複雑・ファジー小説

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神様チルドレン【久々更新】
日時: 2013/07/10 19:17
名前: 三月兎 (ID: kJLdBB9S)
参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode=view&no=6843

こんにちは、駄作者三月兎です。
またまた新たな話を書いてしまいました(^◇^;)

今回の話は能力をもった犯罪組織の話です。
彼らはいったい何を目的に……的な(-_-;)

リク・依頼掲示板より、オリキャラを募集しています。ぜひご確認ください。

【お客様】

・無花果様
・けろけ様
・純金リップ様
・tetu様
・めい様
・秋桜様
・てら様
・竜胆様
・馬屋様
・いんせ様

【オリキャラ提供者様】

・666様
・磁石様
・金平糖様
・無花果様
・いたみ様
・小説馬子様
・グレイ様
・tetu様
・柚子様
・ミク様
・忍月様
・たもつ様
・馬屋様
・てら様
・noeru様
・Dr.クロ様
・柏様

【世界観、メンバー】>>1

【物語】
プロローグ>>2

第一章〜神様チルドレン〜
>>3>>4>>10>>14>>18>>21>>25>>26>>29->>33>>35>>38>>45>>56>>59


【参照900突破記念雑談】>>34
【バレンタイン番外編】>>41
【替え歌(ナル姫様より)】>>44

Re: 神様チルドレン【オリキャラ募集中】 ( No.28 )
日時: 2012/12/17 17:50
名前: 三月兎 (ID: eldbtQ7Y)


ありがとうございます!

頑張って更新したいと思います*\(^o^)/*

Re: 神様チルドレン【オリキャラ募集中】 ( No.29 )
日時: 2012/12/23 18:14
名前: 三月兎 (ID: eldbtQ7Y)

「……さすがの団長も、怒ってるんじゃないの?影無さん」

銀髪を風になびかせながら、碧眼の少年は小さく呟いた。右側だけ前髪が長く、右目は見えない。
しかも、グレーのパーカーに黒いマフラー、黒い長ズボンと服装にあまりこだわりはないようだが、女性的な整った顔の持ち主だ。
公園のベンチに座っているのだが、異常に似合わない。

「今、団長に現地集合にしてくれって送ったし、大丈夫だろう。……それに、またあいつのせいだしな」

少年が影無と呼んだ、彼の隣に座っている青年は、イラだだしげにそう答える。
黒髪にコートを着ている彼もまた俗に言うイケメンだが、切れ長の鋭い赤と紫のオッドアイが常人とはちがうオーラを放たせていた。前髪が長すぎるのは、その目を隠すためだろうか。

「雅……嘘でいいから笑顔を作れよ」

影無はむすっとしている少年に言う。しかし、彼が表情を変えることはなかった。

「すみません。お待たせしてしまって」

突然の遠慮がちな声に、雅はふと顔をあげた。
影無はそれと同時にスッと立ち上がった。先ほどの苛立たしげな様子は消え、爽やかで優しげな笑みを浮かべている。

「いえ、俺たちも今来た所なんで」

そんな言葉を並べて笑う影無の前には、一人の女性と青年が立っていた。
女性はフワフワした柔らかな短い茶髪に色白の肌をしていて、垂れ目な大きな瞳が特徴の美人だ。森ガールのような服装も、雰囲気とあっている。
その後ろに立っている青年は、ぽりぽりと黒い短髪をかきながら苦笑を浮かべていた。

「じゃあね、純ちゃん」

女性は影無たちに一礼すると、ニコッと音がなるような笑みを一緒にきた青年に向ける。
純ちゃんと呼ばれた青年も、「あとでねー!」と声をかけた。

「おい」

女性が角を曲がり姿を消した瞬間、影無は今だ顔の緩んでいる純一の肩を掴んだ。純一も180cmあるが、影無はさらに大きいので威圧感が半端ではない。
声も女性がいた時よりずっと低く、ドスのきいた声色だった。

