複雑・ファジー小説

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日常における超能力の影響(不定期更新)
日時: 2016/10/24 18:21
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

第0話 ゼロ・リアクション(無反応)


スーツを着た男性は、公園のベンチで座っていた

「貴方は超能力を手にした時、何をしますか?世界征服。正義の味方。私利私欲に走る。後は……世界を良い方向に変えるとか?とはいえ、全てフィクションです。超能力の実例はほぼ無く、超能力があってもマジックの様なインチキでしょう。必ず何故か金儲けが重なります。それでも楽しませれば良いのかも知れませんが。……私も超能力系の漫画、ラノベ、アニメ等は好きです。厨二病って言われますけど、それで片づける奴が馬鹿って思うくらい。まあ、一人でこんな事を語ってる時点で私の方がおかしいのかもしれませんが。
……現実で超能力を手に入れてしまったら私の様な順風な人生を送っていた者には大迷惑です。超能力を隠して生きていないと駄目ですからね。現実は超能力者同士のバトルなんて起こりませんし、ロマンティックな展開はありません。つまり、超能力なんて現実にはいらないんです。あー……何でそんな非現実的な話をしてるのかはすぐに分かりますよ。

だって私、超能力者ですから」

男性は拳を公園の木に向かって何十発も殴る。拳には血が滲んでいる。

「私の能力は自分の身体の場合のみ作用・反作用の、反作用を作動させない能力。……人間社会に影響は出ないですね。この能力により、私の拳は全く痛くありません。血は出てるので止血が必要ですけど。そういえば、自己紹介が遅れました。私の名前は空木(うつぎ)。30歳。ただの独身正社員サラリーマン。平凡な人生をこのくだらない超能力により一時期、考え怯えてしまった小心者です」

時は戻り、三日前。

空木は残業をせずすぐに帰宅を始める。

「空木君。もう帰るのか?」

「……申し訳ありません。失礼します」

空木はその場を去り会社を出る。

「ウチの会社は残業が当たり前と言う風潮。こんな古汚い風潮が残るから過労死が増えるんですね。まあお陰で人間関係はボロボロです。友達30歳で一人もいません」

空木は書店に行き、漫画を買う。

「私はとにかく漫画が好き。一時期、不良漫画にハマって髪型を変える程に。今の髪型はツーブロックのショート、黒。気に入っています。今買ったのは超能力者が集まる高校で何か超能力バトルすると言う物語。良いですね〜」

空木は漫画をビニール袋に入れる。

「私はこの時、まだ超能力に目覚めてません。いつ目覚めたかと言うと……」

空木はシャドーボクシングをし始める。

「そう、私は漫画に出てくるキャラクターの真似を暗いトンネルでノリノリでしていた時に超能力に目覚めました」

空木は気合いを入れ過ぎて、トンネルの壁に拳をぶつける。しかし拳は全く痛く無かった。

「そう、この時に私は疑問を感じたんです。この時は超能力なんて分かりません。と言うか、漫画とかでそうですけど何で自分の能力を理解出来てるんですかね。物語だから、で済みそうな馬鹿な質問ですけどね。
私は今起こった現象を確かめる為、もう一度壁に殴りました。
結果は拳を痛める事はありませんでした。これで偶然により起こった現象と言う候補は無くなります。と言うか、正直何か神経の病気かと思いました。神経が死んで、感覚が無くなったと。しかし、握った時やその他の場合では感覚や痛みがありましたのでそれは違うと判断しました。まあ、病院は金かかるんでいかないですが。
今度は逆に特定の壁を殴ると痛くないと考えました。つまり他の壁で殴れば普通に痛いと。
結果は他の壁でも痛くありませんでした。私は拳で殴った場合のみ痛みが消えると考えました。その為今度は足のつま先で壁を蹴りました。結果、痛みは感じませんでした。つまり、拳限定の能力では無い。そう言った感じですね。
こうして自分の身体を調べて、超能力の内容に辿り着く事が出来ました。結論は結局、何も役に立たない能力です。人殴って拳の痛みを感じずに殴れるとかしか役に立ちません。まあ、マイナス効果をもたらす超能力よりはマシですね」

