複雑・ファジー小説
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- 本の中の世界には…
- 日時: 2015/07/04 19:36
- 名前: あいす (ID: E/OZE6Yo)
こんにちは 初めまして!あいすと申します!
今回、初めて小説を書くのでとっても緊張しておりますが
精一杯頑張りたいと思います!アドバイスとかありましたら
是非お願いします!
それでは始めます!
オリキャラ募集用紙>>18
私の名前は灰狐亜美(はいこ あみ)高校1年生、ごく普通の高校生活
を送っている。
「ただいまー!あれ?誰もいない…」
普段なら母が台所で夕御飯を作っているはずなのに家の中はとても
静かだ。少し寂しい。
そしてふとテーブルに目をやるとそこには
「亜美へ、お母ちゃん少し出掛けてくるから夕御飯適当に食べてね」
という、メモが置いてあった。
「まったく…お母さんどこいったゃったのかな?」
亜美がぶつぶつ言いながら冷蔵庫を開けると中には調味料とサラダしか
なかった。
「はぁ?なにこれ!?こんなことありえる!?サラダだけ?…チッ」
思わず舌打ちするほど亜美は腹が立った。
「もう夕御飯はいいやー食べなくても。最近太ってきたし」
そして亜美は二階にある自分の部屋に行くことにした。
二階には亜美の部屋ともうひとつ、おじいちゃんの部屋がある。
おじいちゃんの部屋はいつも鍵がかかっていて入れない。
おじいちゃんの部屋にはどうやら本が沢山あるらしい。
亜美はおじいちゃんの部屋のドアのぶに手をかけた。
「もしかしたら入れるかも!…なんてね(笑)」
「ガチャッ…」
「ええっ!うそっ!開いた!すごいすごい!」
亜美はためらいもせずおじいちゃんの部屋に入った。
「うっわああ!ホントに本ばっかじゃん!」
おじいちゃんの部屋は本で埋め尽くされていた。
けっしてごちゃごちゃしている訳ではなく、本棚に綺麗に整頓されている。
しかし、一冊だけおじいちゃんの部屋の中心にあるテーブルの上に
置かれている本があった。亜美はその本を手に取った。
「あれ?この本題名がない…?」
本の表紙には何も書かれていなかった。裏を見ても何も書いてない。
「変な本…」
そして亜美がその本を開いた…瞬間
亜美の視界が真っ白になった。
とてもまぶしい。
「きゃああああああああああああああああああああああああ」
亜美はものすごい声をあげた。まるでジェットコースターに乗っているようだ。
そして光が消えた頃にはもうおじいちゃんの部屋から亜美はいなくなっていた。
- Re: 本の中の世界には… ( No.55 )
- 日時: 2016/01/23 00:34
- 名前: あいす (ID: rd7NbV2E)
「ふぅ、以外と遠かったね」
亜美は少し息切れをしていた。
初子もだいぶ疲れているようだったが、男たちはあまり疲れていないようだ。
「わぁっほんとうに街があったんだー!僕、なんか食べたい!」
陽太は目を輝かせながら周りをキョロキョロしていた。
この街は今まで行ったところの中で一番現代的なところだとスルトは思った。
「ここはやけに現代っぽいな。人々も片手に端末のようなものを持っているし、服も随分現代的だな」
スルトは冷静に言い、また城へ向かって歩き始めた。
「えぇ!?まだ歩くの?」
初子はバテバテのようだ。
「僕がおぶってあげよっか?」
陽太がニコッとしてそう言ったが、初子は顔を赤らめて
「いいわよ!ま、まだ歩けるわよっ!」
と、焦りながら言った…そのとき
「うわあぁぁぁやめてくれええええええ」
という声が少し奥の方で聞こえた。
4人は顔を見合わせうなずきあうと、声のした方へ走った。
すると、そこにはぎゃあぎゃあと泣きじゃくる大人と……
「なにあいつ!?」
4人は思わず声を合わせて言ってしまった。
そこにいたのは白髪で後ろでひとつ縛りにしたアホ毛が特徴的な
少女だった。白シャツに、赤いネクタイにスカートという制服のような格好をしていた。
そこまではよかったのだが……
「あ、脚がない……しかも、宙に浮いてる………」
亜美は目を見開きながら言った。
なんとその少女には脚がなく、宙にふよふよと浮いていたのだ。
「えええっ!?なんで浮いてるの!?」
陽太はその場であたふたしていた。
そのとき、少女は亜美たちに気づいた。
少女は指を指して
「そこにいるのは誰ギガ?この街の者ではないギガね」
と、亜美たちに言った。
「あ、あのえっと…」
亜美が焦っていると亜美の背後からサッとスルトが出てきた。
「お前こそ誰だ?なぜ宙に浮いているのだ?」
スルトが少女に容赦ない一言をぶつけた。
「なんだお前?失礼なヤツだギガ」
場に重たい空気が流れた。さっきまで泣きじゃくってた大人も静にうつむいた。
「私は………………」
少女がさっきまでとは違う鋭い目でスルトを睨んだ。
