複雑・ファジー小説

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神様チルドレン【久々更新】
日時: 2013/07/10 19:17
名前: 三月兎 (ID: kJLdBB9S)
参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode=view&no=6843

こんにちは、駄作者三月兎です。
またまた新たな話を書いてしまいました(^◇^;)

今回の話は能力をもった犯罪組織の話です。
彼らはいったい何を目的に……的な(-_-;)

リク・依頼掲示板より、オリキャラを募集しています。ぜひご確認ください。

【お客様】

・無花果様
・けろけ様
・純金リップ様
・tetu様
・めい様
・秋桜様
・てら様
・竜胆様
・馬屋様
・いんせ様

【オリキャラ提供者様】

・666様
・磁石様
・金平糖様
・無花果様
・いたみ様
・小説馬子様
・グレイ様
・tetu様
・柚子様
・ミク様
・忍月様
・たもつ様
・馬屋様
・てら様
・noeru様
・Dr.クロ様
・柏様

【世界観、メンバー】>>1

【物語】
プロローグ>>2

第一章〜神様チルドレン〜
>>3>>4>>10>>14>>18>>21>>25>>26>>29->>33>>35>>38>>45>>56>>59


【参照900突破記念雑談】>>34
【バレンタイン番外編】>>41
【替え歌(ナル姫様より)】>>44

Re: 神様チルドレン【オリキャラ募集中】 ( No.33 )
日時: 2013/01/05 22:38
名前: 三月兎 (ID: /dHAoPqW)

「ーーっはぁ、はぁ……」

朔は思わず壁にもたれかかる。
コントロール室方面の警備員たちと連絡を取れなかったため、雨宮の命令で彼が確認しに行くことになったのだ。
しかし、距離が長すぎる。どうしてだろうか一向にコントロール室は見えてこない。
戦闘を含めて運動神経の鈍い彼には、正直な話辛くなるほど屋敷は広かった。

「この辺なんだけどな……コントロール室」

朔は真っ暗闇で目を凝らす。暗さに目が慣れてきたとはいえ、視界は万全ではない。
コートのポケットからスマホを取り出し「……はぁ」と声を漏らした。

「やっぱり圏外か……。つながらないな。田舎すぎる」

表情を曇らせつつスマホをしまい、再び歩き出す。
しかし今だに見つからない。コントロール室もだが、連絡の取れなくなった警備員たちが。
それどころか人の気配すら……しない。

「どうなっているんだ……」
「あれー?まだいたんですかー?」

突然の声に、朔は思わずびくりと肩を動かした。
当然だ。気配はしないと思っていたのだから。
目の前から聞こえた声の主を必死に探すと、暗闇の中で何かが動いているのがわかった。1人ではないようだ。
しかし、朔も本物の刑事である。目の前に人間がいるというのに、気づけないなんてあり得ない。

「誰だ!」

動揺を悟られないよう声を張り上げる。
すると、影の一つが一歩前に出てきた。ギリギリ顔が見える距離だ。

そこには金髪の少年が立っていた。
パーティー参加者の子供かとも思ったが、金色の前髪を赤いピンで止めていてワイシャツの上には紫のパーカーを羽織っている。
とても出席できる服装ではない。

「初めまして、一ノ瀬涼といいます」

涼はキュッと目を細めて、男にしては可愛らしい笑みを見せた。
朔は怪訝そうに顔をしかめる。
聞きたいことがいっぱいあるのだ。なぜここにいるのか、どうして名を名乗るのか、一体なにをしていたのか、どうやってこの屋敷に入ったのか……。
しかし、どれ一つとして口から出てこない。喉の奥でつっかえて、気持ち悪さすら感じる。

そんな朔を気にせず、涼は再び口を開いた。

「あなたの大嫌いな【神様チルドレン】の人間ですよ?」
「っな……!」

涼の口から漏れたとんでもない単語に、朔は息が詰まるような感覚に襲われた。

信じたくない。いや、信じられない。
自分たちが警視庁全体の信頼をなくしてまで追い求めていた組織のメンバーが子供だということを。
もちろん、なぜそれを名乗ったのか、どうして自分が神様チルドレンを追っていることを知っているのか、さっぱり理由もわからない。

