二次創作小説(紙ほか)
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- 黒魔女さんが通る!!『さいキョーのへなチョコ』ver.4
- 日時: 2020/05/16 16:43
- 名前: 塩月 夏子 (ID: rGHCUuqr)
こんばんは〜(ノ´Д`)
そしてお久しぶりです...。
ブランク沢山ありまして、おうち時間ということもあり、書いてみることにしました!
さいキョーのへなチョコはどうなるのか、内容を忘れたので過去のものを見比べながら、1からの構想練り直しになるので、皆さんどうかあたたかい眼差しで見届けてくれたらと思います。
(ただの自己満ですけど)
どうぞ、よろしくお願いいたします!
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
これまでのあらすじ
松島くんのゴールデンレトリバーのサチコがウサギくんを引き連れた男の子によって戻ってきて一安心なチョコ。しかし、帰りの車に乗り遅れ、大ピンチなところに未来のボスくんがあらわれて...?
_______________________
ブランクがあきすぎたので一応、登場人物を整理したいと思います。
_______________________
黒鳥千代子
:マイペースだけどグロいもの大好きな第一小学校1年2組。
〜〜〜
山本ミドリ
:同じく第一小学校1年2組。
チョコの初めての友達。
成田やよい
:若くて頼りになるチョコのクラスの先生。
高波明南
:ミドリにべったりくっついている友達(?)でチョコたちのグループのボス。
松島修人
:チョコたちのグループをひっぱるサッカー少年。飼い犬のゴールデンレトリバーのサチコをなくす。
宇津田千里
:チョコたちのグループにしては比較的おとなしい女の子。
「ウサギのぬいぐるみ」
:第一小学校にひそむ魔の手。それはいったい誰の仕業なのか...。
〜〜〜
おなじみのメンバー
ギュービッド
:魔界一ビューテホーでワンダホーな黒魔女。チョコのインストラクター黒魔女になるのはまだ後のおはなし。
桃花・ブロッサム
:ギュービッドの後輩黒魔女。
紫苑メグ
:チョコの腐れ縁。
麻倉良太郎(未来のボスくん)
:チョコのボーイフレンド候補その1
(ウソですbyチョコ)
東海寺阿修羅
:チョコのボーイフレンド候補その2
(やめてくださいbyチョコ)
大形京
:チョコをフライングゲットする魔界の王
(いいかげんにしてくださいbyチョコ)
〜〜〜
...と他にも沢山出てくるかもしれないので
よろしくお願いします!
- Re: 黒魔女さんが通る!!『さいキョーのへなチョコ』ver.4 ( No.10 )
- 日時: 2020/05/07 21:04
- 名前: 塩月 夏子 (ID: q4DESv2F)
_______________________
「いじきたないくろまじょはきもちわるいからきえて」
...かぁ。
なんかボクのこころにぐさりとほうちょうでえぐられる気分になるのは、なんでなんだろう。
「るっきうげ♪るっきうげ♪そぐなーれっ♪」
ぐっ...。
「ほら言わないの?るっきうげ♪るっきうげ♪そぐなーれ♪」
あいかわらずうるさいな。もうキミが言っているじゃないか。
「あーそうだったねぇ!ぼく、きづかなかったねぇ。」
そういってアイツは夢の書をペラペラとめくり始めた。
「さーて、今回の総括をしましょうか、だねぇ。」
「あいかわらずきみのへたれっぷりには参るねぇ。」
「ほーんと、きみは人を呪うばかりか、ペットの犬だよ、犬!」
「動物からはじめるなんて、なんとまあ初歩的な」
「あきれかえっちゃうよねぇ」
「ペットを呪い殺すならまだしも、殺さずに返しちゃうとこ、ダメだよねぇ」
「ま、ぼくが返した、という体でなんとか丸くおさまったんだけどねぇ。」
