BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- プリキュアのGL小説。(あきいち多め)
- 日時: 2017/08/17 20:32
- 名前: シーチキン (ID: TeXDu9yk)
初めまして、魚が大好きなシーチキンと申します。
今回、気分転換という理由でこちらの方に百合、すなわちGLを書くことにしました。
基本的にはプリキュアを書こうと思っております(というかプリキュアの百合書くために来た)。
創作や他アニメも書くかもしれません。
〜書く予定のもの〜
キラキラ☆プリキュアアラモードより
あきら×いちか(あきいち)
ゆかり×いちか(ゆかいち)
あきら×いちか×ゆかり(あきいちゆか)
魔法つかいプリキュア!より
みらい×リコ(みらリコ)
創作も書く予定。
などなど、プリキュア中心でいく予定です。それにしてもプリアラ、一貫しすぎてない?いちかちゃん受けで。趣味バレバレやん。
リクエストは創作のみ受け付けております。よろしくお願いします。m(_ _)m
- Re: プリキュアのGL小説。(あきいち多め) ( No.25 )
- 日時: 2017/10/23 05:10
- 名前: カノン (ID: 2WPGd65I)
狐!?いいですねえ!!
私も好きですよ、あきいち。
……といっても私はあきらさんがいればなんでもありのタイプなんですけど。
- Re: プリキュアのGL小説。(あきいち多め) ( No.26 )
- 日時: 2017/10/23 12:09
- 名前: シーチキン (ID: VbOSBaFR)
カノンさん、コメントありがとうございます!
あきいち好きな方がいらっしゃることに、あきいち過激派()である私も嬉しいです!
狐あきらさんの話は、何となく思いついた妄想でババッと書いたので、一万文字ぐらいしかないんですよね……。そしてそれを書いたデータがないorz
ですので、書くとなれば今のハロウィンパロ終ってからですかね。
- Re: プリキュアのGL小説。(あきいち多め) ( No.27 )
- 日時: 2017/10/23 20:57
- 名前: シーチキン (ID: VbOSBaFR)
「鎖を引きちぎった狼」
__ずっとここにいれば、あたしの心に繋がった鎖は一生繋がったままだ。そんなのは、絶対に嫌だ__
「あたしは絶対! この村を出るんだ!」
「おやめください、お嬢様」
少女の声が、大きな家に響き渡る。声の主である少女__あおいは、腰元にに生えている青い尻尾をピンと上に伸ばして怒りを表す。
「こんなに沢山の決まりの中で生きるのはもう嫌だ! あたしは自由に生きる!」
「お嬢様は族長の一人娘なのです。あなたがいなくなっては、村が……」
「誰かに頼めばいいじゃんか!」
人狼族、族長の一人娘。そのような肩書きを背負っているあおい。だが元々の性格もあってか、こうして村を出ると騒ぐのはよくあった。
その度に幼い頃からあおいを見守ってきたミズシマは宥めるが、今回は手強いようだ。
「あなたは分かっていない。私達がこうして沢山の決まりのある狭い世界で生きていることを」
「分かってるよ」
「分かっていない!」
「なんでそう言えるんだよ!」
何度も、この村に伝わる決まりは長々と聞かされてきた。時折眠ってしまうこともあったが、あおいはその全てを言えるほど、頭に意味は入っていた。
ミズシマはその勢いのまま、あおいに言った。
「我ら人狼が外の世界へ行けば……我々は恐れられ、人間達に殺される……!」
その言葉を聞き、あおいは目を背ける。
人狼族に伝わる、ある一つの決まり。
『我ら人狼は、決して村の外へ出てはならない。』
決まりを綴ってある紙に、一番初めに書いてある事だ。
『外へ出れば、この奇妙なる姿に人間達は恐怖し、排除しようと殺戮を考える。』
あおいの他にも、村を出たいと言うものは少なからずいた。実際に外に出たものもいた。しかし、帰ってくることはない。数日後、風の噂に流れてきたのが、『とある人間の村で、人間の姿をした奇妙な化け物が現れた。勇敢なる村人が、その化け物を殺した』という話。それ以来、村を出たいと言うものは、あおいを残して誰もいなくなった。
分かっているんだ。このような姿で生まれた自分には、外を自由に歩き回ることは出来ないと。
分かっている上で、行きたいんだ。心に繋がれている、ずしりと重い鎖を持つ。
「だからこうして必死に止めているのです。それを分かってください」
「……分かってるよ」
あおいは真っ直ぐにミズシマを見た。
「分かってる。それでもあたしは、世界を見たい。危険だって分かってても、自由になれずに死んでくのは、嫌なんだ!」
握った拳が震える。恐怖はあった。守られているという安心感が無くなることへの。だが、もう止められない。
鎖をしっかりと握る。
「だから……あたしは村を出て、自由に生きる」