どんどん緊張感が張り巡らされた。
「………おっ!電波が届いて情報ゲットだギガ!!」
「!?」
スルトは一瞬静止した。
「えーっと………」
「おい、ちょっとまて」
スルトの話を無視しようとする少女をスルトが睨み付けた。
「俺はスルトだ。てめぇは何者だ?」
さすがに少女も怖い顔をしているスルトを無視することができなかった。
「やれやれ……私は………」
陽太は息を飲んだ。
「………『アンテナンちゃん』だギガ」
「は??」
初子が首をかしげた。
「だから、私は『アンテナンちゃん』っていう名前だギガ」
「………は?」
- Re: 本の中の世界には… ( No.56 )
- 日時: 2016/01/23 00:38
- 名前: あいす (ID: rd7NbV2E)
「アンテナンちゃん?」
亜美は聞き返した。
「そうだギガ!」
「ずいぶん変わった名前ね」
亜美は苦笑いした。そんな中、さっきまでビクビクしていた陽太がアンテナンちゃんをジッと見ていた。
「君、なんか強そうだね」
「そりゃあそうだギガ!」
アンテナンちゃんはニヤリと笑った。そして、スッと上に上がると、空に指を指した。
「私は!第16軍総指揮、アンテナンちゃんだギガ!!」
アンテナンちゃんがそう叫ぶと、周りにいた人々はがわっと声をあげ、拍手をした。
__________敵だ。
亜美が3人の方を見ると、3人とも武器のカプセルを持っていた。
亜美も慌ててカプセルをポケットから出した。
アンテナンちゃんは今度は4人の方を指差した。
「私はついこの前、この街を住んでいた人々ごと支配したギガ。
だからもしも今私に逆らおうものなら、お前らの命は無いと思えギガ!」
そう言うと、人々は一斉に武器を構えた。
スルトは舌打ちをすると、『3人に武器のカプセルをしまえ』と
指示を出した。
とりあえずスルトに従い、亜美はポケットにカプセルをしまった。
そして、スルトが口を開いた。
「なぁ、俺たち別にお前らに逆らうつもりはないんだよ」
「!?」
亜美はスルトの言っていることが理解できなかった。
「ス…スルト君?この人は敵…」
亜美が言いかけると、スルトは亜美の口を手でふさいだ。
「俺たちはただ、旅をしていただけだ。そしたらたまたまここに着いてしまっただけなんだよ」
スルトはありもしないことを次から次へと話していく。
亜美たちは少しうなずいたりしながら黙って聞いていた。
「ふーん…それでお前らはここに来たって訳ギガ?」
アンテナンちゃんはまだ半信半疑のようだ。
そして、アンテナンちゃんは周りをぐるりと見回し、はぁっとため息をついた。
「みんな、武器を下げるギガ」
そう言うと、人々は一斉に武器を下げた。
「お前らを信じたギガ」
アンテナンちゃんがそう言うと、スルトの表情が少し軽くなった。
「でもまだお前らを100%信じた訳ではない」
スルトの表情がまた険しくなった。初子もスッと身構えた。
「お前らをとりあえず城へ連行する」
アンテナンちゃんはまたニヤリと笑った。
- Re: 本の中の世界には… ( No.57 )
- 日時: 2016/01/31 23:55
- 名前: あいす (ID: YxUxicMi)
4人は大勢の警備員に囲まれながら城へ連れて行かれた。
街の人々がこちらを見ながらひそひそと話している。
4人は、うつむきながらひたすら歩いた。
「さぁ、ついたギガ」
顔をあげると、そこにはサラダを着陸させたところから見たものにそっくりな城がそびえ立っていた。
「やっぱりお城だったんだ…」
亜美はボソッと言うと、警備員に連れられ城の中へ入った。
城の中は、とてつもなく広かった。
天井には、豪華なシャンデリアが吊り下げられており、壁には絵画がかけられていた。
4人は、ある部屋に通された。
アンテナンちゃんがドスンと広めの椅子に腰をかけた。
「お前らは旅をしてここに来たって言ってたギガね」
アンテナンちゃんは落ち着いた口調で話始めた。
「あぁ、その通りだ」
スルトは表情ひとつ変えずに相づちをうつ。
「お前らはなんとなくこの世界の者ではない気がするギガ」
アンテナンちゃんはジッと4人を見つめる。
なんて勘がいいんだ。初子はそう思いながら、自分の手を握りしめた。
「そ、そんなわけないでしょ!」
「ふーん…」
アンテナンちゃんは、自分のポケットから小さいナイフを取り出し、陽太の方へ投げた。
「陽太君!危ない!!」
亜美はカプセルを取りだし、剣を出した。亜美は陽太の前に行き、剣で間一髪、ナイフを防いだ。
「ありがとう、亜美ちゃん!」
陽太は表情を和らげた。
「あははははははははっ」
突然、アンテナンちゃんが笑い始めた。
「よくこの世界の人が武器を使いこなせるギガね。しかもただの旅人が!」
________しまった
今までスルトがついてきた嘘が全部無駄になってしまった。
亜美の顔が一気に青ざめた。
「ヤバい」
スルトは3人に指示を出した。
