複雑・ファジー小説

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Flight doctor stories 2
日時: 2017/10/21 12:53
名前: Rain (ID: MHTXF2/b)

帰ってきた!フライトドクターストーリーズ!
タイトルもカッコつけて英語に。
ここから始まる新たな物語。

<主人公>

仙崎海翔(せんざきかいと)

北海救命救急センターにやって来た新人ドクター。フライトドクター候補生。
黒渕メガネをかけている。
肩につくほどの長さの黒髪を、後ろで一つにまとめている。
身長175㎝。
めったに怒らない、優しい性格。
弟的キャラクターのためか、先輩ドクターの弄りのまと。本人はさして気にしていない様子。

Re: Flight doctor stories 2 ( No.36 )
日時: 2018/04/03 20:13
名前: Rain (ID: 06in9.NX)

ヘリポートまで続く青い道。
ここに足を踏み入れたのは2回目。
1回目は、ものすごく焦っていた。
今日は、違う。
急がなきゃいけないと思っているけど、心のどこかでは落ち着いた気持ちがある。
だんだんと近くに見えてきたドクターヘリ。
エンジン音がすごく大きく聞こえる。
「海翔君はこっち!」
浅野先生に指示された席に座り、ベルトをしめる。
僕の席は、機材を挟んで浅野先生の隣。
ストレッチャーが斜めに置いてあり、患者の頭の上に浅野先生が座っている。
「すみません!浅野先生!遅れたっす!」
焦った声で、ちょっとヤンキーっぽい男性ナースが入ってきた。確か、穂高さんだったかな。
フライトナースの席は、患者のすぐ横。
フライトドクターは進行方向に背を向けて座り、フライトナースは進行方向に横を向いて座っている。
穂高さんが座ったのを確認すると、ドアが閉じられた。
エンジン音がもっと大きくなる。
『先生、離陸します。』
ヘッドセットを通して、機長の声が聞こえる。
ふわりと機体が浮いて、そのまま上空に上がっていく。
ヘリポートや、建物がどんどん小さくなっていく。
『こちら北海ドクターヘリ、8時32分離陸。』
『8時32分離陸、了解。』
機長と倉橋さんの交信が聞こえてくる。
『要請内容送ります。患者、12才、女児。城岡救急1から要請。登校中の子供の列に乗用車がつっこみ受傷。重傷患者は1名、その他は軽傷とのことです。』
いったん言葉を切り、また交信が始まった。
『事故現場、城岡北小学校より一キロ南。ランデブーポイントはブラボー(B)エコー(E)52、城岡北小学校。地上支援隊は城岡ポンプ1、救急隊は城岡救急1が現地にいます。以上。』
目的地が決定した。
次は救急隊との交信になる。
『こちら北海ドクターヘリ、患者情報お願いします!』
『患者情報、送ります。患者、12才、女児。意識レベルふたけた。車にはねられ、受傷。事故当時、車は時速32キロ以上で走行。サチュレーションは90。以上、城岡救急1!』
32キロ以上・・・。
「浅野先生、高エネルギー外傷の可能性ありますよね・・・。」
高エネルギー外傷。
ある一定の速さ以上で車にぶつかったり、ある一定の高さ以上から落ちたり。
目に見える徴候がなくても、受傷原因から見て命に関わる損傷がある可能性がある状態のこと。
『そうだね、もし高エネルギー外傷だったら、ロード&ゴーする。』
ロード&ゴー。これが宣言されたら、宣言された患者を迅速に収容して、病院に運ぶなどの処置が必要になってくる。
それから、生命に関わる怪我の対応・・・、頭から体幹の怪我を最優先して治療し、その他の生命に関わらない怪我を後にして治療するという方法がとられる。
『ロード&ゴー、了解っす。』

ランデブーポイント到着まで、あと1分!

