複雑・ファジー小説

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頑張りやがれクズ野郎
日時: 2012/02/03 19:33
名前: トレモロ (ID: Au8SXDcE)

どうも、トレモロです。
恐らく知らないでしょうが、いろんなところで小説書いてます。
この物語は、【外道成分】【非社会性】【吐き気を催す描写】。
などが含まれます。
嫌な予感がした人は、退去するのをお勧めします。
それでも「俺をみるぞぉっ!!」な人はぜひ見てやってください。
それでは、この物語があなたの反感を買う事を願って。
物語紹介を終了します。



≪目次 番号控え≫


第一部【題尾ですよ編】

>>1』『>>2』『>>9』『>>10』『>>15』『>>20』『>>25-26』『>>27-28』『>>30-31』『>>32-33』『>>35』『>>48-50』『>>61-67



≪感動なる挿絵一覧≫

びたみん様 画
>>42】 
びたみん様の御友人 画
>>40




≪トレモロ他作品≫

複雑・ファジー  『釈迦もキリストも奴等の事はシカトする』
(本作品からの完全派生作品) 
*【】

コメディ・ライト 『萩原さんは今日も不機嫌』
*【】

シリアス・ダーク 『殺す事がお仕事なんです』
*【】

Re: 頑張りやがれクズ野郎 ( No.1 )
日時: 2011/03/13 21:19
名前: トレモロ (ID: vQ/ewclL)

【始まってますよ】

屑。
そう言われる人間ってのは、思いのほか沢山いるもんだ。
俺もその一人だし、俺の目に映っている馬鹿共もそうだろう。
まあ、要するに俺は屑で、屑の周りの人間も屑ってこったな。
単純明快、至極解りやすい。
まあ、だからこそ俺は自分を卑下して生きてるわけだが。
如何せん俺の周りの屑野郎どもは、時々分不相応な事をしやがる。
所詮社会のゴミで、周りに迷惑しか書けない阿呆の癖に、よくもまあそんな事が出来るな?
と、問いかけたくなるくらいの所業だ。
具体的に言うとだな。

「おい、テメェ!! その汚い手をどけやがれ!!」

なんて罵声を俺に浴びせやがる事だ。
いや、この罵声だけならなんら可笑しいとこはねえ。
だがな、こいつの笑っちまう所は、その罵声を上げる意味なんだよ。
まあ、これも具体例をあげるとだな、詰まる所俺が屑である意味に直結する。
俺は屑だ。
どうしようもない屑で糞な社会のゴミだ。
なにせ、俺が今やってる事は、

歳食ったババアを蹴った押して、財布奪って、そんな俺に必死にしがみついてくる婆さんの頭を、片手で地面とドッキングさせてる、ってえ事なんだからな。

ひでえだろ?
老人だぜ?
婆さんだぜ?
なんだって、ここまで酷い事できんのか。
そりゃ俺にもわからねえ、きっとどっか歪んでんだろうな。
まあいい。それはとりあえずいいんだ。
俺が言いたいのは、そんな俺を、俺と同じくらい屑の馬鹿が止めようとしてる事だ。
いや、違えな。
俺を止めるんじゃなくて、婆さんを助けたいんだろう。
全く持って分不相応だとは思わねえか?
くだらな過ぎる。
お前見てえな糞ゴミが、俺にそんなこと言えんのか?
って、糾弾してやりたくなる。
だが、俺はそんな事は言わない。
理由?
面倒だからだ。なんで俺がこんな奴の為に口を開かなきゃならねえんだ?
アホらし。
だから俺はそいつを無視して、ババアを解放してそこから去ることにした。
だけどアホはどこまで行ってもアホだ。
俺なんかほっぽいて、婆さんに駆けよってやりゃいいのに、その馬鹿は俺に食いついてきやがった。
「てめぇ! 待てよ!! 財布をその人に返せ!!」
下らねえ。
何様だてめぇ。
この街に居る時点で、てめえは俺と同じ屑の癖に。
なんだよその【善人みたいな行動】は。
くっだらねえ、苛々する。
だから俺は簡単な事をした。
体を回れ右して、その五月蠅い屑の目の前に歩いて行った。
「あ? なんで俺の方に来——」
そんで、何か言おうとした男の言葉を遮るように、懐から出したナイフを、

サクッと、そいつの頭に突き刺した。

俺はナイフを回収するとか面倒なことはせず、そのままそこを去ったよ。
婆さんの悲鳴とか聞こえたけど無視したな。
糞の血に濡れたナイフなんていらねえし、婆さんが叫ぼうが何しようが、気にするような善人はこの街にはいねえだろうからな。
だから、その場にはきっと頭にナイフ突き刺さってる阿呆な善人と、財布を奪われた馬鹿な善人が残ったんじゃねえかな。
その後どうなったかは知らねえが、興味もねえからどうでもいいさ。







ええと、大体あの時の感情を織り交ぜて書くと、こんな感じかね?
大体解ったか読者さん?
って、分かるわけねえか。
この日記を見てるてめえらは、きっと今のこの話の意味がさっぱりわかんねえんだと思うがよ。
ま、どうでもいいんだ。俺は文章力ねえし、こりゃ小説じゃなくて日記なんだからな。
でも、俺の今までの経験を訥々と語って、それが何かになるんだって事らしいから、まあ書くわ。
この日記が何になるのかは分からないし、日記を書けって命令してきた野郎は変わりもんだからな。
ああ、俺はその変わりもののお陰で随分変わったよ。
今書いた事を振り返ってみても、自分に少なからず不快感が発生するぜ。
でも、まだ罪の意識に苛まれるほど【善人】にはなってねえと思う。
だが、俺は変わった。
それは確かだ。
だから、まずは俺を変えた【アイツ】の事から語ろうと思う。
その前の事は、語る価値のねえ屑の人生だからな。
そうだな。
俺があいつと初めて会ったのは、


俺が殺されかけた時だったけな?