『武器を構えろ』
敵だらけのこの街で今、戦闘が開始された。
- Re: 本の中の世界には… ( No.58 )
- 日時: 2016/02/02 17:42
- 名前: あいす (ID: YxUxicMi)
「さあ!みんな、行くギガ!」
アンテナンちゃんが亜美たちを指差すと、ドアから警備員たちがドサドサと出てきた。
「この警備員たちも第16軍のようだな」
スルトはぎゅっと銃を握りしめた。
亜美たちは一生懸命武器を振るった。
「みんな、あんまり部屋の中で派手にやらないほうがいいかも!」
陽太がそういった頃には、天井からパラパラと砂が落ちてきていた。
「このままずっとやってたらいずれこの城は崩れる。そうすれば 僕達、この城の下敷きになっちゃうよ」
「そうね、場所を移しましょう!スルト、いい?」
初子はこの部屋にいた、最後の警備員を斬った。
「その方がいいだろう。でも…」
スルトが言いかけたとき、アンテナンちゃんは初子とスルトの間にスッと入った。
「さすがギガねぇ、多分お前らは林檎ルナを倒したやつらギガね」
アンテナンちゃんは少しうつむき、また顔をあげた。
「よし!じゃあもう一回街へ戻ってそこで戦うギガ!」
アンテナンちゃんは、勢いよく言うと、クルリと背中を向けた。その時、初子が刀を出した。
「敵に背中を向けるなんていい度胸ね」
初子はアンテナンちゃんの背中を思いっきり刺した。
一瞬の静けさが部屋を包んだ。
「………」
「……なにやってるギガ?早く行くギガよ」
「!?」
4人は固まった。
アンテナンちゃんの背中からは血の一滴も出ておらず、傷ひとつ無かった。
「なんで……?私、確かに刺したのに…あんな近距離で外すわけ…」
初子は握っていた刀を落としてしまった。
アンテナンちゃんは、またこちらを向いた。
「あ、言い忘れてたけど、私、物理攻撃は効かないギガ。そこんとこよろしくギガ!」
アンテナンちゃんはピースをすると、スイーっと、窓から飛んでいった。
「街で待ってるギガー!」
窓の外からアンテナンちゃんが叫んでいる声がかすかに聞こえた。
「はっ!」
スルトは目を見開いた。
「ヤバい!街で戦ったら、俺が演技した意味がなくなる…」
スルトは顔をおさえた。
「どうして?」
亜美は首をかしげる。
「俺がわざわざ演技をした意味は、街で戦わないことなんだ」
亜美はまた首をかしげた。
- Re: 本の中の世界には… ( No.59 )
- 日時: 2016/02/04 00:41
- 名前: あいす (ID: YxUxicMi)
「なんで街で戦っちゃいけないのよ!早く倒しにいきましょうよ!」
初子の怒りがだんだんこみ上げてきた。
スルトは、初子のことを無視して、さらに話を続けた。
「たしかあいつは『この街を住んでいる人々ごと支配した』とか言ってたよな?」
「あ、確かにそんなこと言ってたかも…」
「だとしたら街の人々はもともとあいつらの敵ではないということだ」
「だったらなんだっていうのよ?」
初子がムスッとした顔で聞いた。
「もし、俺たちがあの街で戦ったら、なんの罪もないこの街の人々が犠牲になるかもしれないんだ」
「はっ!」
亜美と初子と陽太の顔が青ざめた。
「おそらく俺たちが来たらあの街の人々はあいつの命令で俺たちと戦わなければならなくなるだろう。そしたら俺らは街の人々を倒さなければならなくなるんだ…」
「そんなことできないよ!」
亜美は思わず叫んでしまった。
「だから俺は行きたくないんだ!俺はなんの罪もない人の命を奪いたくない!俺にそんなことはできないんだよ!!」
いつもは静かなスルトが、亜美に言い返すように叫んだ。
スルトは我に返ると、うつむき、舌打ちをした。
「すまん」
スルトは一言いうと、窓の方を向いた。
3人は、何も言うことができなかった。
「ねぇ、スルト君」
沈黙の中、口を開いたのは陽太だった。
「僕もね、罪がない人々を殺したくないんだ」
陽太は落ち着いた口調で話しかける。
「殺したくない…スルト君だけじゃなくて、みんながそう思ってるよ。もちろん僕もそうさ」
スルトの赤い瞳が陽太をジッと見つめる。
「殺したくない…だったらね…」
陽太は軽く微笑んだ。
「殺さなければいいんだよ」
陽太の単純で深い言葉は、スルトの心に突き刺さった。
「…ははっ」
スルトは自分の銃をぎゅっと握った。
「なんで俺はこんな単純なことに気づけなかったのだろう」
スルトは床に向かって銃を撃った。
銃の音が、部屋に響いた。
「さぁ、いこう」
スルトは窓に飛び乗った。
「うん!」
後の3人も、それぞれ窓に飛び乗った。
「俺の合図でみんな一斉に飛べ。このブーツなら勢いよく蹴れば街まで届くだろう」
スルトがそう言うと、全員構えた。
「飛べ!!」
スルトが叫ぶと、4人は勢いよく舞い上がった。
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