「今日も残念賞でした!アハハハハっ」
アイツはうつつをぬかして笑い転げている。
ボクはぐっと奥歯を噛み締めた。
「...今度こそは、やりきるよ、ボク」
「ふーん、何度目の正直なの?それって」
「それは...」
「ハッ、笑っちゃうね。」
「うっ...」
「仕方がないな、今度はぼくが呪うブツを用意してくるよ」
「...」
「安心しなって、呪うブツはごろごろ転がっているんだから」
そういうとアイツは、どこかへ行ってしまった。
_______________________
ぼくはグレーのスーツを着た女の人に裏切られてから、ぼくの人生はめちゃくちゃだった。
愛くるしい手枷を付けられて、クラスではいじめられてばかりだった。
いつもぼんやりしていて、ものを書くにもふらつく。
ぼくの字は汚くなかった。
でもぼくをむしばむ呪いがぼくをバカにさせる。
そういうふうにぼーっとしていても、はっきりと聞こえた。
「いじきたないくろまじょはきもちわるいからきえて」
と。
ぼくもあの人が消えてほしかった。
でも今は、
今の呪いの標的は、
...ぼく自身だ。
- Re: 黒魔女さんが通る!!『さいキョーのへなチョコ』ver.4 ( No.11 )
- 日時: 2020/05/09 12:49
- 名前: 塩月 夏子 (ID: nhNwt9Dt)
6月1日(月)
あの日、
めいなちゃんがあたしにぜっこうしたあの日。
あのときから、あたしへのいじめがはじまった。
つめたい、つめたいいじめが。
あたしのまわりのつくえの子たちは、
「まじょののろいがうつる」といって、
あたしからはなれた。
たいいくのじゅぎょうもきがえはあたしひとり。
いつもトイレにこもってきがえている。
さみしい。かなしい。つらい。
ともだちはえいえんだって、こどものころおしえてくれた気がしたけど、いったいだれが言ったんだろう。
かえりみちもひとりでとぼとぼかえる。
がっこうに行くのがつらい。
でも成田せんせいはあたしのことをしんぱいしてくれている。
成田せんせいはやさしい。
あの人がいなかったら、たぶんがっこうに行かなかったかも。
でも、いじめがあって、ひとつわかったことがある。
このクラスのみんなは、みんな、楽しいわけじゃないみたい。
ある子はあたしよりひどいことされてるし、
ある子はがっこうをやすんでばかり。
トイレに行こうとしてナカイのぴんくの4くみをチラッと見たら、ウサギくんがほかのおとこのこたちに「字がへたでぼーっとしてるマヌケ!」といじめられてた。
あたしは見てみぬふりをしたけど。
でもウサギくんはわかってた。
だって、あたしが「いじきたないくろまじょはきもちわるいからきえて」と言われたとき、
ウサギくんも見てみぬふりをして行っちゃったから。
いじめられてた人たちは、つながらない。
わかりあえっこないんだ。
つよい人たちがいきのこり、よわい人たちがきえていく。
このせかいはあまりにもかなしすぎる。
こんなせかい、おわっちゃえばいいのに。
きえればいいのに。
- Re: 黒魔女さんが通る!!『さいキョーのへなチョコ』ver.4 ( No.12 )
- 日時: 2020/05/11 21:06
- 名前: 塩月 夏子 (ID: kXdtIoTR)
*~*~*~*~*~*~*
それからというものの、あたしはひとりですごすことがおおくなりました。
なんどもつめたい目にあうなんて、まっぴら。
そんなふうになるなら、ひとりでいたほうがまし。
あたしがすきになるのは、ひとじゃなくてもいいんだってこと、成田せんせいがこっそりおしえてくれた。
「くろとりさん、としょしつにはいっぱい本があるのよ。本の中には先生がいて、いろんなことを教えてくれるの。くろとりさんもぜひ行ってみなくちゃ、人生損するわよ!」
成田せんせいはおちゃめにウインクしてくれたっけ。
よーし、行ってみるか!