「……わけのわからないことを言わないでください。ここは危険です。避難した方がい」
「えー?信じてくださいよー」

冷静に「あり得ない」と考え直し注意する朔に、涼は不満げに言った。
その時、カツンカツンと革靴の床につく音が響いた。

そして暗闇の中から、涼といたであろう男女が現れる。
秀才そうな青年と、可愛らしいボブヘアの少女。
男女を見た途端、涼はなぜか小さく首を降った。

「航さん、まいちゃん。僕一人でいいや」

……おかしい。
表情には消して出さず、朔は心の底でつぶやく。
「大嫌いな神様チルドレン」と涼が言ったということは、朔が警察であると彼は気がついていると思っていた。
しかし、そんな追われる身の人間が、あっさりと自分や仲間の名をバラすだろうか。まいは顔に鼻眼鏡をかけているが、涼と航は変装もしていない。

「わかった……くれぐれも我を忘れるなよ」

航は涼の耳に顔を近づけ、小声で囁いた。そして乱暴にまいの腕を掴み、勢いよく地面を蹴る。

「っあ!」

朔が声をこぼす前に、猛スピードで航とまいは彼の横を走り抜けた。
朔はまいのもう片方の手を掴もうと手を伸ばし、叫ぶような声で言った。

「待て!お前たちはいったい何者なんだ!」

しかし、朔の伸ばす手はまいには届かず、虚しく空をかいて止まってしまった。
涼が彼の背中に手をかけたことで。

「……っ」

朔は振り返りざまに涼の手を遠ざけ、彼に挑むような視線を向ける。
普段ぼーっとしてるといっても、やはりプロの刑事だ。ピリピリとした空気がその場に流れ始めた。
涼はフフッと口角をあげ笑う。

「刑事さんの相手は僕でしょ?」
「……どういう意味ですか」

朔は少しだけ声をうわずらせた。そして、涼はその瞬間を見逃してはいなかった。

瞬時に右足に力を込め、凄まじい力で朔の横腹に足をふるった。
朔はあまりの距離の近さと涼の動きの速さによけることができず、咄嗟に右腕で体をかばう。
体を守った彼の右腕からは、ギシギシと骨のきしむ音がした。

「っうぐ……!」

痛みに顔をしかめながら、朔は後ろに飛び退き涼と間合いをとる。
腕はジンジンと熱を持ち、コートの上からでも腫れ上がっているのがわかった。

(腕がまともに動かない……!骨が折れた?……足に鉄でも仕込んでるのか……?)

混乱する頭を必死に整理しようとする朔に、涼は再び口角をあげた。
先ほどまで見せていた可愛らしい笑みではない。何かを企んでいるような不敵な笑みだった。

そして涼はいきなり走り出す。
朔のとった間合いを一気に詰め、彼の首元に手を伸ばした。その勢いのままに彼の首を掴み、強い力で壁に叩きつける。

「がっ……!」

ガンッという頭部を壁に打つ音と共に、朔の口から短いうめき声が漏れた。
一瞬朔の視界が真っ暗になり、その中で火花が散る。
グラグラと揺れる頭の中で、必死に意識を保ち口を開いた。

「くっ……は、なせ……!」

朔は自分の首を締め付ける涼の腕を掴んだ。朔の手が震えているのは、力が入らないところを必死に動かしているからだろう。

「……残念ですねぇ、刑事さん。自分よりも年下の、こんな子供に追い詰められて」

涼は片手で朔を封じ込んでいた。
ニヤニヤと意地悪そうに笑う彼は、細身な朔よりさらに細く、筋肉もそんなについているようには見えない。身長も朔よりずっと低かった。

それなのに、朔は彼の腕をふりほどけない。
それどころか、涼の首を占める力はどんどん強くなり、酸素がまともに送られてこなくなる。

「苦しそうだね刑事さん。ね、取引しようよ」
「と、……りひ……き?」

朔はかすれた声で涼に聞き返す。涼はこくっと頷いた。

「僕らの仲間にならない?」

涼の言葉に、朔は大きく瞳を見開いた。
口の中を乾いた空気が行き来し、喉を通る唾は酸っぱく感じる。

「な、……にを……」

取引中も警戒心を解かず首をしめ続ける涼に、朔はもう一度聞いていた。
涼は気にせずそれに答える。

「スパイになってほしいんだ。警察の情報を回してくれればそれで十分。生かしてあげるよ?まだ生きたいでしょう?警察なんて偽善者の集団にいたって気づけることも少ない。僕らの正義も理解できるよ」

