二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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【ボカロ神曲で小説作ってみた】パンダヒーロー
日時: 2013/04/20 19:03
名前: 菜の花 (ID: TFYTRxC.)
参照: 参照1000突破ありがとうございます!!

以前同じ小説のスレがあったのですがワケあって移動しました。
お騒がせしてすいませんw
日によって更新遅れますが多めに見てやって(ry

目次↓

第1話 都市伝説 >>1

第2話 大熊リサイクル店 >>2 >>3

第3話 パンダヒーローと依頼 >>5

第4話 カラカラの林檎 >>10 >>16

第5話 中身 >>18

第6話 ばれた。 >>22 >>23

第7話 ゲームは動き始める >>25 >>28  >>29

第8話 ノイズだけ吐いて犬ラジオ >>30 >>31 >>32 >>35 >>36 >>37 >>38

第9話 ポーカー >>39 >>42 >>43 >>44

第10話 姉貴 >>45 >>46 >>47 

第11話 駆け落ちの日 >>48 >>49 >>52 >>54 >>55 >>56 >>57 >>59 >>63 >>64 >>68 >>70

第12話 診察室の声 >>71  >>72 >>73 >>74 >>76

第13話 三遊間 >>77 >>78 >>80 >>88 >>90 >>91 >>100

第14話 真実 >>102 >>105 

第15話 終止符を打つとき >>106

コメントを下さったお客様↓

・わかなです!様(またの名を『& ◆.yld.NIqP6』様)

・蟻 ◆v9jt8.IUtE様

・まっちゃあめ ◆oXO7aL7N3k様

・LEО様

・トモ氏 or 1—Cのにゃんこさん(name変えたよね・・)

・狐さん(ども。)

・桔梗様(知り合い・・・でしょうか?違ったらゴメンなさいww)

・ロイさん

・1—aのミストガンさん(やぁやぁ)

上記の皆様、有難いコメント、ありがとうございました!

雨子様特製、大熊さんイラスト! >>65 (ありがとうございます^^)

ご意見・ご感想お待ちしております♪
作者こと菜の花は、コメントをもらうと至極級喜びます。
ので、「しゃーねーなぁ」と言う読者の方は是非コメを下さると嬉しいです^^
でも、荒らし・迷惑行為等が目的のお方は即刻退場願うのでw

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【ボカロ神曲で小説作ってみた】パンダヒーロー ( No.46 )
日時: 2012/03/17 16:30
名前: 菜の花 (ID: bTobmB5Q)

***


「うわぁぁぁぁん、うわぁぁぁぁん」ボーっと姉が家を出る昨日までの事を回想していると、急に抱いていた赤ん坊が泣

き出した。

「あっ・・・・・・ど、どうしよう」私の両親は私が生まれて数ヵ月後に交通事故で亡くなった。その時から、その時今の

私と同じ年頃だった姉が、家の事を慣れないながらも全般やっていた。

もちろん私も物心ついてから、家の事はやれるだけやって来たから、近所の小さい子や、幼い子供に触れる機会がなかっ

た。もちろん両親が死んでいて、妹や弟もいなかった私は、小さい子、ましてやこんなやっと乳離れをしたような赤ん坊

の扱いなど知らない。

「えーと・・・えーと・・・・」おぼつかない手つきながらも、とりあえずあやしてみようと、赤ん坊を抱いている腕を

ゆっくりと左右にゆすった。

すると、取りあえずは泣き止んでくれたが、やはり漏らしているとか、腹が減っているとか、何か原因があるんではと、

何気なく涎かけ(ヨダレカケ)をめくった。

「ん・・・何か書いてある」涎かけの裏のはマジックで無造作に、『李沙』と書かれていた。

「これって・・・・名前、だよね。何て読むんだろ・・・」少し考えて、この名前が『リサ』と読むことが分かる。

「リサ・・・・か」


***

【ボカロ神曲で小説作ってみた】パンダヒーロー ( No.47 )
日時: 2012/03/17 18:59
名前: 菜の花 ◆GmIm2XHxIQ (ID: TaF97fNV)

