複雑・ファジー小説

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童話の国のアリス 更新!
日時: 2012/06/17 23:36
名前: 竹中朱音 (ID: hsews.TL)
参照: http://ncode.syosetu.com/n6779be/

童話の国のアリス…

〜ハートの女王があまりにも強欲なせいでグちゃぐチャになった昔々の童話達…アリスと愉快で狂気な仲間たちと一緒に剣や銃を用いて童話達をもとに戻すお話…マーマレードのジャムのように甘くほのかに苦い世界へ…〜


初めまして!竹中朱音(タケナカ シュネ)と申します^^b
今回はアリス、童話と私が好きなの詰めてみました。
コメとか喜びます^p^!お友達も待ってます!完結目指します><

URLは小説家になろう で二重投稿しているページです

連載開始日【1月28日】

お客様

・浅葱 様
・月那 様
・ジェヴ@別パソ  様
・クリスタル 様
・三上夕  様
・ 狐狸  様
・羽月 様
・ぺールラ 様

〜登場人物〜

キャラクター=>>1

描いてくれたイラスト
・やんばるくいな 様=>>17>>27>>39>>52>>64
・ありんこ 様=>>40>>41>>42
・ゆラン 様 =>>53
・クリスタル 様=>>56>>72

参照200記念 >>26
  300記念 >>45
  500記念 >>62

〜目次〜
第1章〜さぁアリス!ティーパーティーを始めよう!>>2
第2章〜奇妙な花と笑う猫 >>3 >>4
第3章〜狂笑 >>5 >>6
第4章〜我儘王女 >>11 >>12
第5章〜真っ赤なアルス >>13
第6章〜青の預言者が言うには… >>14 >>15
第7章〜時間仕掛けの白き護衛 >>24 >>25
第8章〜ワンダーゲートの先には… >>37 >>38
第9章〜硝子の棺に眠る白き雪 >>48 【白雪姫 前】
第10章〜真っ赤なガーデン >>54 >>55 【白雪姫 中】
第11章〜薔薇と雪と少しの薬 >>58 >>59【白雪姫 後】
第12章〜ハートの招待状 >>63
第13章〜暴食夫人 >>65 >>66
第14章〜トカゲと芋虫と預言 >>70 >>71
第15章〜女王の好物 >>78 >>79
第16章〜クッキング・タイム >>91 >>92

Re: 童話の国のアリス 第Ⅴ章 ( No.13 )
日時: 2012/05/03 00:35
名前: 竹中朱音 (ID: hsews.TL)

第Ⅴ章〜真っ赤なアルス

「私は女王に従いません」

「なぜ」

「私そこまで弱くないと思うの。根拠はないけど…なんだか女王様に頼らなくてもいい気がするんです」

アリスはまっすぐ前を見て堂々と女王に自分の意見を初めて言った。いつも学校で他人の意見に流されてしまうアリスがだ。

女王は下唇をギリリと強く噛んで、 口を開く。

「まぁ、予想はしていた。占いでな」

「占いですか?」

女王はやれやれと鼻で小ばかにしたようにフッと笑うと、女王は大きな声で家来の蛙に命令を下した。

「タルトをもってこい!」

「御意でございます」

そういうと蛙の家来は手を二回合わせてパンパンと音を鳴らす。
すると後ろの白いドアからワゴンを押すエプロンに<10>と書かれたメイドがタルトと真っ赤なベリーの匂いがするジュースを載せて運んできた。
メイドは女王の横にある小さなハートのガラステーブルの上に置き、またワゴンを押しながら退室していく。

「タルト占いだ。知っているか?」

「いいえ、まったく」

アリスは興味深そうに女王のタルトを見つめる。

女王は苺とベリーのシロップが贅沢に載せられたタルトに金の小さなフォークをさくりと入れ、小さな口にぱくりと運んだ。

「———…うむ…まぁ、そういうことだ。今日はわらわの勘がさえている日だ」

「結局勘じゃな…」

アリスははっとして口を両手で押さえた。
またさっきみたいに失言して「打ち首」なんて言われたら本も子もないのだ。

女王はジュースを飲み、ガラステーブルの上に置くとまた喋り始めた。

「まぁ、お前はわらわに従う気が無いのだな」

「ええ、とっても」

「お前に紹介してやろう。入れ!<アルス>!」

女王の甲高い声とともに王座の後ろにある幕から出てきたのは、黒のポニーテールにウサギのような赤いカチューシャ。アリスそっくりな赤のエプロンドレス。
これじゃぁまるで…まるで——

「真っ赤なアルス…とでも名づけよう…」

女王はニヤニヤ嬉しそうにニヤつく。
アリスはアルスを見ると目がばっちりあった。
アルスの眼は光がない赤黒い<球>でしかなかった。なんだか暗い過去がありそうな…そんな瞳だ。
アルスはアリスの存在を確認すると、ぷいっとそっぽを向いて女王様を見つめる。

「その子はわらわのアリス役。またはお前らの<敵>とでも言おう。その子はわらわの願いをかなえてくれるのだ。お前を殺してでも…または自らを四肢切断されようが従うようにしてあるのだ。」