強く引っ張ると、錆び付いた重い鎖は、バラバラと崩れていった。
「……そうですか」
ミズシマは後ろを向く。
「お嬢様は、本気でそう考えておられるのですね」
「……うん」
「全く。酷い我儘だ……」
ふう、と溜め息をついてから言った。
「族長には言っておきます。後は、お嬢様のご自由になさってください」
目を見開いた。という事は、外へ行ける。走り出したい気持ちを抑え、あおいは一言言った。
「ごめん、ミズシマ……ありがとう」
その場を走り去る。溢れ出そうになる涙を堪え、見たことのない外の世界へと、足を進めた。
「あおいちゃんは、村を出ることが怖くなかったんですか?」
村を出て数分。後ろに村人の姿が見えなくなり、急いでいた足を遅くする。
「んー……怖かったっていったら、怖かった。でも、それよりも好奇心の方が強かったかな」
頭の後ろで手を組み、あおいは話す。あの時、ミズシマと話した時のことを思い出した。
「でもほんと、皆には迷惑かけちゃったな……。自由になりたい! っていう気持ちで来ちゃったから。バカだよね、あたし」
あはは、と笑う。こんな我儘な理由では、ひまりに失望されてしまうだろうか。
「カッコイイと思います」
「……へ?」
予想の斜め上を行く返答に、あおいは組んでいた手を崩し、変な声を出す。
「勇気を持って、行動に出たんですから。ただ怖くて逃げて来た私とは全然違います」
そうしてから、ひまりはゆるりと笑った。
「バカなんかじゃありません。あおいちゃんは、充分カッコイイひとです」
ドキリと心臓が跳ねたのが分かった。ブンブンと、尻尾が左右に揺れている。
「……お、おう、アリガト、ひまり」
「? はい!」
顔を背け、礼を言う。なんだこの子。天然なのか。突然カッコイイとか何とか言うなんて。
心の準備が出来ていなかったあおいの顔は、火がついたように真っ赤だった。
こうして、オバケと人狼という不思議なペアの二人は、共に行動することになったという。
- Re: プリキュアのGL小説。(あきいち多め) ( No.28 )
- 日時: 2017/10/28 08:15
- 名前: シーチキン (ID: tQGVa0No)
時系列バラバラで申し訳無いです。書き終わったあとに説明する予定です。
「魔女と元海賊、オバケと人狼」
そういえば、といちかが声を出す。
「確か、この辺りにいたと思うんだよなー」
「何が?」
陸地へと舟を止め、二人は降りる。辺りは草地が広がっており、いちかは何かを探すように見回していた。すると。
「おーい、いちかー!」
いちかを呼ぶ声が聞こえ、声の方を見る。二人の人間らしき姿が、こちらへ走ってきていた。
「あおちゃん! ひまりん!」
いちかの友人だろうか。カボチャを模したスカートを穿いている子と、耳と尻尾が生えている子が、いちかと楽しそうに話している。
「いちかちゃん、この子たちは?」
「私の友達です! よく会ってるんです」
「あたしはあおい。人狼なんだ」
「私はひまりです。オバケです」
オバケと人狼。何とも不思議なペアにへぇ、と声を漏らし、あきらも自己紹介をした。
「私はあきら。元は海賊だったんだ。今はただの人間だよ」
そういうと、二人はええっと驚く。
「いちか、人間と一緒にいるのか!?」
「あ、ありえないです」
やはり、魔女と人間が仲良くなることはないのだろうか。あきらは眉を下げると、いちかが言った。
「まぁ、色々あって。でも、あきらさんは優しくて、いい人なんだよ!」
あきらが悪い人ではないことを必死に説明する姿に微笑みながら、あきらは説明する。
「今、いちかちゃんを村に帰すために吸血鬼の城へ行くところなんだ」
「ゆかりさんのとこか」
「知ってるの? なら、一緒に行くかい?」
「えっ、いいんですか?」
いちかがニッコリと笑って承諾する。あきらも、構わないさと笑った。
「舟を出す準備をするから、待ってて」
そう言って、あきらは海辺へと向かう。その後ろ姿を見ながら、ひまりは口を開いた。
「あきらさんって、いい人なんですね」
「でしょでしょ!? それにね、とってもカッコよくて、優しくて、時々可愛くてー……」
頬を染めながら、あきらのいい所をどんどんと話していく。その様子を見て、あおいは爆弾発言とも言えるものを言ってきた。
「……いちかってさ、あきらさんのこと好きなの?」
「……ぇ」
数秒後、ぼんっといちかの顔が真っ赤に茹で上がった。高速で手を振りながら、誤魔化し切れていない笑顔を作る。
「そ、そそそ、そんなことないよ!? べ、別に、優しい人間だなーってだけで……その」
「分かりやすいな」
「分かりやすいですね」
嘘が付けない純粋ないちかにとって、自分の恋心を隠すことは無理だったようだ。
「伝えてみたらいいんじゃないですか?」
「え、だって……あきらさんは女の人だし……」
普通に話すいちかに、二人はまたしてもええっと驚いた。
「男じゃないの!?」
「前話してたら、よく間違われるって言ってたよ」
