・・・・いや、英雄王を騙るミラージュ・・・・お前の目的はなんだ?」

突然、マリクが武器を構えてマルスを睨む。
部屋にいる一同・・・・紫とマルスと共にいたミラージュや冷也と輪廻以外は動揺してマリクを見た。

「ど、どういうこと、マリク?」

エレンがマリクに尋ねる。

「マルスは、かつての僕の親友だ・・・・彼は、イツキと共に戦い、その魂は消滅した。もう存在しない!」

マリクは強く吐き捨てるように叫ぶ。

「何者だお前は・・・・マルスの名を騙るということは、相応の覚悟があるのだな!?」

「・・・・・騙るつもりはありませんでしたが、このような顔では、皆相手にしてもらえないだろうと思いまして。」

マルスは突然声が変わり、仮面を外した。


「・・・・!!その顔・・・・」

カムイは驚く。
マルスは、人間の少女のような顔だった。

「改めて自己紹介させていただきます。
 私は、壊れた未来の幻想郷から来たミラージュ・・・・ルキナです。」

Re: 東方異聞録♯TH 【オリキャラ募集中】 ( No.65 )
日時: 2017/07/15 18:54
名前: ミヅキ (ID: RSw5RuTO)

第30話 壊れた未来


「壊れた幻想郷・・・・!?」

一同はざわつく。


「はい。・・・・未来の幻想郷は、レイムさんたちが敗北し、ギムレーがレイムさんを討ち、幻想郷の空にヒビが入りました。
 そして、生き残った未来のユカリさんは言いました。
 「過去に戻り、霊夢とカムイの手助けをして、絶望の未来を塗り替えてほしい」・・・・と。」

霊夢とカムイは息をのむ。
ルキナは、全員の表情を確認しながら続けた。

「そこで私は、過去に戻るための儀式を行い、数名のミラージュと共に、未来からやって参りました。」

「数名のミラージュ?」

ルキナの言葉に疑問を口に出す天子。

「はい、フレデリクさん、リズさんをはじめとする、
 レイさん、ルフレさん、エフラムさん、エイリークさん、リンディスさん、ジョルジュさんと共に
 私たちは未来から過去へ時を渡りました。」

ルキナは両手を合わせて握りしめる。

「しかし、何者かの干渉により、未来から来たミラージュたちはバラバラになってしまいました。
 そして、降り立つ場所、時間がめちゃくちゃになり、しかも記憶も失ってしまいました。」
「なるほどね。」
「私だけはなんとか記憶があったので、未来から来たミラージュたちを探し出し、今に至るというわけです。」

ルキナは話し終わった。

「先ほど、マルスを騙るつもりはなかったといっていたが、なぜ仮面を?」

マリクはまだ納得できていないという様子でルキナに尋ねる。

「はい、実は、邪竜ギムレーと対峙した時に、顔を割れてしまって、
 姿と名前を騙っていたのです。」

「ギムレーと直接戦ったことがあるの!?」

カムイは身を乗り出して聞く。
ルキナは静かに語りだした。








それは遠くない未来の話・・・・


「カムイ・・・!お願い返事を・・・・!!」
霊夢は、空を覆う巨大なヘビ、邪竜ギムレーに向かって叫んだ。

「カムイさん・・・そんな・・・・!!」

ルキナは拳を血がにじむくらいに握りしめる。



「アハハ・・・・やっと、やっと完全になれた!アハハハハハ、アハハハハハハハッ!!」



「レイムさん、逃げてください!!」

ルキナは、肩から血を流して霊夢とカムイを前に立っていた。
邪竜ギムレーがルキナたちを見下ろして笑う。

「愚かな小娘・・・・そのまま怯えて逃げる方が賢明だよ?」
「黙れッ!!皆さんをよくも・・・・!!」

「じゃあ今ここで殺してやる!!」

ギムレーは尻尾をルキナに向かって勢いよく打ち出した。

バチィン!
ドガッ
「きゃああっ!!」

ルキナは吹き飛ばされ、地面を滑った。

「ま、まだ・・・・負けていないッ!!」

ルキナは、剣を地面に突き立て、よろよろと立ち上がった。


「カムイさん・・・ごめんなさい・・・・!!」

ルキナは剣を鞘から出した。
神剣ファルシオンの刀身が輝く。

「いきますッ!!」

ルキナは剣を以ってギムレーに突撃し、力強く斬った。

「忌まわしい・・・・ファルシオンか!!」

ギムレーは怯んだが、黒い炎をルキナに向かって吐いた。
ルキナはそれを避け、ギムレーの顔を斬りつけた。

「イギャアアアアアアァァァッ!!」

ギムレーは断末魔を上げた。


「クソッ、引きちぎってやる!!」

ギムレーはルキナに向かって巨大な腕で振り下ろした。

「しまっ・・・!!」
「ルキナッ!!」


霊夢はルキナを突き飛ばした。

「レイ・・・・!?」



霊夢はルキナの代わりに、ギムレーの爪に引き裂かれた。

「あ・・・・がっ・・・・!!」
「レイムさん!!」

霊夢は吹き飛ばされ、うつぶせに倒れる。
倒れた霊夢の周りに血だまりができた。

「レイムさん!レイムさん!!」

ルキナは霊夢を抱き起した。

「レイムさ・・・・そんな・・・・・!!」


霊夢は弱弱しくルキナの頬に手を振れた。

「アンタだけでも・・・・逃げ・・・・」

そして、霊夢はだらんと腕を落とし、事切れた。



その瞬間、空にひびが入った。

「・・・・・!!これは!?」


「幻想郷が壊れる・・・・!ルキナ、もう時間がない!!」

紫が突如隙間から現れ、ルキナの手を引っ張った。






「みんな、よく聞いて、もうこの幻想郷は壊れてしまう。
 みんなの力で過去の霊夢とカムイに協力して、この絶望の未来を塗り替えてほしい!」

紫は藍に過去に戻るための儀式を施させ、
ルキナ・フレデリク・リズ・レイ・ルフレ・エフラム・エイリーク・リンディス・ジョルジュを魔法陣の上に立たせた。

「幻想郷の未来を・・・・あなた達ミラージュに託します。」

紫はルキナの腕を両手で握りしめた。


「頼みましたよ、ルキナ。」











「以上が起こりうる未来の話です。
 その何者かが、もしギムレーに加担していて、もし私の事をつけていたら
 もう一刻の猶予もありません。」

一同に静寂が訪れた。

「なるほど、未来の私が・・・・」

紫は静かに聞いていたところに一言口に出す。

「はい。そして、皆さんには、ある試練を受けていただきます。」

「試練?」

カムイはきょとんとして尋ねた。


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