Re: Flight doctor stories 2 ( No.37 )
日時: 2018/04/08 21:30
名前: Rain (ID: OZxqQ4OG)

ランデブーポイントが見えてきた。
小学校の校庭には、救急車と消防車が待機している。
校舎には飾りつけがされている。
今日はイベントかなにかだろうか。
それで登校時間が遅くなっていたのだろうか。
『地上支援隊、着陸よろしいか?』
『着陸準備、出来ています。着陸どうぞ。』
『先生、着陸します。』
ドクターヘリが高度を下げていく。
治療道具が入っているバッグを抱え、すぐに患者のもとに迎えるよう準備する。
3メートル、2メートル、1メートル・・・。
ゆっくりとヘリが着陸した。
急いでヘルメットとシートベルトをはずす。
ヘリのスライドドアが開けられると同時に、外に飛び出した。
救急車の中に横たわっていたのは、苦しそうな表情の女の子。
「ルートとって。こっちはFASTとるから。」
子供の血管は細い。
だから、針を刺しづらい。
駆血帯を巻いて、静脈を探す。
お願いだ、1回で入って!
「ちょっとチクッとするよ!」
この子には意識がある。
だったら、痛い思いはさせたくない!
その思いが届いたのか、針は1回で入ってくれた。
「FAST、ポジティブ。」
腹腔内出血あり・・・。
「ロード&ゴーする!」
浅野先生が宣言した。

Re: Flight doctor stories 2 ( No.38 )
日時: 2018/05/02 19:11
名前: Rain (ID: FpNTyiBw)

「ヘリで運ぶ!北海!」
浅野先生が叫んだ。
「海翔君、手伝って!」
ストレッチャーを少し持ち上げて、救急車から下ろす。
お腹の中に出血があるから、内臓か血管が傷ついているのは確か。
場合によっては、緊急手術になるかもしれない。
「浅野先生、この子の連絡先とか大丈夫ですか?」
「大丈夫。」
未成年の患者は、保護者の承諾なしには緊急手術が出来ない。
もし、緊急手術をする場合には電話で承諾をとらなければいけないかもしれないんだ。
「自分の名前、言える?」
そう問いかけると、ストレッチャーの上の少女は弱々しく答えた。
「ふじおか・・・えりか・・・です・・・。」
「ふじおかさんだね。今から、ドクターヘリで病院まで行くからね。」
浅野先生の説明に、こくりと頷くえりかさん。
整備士さんにも手伝ってもらって、えりかさんをヘリに乗せる。
僕たちも乗り込んで、ドアが閉められた。
『先生、離陸します。』
機体の揺れが強くなる。
やがて、ふわりと浮いた。
上空に舞い上がったヘリは、病院の方へと向かっていく。
フライト時間は約5分。
それまでは、僕らが命を繋ぐんだ。

Re: Flight doctor stories 2 ( No.39 )
日時: 2018/06/05 18:31
名前: Rain (ID: 06in9.NX)

青い空に機体が浮いて、ぐるりと回った。
ふじおかさんは、唇を少し噛んでいる。
その唇は、青い。ショック状態だ。
「浅野先生、ショックです。」
『分かってる。ルートとってあるよね、生食入れて。』
その声を聞いて、穂高さんが生理食塩水のパックを渡してくれた。
手首の針に繋がっているチューブに、生食を繋ぐ。
『北海ドクターヘリから、風切北海。患者情報送ります。』
いつのまにか無線の順番が回ってきていたらしい。
『患者、12才、女児。意識レベルふたけた。車にはねられ、受傷。事故当時、車は時速32キロ以上で走行。サチュレーションは90。FAST、ポジティブ。ショックあり。気管挿管していません。以上、北海ドクターヘリ。』
こんな状況でも、落ち着いて淡々と患者情報を伝えている。
僕だったら焦ってしまいそう。
『すみません、あと何分ぐらいで着きますか?』
『あと2分程度ですかね。』
あと2分で病院に着く。
今頃病院では万全の体制が整えられているはず。
唇を噛みしめるふじおかさん。
よっぽど痛いのだろう。
あと少し、あと少しだけ我慢してね。
そう心のなかで語りかけた。

Re: Flight doctor stories 2 ( No.40 )
日時: 2018/06/10 22:57
名前: Rain (ID: OZxqQ4OG)

(祝)閲覧数500回突破!

話の腰をベッキリ折って登場!Rainです。
え?来るな?そんな冷たいこと言わないでくださいよ〜。
あ、そうそう。今回もメッセージ預かってきました。
今回は、前作で主役級の登場数を誇った赤川先生にお願いしてきました。
それじゃ、どうぞ〜。


「Flight doctor stories 2をご覧の皆様、お元気ですか?赤川宏明です。ついに閲覧数が500を突破しましたね。こんな駄作を見てくれる人がいるなんて、嬉しい限りです。
それでは、これからもよろしくお願いしますね!以上、赤川でした!」


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