空木は公園を去る。

「これが電気を操る等の強力な超能力なら私の人生はもう、テロリストくらいしか道は残されていなかったでしょうね……。と言うか超能力に自覚出来ただけマシですか。超能力は日常にいらないですね……。日常で役に立つ能力なら良いんでしょうけど。浮遊能力でゴミを浮かせゴミ箱に入れられるとか」


第0話 ゼロ・リアクション(無反応)完



日常における超能力の影響は、あまり無い者から大きく関係する者まであまたあります。それをひたすら書き込みます。
思いついた超能力をただ書くだけなので不定期更新です。そんなに力入れてません。なので軽ーく見て頂ければ幸いです。
また一話ごとに、主人公違います。世界観は共通してますけど。



書き込む予定の超能力。

コントロール不可の自然発火。

鎖と呼べる物を操れる。

インクで書かれた記号等を取り出す。貼りつける事が出来る。

自分のみ、時の速さを速める事が出来る。

Re: 日常における超能力の影響(不定期更新) ( No.29 )
日時: 2017/01/06 17:19
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

第二十三章 全人類骨格標本神と骨父ゴッドファーザー

高校の屋上で呟いている少年がいた。

片方の手にはスマホを持っていた。

「早く公開処刑しろよ」

スマホはネット配信されておりコメントが次々と書かれ始める。

少年は自殺をしようとしていた。

学校の体罰によって彼は被害を受け死ぬつもりでいた。

「人生に未練は無い。もう限界だ」

痣だらけの身体で彼は飛び降りようとする。

すると、彼の頭の中で何かが叫ぶ。

「後ろを見ろ」

彼は後ろを見ると少女が歌を歌っていた。

「地平線に広がる景色が君が見る最後の景色〜♪」

「……」

スマホのコメントは騒ぐ。

「な、何?」

「どうなってんの?w」

「wwww」

少女は少年を見る。

「死んじゃ駄目よ。プリキストン!貴方は一人だけど倒すべき魔王も一人よ!」

「ま、魔王?プリキ……何?」

少女はキョトンとする。

「……あれれ?台詞忘れたの?此処は、そうだった!私と同じく魔王も一人でこの世界を支配しようとしている!勇者である私が一人で何も出来ないと決めつける資格等無い。

一人でも心の中には仲間がいる!でしょ」

「は……?」

「ちょっと貴方の台詞言っちゃって恥ずかしいんだけど!

もう覚えててよ!

折角、演劇部の練習している貴方を見て乗ってあげたのに!」

「いや、俺、演劇部じゃないです。サッカー部です……」

「嘘!?」

「え、ええ……後、ついでに自殺願望者で今、ネット配信してるんですよ」

「嘘、嘘!?」

「いや本当に……」

スマホのコメントの内容は皆が笑っているモノだった。

「なんwwwwだよwwwこいつ等劇団かよww」

「あれ?これ釣り?w通報しなくて良いの?w」

少女は動揺する。

「何か……邪魔した感じ?ごめんね……良く見たら良く知らない人だし」

「最初に気付けよ!明らかに死にますオーラ出してたろ!」

「演技派だね〜演劇部に入れば良いのに」

「演技派とかじゃないって!こっち死のうとしてるんだよ!もうちょっと何か緊張感持てよ!」

少女は暗い口調で歌う。(低音パート、アドリブ)