としょしつに、すすめ、でっぱーつ!
______________________
〜〜〜
としょしつにつきましたー!
ふー。長い道のりだったなあ。
ほかのおともだちと出会いたくなかったから、やっぱり時間はえらぶよね!
5~6年生のクラブかつどうの時間はあたしにとってひとり時間のオアシスだよ、ほーんと!
さて、ドアをあけましょうか。
ガチャリ。
...うわ〜、シーンとしててしずかなところだなぁ!
本のいいかおりがする...あたしははなをひくひく。
いいなあ、クラスのゴチャゴチャしたかんじじゃなくて!
じゃあ、まず何を見ようかな〜。
あ!かいけつゾロリだ!
にんきだよね〜。いっぱいかりられてる!
ハリー・ポッターかあ。
ぶあつい本だけど、あっという間によめるんだよねえ。
お、ウォーリーをさがせ、だ!
見つけるの楽しいよね!
マンガもおいてあるー!ひのとり、すてきだよね、てつわんアトムのかいた人だもんね!
...とあたしは気になった本をひとつずつ抱えて、よたよたとテーブルにむかいました。
どすんっ!
...ふぅっ。さ、よもよも。
あたしはイスにすわり、いっさつめを持ってパラパラとめくると、
「ねぇねぇ」
「そんなに本をつみあげてもいみないねぇ」
「よめないよねぇ」
「そういうのをよくばりっていうんだよねぇ」
むかっ。
「いいじゃないですか、あたしにはとしょかーどがあるんですっ。少しでも読んでおけばあとでもちかえる本がすくなくなるんですっ」
「かおくらい、上げて言ったらどうなの、だねぇ」
むかむかむかっ
「じぶんの好きな本くらい、ひとりでたのしんだっていいじゃないですか」
ばっと顔をあげたあたし。
「ほら、あなただってたくさんの本をつみあげてるじゃな...」
え、
う、ウサギくん!?
ウサギくん、ウサギのぬいぐるみをピョコピョコとうごかしながら本の後ろに立たせて、読み聞かせしてる...。
「あ...」
「まぁ、ボクはいいんだねぇ」
「もちかえるしねぇ」
「...」
ウサギくん、チップとデールのおかおのついたてさげカバンにたくさんの本を入れていきます。
もちろん、左手のウサギさんがちいさな前足で本をつかんで。
...にしては、動きが早い。
「じゃ、ボクはかえるとするねぇ」
よっこらしょ、だねぇ。と、てさげカバンをもつと、すたすたとドアの方へ、歩いて行くウサギくん。
「あっ、ま、まって!」
くるりとふりかえったウサギくん。大きなおめめをぱちくりさせて。
そのとき。
「あの、あなた?」
「は、はい」
くるりとふりかえると、
「ちょっといいかしら?」
メガネをかけたショートヘアのおんなのこが、メガネをキラリとひからせてちかよってきました...。
「あ、はい。なんですか。」
「としょしつですごすことくらい、しずかにしてくださる?うるさくてしかたがないの。」
「あっ、すみません...」
「あなた、さくらのかたちをしたなふだだから1年生よね。1年生ならまだいいけど、ここはペチャクチャおしゃべりするところではないってこと、わかってくださる?」
「は、はい...。」
「あなたも!話しかけるあなたもわるいのよ、あやまってくださる?」
「あっ...」
とばっちりを受けたウサギくん。
「す、すみません...だねぇ。」
「だねぇはつけないでくださる?」
「は、ハイ...」
かたをしゅんとおとしながらかえろうとするあたしたちに、メガネのおんなのこが、
「ちょっと、まってくださる?」
「な、なんですか。」
「な、なんですか、だねぇ」
「本を借りるときはバーコードをピッとしてから、かえってくださる?」
そう言って、そのおんなのこはメガネをキラリとひからせて、クイッとメガネをひとさしゆびで上におしあげました。
〜〜〜
本をバーコードにピッとしながら、ウサギくんとあたし、むごん。
「...で、なんだねぇ。」
ウサギくんはひそひそ声で話しかけた。
「えっ」
あたしもひそひそ。
「ボクを待たせて、何を言おうとしたのか、知りたいんだねぇ」
「あっ、そうそう。えっと...」
「?」
「さっきは、ありがとう。そして、あのとき、ごめんね。」
「それは、いつのはなしなんだねぇ」
「それは...」
「あなたたち、いいかげんにしてくださる?ひそひそ声で話してもむだよ」
「ハイ...」
と、ウサギくん、すばやくかえっていきました。
ああ、まって!