「まーた義母さんとデートかあ?いい身分じゃないか」
「あ、いや、ほんとすみません」

ニコニコと邪悪な笑みを浮かべる影無に、純一はヘラヘラと間の抜けた笑みを返した。

「ハハハー……いやあ、連絡に気がつかなかったんスよねー……」
「影無さん。そろそろいかないと本当まずくない?」

言い訳を続けようとする純一の言葉をとぎり、雅は赤く染まった空を見上げる。
影無は「そうだな……」と小さく声を漏らした。

「説教は面倒だから他のやつにしてもらえ。ショータイムまであと少しだしな」

影無はふふっと妖艶な笑みを見せる。
雅はなにも言わずに頷いた。

Re: 神様チルドレン【オリキャラ募集中】 ( No.30 )
日時: 2012/12/26 13:14
名前: 三月兎 (ID: /dHAoPqW)


「やあ、遅かったね」

響はキュッと目を細めて、柔らかな笑みを向けた。
一方、向けられた影無は純一に目をやる。
雅は「ごめん」と、平然な顔をして言った。

「っていうか、さっさと仕事しよーぜ。いつまでこんな茂みの中で話すんだよ」
「まだ集まったばかりだろ、尚兄。……ってあれ涼君いなくないか?」

ふてぶてしい態度で木にもたれかかる尚に、蘭斗は苦笑を漏らす。
しかし、それと同時に響は真剣な表情で口を開いた。

「確かに尚の言う通りだ。仕事は早く終わらせた方が安全だしね」

そう言うと、スーツの懐から仮面を取り出した。鐘咲家のリビングにおいてあった、あのピエロの面である。そしてそれを自らの顔に重ねた。

「影無たちがいなかったからここで説明する。まず今回の仕事についての注意だ」

響の言葉に、全員が顔を見合わせた。彼が仕事に注意をもたらすなど、なかなかないことだったのだ。

「第一に、殺しはするな」
「……は?」

風谷は思わず間の抜けた声を漏らす。美雨もまいも瞳をパチパチさせた。
全員(珍しい……)と心の中でつぶやく。

「もちろん、自分の命が最優先だ。殺されるくさいなら殺せ」
「……今までより世間体を気にしているのはどうしてだ?」

メガネのしたの目を響きに向けながら、航は腕を組んだ。
響はくくっと肩を揺らす。表情はわからないが、笑っているのだろう。

「俺は世間体なんて気にしてないよ。ただ日本の犬は優秀だからね。少し遊んで見たくなっただけ」
「……人を殺さないことで、わざと証拠を残すのか?」

風谷の問いかけに、響は「そのつもり」と頷いた。

「まあ結局は、純一が全部なかったことにしてくれるからね」

響はそうつけたすと、茂みの向こうにそびえ立つ巨大な建物に向き直る。
第豪邸という言葉では収まらないほどの大きさの家だ。マンション何個分だろうか。
白をベースとしているせいか、大きさの割には地味な感じもする。

「じゃあ、始めようか」
「ちょっと待って響さん!涼は?」

立華の慌てた声と共に、ポケットに入っていた響のiPhoneが音を立てた。
音楽はショパンの大洋。意外と言うのか彼らしいと言うのか。

『あ、団長?』

年の割に高い、子供のような声が響の耳に届いた。
大声で喋っているのか、声は他の団員にも聞こえていく。

「涼か、どうだい終わった?」
『はい!一応ね、コントロール室までの警備員はあらかた気絶してもらいましたよ。うっかり死んじゃってるかもしれないけど、それは相手が銃を向けてきたので』
「そうか、じゃあ俺たちも行くよ」

響は通話を切ると、「きこえたでしょ?」と団員を見た。

「ふーん、涼だけ先に行かせてたのね」
「ああ、コントロール室までいきたいけどカメラには出来るだけ写りたくないだろ?だから警備員が応援を呼ぶ前にその場にいる全員を倒して、コントロール室でカメラを壊しちゃえばいいかなと」