「あ、サッカー部ってあれだ〜♪え〜と何だっけ?」

「体罰で有名なクソ顧問でお馴染のあのサッカー部だよ!自分で言うと恥ずかしいよ!」

「あ、そうそう。まあ文化部にはどうでも良い事だけどね〜♪」

「良く無い!助けて!ねえ?歌わないで助けて!?」

「冗談だよ♪」

「自殺願望者に冗談聞かないから!勢いで死んじゃうんだよ!もっと優しくしてよ!」

「わがままだなー」

「死ぬ直前くらい良いだろ!」

「うっし、今なら何でもパシって良いよ。やきそばパンと牛乳買ってきまっせ」

「死ぬ直前にそんな軽い命令出す馬鹿いるかよ!」

「それじゃ死んでからやきそばパン、墓でお供えしまっせ!」

「もう良いよ!」




これが二人の出会いだった。

二人は後に芸人になる。

「……嘘!!?」

提案したのは少女。

「私が演劇部に入ったのは喜劇がしたいから!そう、つまりコントよ!コントをしたいのよ!」

「……嘘っ!?」

彼等が学校を卒業した後、芸人の育成所にコンビで入る。

インパクト重視で付けられた芸名は彼は骨父こつぷ。彼女は全人類骨格標本神。合わせて骨父と全人類骨格標本神。

「良い名前だね!」

「……嘘っ!!」

「てか、それ流行らないと思うよ!」

「……ツッコミも個性を大事にしないと駄目だから……」

「いや私は売れなくて良いんだよ。コントが出来れば良いから」

「嘘っつ!!!!」

「……」

二人はネタの方向性を決める。

「今のネタはブラック過ぎるね」

「シュールで攻めちゃう?」

「良いけど、そのキャラを続けるって言うのは本当に性格がシュールで出来て無いと駄目でしょ」

「リアリティのある設定、世界観からいかに非現実なボケを繰り出す感じで行く?」

「逆に現実で起こりそうな事を肥大化させて見るのも良いよ。コントの醍醐味は其処にあると思うから」

「でもガラリと変えるニューウェーブ的な斬新な設定も重要だよ。何よりセンスを見せつけないと」

「センスあるのかよ……。しかし名前もう少しどうにかならなかったのか?シュールのボケをはき違ってるんだよ……」



彼等は売れる事は無く静かな劇場でコントをしているだけだった。

それが22年続く。

18歳だった自殺志願者と演劇部部長は40歳になっていた。

自殺志願者は何も変わっていなかった。

「……死にたい」

しかし一つだけ変わっていた。

頭の中に選択肢が現れる。

「神からの啓示です。どちらか選んで下さい」

彼は超能力者になっていた。

Re: 日常における超能力の影響(不定期更新) ( No.30 )
日時: 2017/01/09 15:59
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