アルスは光無き<球>で女王をじっと見つめる。
「従うように<してあるのだ>」…アリスはこの言葉がどうしても引っかかった。じゃぁ元のアルスはもっと明るい子なのか。または望んで「そうされた」のか…



どちらにせよ少しぞわっと鳥肌が立った。


「あの…一つ良いですか?アルスさんがどこで<女王様の願いをかなえる行動>をしているか私に教えてくれるのですか?」

アリスは恐る恐る女王に尋ねる

「そやつに<さん>をつけるほどのやつではないぞ!それとなぜ<敵>に教えなきゃならないのだ!」

雷のようにぴしゃりといわれてしまった。
その時ずっと石のように黙り込んでいたジャックが口を開いた。

「城の南の奥の奥に住む<青い芋虫>の所へ訪ねなさい。彼が最低限の事を教えてくれます。」

「ジャ…ジャック!何を言っているのだ!」

勝手にしゃべるジャックに驚き女王が焦ってジャックのマントをグイッとつかむ。

「おや女王陛下、これくらいの情報は良いでしょう」

「く…」

女王は口をとんがらせてアリスたちには見せない駄々をこねるようにジャックのマントから小さな手をゆっくり放した。

「しょ…しょうがない。南の森にあるブルーキャタピラーの森に行くのだ。やつは敵でも味方でもない。言い過ぎるとやつの首を刎ねるようにしてある。青い預言者だ。」

そういうと女王はぴょいと王座から降りて王室を出ていく。
ジャックもそのあとをついていこうとしたとき


「——ねぇ!アドルフ!」

ハッターが切ない声をだして知らない名前を叫ぶ。
そのときジャックが一度だけぴたりと足を止め…またすぐに王室を後にした。

ハッターはなにを考えているのか、その場にしばらくたたずむ。





「いくぞ、アリス」

「でも…ハッターさんと三月ウサギさんが、」

「三月がハッターをそのうち連れて行くだろう。」


チェシャ猫はさっさとアリスの手を引いて城を後にした。
あのいつものおどけた「にゃぁ」という語尾が珍しくついていなかった。





それから三月ウサギとハッターが出てきたのは数十分後だった。

Re: 童話の国のアリス 第Ⅵ章 ( No.14 )
日時: 2012/04/29 21:40
名前: 竹中朱音 (ID: hsews.TL)

第Ⅵ章〜青の預言者が言うには… 前

女王に言われた通りに南の森に着いた。
奥は深く暗くあまり招待されている雰囲気ではないのは明らかなのだ。
森の横にあるぼろぼろの木の看板には手書きで文字がかすれているがメッセージが書かれていた。

「青い預言が住む森。 あなたも未来が知りたいのか?」

アリスはその看板の文字を声に出して読み上げ、ここが青い芋虫が住む森と再認識した。それはいいのだが…

「私虫が苦手なの…」

アリスはあまり乗り気ではない。

昔おばあさまのガーデニングの手伝いをしている時手に虫が乗ってしまったのがトラウマでめっきり虫が大の苦手なのだ。

がくがく震えるアリスを見てチェシャ猫がニタニタと笑う。

「猫は虫も食すって知ってるかにゃ?」

「いやぁ!ダイナはそんなことしないわ!だって毎日キャットフードを与えているからね!」

「…まずそ。」

アリスは大好きなダイナがそんなことしていないと完全否定した。
チェシャ猫はつまんなそうにべろで唇をなめる。

アリスは森の奥を眺めてぼやく

「あぁ…ハッターさんがいればぁな…」
(ハッターと三月ウサギは帰ってしまった)

 それを聞いたチェシャ猫。

「猫も頼りになるぜ?お姫様?」

「…薄情猫…」

「にゃぁは♪」

アリスはまだあの城の出来事を音にもっているのか口をつんととがらせてチェシャ猫から目をそらす。

でも少し心のどこかでその言葉が嬉しかったのは内緒だ。

チェシャ猫は相変わらず怪しげに笑い目を三日月にさせる。


さて、森に入るとしよう。
森の中は薄暗く、木と木の間から漏れる外の光が道を照らして、そこがまた幻想的だった。
空気もよく澄んでいて、色鮮やかでどこか毒々しい大きなキノコが何個もよく育っている。



しばらくすると遠くから微かに青く細い煙が遠くからやってきた。

「なぁにこの煙?」

ふわふわと道しるべのようにやってくる。

「あと少しだぜ。」

そういって青い不思議な煙を手で払いのけながら後をたどって行く。
段々煙の微かな青は奥に行くにつれて色が濃くなってゆく。
ついでに匂いもきつくなり、煙の正体はニコチンやヤニのような、お父様が吸っていたタバコに近い匂いになってきた。