夢穂は呆れたように自分の父親を見たあと、隣にいるちとせに視線をやった。

「ちとせ、頑張ってね」
「……ん」

ちとせは小さく頷き、茂みの中から出た。

Re: 神様チルドレン【オリキャラ募集中】 ( No.31 )
日時: 2012/12/29 21:33
名前: 三月兎 (ID: /dHAoPqW)


「派手にやったな、涼のやつ」
「これ、音立てずにやったってすごいっスよね」

玄関からコントロール室までの廊下で何人か倒れている警備員を見つけ、影無と純一は感嘆の声を漏らす。
ちなみに今回は、玄関からどうどうと入って行ったのだ。
長く豪華な廊下は静かで、大富豪の家というよりも何かの施設のようだった。

「……にしても、ガード甘くない?」
「そんなことないよ。だから涼の通った道以外は通れない」

あたりを見回しながら呟く詩織に、響はたんたんとした口調で言った。
そして「あっ」と仮面をとって、ヒラヒラと手を降る。

「もー……、もっと急いでくださいよ。僕一人だったんですから」

そこには、コントロール室から顔を出した涼の姿があった。
額に眉を寄せ、ムゥっとした表情を作っている。

「悪いね。助かったよ」

響はそんな涼に爽やかな笑みを見せ、彼のいるコントロール室に足を踏み入れた。
蘭斗たちもあとに続き、思わず驚愕に目を見開いた。

「凄いな……!」

彼らの目の前に広がっているのは、大量にあるコンピュータの画面だった。いくつもの関しカメラの映像が流れ、彼らには理解不能な機会が並んでいる。
響はそのうちの一つに手をかけ、中を確認し始めた。

「あー……やっぱり俺たち写ってるな……。ちとせ、いける?」
「……うん」

響きが振り返ると、ちとせはコクリと頷く。
そしてスタスタと光を放つ機械に近づき、自らの右手を躊躇なく画面に突っ込んだ。
ズブズブと沈むような手は画面の中に入れていき、感触を確かめてから足をいれる。最終的に、彼の体は完全に機械の中に沈んで行った。

「レアな能力だよな。機械の中に入れるなんて異常な……」
「航には言われたくないでしょ」

画面を見つめ呆れたように言う航に、立華は苦笑を漏らす。
そしてその瞬間、ブレーカーが落ちたかのような、ブッという音が室内に響き、部屋全体も機械も真っ暗になった。

「ひゃあ!な、なんでー……」

美雨はビクッと肩を動かし、不安げに目を泳がせた。
風谷は「はあ……」と小さくため息をつく。

「恐らくこの屋敷は、証明までコントロール室で完備してたんだろう。ちとせのやつ、機械の中で全部壊したのか」
「ごめん」

ちとせは機械の中からひょっこり顔を出し、珍しく頭をかいた。
響は顎に手を当て考えるポーズをとったあと、「じゃあ……」と声を漏らした。

「機械が全部壊れたから警報こそならないが、全体が停電になり玄関からコントロール室までの警備をしていた人間と連絡が取れなければ、間違いなく侵入者を探し出すだろう。ここはバラバラに動くか」

そう言ってメンバーに視線をうつす。そしてにっと口角をあげた。

「よし、いつも通りのメンバーで動いてね。樹と尚と蘭斗、影無と雅と純一。詩織と美雨と立華。涼と航とまい。それで俺とちとせと夢穂ね」
「了解」

メンバーが声を合わせるのと同時に、響は仮面を再びつけた。

「今回の目的は白い少女だ。その子をただ奪還すればいい」

白い少女……それは一体何者なのか、メンバーはまだ知らない。彼らはただ、響の意思に従うだけなのだから。

だから誰も突っ込んだりはしない。
『奪還』の意味が間違っているということに。

Re: 神様チルドレン【オリキャラ募集中】 ( No.32 )
日時: 2013/01/02 23:23
名前: 三月兎 (ID: CWUfn4LZ)