自殺願望者の能力は頭の中で二つの選択を導き出す事が出来る。ただ選んだから幸せになるとかそう言うのは無い。

選択を提示されるだけの戦闘力皆無の能力。

「一つ目は自殺するか。二つ目は芸人を続けるか。貴方は芸人を辞めても満たされる事は無いでしょう。死ぬか芸人を続けるかの二択です」

「……なんだよ。この超能力。世界を壊す超能力とかだったらいいのに……。死にたい……」

「では自殺の道を選択しますか?」

「え、え……」

彼はこれまでの人生で自分で何かをしようとはして来なかった。

芸人になったのも相方に誘われたから。

「俺は……何を選択すれば良いんだ」

40歳。彼には危機感があった。

舞台の上で司会者が話す。

「芸歴22年。全人類骨格標本神と骨父〜!」

ネタを見せるが客は誰も笑っていなかった。

後輩はネタを見て呟く。

「辞めたらいいのに……事務所からも見放されてるんだろ?」

「そうそう、マネージャーも無し。営業も無し。あるのは舞台のコントだけ。可哀想に」

明るかった高校三年生の演劇部部長も40歳。酒と男に溺れ、あの時の輝きは失っていた。

「……芸人を辞めたい。もう嫌だ」

だが辞めた後の後先を考えると恐ろしくなる。

自殺願望者と元演劇部部長はプライベートで会う事も無いしコントのネタも書く事は無い。

今はバイトをして生計を立てている。

しかし40歳を雇うバイトも少ない。

元演劇部部長は昔と違って全てが変わってしまった。

変わって無いのは。

「はい、一発ギャグ。顔の骨格が少しだけ変わりまーす」

彼女は顎の骨格を少し変えてしゃくれる。これは骨格を変えると言う超能力だが本人は深く考えて無い。

これは高校生から出来ていた事で現在もギャグと言うよりかくし芸として披露している。

「……私の人生、何だったんだろ?」

自殺願望者は頭に様々な選択肢が現れていた。

「スマホで時間を確認するか、そのままアプリを起動するか」

と言う細かい事から

「6秒後に現れる車に突っ込むか、突っ込まないか」

と言う大きい事の選択肢が現れる。

地味に数秒先の未来を見れる。

自殺願望者は家で引きこもり現実逃避していた。

すると選択肢が現れる。

「6秒後の地震から逃げるか、逃げないか」

「え?」

自殺願望者は逃げようとするが何処に逃げたらいいのか分からない。

「外は危険だろ?え?」

そして震度1の地震が発生する。

「……何だよ、震度1かよ。焦って損した」

自殺願望者は非常食の確認をする。

「まだ大丈夫か……。って死にたいのに非常食の確認するって……」

すると、古いアルバムを見つける。

「これは……高校の時の卒業アルバムだ」

突如、インターホンが鳴る。

「……誰だろ?家賃は払ってるし」

ドアを開けると其処には元演劇部部長がいた。

「……どうした?」

選択肢が現れる。

「解散話をする前に追いだす。それとも……解散する」

「……入って良いぞ」

自殺願望者は元演劇部部長を家の中に入れる。

「今まで悩んだ結果。と言うか私のせいで貴方はこんな目に……」

「いや後悔はしていない。新しいバイト先でも探さないとな。22年もやったんだ。何かの糧にはなるよ」

「これって高校の卒業アルバム?」

「ああ。非常食の所にあった」

「なんでそんな所に?」

「……」

自殺願望者はアルバムを開く。

「一年と二年の時は死にたくてしょうがなかった。俺が入部したサッカー部の顧問が体罰しててよ。ずっとボコボコに殴られてたし暴言も吐かれた」

「……そう言えば言ってたね」

「でも三年の時、お前と出会ってからさ。初めて幸せって感じられたんだよ」

「……幸せ?」

「そう、あの時ネット配信してたろ?ああ、もうネットなんて今は古いけどよ。ネットで色んな人が笑ってたんだよ。自殺のやり取リの時」

「……」

「勿論、死なずに済んだのは君のお陰だけど」

「……」

アルバムには三年生の時の写真があった。

自殺願望者は演劇部に入っていた。

「あの時の俺達に……誇れるかな。この現状」

「……頑張るだけ頑張ったよ。そう汚れてまでも。あの時の私達……笑ってくれるかな?……悲しんでるのかな?」

「……」

「もしも超能力があればこんな世界変えられるかな?

