複雑・ファジー小説

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頑張りやがれクズ野郎
日時: 2012/02/03 19:33
名前: トレモロ (ID: Au8SXDcE)

どうも、トレモロです。
恐らく知らないでしょうが、いろんなところで小説書いてます。
この物語は、【外道成分】【非社会性】【吐き気を催す描写】。
などが含まれます。
嫌な予感がした人は、退去するのをお勧めします。
それでも「俺をみるぞぉっ!!」な人はぜひ見てやってください。
それでは、この物語があなたの反感を買う事を願って。
物語紹介を終了します。



≪目次 番号控え≫


第一部【題尾ですよ編】

>>1』『>>2』『>>9』『>>10』『>>15』『>>20』『>>25-26』『>>27-28』『>>30-31』『>>32-33』『>>35』『>>48-50』『>>61-67



≪感動なる挿絵一覧≫

びたみん様 画
>>42】 
びたみん様の御友人 画
>>40




≪トレモロ他作品≫

複雑・ファジー  『釈迦もキリストも奴等の事はシカトする』
(本作品からの完全派生作品) 
*【】

コメディ・ライト 『萩原さんは今日も不機嫌』
*【】

シリアス・ダーク 『殺す事がお仕事なんです』
*【】

Re: 頑張りやがれクズ野郎 ( No.33 )
日時: 2011/08/17 01:25
名前: トレモロ (ID: vQ/ewclL)

【少女再びですよ】弐


朗らかに笑う金髪の少女の周りには、死体が転がっていた。
いたるところに生命活動が停止した生ゴミが転がっていた。
腐っても大病院だという事を誇示するかのように、例え四人程度の患者が出ても、ストレスなく入院生活が送れそうなほどの大きさの病室。
そこに広がっているのは【朱色】だった。
さっき自分が創り上げてきた残酷な殺人現場とは、また違う殺戮現場。
残酷ではなく、凄惨な。少し美化して言えば【美しく】さえもあった。
首が水平に切断され、断面の赤が綺麗に見える死体。その傍には分離された頭が無造作に転がっている。
頭に細い突起状の長い棒が刺さっており、後ろの壁まで到達しているため、張り付けの様になったまま絶命している死体。
何十本ものナイフが等間隔に、一定の奇妙な規則を以てして体に刺さっている死体。
そんな何かの儀式の為の生贄の様な殺人による死体が。部屋に七、八体存在した。
だが、そんな死体だらけの状況なのに、殺人後のあの独特な嫌な感覚がしない。一種の芸術とさえ思える。
神話のワンシーンの様な。そんな一つの特殊な空間が目の前に広がっていた感覚に陥る。
「てめぇ、なんでここにいる?」
とりあえず俺は目の前の、この状況を創り上げたであろうガキに尋ねてみる。
「うん? ああ、さっきあなたになげとばされてか——」
「ひいぁいあああああああああああっ!!」
と、金髪殺戮少女がこの場に不釣り合いな、しかし年相応の笑顔を浮かべながら何か喋ろうとした所を、途中で情けない男の悲鳴が遮る。
声の発信源を目で追うと、そこには病院のベットの上で、青い色の患者服を来た男がガタガタ震えている姿が目に入った。
ん? こいつ、あのグラサン男か。
部屋にガキが佇んでいた時には、病室のいたる所に散在する死体のどれかがグラサンなんだと思っていたが、どうやら生きていたらしい。
命が長らえて運がいいのか悪いのか。どちらに転ぶかはこれからの流れ次第だろうがな。
「ば、ばばば、ばばばけもののののぉっ! ほ、ほほほんものののの、ばけものだぁあああっ!!」
目の前で仲間達が無残にも殺されていく様を見て、精神崩壊でも起こしたのだろう。
グラサン男はベットの端に両手をついて、みっともない姿勢で叫んでいた。
大きく開いた足の間には、恐怖のあまり失禁したらしく、汚らしい液体でベットのシーツが汚れていた。
「あーあ。てめぇ、大の大人をここまで追い詰めるって、どんだけひでえ事しやがった? 末恐ろしいガキだなオイ」
「あははっ! 大したことはしてないよ! こんなのそこらのスプラッタ映画だったら普通にあるんじゃない?」
「映画と現実をごっちゃにするな阿呆」
目の前でニコニコ笑って嫌がるガキに、俺は適当に言葉を掛ける。
本当はグラサンをぶち殺しに来たのだが、正直先程で気分を高揚させ過ぎて今は萎えてしまっている。
それに加えてここまで無様な醜態を晒すおっさんを、いくら屑野郎とはいえ殺すのは正直面倒臭い。つーか、アイツの近くに今寄りたくない。排泄物の臭いが移りそうだ。
「ま、じゃあ、てめぇは一応殺しておくか」
軽い調子で呟きながら、右手に持ったアサルトライフルをガキに向ける。
このガキは色々【ヤバい】。早々に殺しておいた方があとくされもないし、元より殺すつもりだったのだから、手間が省けて一石二鳥だ。
グラサンの方は放っておいても良いだろう。恐らく部下は全て殺された後で、ろくな戦力もあるまい。
俺がここに来るまでに何人か殺しているし、ここにもそこそこ数がいた。
つまり、もうこれ以上の【力】を、目の前の失禁グラサン野郎が持っている筈が無い。
後はこのクソ野郎に武器を渡した、背後関係の【何か】だけだろうが、それはまたそいつらが向かってきた時考えればいい。
今は俺の命を狙っているこのガキ。
ホムサイドのガキを殺す。それだけだ。
グラサンは暇が合ったら、後で殺しておけばいい。
「そんじゃま、殺すけど。遺言とかあるか?」
照準を小柄な体の、一部分。心臓に定めながらガキに尋ねてみる。
するとガキは一瞬悩んだ顔をした後、再度二コリと笑って俺に返事をよこす。
「何で?」
と短く一言。
「なんでって……。そりゃあ、お前。一応?」
なんだか阿呆な返事を返した気がするが、まあ、気にするほどのものでもないだろう。
だが、目の前のガキは、【ホムサイド】は笑いながら。
とても少女らしい笑みを浮かべて、俺よりも【阿呆】な事を言う。
「ははっ! あり得ないよおじ……じゃなくて、お兄さん!!」
「あぁ?」
銃を眉間にぶち込もうとしている男を前にして、さも自分が死なないとでも言う様な顔と言葉。
そしてその俺のあり得ない筈の想像は、全く持って残念な事に——