「あー、くそ!どうしてこんなことに……あのクソ豚上司が!豚丼にするぞ!」
「いいんですかー?警察が悪態ついて」

株式会社社長仙川勝彦の屋敷で、盛大に悪口を吐く雨宮に、朔は呆れた様子でつぶやいた。
雨宮は鬼の形相で朔を睨みつける。

「今俺は虫の居所が悪いんだ。余計なこと言うな」

それだけ言うと、雨宮はあからさまに舌打ちをした。
普段は割と冷静な雨宮にしては珍しい態度だが……明らかに八つ当たりである。
朔は再びため息をついた。

「仕方ないですよ。俺たちはたからみたら暇人ですから」

朔は小さな声で言うと、腕時計に目をやった。
時計の長い針は7の場所を示している。いや、正確にはもうすぐ示そうとしていた。

(もうそろそろだな……)

朔の頭の中にはこの屋敷の主人、仙川勝彦の姿が蘇ってきている。

白髪頭の彼の身長はそんなに高くないだろう。太り君な体に高級そうな赤いコートに黒いスーツを着用し、指にギラギラの指輪をいくつもつけ笑顔で雨宮や朔を睨をむかえいれた。

(むかえいれたっていうか……)

朔はそこで3度目のため息をつく。
そう、彼らは招かれたわけではないのだ。仕事として呼び出されたという方が正しい。

今回、仙川勝彦は自らの集めた世界のお宝披露パーティを7時か開催するらしく、警察を護衛けん警備として呼んだのだ。
仙川勝彦は裏社会と関わりがあると噂されているが、警察関連への投資が凄まじい。お店でいうお得意様なのである。彼からの頼みはできる限り断りたくはない。

しかし警察側からすれば、一人一人が大切な人材だ。はっきり言わずとも、言いたいことはわかるだろう。

「あー……俺はこんなことしている暇なんてないんだ」
「だから仕方ないですよ。久我満の証言は精神に異常をきたしているとみなされ上層部はガン無視だし、あいつや神様チルドレンをまともに調べている俺らも完全に暇人扱い。そりゃこの仕事に回されますよ」

プライドの高い雨宮は、こんなことしたくないのだろう。
朔にもわからないことはなかった。
自分たちと対立するべき裏社会の人間に、金の力だけで屈しへこへこ頭を下げている。こんなにバカバカしいことがあるだろうか。
まあ仙川が裏社会と関わりがあるとは決まってないのだが。

「……にしても、どうして我々を呼んだんでしょうか。この警備なら安全でしょうに」
「……そんなの証人に決まってんだろ」

朔が屋敷の地図に書いてある警備員の人数や配置に疑問を投げかけた時、雨宮はタバコを取り出しながら呟く。

「証人……?」
「そ、お宝の山を見せる中、自分に何があってもいいように」
「……あのですね。さっきから仙川を裏社会の人間って決めつけてますけど、それ良くないですよ人として。あとここ禁煙です」
「あっ!おい返せよ!」

朔にタバコを取り上げられ、雨宮はさらにムッとした表情でスーツのポケットに手を突っ込んだ。
朔は自分のスーツの胸ポケットにタバコをしまい、仙川の部下から受け取った通信機をいじる。とにかく暇なのだ。

「あ、朔。あのさ……」

その時雨宮が口を開いた途端に、ブッという何かがきれるような音が響いた。
そしてそれと同時に、室内は真っ暗闇に包まれる。

「な……停電!?朔!警備員達に連絡を入れろ!」
「はい!」

朔は雨宮のことが見えなかったが頷き、いじっていた通信機のボタンを押した。
雨宮はその間に携帯を取り出し、その明かりと共に当たりを見回す。

「しっかし、パーティで電気を使いすぎたのか?」
「あ、雨宮さん!」

朔はバッと通信機から顔をあげ、雨宮は携帯の光を顎に当て彼を見た。

「ちょっ!こんなときにふざけないでくださいよ!」
「スマン。ただの停電だろう?」

ハハハと愉快そうに肩を揺らす雨宮に、朔はフルフルと首を横にふった。
そして神妙な表情で口を開く。

「玄関からコントロール室までをみていた警備員16名と連絡がつきません」




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