幸せになれるのかな?」

「40歳で何が出来るんだ……?」

選択肢が現れる。

「解散する。世界を変える」

「……世界を変える?」

「世界を変えると言う選択をした場合、貴方の人生の選択は全て決定します。自由意思はありませんが貴方の望む世界にする事が可能です。

ただし、飽く迄も選択を提示するだけですので選択通りの結果には……」

「俺は選択しないよ」

「……?」

「俺はもう選択しない。与えられた選択を選ぶ?その地点で自由意思なんてない。

俺は自分で進むんだよ」

自殺願望者は元演劇部部長に向かって笑う。

「あの時救ってくれたのは君だった。今こそ、俺が君を救う番だ。もう、何かを待つのはしない!」

「40歳で何言ってるの?綺麗事ばかりじゃ何も……」

「そうだ。今だから分かる。

世界を変える程の力なんていらない。

俺達は自分の世界を笑わせれば良い。また駄目になるかもしれないけど、そういう時こそ笑顔だ。

死ぬ時に笑って死ねる人生が俺は良い」

選択を提示すると言うくだらない超能力でも何かを変える事が出来る。

骨父と全人類骨格標本神は笑う。

世界を変える事よりも世界を笑わせる事の方が立派だと考える。

そして彼等は改名する。

ゴッドファーザーと言うコンビ名で。

しかし彼等は売れる事は無かった。世界は笑わなかった。

だが彼等の周りにいる人は皆、笑っていた。

「顔の骨格を変えます!」

「急にどうした!?」

「しゃくれ!」

「崖から転落しそうな時の遺書がそれかよ!?」

「葬式の写真、これにしてね!」

「嘘っ!?」

第二十三章 全人類骨格標本神と骨父ゴッドファーザー 完

高校の屋上で呟いている少年がいた。

片方の手にはスマホを持っていた。

スマホはネット配信されておりコメントが次々と書かれ始める。

痣だらけの身体で彼は飛び降りようとする。

すると、彼の頭の中で何かが叫ぶ。

「後ろを見ろ」

彼は後ろを見ると少女が歌を歌っていた。しゃくれながら。

少年は笑う。

すると、中年達が屋上でネタを書いていた。

「しゃくれてないでしょ!」

「そうだっけ?22年前だから忘れたよ」

「全く……」

少年少女は中年達を静かに笑う。

Re: 日常における超能力の影響(不定期更新) ( No.31 )
日時: 2017/01/11 22:55
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

第二十四章 魂のみの憑依者ソウルハッカー

工場で働く一人の男性は突如、ベルトコンベアに上がる。

「俺の名前は織田おだ。俺は……」

すると、他の社員がベルトコンベアに上がった織田を見て注意する。

「何やってんだ!織田!」

「……ハッ!俺は……何を!?」

「ク、クビだぁー!」

大手企業の女秘書は突如、社長の机の上に上がる。

「私は豊臣とよとみ!私は……」

すると、他の社員が机に上がった豊臣を見て注意する。

「何やってんだ!豊臣!」

「……ハッ!私は……何を!?」

「ク、クビだぁー!」

同等の事件が世界中に起こっていた。全ての事件には規則性が存在しており、尚且つ人選も人為的だった。

地位の高い者ばかりがあり得ない行動を起こしクビになる。

そして数分後、自分のやった事に大きく後悔している。

テレビを見る男性がいた。

「俺の名前は徳川とくがわ。俺はソウルハッカーの超能力を持つ人間だ。

簡単に言えば他人に憑依出来るって事。

勿論、この体は俺の本体では無い。さっきの奴等と同じ憑依されているだけ。

他人に憑依しその間に人生をめちゃくちゃにする。

これほど快楽に溺れる事は無い。

此処なら警察に挑戦状でも叩きこんで永遠のモグラ叩きでもしゃれこもうかと思ったが残念ながらこの国、いやこの世界に俺を知る人物は一人もいない。

こんなクソゲー楽しめる訳無いだろ。

最初から自分が勝つって分かるなんてクソくらえだよ。

ハッカー魂が許さないね。

別にハッカーをするのは人間だけだけど。

後は復讐相手に憑依して自殺するとか?自殺直前に憑依解除すれば問題無い。それか、別の人物に憑依して復讐相手を殺すとか。そしたら罪はその別の人物に償って貰える。

でも、ありきたりだよな……。つまらねえ。人生一度きりだろ。もっと有効活用しないと」

徳川は呟く。

「大統領に憑依して……あんな事やこんな事しちゃうか。

良いね〜。良いな〜。でも、それは最後にしよ。下手したら皆死ぬ」

徳川は思いつく。

「そうだ。超能力者に憑依すれば良いんだ」

徳川は周りを見る。

「……俺、何してんだ?」

魂は徳川の家から飛び出る。

「俺は人から見えないし、まず色んなモノをすり抜ける事が出来る。これで、女風呂を覗いたり、女風呂を覗いたり、女風呂を覗いたり。リアルで言うとスカートの中見たり……。