...とはいえず...。
だって、あたしも、あたしのかりる本にバーコードをピッとするの、今からしないとだから。
...はぁ。
なんで、ウサギくんと出会うとき、いっつもタイミングわるいんだろ。
ちゃんと、はなしたことってないんじゃないかな...。
そうこうしてる間に、あたしもバーコードにピッとしおわりました。
さ、あの、くださる子さんにおこられないように、そーっと、そーっとかえろ...
「あなた、すこしおまちくださる?」
うっ...
くるりとふりかえり、せいいっぱいのえがおで。
「ハイ、くださる子さ...じゃなかった、なんですか。」
「ちょっと、これ、かれにわたしてくださる?」
「えっ」
かれって、さっきのウサギくん、だよね...
「わたし、このとしょしつの本はみんなしってるけど、この本はしらないの。だからかれがおいていったかもしれないから、わたしてくださる?」
「えっ...」
「あなた、かれとおともだち、なんでしょ」
「そ、それは...」
ともだち、なのかなぁ...。
「し、しってますけど...」
「なら、さっさとこれ持って、出てってくださる?」
くださる子さんのメガネが、もっとキラーンとひかった。
- Re: 黒魔女さんが通る!!『さいキョーのへなチョコ』ver.4 ( No.13 )
- 日時: 2020/05/12 08:13
- 名前: 塩月 夏子 (ID: kXdtIoTR)
ドアをいきおいよくあけると、あたしはむちゅうでウサギくんをおいかけ...
...られませんでした。
だって、50メートルそう20びょうのあたしだよ、ウサギくんだって、おとこのこだし、ぴゅーっとはしっちゃえば、おいつくわけがありません。
はあはあと息を切らして、はしるけど、おいつかない。
「ま、まってよ、ウサギ...くん...」
しゃがみこんだあたし、古くて分厚い本をもって。
しかたがない。
あした、わたすか...
...ってあしたどようびじゃん!
あーもう!
くろとりちよこ、やらかしたにもほどがあります...。
どーしようこれ。
手にもつのも疲れるしくろいてさげカバンに入れて、かえるとするか。
あーあ。
ついてないなぁ。
- Re: 黒魔女さんが通る!!『さいキョーのへなチョコ』ver.4 ( No.14 )
- 日時: 2020/05/12 19:54
- 名前: 塩月 夏子 (ID: HFG8XWOG)
...さて。
どうしようか、この本...。
あたしのへやのつくえにぽつんとのこった、ふるくてぶあつい本。
ウサギくんのやつ。
それにしても、あたしとおなじ1年生なのに、むずかしそーな本いくつもよんでるなんて...。
あたしはごろんとベッドに横になって、考えてみた。
あの本、見ちゃっても、いいかな。
いやいやいや!やっぱりダメでしょ、ひとのやつだし!
でもにっきじゃないんだし、ちょっとくらい、よんでみても、いいよね。
...えーい!ままよ、見ちゃえ!
いきおいよくガバッと本をひらいたあたし。
バラバラバラバラバラっ!
「きゃあああああ!」
本がいきおいよくめくれて、ひかりがあふれ、あたしはすいこまれていきました...。