耳を疑った。裏切れというのだろうか。
仲間というのは神様チルドレンのことなのだろう。もうこの時点で、涼が神様チルドレンの人間であると、朔は認めていた。
なんてことを言ってくれるのだろうか……朔の脳内で、フツフツと何かが沸き起こる。

「ふざ……!ふざけるなあ!」

朔は声を振り絞り、怒声を響かせた。面倒くさがりの彼が放った、人生最大の大声だ。

「僕は……警察は……確かに弱いかもしれません……!闇の中から救えなかった人間も、この世に溢れているでしょう。でも……それでも僕は君たちの手に堕ちたりしない。僕は……」

朔はいったん言葉を区切り、大きく息を吸った。
いつも気だるそうなその瞳は、強い光を帯びている。

「僕は僕の正義を裏切らない!」

凄まじい覇気に、涼は思わず手の力を緩めた。
朔はその瞬間彼を力強く突き飛ばし、コートの懐に手を突っ込む。
黒光りする拳銃を握り、涼が反応するより早く彼に向けた。
引き金に指を伸ばし、その指に力を込める。

バンッという一発の銃声が、屋敷の中に響いた。


Re: 神様チルドレン【参照900突破ありがとう!】 ( No.34 )
日時: 2013/01/06 11:44
名前: 三月兎 (ID: /dHAoPqW)


【参照900突破記念雑談タイム】

まい「みーんなの目線をいただきまいまい!司会は私が進行させていただきまーすっ!」

蘭斗「うわっパクった……」
響「そういうのは、俺らのいないところでやろうねー」
詩織「自分のネタを作りなさいよ!」

まい「ちょっ、何で皆そんな冷たいの!?もしやまゆゆのファン!?」

樹「こいつ司会はむいてないだろ……」
雅「同感」
影無「ほんとだな」

作者「っというわけで!司会は私、三月兎に交代です!まいは大事な話をしようとしないし……」

純一「大事な話ってなんスか?」
夢穂「あれじゃない?この前パパが言葉間違えたのに気づかないままカッコつけちゃったやつ」
ちとせ「……」
響「えー……まあ、うん、えっと」

作者「まあそれも大事っていうか、うん、あれだけど。それじゃないよ!もっと10000倍くらい大事なことだよ!」

立華「私はピンときてるわよ。いつでもお礼言えるわ」
美雨「お礼って言っちゃってますねぇ」
尚「は?ちょーだりー……」
蘭斗「おい、尚兄!そういう事言うなよ!」
尚「いいこぶってんじゃねーよ女顔」
蘭斗「ばっ……!いいこぶってねーよ!当然のこと言ってるんだろ!」


作者「ほんとだよ!やめろよ!感謝しろよ!って喧嘩すんなよ!」

樹「……あれ?涼がいなくないか?」
詩織「なんか死亡フラグでたのかムカつくからって、どっか行ったわよ」

作者「なんつー我が儘な!」

影無「ハハハ……なんか面倒臭くなってきたな……。君も向いてないんじゃない?司会」

作者「え?そんなことないでしょ!」

影無「さっさとひっこめ駄作者」

作者「影無さん!本性出てるよ!」

雅「あー……でも疲れた。とりあえずはやく行動しようよ」
美雨「そうですよぉ。これ読んでくれてる人に……」
立華「お礼しなくちゃね」

作者「……そうだね。えー、コホン。この度は快晴の中、我わ」

航「俺たちの話を読んでいただきありがとうございました。これからもよろしくお願いします」

作者「おい!何でお前が入ってくるんだ!ってか一人で言うな!」

航「前置き長いだろうなと思って」
まい「ま、いーや!よーし、皆いくよー!今までありがとうございました!これからも」

皆「よろしくお願いします!」

作者「お、おいてかれた……」

Re: 神様チルドレン【参照900突破ありがとう!】 ( No.35 )
日時: 2013/01/19 11:55
名前: 三月兎 (ID: UgVNLVY0)

一発の銃声が響き、涼の身体が仰向けに倒れる。
どさっという音と共に、彼はピクリとも動かなくなった。
朔は肩で息をし、ゆっくりと瞳を閉じる。そして倒れこんでいる涼に手を合わせた。