俺の魂は性欲で出来てるのか……?魂のみになって直、性欲が出るって。性欲の意味魂だと無いし」

魂は人間の条件を決める。

詳しく決める事でどの人間に憑依するのかが分かり、自動的に憑依する事も可能。

「超能力者。性別は問わない。はい、後は無条件で。あ、後、能力に自覚している強い超能力者で。では……」

検索結果の一番上には、下槌したつち。能力、ロングタイムワールド (精神と時の世界)がいた。

しかし、下槌は賽銭箱の上でミイラに近い姿で座っていた。

下槌。ロングタイムワールド。

時の中のスピードを自分だけ速める事が出来る。つまり人が一秒間で行う事を最低で0,5秒で行える能力。

最高で人が一万秒間で行う事を一秒で出来てしまう。

つまり、時を止まった様にする事も可能。人が一秒を感じる間に下槌は一万秒の時を過ごせる為。

刹那と永遠を併せ持つ今までの超能力の中では最強の能力。

また、本気を出せば自分のみを正常な時間の速さに出来る。つまり他の者の人生を刹那の時にしたり永遠の時にしたり出来る。だが、あくまでも自分のみ、結果的に全世界の時を狂わせると言うかなりの超能力者。

だが、それも昔。人間よりも圧倒的に多く考えられると言う事で一日を一年間と言う苦行で悟りを開こうとしたが結局生きているのか死んでいるのか分からないようになってしまう。ある意味、悟りを開いているかもしれない。

「……化け物に憑依はしたくないな」

「……」

「だが能力は手に余る程の凄さ。これで遊べば……」

魂は下槌に憑依する。

「ぐああああああああああああああああああああああ!!!!」

下槌は今でも超能力を発動している。

一日を一年間過ごしている。

それがどれだけ恐ろしいのか、身を持って知る。

「元に!元に戻さないと」

下槌は能力を解除する。すると、下槌はパニックになる。

(身体が痙攣している……!?そうか、さっきの時の流れに順応していた環境からすぐに時のずれを修正したから身体が付いてきていないんだ!!?

徐々にやるべきだった……ぐああああ……)

魂は下槌から抜ける。

「てか……誰か下槌を保護しないのかよ!?

畜生……もっと壊れ甲斐のある奴を襲いたいもんだな。

そうだ……」

魂は葬式に入る。

「死体に入れば……」

魂は死体の中に入る。だが身体が固まって動けない。

「……ちょ、予想と違う!?ゾンビみたいにならないの!?」

「え〜この後、霊柩車で火葬場へ運びます。誰か棺を運んで下さる方……」

「待て待て待て!?ちょっと待って。あれ?俺ってクールに狂ってるキャラだったよな!?大統領になるって言ってた奴が何で死体に憑依なんかしちゃったんだよ。

もう変化球なんて考えなきゃ良かった!

でも、復讐相手なんかいないぞ!そもそも友達もいないし。だからってイジメも無いし。

そうだ。俺が魂になった理由だ。

きっと重大な理由があるはず……。俺が人間だった時の記憶無いからな。

絶対、重厚エピソードが語れるはずだ」

だが、そんなに都合よく過去を持った人間、魂等はいない。超能力者=悲劇のヒーロー、ヒロイン。なんて事自体がおかしい。あり得るのはまさしく主人公くらい。

「……魂の時点であり得ねぇよ。一つくらい奇跡また起きたって良いじゃんか。何で変な部分だけリアルなんだよ。って俺は誰と話してるんだよ」

魂は途方に暮れる。

「あれ?……もっとカッコイイキャラになりそうだったんだけどな?社会に警鐘を鳴らすカッコイイキャラとか。頭がイカれたキャラとか。

何でネタキャラになってるの?性欲か?性欲の話をしたからか!?前半の俺っ!戻って来い!」

Re: 日常における超能力の影響(不定期更新) ( No.32 )
日時: 2017/01/13 19:08
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

魂は戸惑う。

「そうだ!あれだ!昔の自分を取り戻す的なストーリーなら今からでも出来る!」

魂は死体から抜ける。

「とはいえ記憶は本当に無いんだよな。手がかりが無いのに出来る訳無いか。いや、そんな感動的なストーリーよりちょっとカルトチックなストーリーの方が良いな。

なんか、理不尽的な?