「だって、私は正義だから、死なないんだもの!!」


——【正解】だった……。

Re: 頑張りやがれクズ野郎 ( No.34 )
日時: 2011/08/17 01:35
名前: トレモロ (ID: vQ/ewclL)

投稿した内容に誤字が合ったのはお分かり頂けたと思いますが。
パス設定が変な風になっていまった為、改変できません。
誠に恐縮ですが、読者様には頑張って読んでいただくしかない状況に……。
作者の不手際です。本当に申し訳ありませんでした<m(__)m>

Re: 頑張りやがれクズ野郎 ( No.35 )
日時: 2011/09/06 23:30
名前: トレモロ (ID: vQ/ewclL)

【殺人って事ですよ】


「正義……だと?」
「そう、善人。正義の味方って奴よ! 解る? 屑のおにぃさん!」
小首を傾げながら、ガキは実に子供らしく笑い言う。
何なんだこのガキは?
なんで、こんな異常な性格してやがるのに、顔にも目にも、【子供らしさ】が残っていやがる?
俺の知っている、ガキの時分からイカれている奴らってのは、もっと嫌な眼をしていた。
ドロドロとして濁って、笑いは酷く歪んだもので、見るだけで苛々する。
そんな奴等ばかりだった。
だがこいつは違う。
いや、苛々はする。見ていて胸糞悪くなる。
だが、これは。この感情の抱き方は。
【屑野郎】を見たときのものではない。
もっと別の。そう、例えるなら、自分にないモノを持っている奴を見ている時の苛立ち。
羨む事から来る感情。
そんな感情をこの【第三廃棄都市】の連中の誰一人に対しても、抱いた事は無い。
コイツは【狂っている】、【歪んでいる】、【外道】だ。
だが、【腐っていない】、【醜くは無い】、そして何より、【屑】じゃない……。
オイオイ待てよ、前思考した時は考えもしていなかったが、冗談じゃないねぇぞ?
こいつが【屑】じゃないなら、唯歪んでいるだけの少女なら。
そして、正の方向に歪んだ【信念】を持つのなら。
こいつは、このガキは。
いや、【ホムサイド】って組織の形態を表す言葉は——