そうして長い長い森の道を進むと煙の出どころと広い空間にたどり着いた。

大きく青々とした葉っぱにちょこんと座っている青いフードの少年。その小さな手には高そうなガラス細工の瓶の水煙管を吸っては吐いている。

少年は目を針のように鋭く細くしてアリスに尋ねた。

「主は誰だ?」

アリスは心臓がどきりとして無礼が無いように丁寧なあいさつをしてみた。

「ごきげんよう、アリスです」

そういってスカートのすそを両手でつまんで軽くお辞儀をした。

「…あの…失礼ですがあなたのお年で水煙管は吸ってはいけないのでは?」

アリスはまじめゆえについ言ってしまった。
だって少年はどう見ても7〜8歳の少年なのだ。にしてはずいぶんふてぶてしく落ち着いている。

少年は口から金のパイプをとって煙を長く吐きながら眉間にしわを寄せる。

「女王との契約なのだよ。女王は青の芋虫(我)の預言を求め生かしている。」

「…ようするに契約のせいで子供の姿に?」

「<せい>ではない。5割は女王の命令 5割は我の願。我はただ星の言葉を我の口で伝えるだけの事。」

アリスは青虫の言うことが上手く理解できなかったが、何となく聞き直すと無礼だと思い口をふさいだ。





しばらくの沈黙。
あんなに入り口で偉そうに話していたチェシャ猫はクネクネした大きな樹によしかかり目を閉じていた。

アリスと青虫だけの空間は静かに時を刻む。

Re: 童話の国のアリス 第Ⅵ章 ( No.15 )
日時: 2012/04/29 21:42
名前: 竹中朱音 (ID: hsews.TL)

第Ⅵ章〜青の預言者が言うには… 後


「何をしに此処へ来たのかね」

先に口を開いたのは青い芋虫。
目を細めてパイプを口に入れる。

「え…それ…は…あ…あれ…?」

アリスは何も言えなかった。
自分は何をしに此処へ来たのか。
女王に従えば「女王の願いをかなえるため」という理由ができる。
女王の命令に背いた今。

アリスは何をしにここへ来たのか。

童話の姫たちを助けたそのあとは?

そもそも元の世界に帰れるのか?

私はここにいていいのか?

急にむなしさがアリスをどっとおそう。

どんどん謎ナゾがアリスをぐるぐる取り巻く。


青虫がつむっていた目をゆっくり開いてアリスをじっと見つめる。

「——…なら我が与えてやろう。主は女王に背いて姫を助ける。そして終わらせるのだ。それが主の宿命としようじゃないか?」

「終わらせる…とは?」

「それは主が決めることだ。」

「でも私に出来るかしら?」

アリスは両手を組んでもごもご手を動かす。
アリスの昔からの癖だ。困ると昔からこれをやる。

青虫はまたゆっくりと水煙管を吸って吐いた。

「主が進まなくては、人生という本のページは進まない。」

そういうと青虫は眠そうな目をこする。




「言っておくが我は主の味方ではない。 が 敵でもない。このブローチがある限り預言にも限りがある。」
 
そういうと青虫はフードを止めるように真ん中に着いた青いホープダイヤモンドのような石の見事なブローチを見せてきた。
きらきら輝きを放っている。

「綺麗ね。どうしてブローチがあるとダメなの?」

「女王が仕掛けた口の滑り止めのような石だ。女王に大きな不利を与える発言やアンチをすると石の呪いが解けて老死してしまう呪いがかかっているのだよ。」

そうして青虫は両手で大事そうにブローチを包む。

つまりは青虫も女王と同じくかなり長い間生きているが、体(器)が若いおかげでかなりの年月を過ごしているのだろう。とアリスは考えた。



「では主に預言を。ハッターと三月主催のティーパーティーへ向かうといい。主がついいたころにはちょうど<白の護衛>も主の帰りを待つためにティーをたしなんでいるであろう。」

そう言い残すと青虫は青い煙とともにゆっくりと姿を消した。

あんなに存在感があった青虫が乗っていた葉は青虫が消えるとただの雑草に見え、青い煙にほんの少し慣れきた。



「<白の護衛>ねぇ〜」

「?!”」

アリスはびっくりして後ろを振り向くとそこにはニヤニヤしたチェシャ猫。
いつの間にか後ろへ立っていたのだ。

「まったく!寝ていたでしょ〜!」

「猫は寝るのが大好きにゃぁ〜♪ さ、ハッター達のとこへ戻ろうぜ」

「さっき青虫との話聞いてた?」

「猫には理解できませ〜ん」

チェシャ猫は自由気ままに歩きながらアリスの後ろを歩いて青虫の森を後にした。

Re: 童話の国のアリス  ( No.16 )
日時: 2012/04/29 21:22
名前: 竹中朱音 (ID: hsews.TL)

小説って大変…^p^

Re: 童話の国のアリス ( No.17 )
日時: 2012/02/20 20:34
名前: 竹中朱音 (ID: louOLYa3)
参照: http://ameblo.jp/popatnaw/image-11170638621-11806554806.html

ブログでアメンバーの方がイラストを描いてくれましたのでうp!

本当に有難うございました!

イラスト描いてくれる方は常時募集しておりますので、その際はご一報お願い申し上げます。


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