腑に落ちない的な?

ちょっと考え方がクズ的な?

そっち方面で行こう。

てか、何だよ。人生そんなに甘くねえよ。人生は物語みたいにならねえよ」

魂は考える。

「どうしよう。こんな事になるならもう少し計画立ててからこんな事するんだった。

記憶を思い出すんだ。

俺は誰だ?」

魂は思い出す。

おーい、ポチ〜

「俺は少年だったのか?何でこんなに歪むんだよ」

おーい、ポチったら。

少年はそう言って犬に話す。魂の目線は少年では無く犬に向けられていた。

「何!?俺はポチだったのか?何で最初少年の視点だったんだよ。記憶がちょっとおかしくなってるぞ。魂の地点でもうおかしいけど」

すると、突如、視点はピョンピョン跳び跳ねる。

「……まさか」

魂の正体はノミ。この黒く塗りつぶされた腐った世界に復讐を誓いダークサファイアの称号を持つ小さな英雄。

名前はアーク・サーフィ。

「……」

ノミ界の英雄は最強の相棒ポチと太郎少年と共に冒険へ出るのだ。

そう、かつての兄を救う為に。

「何だよ!?このストーリー……。ノミがどうなろうと知らねえよ」

魂は思い出すのを止めた。

「俺の魂はノミなのか?ノミよりなんで俺の魂の方がでかいんだよ」

魂の大きさは野球ボール程。存在が無いのではノミと同等の存在だが。

「うるせえ!俺のキャラが……待て待て。そうだ、大統領に憑依しよう。

そう。俺はそれで……。

核爆弾のスイッチを押すんだ。

第三次世界大戦の始まりだーっ!ヒャハハハ!

……俺ってノミだったんだ」

自分を取り戻す為に魂は大統領に憑依する。

「ふいー……さて……ゴホン。俺は変われたんだ。あのちっぽけな自分から……やっと……」

大統領は気付く。

「……あれ?俺……英語話せねーよ。それに核爆弾ってどこにあるの?」

今日も魂は彷徨う。

次は貴方の番かもしれません。

第二十四章 魂のみの憑依者ソウルハッカー 完

Re: 日常における超能力の影響(不定期更新) ( No.33 )
日時: 2017/01/16 15:31
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

第二十五章 恋模様は磁力次第(ラブリーマグネット)