Re: 頑張りやがれクズ野郎 ( No.2 )
日時: 2011/03/20 21:35
名前: トレモロ (ID: vQ/ewclL)

【初対面ですよ】

あ〜。
日記を付けて二日目か。
一気に書くのは正直キツイから、ちょっとずつ書くことにする。
で、今思ったんだが、コレ過去の出来事を書いてるけど、あんまし日記って感じがしないよな?
だから、これは日記じゃなくて自叙伝的なモノになるのかもしれない。
まあ、どっちだっていいんだけどな。
そうそう一つ読者さんに愚痴を言っておきたい事があるんだがな。
この自叙伝は、俺の過去の出来事をこうやって、その時の感情を乗せて俺なりに丁寧に書いてんだが。
この前【アイツ】に見せたら。
『ナンナンデスカこの内容。あなたやる気あるのかしら?』
なんて、良い笑顔で言われちまったよ。
女ってのはおっかねえよな。

それはさておき、そろそろあんたらは。
【アイツ】って誰だよ?
って感情を持ち始めてると思う。
だから、前も書いたとおり【アイツ】との出会いに触れることにするわ。
実は前回書いた、俺が善人になろうとした不良を刺しちまった後な、そこから話が始まるんだよ。
じゃなかったら、わざわざ自分の嫌な過去掘り下げねえって。
なんとなく導入部にゃちょうどいいと思ってな。

じゃあ、始めるぜ。
【アイツ】との出会いは。
俺があの【殺害現場】から去って。
あてもなくプラプラ街を歩いていた時のことだ……。









苛々していた。
理由は解ってる。
人を殺したからだ。
いくら屑とはいえ、誰か人間をころすってのはそういう事だ。
別に罪悪感なんて欠片もねえが、それでもどこか突っかかる気分になる。
なんとも言葉にしづらい感覚なのだが、敢えてするとすれば。
苛つくという言葉が当てはまるんだろう。
と、そんな事を考えながら、ふと俺は周りに目を向けて見る。

汚い場所だった。
数々の廃棄ビルが所狭しと並んでやがり、空気は暗く淀んでいる。
暗くて汚くて淀んでいて。
吐き気を催しそうな情景が、俺の目の前に広がっていた。
それだけじゃない。
黒くて薄汚いコンクリの道路の脇には、同じように黒くて汚い人間が転がっている。
喧嘩や殺し合いに負けて傷ついたのか、それとも死んだのか。
どっちかは分からないが、助けるつもりも毛頭ないので構いやしない。
全てを無視して、俺は道路の真ん中を歩いていく。
車なんて通る気配が一切ない道路に、根元から折れまがっている信号機。
秩序なんて言葉が一切合切消失しちまった、無法都市。
それがこの街。
【第三廃棄都市】だ。
世界から見捨てられた都市。
全ての自由と、全ての無茶が通る街。
ここは【ゴミ箱】だ。
世界中のゴミが集められた、巨大な入れ物だ。
その所為か、この街は【ゴミ箱】という、そのまんまの二つ名を持っている。
誰が付けたのか知らんが、そいつに俺は拍手を送ってやりたいね。
「ったく。今日も嫌な日になんのかねぇ」
上を見上げ、薄汚れた街とは対照的暗、澄んだ綺麗な青空に悪態をつきながら、
俺はまた前を向き歩き出す。
何も考えたくなかった。
朝っぱらから偶々合った婆さんから金を奪った事も。
そんなババアを助けようとした屑を殺したことも。
自分がなんでこんな街に来たのかという事も。
何も考えたくも、思い出したくも無かった。

だからなのかは分からないが、俺はその時気付く事が出来なかった。

こんな街に住んでいるんだ。
常に周りに気を配って然るべきだったのだが、如何せん俺は心の底から這い上がってくる不快感を、忘れ様とする事に気を取られていたのだ。
故に対策が立てられ無かった。

ナイフを持って突っ込んでくる奴に対して【対策が立てられ無かった】。


「ぐっ!?」
熱い。
背中から体中に、電流の様なものが走ったかと思うと、一気に熱さが背中から広がっていく。
指先が細かく震えて、背中は熱いのに体の芯は冷えていく感覚がする。
刺されたと理解するのに、そう時間はかからなかった。
それは昔から何度も喧嘩した事があり、刺された回数も一回や二回ではないから。という事もあるだろうが、なによりある種の覚悟をしていたのかもしれない。
自分は屑だ。
人からの恨みもかなり買っている。
なら、何時か殺されることもあるだろうと。
尤も。

殺されてやる気なんて微塵も無かったが。

「……ぐっ、があっ!!」
俺は痛みを抑えつけて、軽く叫びながら後ろを振り向く。
勿論俺を刺しやがった糞野郎を、ぶっ殺してやるためだ。
だが、俺を刺したやつの顔を見た瞬間。

俺は固まった。
思考が停止した。
一瞬痛みさえも忘れた。

何故なら。

「いやぁ〜、どうも屑さん。死ぬ一歩手前でこんにちは!」

その顔がまだあどけない、【少女】のものだったからだ……。


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