***


その『リサ』という読み方が合っていたのか、それともただの偶然か—————赤ん坊の顔に笑みが広がった。

「あっ、・・・笑った・・」そして機嫌がいいのか知らないが、きゃっきゃと笑い声を上げている。

「ふーーーっ、よかった・・・」赤ん坊と云うものは、私だけだろうが泣いていると、こっちまで不安になってくる。

一息ついた所で、李沙を自分の部屋の布団に寝かせた。(姉のは持ち出されていたから)その後キッチン兼リビングへと

行き、棚に置いてある電話で、いつも生活費等を出してもらっている祖父母の家の番号を押した。

しばらく、プルルル・・・・という音が続き、「はい」と言う、いつもと変わらない祖母の声がした。

「—————もしもし」

『あら、カナちゃん。どうしたの?』この様子では、祖母は知らないようだった。

「姉貴に————」

『お姉ちゃんがどうしたのよ』

「子供が出来た」その一言を言った後の沈黙は、大体たっぷり1分はあったのをよく覚えている。

『—————っは?』祖母は素っ頓狂(すっとんきょう)な声を上げ、電話越しからでも驚いたをしているのが見え見えだった。

『そ、それってどういう事なの?お姉ちゃんに代わって説明するように言って頂戴』

そんな事を言われても、姉は今家にいない。

「姉貴は・・・・今いない。何か『しばらく帰らないから』って言って・・・子供、私に預けて出て行っちゃった」

その行き先は、私もどこか知らないけど。

『嘘でしょ・・・・・・』祖母は信じ難い、と言うような口調で「おじーさーん」と、電話口の向こうで祖父を呼んだ。

少し経った後、電話口に祖父が出てきた。『もしもし』

「じいちゃん・・・・」

『裕香(ユウカ)・・・・・は、今・・・そっちにいないんだな』

「うん」

『————分かった。じゃあ、今からおじいちゃん達がそっち行くから、子供はそれまで預かってて』そう言って、祖父

の方から電話を切った。

その声は、とても信じられない、と言う感情がにじみ出ていた。

(そんなの、私だって————)信じられない。

          κ         κ          κ          κ         κ

その日から、色々と忙しかったけど李沙は私が面倒を見る、という事になった。

周りは「うちで預かる」、「施設に入れたらどうか」など、そのような事を何度も言ってきたが、私は頑なにそれを拒んだ。

だって、信じてるから。

姉貴は帰ってくるって。

そのせいで周りに何と言われようと、私はそれを曲げない。・・・・絶対に。

無責任でも、帰って来なくても、私を育ててくれた一人だけの姉貴だから。

「おねぇちゃん、李沙のママは、————————いつ、帰って来るの?」こんな質問をされて、言葉が出ない日もあった。

「・・・・いつ、か。絶対帰ってくる」大丈夫と、自分に言い聞かせるためにも、李沙にはいつもそう答えた。

「姉貴は—————————絶対に帰ってくる」




Я      Я     Я     Я     Я     Я     Я     Я     Я     Я



「・・・・・・・・違う。違う違う違う」大熊は何かトラウマを思い出すかのように、頭を抱えその場にしゃがみこんだ。

「違わないさ。だって・・・・」それに追い討ちをかけるかのように、ジャッカルは言葉を続ける。

「違う!」そういうと大熊はゆらりと立ち上がり、ジャッカルを見据え言った。

「お前——————————姉貴を・・・・・・・姉貴のこと、何か知ってるのか」

「知ってるさ」ニヤッと、気持ちの悪い笑みを見せ、ジャッカルが注ぎ直した酒を飲んだ。

「何をだ」

「だって———————————俺と裕香は一緒に駆け落ちしたじゃないか」


***

【ボカロ神曲で小説作ってみた】パンダヒーロー ( No.48 )
日時: 2012/03/19 18:53
名前: 菜の花 ◆GmIm2XHxIQ (ID: TaF97fNV)
参照: 大熊さんの姉、裕香さん目線でーす!