【必要悪】


——ってことになる……。

「正義は死なないんだよお兄さん? 死ぬのは何時もあなたみたいな屑野郎なんだ。サイテ—最悪のクソ野郎なんだよ?」
ガキは笑いながら。
笑いながら【論理】を振りかざす。狂人の持つ倫理観。
正義の為に狂った世界に住む。そんな少女の【論理】。
「だからこの世から【退場】してねお兄さん。私たちの使命はそう言う事なの。頭からしっぽまでその理論が支配しているの。だからね。死んで? しんで? 直ぐ死んで? 今すぐ無様に泣き叫びながら悔みながら死んで? しんで? 死んで死んで死んで死んで死んで? それがもし出来ないなんて言うなら。そんときは仕様がないね」
ガキはテクテクと歩きながら、ナイフが無数に刺さっている死体から、二本血に濡れた【凶器】を二本抜き取り、くるくると手元で回転させる。
ナイフの形は独特で、持ち手部分に穴が開いており、滑り止めが存在せず、そのまま刃の部分に繋がっている。
【暗殺者】が良く使う形状のナイフ。
そんなゴツイ得物を手の中で回転させながら、少女は笑い、そして言う。
「仕様がない仕様がない。死んでくれないなら。自分でこの世にお別れできないなら、仕様がないね。その為に私がいるの。あなた達みたいな生に執着する【悪党】を殺すために、私たちがいるの」
ナイフを手の中で弄ぶのを止め、人を殺すための道具を両手に携え、腕を十字に、まるで自分の体を抱くかのような姿勢でナイフを構える少女。
「っち、勝手な理屈並べてんじゃねえぞコラ。てめぇの生き死にくれぇ、テメェで決める。お前にとやかく言われる筋合いはねェ」
今にも襲いかかってきそうなガキに、俺は戦闘意欲を削ぐための言葉を投げかける。
いや待て。
それはおかしい。
俺の今の言葉は明らかにおかしい。
これではまるで、この俺が。


目の前のガキと【戦いたくない】。


そんな風に願っている様ではないか……。

「何を言っているのお兄さん? 【悪党】に選択権は無いよ。あなた達みたいなのは呼吸する事が罪だ。なんで私達【善人】と同じ空気を、【悪人】のあなた達が吸うの? 不公平じゃない? 世の中平等じゃなきゃ!」
『私達善人』。
つまり、このガキは、自分の事を【善】だと認識しているってことか。
オイオイ、勘弁してくれよ。
ナイフ持って人を殺す善人がどこにいるってんだ?
笑えない冗談だぜ。
「さてと。じゃ、もういいかな? そろそろ死んでもらうよお兄さん。大丈夫、存分に苦しんでから逝かせてあげる!」
何が大丈夫なのか説明してくれ。なるだけ一般的な思考のもとで。
そんな俺の胸の内の願いも届くはずもなく、ガキは体を抱くように配置していた腕を、ゆっくり前に突き出し、腰を低くしつつ横に広げた。
手の中のナイフをクルリと回転させ、両手に逆手持ちの状態のナイフを持ち、笑顔を消す。
そして紡がれる【言葉】。
声の質も、込められた力も。
何もかもが先ほどとは違う【宣言】。