だから、恋は出来ない、と。悲しさも混ぜながらいちかは言う。
「でも、あきらさんは友達として大好きなの!」
「おーい、準備出来たよー!」
あきらが手を振りながら呼ぶ。いちかも手を振りながら、走って向かっていった。
「あの二人、実ることはなさそうですね……」
「だな……凄くお似合いだと思うけどな」
顔を見合わせて苦笑いを浮かべ、二人も海辺へと向かった。
「……退屈ね」
小さなため息と共に声が零れる。頬杖をつきながら暗い窓の外を見る彼女の目には、楽しませようとするコウモリの姿も映っていなかった。
- Re: プリキュアのGL小説。(あきいち多め) ( No.29 )
- 日時: 2017/10/30 07:11
- 名前: シーチキン (ID: 0v5zLN0X)
「暇な美人吸血鬼」
海の真ん中にポツリと浮かぶ、高い城。辺りは一面暗闇に覆われており、航海する海賊たちからは、まるで“夜の空間”だと言われている。
それも当然、その城には太陽の当たらない夜でしか生活が出来ない者が一人で住んでいるから。いや、細かく言えば一人と数十匹。
彼女の名はゆかり。見たものを瞬時に魅了するほどの美しさを持つ彼女は、美味い血を欲する吸血鬼なのである。
吸血鬼である彼女には、血を飲むことで高まっていく魔力と、魔術師が本業である者にも負けないようなありふれた魔法の才能があり、最初は城で一人だった彼女も、己の魔法で空を飛び交うコウモリ達を思い通りに操っていた。
だからなのか、危険だと感じた人間達は何人も彼女を消そうと城にやってきた。面白そうと思った彼女は人間達の相手をしていたが、どうも心が弾まない。試しに傷を入れ、指先から地面に滴る血を舐めてみても、普通の人間の血は美味くない。
「……あなた、つまらないわね」
そうして、城にやってきた人間達は自分の村に帰れることは無かった。つまらないと感じた、彼女の手によって。帰る道を閉ざされたのだ。
それから彼女は来るだけ無駄だと、人間にだけ城近くの出入りが出来ないよう結界を張った。魔法が効きすぎたコウモリ達は自由に生活し、何もすることがない彼女は、毎日暇を持て余すこととなる。
それまで明るかった海が、だんだんと暗闇に覆われていくのが分かる。吸血鬼の領域に入ってきているのだ。
「あっ、見えてきた!」
目を凝らすと、黒い霧の中から、大きな城が見えてくる。普段は遠くからしか見ていなかったので、その大きさにおぉ、と声を出す。
「ゆかりさん、元気にしてるかな?」
「あの人のことだから、毎日暇なんじゃないの?」
皆で話している間に舟を止める。コウモリが飛び交っているのが見える。チラチラと、あきらと目が合うのは気のせいだろうか。
大きな正面門を押すと、ギギ、と音を立てながらゆっくり開く。勝手に炎が灯される燭台に、ラスボスの城かな、という思考が頭を過る。中へ入ると、二匹のコウモリが四人を出迎えた。
「ねえ、ゆかりさんいる?」
いちかの問いにキィ、と鳴いて答えると、ありがとうと笑みを浮かべた。
「へぇ、まるで言葉を理解してるみたいだ」
興味深そうにコウモリに触れようとすると、態度は一変。突然あきらに攻撃をしてきたのだ。
「え、ちょ、やめて、痛いから」
鉤爪になっている左手を上げると、手を叩く乾いた音が二回響き渡る。その音を聞くと、コウモリは攻撃を止め、音の鳴るほうへ飛んでいく。クスリとした笑い声と共に、階段を下りる音。
「あら、ごめんなさい? この子達、見かけない客には攻撃をするよう言ってあるの」
腰辺りまで伸びた艶やかな紫色の髪に、コウモリの翼のような形のスカート、首元にリボンが巻かれた彼女は、紫に染まった瞳で面白そうに四人を見る。
「ゆかりさん!」
「フフッ、久しぶりね。おかげで毎日暇だったわ?」
一度海賊の間でも有名になり、その後自然と話からも消えていった吸血鬼。改めていちかの友人関係に驚きながらも、敵意を感じたあきらはその場に立ち尽くしていた。
「それで、あなたは?」
「え? ああ、私はあきら。元々海賊をやってた人間だよ」
人間という言葉に反応しながらも、目を細めてそう、と返した。
「あきらさんは、迷子になった私を村に帰してくれるんです! 優しい人なんですよ!」
嬉しそうに話すいちかに、今度はニコリと笑ってそう、と返す。
「そうだわ、実は途中、こちらに向かってくる皆を見つけたから食事の準備をしてあるの。食事をしてから話をしましょう?」
先程のコウモリがいちか達を招待する。実はいい人なのかもしれない、そう思いあきらも行こうとすると、伸ばされた手で動きを止められる。
「え……?」
いちか達が進んでいった扉が閉ざされる。不思議に思った刹那、唯一露出してあるあきらの顔、それも左の頬に薄く切れ込みが入り、血が一滴流れる。
瞬時にゆかりから距離を置くと、指先に付いた血を舐め、一言。
「やっぱり、あなたつまらないわね」
「……どういうことだ」
敵意の込められた瞳を向けられ、あきらは左腰に下げてある剣の柄に右手を添えた。