眼鏡を付けた女子高校生が机の上に立つ。

「わ、私の名前は空蝉(うつせみ)……。恋に奥手な女の子」

空蝉は眼鏡を外すと美人と言う昔のラブコメ要素を持っていた。

空蝉は高校生らしく恋をしていた。

相手の名前は同級生の六車(むぐるま)。父親は光速ジャグリングが出来るビックリ人間として有名。

六車はイケメンでバレー部のエースで誰よりも優しかった。

空蝉は六車に一目ぼれをしていた。

しかしそれに気づいた他の女性は空蝉を責める。

「空蝉さーん、駄目だよー。六車は貴方の……」

空蝉は泣きながら教室を飛び出る。

「恋をするのがそんなに駄目なの……?確かに六車に相応しく無い女かもしれない。けど……好きなんだからしょうがないじゃない!」

空蝉はトイレですすり泣く。

「こんな時は……」

空蝉はスマホに自分の将来の夢を録音していた。それを聞く。

「私の将来の夢は看護師になる事です……」

「この夢に向かって行かないと」

空蝉は授業中にも手を上げる。

「はいっ!やった!」

「……」

空蝉は六車を見る。

「……恋する者同士は惹かれ合うのよ」

すると、一人の女性が空蝉の元へ行く。

「何?あんた?六車に用でもあるの?キモッ」

「……」

「六車もアンタなんかうざいって思うだけでしょ。帰ってくれない?」

「助けて……六車……」

「は?何であんたが六車に助け求めてるの?あんたは」

空蝉はその場を去る。

恋する乙女は磁力の様に、反発したり惹かれ合ったり。

「私がその気になれば、皆……って駄目よ。私は他者を傷つけちゃ……!」

空蝉は超能力を持っていた。能力名はラブリーマグネット。

磁力を操る事が出来る。

磁力が無い物体に磁力を持たせたり、磁力がある物体に磁力を消したり等。

「駄目駄目……」








恋する乙女は磁力の様に、反発したり惹かれ合ったり。

今の所の物語までは。

恋する乙女だけが磁力の様に反発したり惹かれ合ったり。

此処からは彼女の主観の物語では無くクラスメイトの客観の人生をご覧ください。

妄想に恋する悲劇のヒロインを。

第二十五章 恋模様は妄想次第(ラブリーファンシー)

眼鏡を付けた女子高校生が机の上に立つ。

「わ、私の名前は空蝉(うつせみ)……。恋に奥手な女の子」

空蝉は眼鏡を外すと美人と言う昔のラブコメ要素を持っていた。と言う設定を持つフリをしている。

空蝉は高校生らしく恋をしていた。自分が大好きだった。

相手の名前は同級生の六車(むぐるま)。父親は光速ジャグリングが出来るビックリ人間として有名。

六車はイケメンでバレー部のエースで誰よりも優しかった。

空蝉は六車に一目ぼれをしていた。まるで少女漫画の主人公の様に。

しかしそれに気づいた他の女性は空蝉を責める。

「空蝉さーん、駄目だよー。六車は貴方のモノじゃない。六車、彼女いるんだよ?ストーカー駄目だって」

空蝉は泣きながら教室を飛び出る。悲劇のヒロイン気取り。実態は妄想との区別が出来なくなりストーカーになっていた。

「恋をするのがそんなに駄目なの……?確かに六車に相応しく無い女かもしれない。けど……好きなんだからしょうがないじゃない!」

空蝉はトイレですすり泣く。嘘泣きだが。

「こんな時は……」

空蝉はスマホに自分の将来の夢を録音していた。それを聞く。

「私の将来の夢は看護師になる事です……」

「この夢に向かって行かないと」

「皆や六車は私がいなくなって寂しいと思うけど私は頑張ります」

飽く迄も、自分が中心にいると思い込んでいる。

空蝉は授業中にも手を上げる。

「はいっ!やった!」

「……空蝉。この問題集を全問正解した奴だけ手を上げるんだぞ。空蝉、さっき当てられて問題答えられて無かったろ」

空蝉は六車を見る。

「……恋する者同士は惹かれ合うのよ」

すると、一人の女性が空蝉の元へ行く。

「何?あんた?六車に用でもあるの?キモッ」

女性は六車の彼女。六車が優しい為空蝉の事について注意出来なかったので彼女が代わりに六車のストーカーを辞めさせようとしていた。

「……」

「六車もアンタなんかうざいって思うだけでしょ。帰ってくれない?」

「助けて……六車……」

「は?何であんたが六車に助け求めてるの?あんたはストーカーでしょ?」

空蝉はその場を去る。

恋する乙女は磁力の様に、反発したり惹かれ合ったり。

「私がその気になれば、皆……って駄目よ。私は他者を傷つけちゃ……!」

空蝉は超能力を持っていた。能力名はラブリーマグネット。

磁力を操る事が出来る。

磁力が無い物体に磁力を持たせたり、磁力がある物体に磁力を消したり等。

それも嘘。超能力なんて現実的には存在しない。

「駄目駄目……」

全ては自分の物語の為に悲劇のヒロインを演じているクズ。

物語は人生では無い。

しかし彼女には超能力がある。

ラブリーファンシー。

恋する度に妄想が膨らみ暴走する能力。

恋は磁力や妄想の様に単純ではない。

空蝉と妄想は磁力の様に惹かれ合う。

第二十五章 恋模様は磁力と妄想次第(ラブリーマグネットファンシー) 完


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