「私は【ホムサイド】。切り刻み、切り潰し、切り落とす。全ての罪に罰を以て答え、滅する」

厳かに。
先程までのニコニコ笑っていたクソガキが、完璧な【殺戮兵器】として変貌する。
これが【ホムサイド】。
これが、狂った正義論の持ち主。

「今日も始めよう。血によって始まる平穏の為に。殺しによる美の顕現を」

そして、ガキは。
いや、一人の【凶】は、理念を叫ぶ。

「そして、その美しき理想の為に——」

自らが絶対的な正義の使者だと疑うこともしない、【狂信者】は。
歩く【凶】は殺しを【始める】。




「——貴様等屑は、阿修羅道へと堕ちて逝き、阿鼻地獄にて悔み果てろっ!!」

Re: 頑張りやがれクズ野郎 ( No.36 )
日時: 2011/09/24 01:05
名前: びたみん (ID: KJrPtGNF)
参照: http://loda.jp/kakiko/?id

ほわぁ……( ゜Д゜)
圧倒されますね……

あ、こんばんはびたみんでございます(´・ω・`)
イラスト依頼を承りましたびたみんにございます(´・ω・`)
私キャラやイラストの雰囲気をなんとか掴み取ろうと言う何とも厚かましい心掛けがありまして、ご依頼くださった皆様の作品を拝読させていただいている次第なのですが

いえ、すごいです。

私も拙いながらも字書きをさせていただいておりますが
お使いになる言葉の語彙や、心情と風景や背景をリンクさせた文章に素直に気持ちが揺らぎました( ゜Д゜)
感情を一つの物、として扱う所や、改行の仕方なんかもとても感動いたしました!!
皆様には大変申し訳ないとは思いますが、トレモロ様のご依頼は私の持てる力を十二分に注ぎ込んで完了いたします・゜・(ノД`;)・゜・・゜・(ノД`)・゜・・゜・(ノД`;)・゜・ウワーン!


やっとトレモロ様のイラスト制作に取り掛かれる段階になりましたので
恐らくお尋ねする機会が増え、お邪魔になるかと容易に想像できますがどうぞ相手をしてやってください
(泣いてよろこびます)
物語の完結を心底よりお祈り申し上げます ( ´艸`)★。、
貴重なスペースを((しかも長々と))ありがとうございました(o'∀'o)ノ))

Re: 頑張りやがれクズ野郎 ( No.37 )
日時: 2011/10/01 10:53
名前: トレモロ (ID: D8Nvp1hY)
参照: 言葉づかいが変なのは、ちょっと疲れているのです!ごめんなすぁいッ!

>>36
ああ!すいません、コメント遅れてしまって!!
受験生という立場の者でして、中々時間が取れず(泣
今日も偶々時間が取れたので、こちらにまいった次第でして……。
読者の皆様には更新遅延本当に申し訳ない。
受験が終わったら、沢山更新しますので、それまでどうか、どうかお待ちください!

って、びたみん殿のにきていただけるとはw
感謝の極みですっ!!
しかも色々おほめの言葉を頂いて……。
ヤバい、凄くうれしいですw
なんだか、深く読み込んでくださったようで。
こういう風なコメントを貰えるという事が、実は作者的には凄くうれしくてww
いや、短い文章で「面白かった!」と言われるのも嬉しいのですけどもねw

おお!
待ってましたよぉ!
びたみん殿の絵は見た瞬間、電撃が走りましたからね!!w
かなりファンです!w
なので、とてもとても楽しみですっ!!!
面倒な依頼内容だったと思いますが(これ読んだら特にw)ゆっくりやっていただいて結構ですので!!!
是非お願いします<m(__)m>
わざわざこのような稚拙な作品にコメを残して下さり。
ありがとうございますっ!!





追伸
読者様方。
この作品、更新が遅れに遅れています。
ですが、何とか十月中にはそれなりに展開を進めたいので、どうか気長にお待ちください。
来年の三月以降になったら、アホみたいに更新し出すと思いますw
絶対に「放棄」はあり得ませんので、どうかご容赦を……。


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