***「パンダヒーロー」第11話***




生まれてはじめて入った空港のロビーの風景を、私は後悔半分、不安半分、いや、半分どころじゃない。後悔だって、半分

どころじゃなかった。でも、こう決断したのは自分。そう考えながら、不安と後悔、そして『期待』が合わさり複雑な心鏡

で、ロビーのあと何十分で飛行機に乗る時間か示す時刻表に目をやる。

「後悔しないって、言ったのは・・・・私だしね」ボソッと呟き、先程から手にしっかりと握っているパスポートを見つめた。

それには、自分の顔写真、『大熊裕香(オオオクマ ユウカ)』と書かれている自分の名前、正真正銘の自分のパスポート。

(本当に・・・・・・・これで良かったんだ)ハァッと溜息をつき、足元の旅行鞄の持ち手を引っ張ったり縮めたりして、よく言う

手遊びをしながら人を待つ。

「裕香」後ろから不意に呼ばれ、今一番聞きたかった声の主の方へと、私は振り返った。

「ジャン!!」

人が異常に多い空港のロビーで不安がっていた私を察して、予定より早く来てくれたらしい。

「会いたかったわ。ありがとう、ちょっと早く来てくれて」

この日のために少ない小遣いを貯めて買った今日おろしたばかりの真新しい、流行のデザインのパンプスを履いた足で、

目の前にいる長身で、少し髪にメッシュを入れた男の背に目線を合わせようと背伸びをする。

「まぁ、空港来た事無いって言ってたからそれの案内もかねて」目の前に立つ男は少しぶっきらぼうな口調だが、とて

も優しそうな目を私に向けた。

この男の名前はジャン。

『ジャン』という名前が本名なのか偽名なのか知らないけど、そんなのどうだっていい。

ジャンを好きなら、愛しているなら。それに、ジャンだって私を愛してくれている。

「あ・・・・・そろそろ」ジャンが空港のパスポートをチェックする場所へと、私を誘導した。

「うん・・・・・」私達2人のこの光景は、単なる旅行ではない。

かといって、仕事上のものでもない。

—————————『駆け落ち』の為だ。

まるでドラマみたいな展開だけど、事実上今、私は空港で飛行機に乗ろうとしている。

何処か遠い、海外へ。

「——————————向こうではもう仕事は手配してある。裕香、お前も俺も、偽名で暮らす事になる。本当に・・・・・・・・

いいんだな?」

じっと私を見る彼に、私は迷わず“Yes”と答えた。

「決めたでしょ。“ついて行く”って・・・・・・」

彼(ジャン)は、私にとって初めての、家族以外で最も愛する人になったから。

もしかして、いや、きっと家族以上に愛しているだろう。




***



私の予想では、裕香さんは尽くす女のタイプ・・・・・って、自分で考えたくせに何『予想』とか言ってるんだ、私。
何はともあれ、裕香さんの愛が多少行く所までいっちゃってるのは確かです、ハイ。
んじゃ、そろそろあとがきは終了。では!
(11話終了したわけじゃないです)

【ボカロ神曲で小説作ってみた】パンダヒーロー ( No.49 )
日時: 2012/03/20 20:42
名前: 菜の花 ◆GmIm2XHxIQ (ID: TaF97fNV)



      κ         κ          κ          κ         κ



「裕香、今日皆でカラオケ行くんだけど裕香も来ない?」友人のその言葉は、高校の卒業式の後にある打ち上げの誘いだった。

「あー・・・・、ごめん。私ちょっと・・・・・・家の事で」

「あっ、ゴメン。裕香の家って大変なんだっけ」遠慮がちに言った断りの言葉を、又もや友人にその理由で気を使わせてしまった。

「ううん。大丈夫。じゃあ麻奈(マナ)、皆、バイバーイ」

「じゃーねー」制服姿のままで、楽しそうに友人達はこれから始まる打ち上げの為に、街へと出かけていった。

比較的すいていた昼間の、中途半端な時間の駅のホームには、私一人のように思えた。

辺りは人が少ないながらも行きかっているのに、妙に静かで、私だけ取り残された気持ちになり、溜息をつく。

「ハァ・・・・・・・・・・」



***

Re: 【ボカロ神曲で小説作ってみた】パンダヒーロー ( No.52 )
日時: 2012/03/22 17:42
名前: 菜の花 ◆GmIm2XHxIQ (ID: TaF97fNV)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode

***

いつもそうだ。

家の事やカナの事で、放課後友達と遊べた事なんか—————あったけ?

いや、無かったな。

第一、友達と遊びに行くのにはお金がかかる。家には、そんな余裕など無い。生活費等を出してもらっている祖父母にも、そんな

我儘(ワガママ)を言うなんて出来るはずが無かった。

「・・・・・・帰るか」そうこぼし、駅のホームを出た。私は家から高校まで比較的近いので、いつも徒歩通学にしている。

とぼとぼと一人帰りながら、冷蔵庫空っぽだから何か野菜とか買っとかなきゃな、なんて帰ってしなければいけない仕事の事を考

えながら何時もの帰り道を歩いていた。





20分後、スーパーから出て家の近くの公園を通りがかったときだった。

公園では、幼稚園の子供が保育士に連れられ散歩に来ていて、幼い子の甲高い声が五月蝿い程に聞こえてくる。

(元気だな〜)幼い子供を見て少し微笑ましい気持ちになった矢先、すぐ後ろから車の急ブレーキの音と、何かが車とぶつかった

ような、鈍い音が和やかな住宅街に響いた。

キャーッと言う保育士や子供の喚き声が飽和して、周囲は瞬く間に五月蝿くなり、突然の事に唖然としていた私も、ハッとなって後

ろを向いた。

「わ・・・・・・」見た事もない光景だった。普通車が走る事の無い歩道に突っ込んだグレーの車は、電柱にぶつかり悲惨な状況になって

いる。

車が走っていたであろう車道には、一人の男性がうつ伏せに倒れていた。血は出ていなかったが、意識は無いようだ。

「だ、誰か救急車ッ」一人の女性保育士が大声で叫び、私はほぼ条件反射的に公衆電話ボックスの中に駆け込んだ。

急いで『119』のボタンを押す。

———————そこから先はよく覚えていないけど、救急車が来て私も一緒にその男性と乗車した、と言う事は鮮明に覚えている。

病院に着いても何処か心配でずっと病院の待合室で座っていた事も。

帰り際、そっと病室を覗いたことも。

別途に横たわる男性の顔は、とても穏やかだった。

ホッとしたと同時に、この男性に同情以外の感情を持った事も。

それが、『好き』という感情だ、って事は日の経たないうちに分かったし、この日の事はずっと忘れなかった。


***


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