「……ごめんなさい」

かすれた小さい声だった。
朔はスッと目を開け、涼に視線をやる。警察である自分が、子供を撃ち殺してしまったという事実は、彼に重くのしかかっていた。
しかし、そこから目そらす訳にはいかない。警察としての正義を貫くためにも、朔は彼を見つめていた。

そして、ようやくあり得ないことに気がついた。
瞳を見開き、おもわず後ずさる。

「どうして……!」

震える声でそう漏らし、同じように震える手を涼に伸ばした。
自分が銃でうった、彼の胸の傷口に触れる。先ほどまでまったくわからなかったのは、思い込みと混乱からだろう。
その傷口からは、一滴も血液が出ていなかったのだ。

「どうして血がでてないんだ……!?」
「教えてあげようか?」

不意に涼は口を開いた。ギョッとしてそちらを見ると、彼はまぶたを開き薄笑いを浮かべている。
確かに打ち込んだはずの銃弾をもろともせず、彼は動けずにいる朔を押しのけるように上半身を起こした。

そしてクックと楽しげに肩を揺らし始める。

「だってさぁ、僕『お人形』だもん」
「……え?」

涼はニヤリと口角をあげ、朔にそう言った。
朔は目の前の現実を受け入れられず、ただ愕然とした表情で固まっている。涼が能力者だということは、とうに頭から離れていた。

「お兄さんは結局全部忘れちゃうんだし、言ってあげるね。僕は『戦闘人形(バトルドール)』っていう能力を持ってるんだ。これはね、そのまま戦闘だけをする人形になるってことなんだよ。一定時間の間だけ、僕の身体は人じゃなくなるんだ」

涼は言い終わると、ゆっくりと立ち上がった。
朔はそれに反応し、再び後ずさる。

涼はにっこりと可愛らしい笑みを浮かべ、いつのまにか何かを握っていた右手を朔に向けた。
それは、まるで子供が使うような水鉄砲の姿をしていた。
朔は目を丸くし、涼の顔を見た……その時だった。

涼が引金を引いた瞬間、ドスっと鈍い音がして、水ではないものが朔の肩に刺さる。
大きく太いそれは、注射針のようだった。じわじわと血がにじみ出てくるとともに、視界が暗くなってくる。
朔はガクリと膝をつき、自分に刺さったものを引き抜いた。しかし、めまいはさらに酷くなる。

「安心してよ。それただの麻酔銃だから」

涼はフフッと妖艶な笑みを浮かべ、小さくうめいている朔に視線を合わせるようにしゃがんだ。

「さっきも言ったけど……お兄さんは結局全部忘れちゃうんだ。でも、これだけは覚えといてね。僕ら『正義』に生かされたんだって」

涼はそれだけ言うと立ち上がり、策に背を向けて歩き出した。
朔は薄れゆく意識の中、必死に彼に手を伸ばす。

しかし、その手は空を掴み、そのまま地に落ちて行った。

Re: 神様チルドレン【参照900突破ありがとう!】 ( No.36 )
日時: 2013/01/28 16:34
名前: 竜胆 ◆GuytVczNNY (ID: 3ZIdEbTb)

はじめまして

最近複雑ファジーを見始めた基本的には二次創作のほうで活動させていただいています竜胆と申します

友人にこのスレを紹介されて見に来ました

とても興味深くて面白く、先が楽しみになりそうなお話でした
世界観もすごく好みです
友人が神作者だと言っているのにとても頷けます
ここまで文才が素晴らしい人がいるんだなと思いました

とても続きが楽しみです
頑張ってください

白い少女とは誰なのか、ほかの団員の能力使用時がとても気になります

Re: 神様チルドレン【参照900突破ありがとう!】 ( No.37 )
日時: 2013/01/28 21:52
名前: 三月兎 (ID: UgVNLVY0)

竜胆さん

初めまして。私の書いた話を読んでいただいて、しかも褒めていただいて本当にありがとうございます。
最近コメントをもらえていなかったので、とても嬉しかったです。

先が楽しみだとか文才だとか、私には縁のない言葉だったので竜胆様にコメントをいただいた瞬間、目がとびだしそうになりました笑
竜胆様のご友人にも、感謝のほどを伝えていただけると幸いです。

これからもこんな駄作者の話でよければ、ぜひ読んでいただきたいです。
私はこれを励みに、これからも書き続けます!!

本当にありがとうございました。


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